プロフィール

相坂一考

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版
14年7月に、難病との戦いを扱った「月の砂漠」を文芸社から出版

このブログは3部構成です。
 1.タイトルへの一言。
 2.独り言コラムで、キーワードから世の動きを捉えようと試みる。
 3.プライベートコーナー
   (2015-06-03に修正) 

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

Powered By FC2ブログ

2606 朗報相次ぐ

 あの衝撃的な小保方晴子さんの万能細胞(STEP)の発見のニュースに続いて、スポーツ、社会のニュースでは、嬉しいニュースが相次いて、気分を楽しく、明るくしてくれているのは確かである。

1・独り言コラム
 札幌市で行方不明になっていた少女、幡谷りなさんが、自宅近くのアパートで無事に保護された。警察は女の子を監禁したことで、このアパートに住む松井創容疑者を監禁の現行犯で逮捕した。男は容疑を否認しているという。道警によると二人には面識がなく、松井が待ち伏せして連れ去ったようだ。りなさんは、一時は、テープで身体を巻かれていたという。1月27日午後に、行方が分からなくなってから、6日目の朗報だった。
 スキージャンプの高梨沙羅さんが、2日の競技でも逆転で優勝し、今期で10勝目を挙げ、個人で19勝目の朗報となった。これで、スキーで、荻原健司選手の持つ日本人最多記録と並んだ。いよいよ、ソチオリンピックに、待望の金メダルをかけることになる。しかし、これだけ優勝が続くと、自信に加えて、ちょっとした不安もなくはないのではなかろうか。頑張って欲しい。
 スイスのローザンヌで行われた国際バレエコンクール(15―18歳が対象)の決勝で、日本人の高校生が1,2位を占める快挙があった。優勝したのは、長野県松本市の高校二年生の二山治雄さん、2位に横浜市青葉区の高校一年生の前田紗江さんである。バレエ界の大御所の熊川哲也さんや前田都さんらを輩出した国際コンクールであり、二人の将来が期待される。スケートのフィギュアでも日本人選手が強いことを勘案すると、日本人は踊りの世界でもその技術は世界レベルにあると言えよう。
 別府大分毎日マラソンで、トヨタの今井正人選手が、日本人トップの2位に入った。箱根の山登りで大活躍だった今井正人(順天堂)選手は、終盤で厳しく追い上げたが、惜しくも7秒差及ばなかった。優勝したのはウガンダのアブラハム・ギブリモ選手で、記録は2時間9分23秒だった。この結果、今井選手は、リオデジャネイロオリンピックの有力な候補に加わったと見てよいだろう。陸連にとってもほっと一息ではなかろうか。
 テニスの国別対抗デビスカップワールドグループ1回戦で、日本はカナダを破って、ワールドグループ制以降、初めてのベスト8入りを果たした。圧巻だったのは、3日間の大会で、錦織圭選手がシングルスに2勝、ダブルスにも勝って3勝を挙げたことであろう。なお、準々決勝は4月に東京の有明コロシアムで行われる。
 さて、今、試合が進行中の米国男子ゴルフツアーの今期第3戦、フェニックス・オープンの最終日で、期待の松山英樹選手が5番ホールを終わって、首位と4打差の4位タイ(日本時間AM4時現在)で頑張っている。初優勝にはちょっと届かないかもしれないが、上位入賞の朗報を待ちたい。
 この種の朗報は、日常生活に齷齪(あくせく)している筆者には、貴重なうるおいを与えてくれていることは確かである。

2.難病との闘い、昨日の雅子
 この日は、痰もそこそこで、穏やかな症状の一日だった。午後には、車椅子で1時間ほど過ごした。その間、テレビを見ようとはしなかった。小康状態が続いている。

3.今朝の一考
 2時半起床。体重は62.9Kg。6時推定では、62.6Kg.お天気は曇りの予報である。
スポンサーサイト

2455 永遠の0

 タイトルにゼロが付いたベストセラーと言えば、昔は松本清張さんの「ゼロの焦点」だったが、今は百田尚樹さんの「永遠の0」である。既に300万部を超える売れ行きだそうで、久しぶりの大ヒット作品だ。なかなか面白く一気に読み切った。凄く感動した素晴らしい作品だが、…。

1.独り言コラム
 作者の百田尚樹さんは、最近、テレビでよく見かける方である。ごつごつとした身体の持ち主で、なかなかのエネルギッシュな方にお見受けする。同氏のデビュー作が、この作品だそうだ。作品は太平洋戦争の史実をしっかりと捉えながら、緻密に構成された立派な作品である。それだけに、太平洋戦争の流れを理解するにはとても参考になる。
 読んで実感するのは、日本の命運をかけた戦いを指導した軍部のトップ連中が、如何に愚かであり、その思慮に欠けた指揮ぶりが、日本を敗戦に導いたという内実が浮き彫りにされていたし、同時に、特攻という、人間を人間として扱わない酷い対応に怒りを覚えたことなど、しばしば抑えられない反発を覚えたのだった。
 作品の中身は、主役である元海軍航空兵、宮部久蔵、同氏を祖父に持つ姉弟の二人、その姉の恋人、今の祖父だけが架空の人物で、それ以外の登場人物は、ほとんどの方が実在人物である。姉弟のインタビューに答えて、戦争体験を語る9人の方々は、創作かもしれないが、恐らく実在された方のお話をベースに、フィクションの部分を組み入れたものであろう。そういう意味では、この小説は、ほとんどが太平洋戦争のノンフィクション的な作品であるとも言えそうだ。但し、何処までが真実で、何処がフィクションなのかが、はっきりしていない。私事で恐縮ですが、筆者の唯一の出版本の「執念」でも、ある仲間の方から、同様な質問を受けた事があった。多分、ご迷惑をおかけしたのであろう、と反省している。

いずれにしても、戦争を知らない筆者は、大半の部分で、事実に沿ったものとして受けとりながら、この小説を読み切ったのである。
 つまり、筆者は、これが太平洋戦争だったのだという感慨を味わいながら、時々抑えきれない熱いものに堪えながら、えも言えない感動を覚えていた。この作品の中には、30数名の多くの実在人物が登場していて、この小説を一層ドギュメンタリータッチに仕上げている。その中には、たまたま、筆者の本名と同姓の岩本徹三さんの名前が歴戦の勇士として数回出て来る。調べてみると、この方は、日本海軍のエースパイロットで、ゼロ戦撃墜王という異名をもった実在人物で、生きて戦後を迎えられた方のようだ。この辺り、戦争へのリアリティを演出するなかなかのうまい構成である。とにかく、読みきるまでは素晴らしい作品だとの好印象で読み終えたのだが、…。
 しかし、読み終えた筆者が、少し違和感を覚えたのは最後のクライマックスのどんでん返しの部分だった。特攻隊の一人として終戦間際に亡くなった祖父の宮部久蔵さんの生まれ変わりが、今の祖父であるという設定である。あまりにも出来過ぎた設定が、折角のドギュメンタリータッチのこの作品を、完全な作り物にしてしまった点が不満だった。その部分が、違和感、そして若干の失望に繋がったのである。それまで、盛り上がって読み込んでいた情熱が、一気に萎えてしまった感じだった。なんだ、作りものだったのか、という失望感が妙に心の中を占める形になった。
 しかし、それは筆者の勝手な解釈、期待であって、元々この作品が小説であると考えれば、一転して、なかなかうまく構成された作品だとの評価に繋がるのである。これが史実であると思い込んだ筆者の勝手な思い込みが勇み足だったと言えそうだ。
 比較するには妥当ではないが、あの「ゼロの焦点」もそうだったが、その時代をうまく捉えながら、緻密の構成された素晴らしい作品であるかことは確かである。

2.難病との闘い、昨日の雅子
 筆者の親父さんの月命日で、昼間、病院を離れていたが、幸い大きなトラブルはなかったようだ。朝方には熱が出たようだったが、手早いクーリング対応で、筆者が8時前に病院に到着した時点では、既に平熱に戻っていた。このところいつもそうなのだが、筆者が外出している間は、比較的安定しているようである。もしかしたら、本人が意識して頑張って堪えているのだろうか。そうだとしたら、ある程度意識があるという証であり、嬉しい話であるのだが、…。

3.今朝の一考
 3時半起床、体重は62.2Kg.お天気は曇り時々雨のようだ。

2009 ほっと一息

 何事も一段落することで、人は「ほっと一息」という安堵感を味わうことが出来る。

1.独り言コラム
 遂にオウム事件の高橋克也容疑者が蒲田駅近くの漫画喫茶にいたのを通報され、あっけない逮捕となった。警察官の呼びかけに自ら本人だと名乗ったという。覚悟が出来ていたのだろう。去る6月4日にかつての愛人だった菊池直子容疑者が逮捕されたことを知って、改めて逃走に転じたが、二週間足らずの12日目での逮捕劇となった。防犯カメラの威力、メディア報道の威力の凄さを改めて認識した次第である。これで世紀の凶悪事件だったオウム事件の容疑者は全員逮捕となって、後は事件の残されている謎の解明と死刑確定受刑者への死刑執行のみとなった。但し、高橋容疑者の持ち物から、十数冊のオウム関連の本があったことから、未だに松本容疑者を信じているとの見方もあり、ちょっと厄介な話なのだが、それでも、ほっと一息である。
 野田総理が政治生命を賭けた社会保障と税の一体改革法案について、民主、自民、公明の三党による修正協議が、目標とした期限ぎりぎりで合意に漕ぎ着けた。この展開は筋書き通りだとの見方もあるが、とにかく、ほっと一息である。しかし、野田総理にとっては、党内の承認をどのような形で取るのか、という大きな課題が残されていて、越えなければならないハードルはまだまだ高いようだ。
 大飯原発再稼働についても立地自治体の承認が得られて、今日4人の関係閣僚会議で野田総理が最後の決断を行う。この決定で、大飯原発は来月末には本格的な稼働に入り、関西電力の夏場の電力不足問題は回避できそうだ。やっと一息である。
 日本で初めての6歳の幼児の脳死判定による臓器提供で、昨日臓器の摘出、移植の手術が行われ、それぞれの臓器がそれぞれの必要な患者の体内で順調に動き始めたようだ。ここでもほっと一息である。
 しかし、欧州での金融の信用不安は、明日のギリシャの選挙結果が大きなカギを握っているようである。ここでは、ほっと一息する見通しが立っていない。加えて、日本列島は、今日から梅雨空が復帰するようで、鬱としい日が続くことになる。次なるほっと一息の日が待たれる。

2.難病との闘い、昨日の雅子
 この日も、痰で苦しむことを除けば、症状はまずまずの一日だった。午後には入浴サービスを受けた。呼びかけへの反応はほとんどなく、体調の良くないゾーンに入っているように思う。

3.今朝の一考
 5時起床。体重、60.6Kg。朝から雨で、鬱っとしい日が続きそう。

1883 ドラマを超えた人間ドラマ

 ちょっとした感動を覚える人間ドラマを見た。現実が閉そく感に苛まれ、世知辛い厳しい世界だけに、そんなドラマに感動を覚える人が多いのだろうと思う。

1.独り言コラム
 初めて見るテレビ番組だった。昨夜、TBS系列のゴールデンタイムに放映された「ぴったしカンカン・スペシャル」という番組をたまたま見ていたのだ。この日はあの「不倫は文化」の発言で有名な石田純一さんの家族の織りなす摩訶不思議な人間模様を扱っていたのだが、それが大変興味深く、妙な温かさもあって、今までにないような毛並みの違った感動ドラマに仕上げられていた。気が付いたら、筆者も、思わず、最後まで見てしまっていたのである。
 改めて登場人物を整理すると、主役の石田純一さん、元妻の松原千明さん、愛娘のすみれさん、それに一時は隠し子だと言われた最初の妻との間に出来た石田壱成さん、そして、このドラマを堂々と演出した今の妻の東尾理子さんたちである。
 松原千明さんとの離婚という暗転で、父娘の出会いは十数年間も叶わなかった二人に、チャンスは巡って来て、離婚後の初めての出会いが、娘のすみれさんが生活していたハワイで実現した。立派に成長した娘との嬉しい再会でハグする二人を、早とちりした週刊誌記者が、不倫の相手だと錯覚しフライデーしたというエピソードもあったようだ。その娘さんとの空白の期間を松原千秋さんが保管していた写真を見て知る石田純一の嬉しそうな様子、そして、思わず流す涙、そこにはドラマを超えたドラマがあった。何といっても、すみれさんの素直さが飛びぬけていて楽しさを増幅していた。
 この素晴らしいドラマを生んだ功労者は、今の妻の理子さんだったように思う。もちろん、明るい性格のすみれさんの素晴らしさ、素直な人間性があってのことだが、理子さんが、タブーだとされているライバルというべき前妻の千明さんの了解を得て、すみれさんとの付き合いが生まれ、それが発展して、壱成さんとの異母兄妹との出会いを提供し、そして、この日の番組の不思議な家族の出会いのドラマを演出した張本人となった。ゴルフの腕では、トップには遥かに及ばなかった理子さんだが、人間ドラマの演出家としては、自らが主役の一人として振舞いながらの素晴らしい出来栄えであったと思う。とにかく、理子さんと元妻、そしてその子供たちとの関係が、これほど明るく感動的に取り上げられていて、素晴らしい作品に仕上げられていたと申し上げておきたい。なお、司会役のTBSの安住紳一郎アナも持ち前の巧みな話術でうまく盛り上げていたと思う。
 こんな素晴らしい人間関係を見ながら、この登場人物以外に、理子さんと結婚するまでの途上で付き合っていた長谷川理恵さんという女優さんも存在していた事実に、筆者は驚くのである。持てる男は持てるものだと思うと同時に、そんな事情を承知で受け入れた理子さんの許容量にも驚くのである。特に、理子さんの場合は、まだまだ若く初婚だったという点でも、筆者には信じられない人生の選択だったように思う。親父さんの東尾修監督の当初の怒りは当然だった。
 なかなかの素晴らしいドラマだったが、さすがに、純一さんと元妻の千明さんの交流は、成立していないところにこのドラマの素晴らしさを思う。男の夢の一つに、かつて関係のあった女性を一堂に会してみたいという馬鹿げた希望があると聞いたことがあったが、それはやはりお伽噺の世界の話なのだろう。そんなことを思い出す筆者は異常な男なのかもしれない。
 さて、お伽噺の世界はさておき、インフルエンザが大流行で、今朝のニュースでは211万人を超えたようだ。これは今までの記録を更新した新記録だという。そんな一方で、生活保護費を受領している人数も207万人を超えている。また、50年後の人口は、今の1億2千7100万人から、8993万人に減ってしまうという試算も発表されている。これはお伽噺の話ではなく、現実の厳しい話である。夢を追うだけでは成り立たないのが現実なのだ。

2.難病との戦い、昨日の雅子。
 朝の検診で、微熱(37.1度)があったが、お昼過ぎには平熱に戻ったことで、入浴を予定通り受けることが出来た。この日は、筆者が10時頃から3時過ぎまで外出していたので、雅子は一人で頑張っていた。

3.今朝の筆者
 3時40分起床。体重61.7Kg.お天気は晴れたり曇ったりの一日のようだ。

1758 サワコの朝

 阿川佐和子さんを起用した対談番組「サワコの朝」が面白い。

1.独り言コラム
 この10月から始まったTBS系列の新番組、「サワコの朝」が面白い。土曜日の朝の7時半からの放映で、2回目の昨日は、楽天の名誉監督の野村克也さんが出演していた。阿川佐和子さんは、あの「テレビタックル」の司会で、論客の猛者連中を相手に、その存在感を実証しているが、なかなかの場を作るのがお上手で、また話術にも独特の味があり、加えて妙なお色気もあって、非凡な人材だけに、なかなか面白い番組になりそうだ。
 対談では、父親が戦死し、母親一人での貧乏だった幼い頃から、お金儲けが出来る仕事と言うことで、当時のスターだった美空ひばりに触発されて歌手に、続いて俳優の佐田啓二に憧れて俳優に関心を持ったが、いずれも素質なしということで、プロ野球の選手を目指すことになったという。一時は母親から高校進学を諦めて欲しいと言われたが、お兄さんが母親を説得して峰山高校に進んで、その道の切っ掛けをつくった。高校時代では、京都の西京極球場での予選でホームランを打ったが、スカウトは誰も自分に注目しなかった。結局、南海ホークスが募集したテスト生に応募し合格して入団したという。この時、テストを受けに大阪に行くのにお金がなく、当時の学校の監督が出世払ということでは支払ってくれたという辺りは泣かせる話だった。そして、数百人が応募して、最終的に6~7人が合格したというのだが、よくぞ、その中に入ったと語っていた。まさに、人に歴史ありで、大成した人の話には感動がある。
 マー君、こと田中将大とハンカチ王子の斉藤佑樹について聞かれて、四年間プロで鍛えたマー君が一歩先んじている結果が出ていることを捉え、同氏は投手と捕手については、プロでやるつもりなら、高校から直接プロに入いることを強調していた。驚いたのは、本人は、今も闘志は健在であるので、監督の要請があれば、何処のチームだってOKだと就職活動をしていた辺り、努力の達人の凄さだろう。
 ところで、「サワコの朝」も面白いが、今年のプロ野球の行方もなかなか面白い。いよいよ最終盤に入って来ているが、ソフトバンクが優勝を決めた以外は、セ・パ共に未だに混沌としていて、何処が勝ち残るか全く掴めない状況だ。
 それに、ここに来て目立つのが、エースが打たれて勝ちきれないケースが幾つかあって、面白さを更に大きくしてくれている。例えば、一昨日の中日の浅尾拓也投手は巨人軍の反撃にあって、最終回に同点に持ち込まれたし、その前日のオリックスは、金子千尋投手が9回の裏に、当面の敵のライオンズに同点に追いつかれて、チームは結局さよなら負け、また昨日の阪神の藤川球児投手も、横浜にさよなら負けを喫している。
 エースたちも人間であって絶対ではない。だからこそ、面白いのである。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時起床。体重、61.1Kg。お天気は、今日も秋晴れの一日という。
 昨日の雅子は、この日も痰が多くて苦しんだ。時々目を開けてみてくれるのだが、焦点が定まらない時もあって心配。その一方で、朝には、テレビ画面に目を遣っていることもあった。一つ、一つの動きが気掛かりである。

3.連載、なんたるちあ(76)

    11.致命傷(6)

 幸いだったのは、社内手続き、両親会社への了承の取り付けに関しては、上司の宮田常務が持ち回り投資委員会などを行って、率先して頑張ってもらったことで、今までに無いスピーディな結論を出すことが出来たことだった。宮田常務も自らがトメタイト社にそういったお願いをしていたことから、自分の力が試されているという見方もあって、積極的に動いてくれたのである。
 両親会社から承認を得るに際しては、いずれからも投資効果について厳しく確認して来たのだが、そうしなければ現行のビジネスを守ることが出来ないと開き直って了解を取り付ける一幕もあった。かくして、投資額およそ四億、50万株強のトメタイト社株式取得作業は、スピーディに年末ぎりぎりに全ての必要な手続きを無事完了することが出来た。前回のトメタイト社の増資時に、当社に声が掛からなかった理由が当社のデシジョンにスピーディ性が欠けるとの指摘に対し、勢いで、当社も対応可能と言い切っていただけに、何とかその面目を保つことは出来たのは幸いだった。
 これで、当面のビジネスの安定は確保されたのだが、両親会社やトップが期待するシェアーの奪回には繋がるものではなかった。いずれにしても、相田にとっては波乱万丈の91年だった。
 翌92年の年明けは、相田にとっては、久方ぶりに穏やかなスタートとなった。トメタイト社との大きな課題である株の引き受けも、年末には一段落していたし、ビジネス全体も大きな落ち込みもなく比較的堅調であった。しかし、三月末の定期株主総会で二年毎に行われる役員改選が迫って来ていた。相田の頭の中では、前年度のトメタイト社でのシェアーを失うという大きな失点もあって難しいと覚悟をしている一方で、そのトメタイト社でのシェアーのロスを最小限に食い止め、株式を取得することで競合相手の新進化学に対し主導権を奪回出来た点で評価を得られるのではとの淡い期待もなくはなかった。
 いずれにしても、その株主総会が行われる直前までは必死になって業務に集中し、それ以上の失点を作らないように努めていた。
 そんな中で、相田はライバルであり友人である事業企画部長の小山の動きに注目していた。酒場などでの話題でも、同氏の下馬評は安定しており、相田もやはり同氏を有力な候補とマークしていた。それだけに、株主総会の期日が段々と迫って来るにつれて、事あるごとに、小山がもう内示をもらっているのではといった不安が相田を苛むのだった。時々社内で顔を合わせると、それなりの探りの会話を投げかけるのだが、小山は淡々として「ある訳ないだろう」と軽く笑って答えるだけだったが、相田はその返答の響きや言い回しなどを捉え、その真偽のほどをあれやこれやと忖度しながら、いろいろと一人で悩むのだった。(以下、明日に続く)

1753 実験

 歴史は実験できないと言われる。確かに時間を遡っての実験は出来ないが、未来のことに対しての実験は可能だ。智恵を出し合って難問に対処すること自体が実験なのだ。

1.独り言コラム
 またまた肩透かしだった。夕方の6時半前のニュースで、6時半頃に発表される今年のノーベル賞の医学・生理学部門で、京都大学の山中伸弥教授の受賞が濃厚だということで、学内の一角に記者会見場が設定されていて、多くのテレビカメラが待機している様子が放映された。
 そこで、暫くはニュース速報が入るのを、今か今かと待っていたのだが、結局、NHKの7時のニュースの後半で、アメリカの3人の学者が受賞したとのことが伝えられ、昨年に続いて山中教授は肩透かしを食らった。来年があると言いながらも、がっかりである。何かどっきりの実験を食らっているようで、いい加減にしてもらいたいといった気分である。
 なお、3人の中で一人は数日前にお亡くなりになっていたと言う。もう少し頑張っておられたら、歓喜の報に延命も出来ていたのではとも思うのだが、ここでも歴史は実験できないのだ。
 実験と言えば、京都駅前で、社会実験が行われている。タクシーが多すぎて駅前で渋滞を起こすと言うことで、駅構内に入れるタクシーの数を制限しているのだ。そのため、客待ちの列が出来たりし、別の混乱が起きていると言う。専門家の見方では、タクシーの数が1000台くらい多いからだという。京都市内のタクシーの数は7000台から8000台あるという。いずれにしてもお客に迷惑を掛けるのは避けなければならない。
 社会実験と言えば、政権交代後に、高速道路の無料化での社会実験が行なわれた。ローカルな地域で行われたものだが、結局は、その実験結果がどうなったのか報告がない。マニフェストで謳っていた中身が如何にいんちきだったかの一例だ。
 原発事故以後、除染が話題になっている。ここに来て、被災地に対し、1~5ミリまでは土壌が、除染の対象となったが、そこで剥ぎ取った土壌の一時保管場所が問題で、差し当たってはそれぞれの県内に保管ということになりそうだが、これも広い意味では社会実験だ。この土壌問題も単純ではなく厄介な問題でドジョウ総理がどう対処するかは腕の見せ所であろう。
 その野田内閣の売り物の安全運転も一つの社会実験かもしれない。しかし、政治、経済、社会のいずれもで、難問山積の状況で、安全運転だけでは乗り切れないだろう。ドジョウ総理の腕の見せ所は、これからである。
 何事も考え方次第だが、新しいことをやること自体が、全て実験だという考え方もある。歴史は、実験の積み重ねの連続で創られている、と言えるのではなかろうか。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、60.7Kg。お天気は、日中は晴れ模様のようだ。
 昨日の雅子は、半年ぶりの胃ろうの交換が行なわれた。実質交換に要した時間は5分少々の短時間で終了した。特に問題はなく、順調のようである。
 それとは、別の話だが、少し異変が見られた。目を開けて声を発するような様子が幾度か見られたのである。もちろん、声にはならなかったが、ある種の発声があって、これを訓練すれば声になるのではとの期待を抱かせてくれた。これから、繰り返し訓練を続けるようにしてみたい。

3.連載、なんたるちあ(71)

   11.致命傷(1)

 丸菱商事が増資割り当て株を引き受けて以来、相田らはビジネスの防衛に懸命の活動を続けていた。その甲斐もあってか、幸いにも表面上は特に心配するような変化は見られなかった。しかし、夏が過ぎて九月に入って間もなくのことだった。購買担当の外山取締役から呼び出しを受けたのである。つい一週間前にも定期的な訪問をしていたが、その時には特に何も話がなかったのだが、今度は先方からの呼び出しだった。相田は不安な気持ちを抱きながら、いつものように見山課長を伴って出向いて行った。行く前に、事前に販売担当の市村取締役に連絡を取って様子を窺って見ようかとも考えたが、市村に負担を掛けてもよくない思い、ぶっつけの訪問だった。いつにない緊張を覚えながらリザーブされていた応接室に通された。間もなく、外山取締役と亀井課長が徐に入室して来た。相田と見山は座っていたソファーから立ち上がって挨拶した。
 「どうも。どうぞ、お座り下さい。本日は急なお呼び立てをしまして申し訳ありません。どうしても、ご理解頂きたいことが出て来ましたので、お時間を頂くことになりました」外山取締役は、いつものリラックスした応接態度とは違って、極めて丁重な口調で話を始めた。いつもだと、時候の挨拶や最近の話題などの一般的な会話から入るのだが、この日は違っていた。
 「少々申し上げ難いことなんですが」外山はそう前置きして直ちに本論に入った。
 「ご承知の通り、このところ企業環境は急激な悪化を示しております。当社も、企業運営の安定化を図る意味で、今年度初めに第三者割り当ての増資を行うなど、積極的な対応を取って来ております。トップからは日常の業務活動についても全面的な見直しを行うよう強い指示もあり、それに取り組んでいるところなんです。その一環として、買い付け製品の見直しに入っている訳ですが、現在お宅様から全量を調達させて頂いているシーラントについて見直しを行い、その一部に他社のものを導入し、二社購入の体制に改めることに致しました。この変更についてのご理解、ご了承をお願いしたく、お時間を頂いた次第です。弊社の苦しい実情をご拝察頂き、宜しくご協力をお願いしたいと思います」
 呼び出しをもらった時から「いよいよ来たな!」との嫌な予感はあったものの、いざ具体的な申し入れを受けてみると、営業担当責任者としては、言うに言えない敗北感を覚えるのだった。先輩達が築いて来たビジネスに傷をつけることになると思うと尚更胸が傷つけられるようで辛い瞬間だった。(以下、明日に続く)

1729 発言の軽率さにびっくり、がっくり、うんざりだ

 本心をうっかり吐露してしまう発言が目立つ。その一方で直ぐに分かる大嘘をつく。発言はもっと慎重であるべきだろう。中には、ほっとする発言もあって救われる気持ちになることもある。

1.独り言コラム。
 今度は、鉢呂吉雄経産大臣が失言した。懸命に復興を目指して頑張っている震災地を訪れた同氏が、福島第一原発集辺に対し「死の町」とか「放射能をうつしてやるぞ」といった発言をした。コメントに値しない常識が欠如した発言で大臣の資質に関わる発言だ。本人は、直ぐに発言を撤回したというが、先の一川防衛大臣の「僕は素人」発言、平野博文国会対策委員長の正直な「今の内閣は充分な答弁ができない」などの発言は、本心がうっかり出てしまった発言だが、いわゆる問題発言である。それなりのポストにある人は、もっと発言の重さを自覚すべきであろう。
 芸能界を震撼させた島田紳助の引退会見での「大嘘」には驚かされる。「黒い交遊に関して、写真があるとか、メールがあるとか、週刊誌が何回も取り上げていたが、やっていない訳だから、そんなのがある訳がない」を興奮した表情で啖呵を切っていたが、ここに来て、続々とその種の証拠が出て来ている。直ぐに分かるような嘘を、頭のいい紳助がどうして言ったのか、理解に苦しむ。一時は、筆者もその頭の回転の良さや、捲くし立てる流暢な喋りに感心し、ファン気分になっていたのだが、まあ、結局はその程度の男だったということになる。ファン気分になっていた自分が情けない。
 なでしこジャパンはロンドンオリンピック出場を決めたが、先の北朝鮮戦で、ロスタイムでクリヤーミスをして同点を許した近賀ゆかり選手が、試合終了直後は涙を浮かべていて気の毒に思ったが、昨日は明るい顔でインタビューに答えていたのを見て、ほっとしたものを覚えた。大事なところでのミスは、時として立ち上がれないことがある。まあ、負けたのではなかったので救われた面もあったと思う。
 自衛隊の行動や核の扱いで前原誠司政調会長がワシントンで前向きの発言をして注目されている。政府内では困惑の反応も出ているようだが、果たして、野田総理とはどのような連携がされていたのか気になる。しかし、何時までも非核三原則ではないだろうし、自衛隊の手足を縛った対応はもう時代遅れである。筆者は、勇気ある発言として捉えている。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床。体重、61.7Kg。お天気はすっきりせず、午後には曇り空との予報。
昨日の雅子は、午前中は、反応が乏しかったが、午後の入浴後は、少々回復していた。9月に入って、寝たきり症状が増えている。

3.連載、なんたるちあ(47)

  8.冴えない日々(3)

 まず、年末の帰宅時の体験である。帰宅日はたまたま仕事の関係で金曜日の夕方となった。途中下車の検証を意識して、乗車券を普段なら西大津とすべきところを、同じ湖西線の西大津より三つ先の堅田とした。西大津の隣の叡山駅では、途中下車するには余りにも近すぎると考えたからである。料金は少々高くなったが研究のための必要経費と考えれば安いものである。乗車券の無傷回収を念頭に置いていたから、JRへの入場は定期券で入場、そして新幹線構内への入場も、今までの研究会の成果を活用し「自動改札を通らずに、係員のいる改札で、自由席特急券に検印を受けただけで入場した。その際、乗車券は見せたが、幸い検印を受けなかった。 
 「なるほど、検討会の事例の通りじゃないか」と相田は一種の妙な快感を覚えていた。年末の金曜日の夕方ということで、指定席は売り切れで、東京駅新幹線ホームの自由席のプラットホームは大変な混雑ぶりで、座席の確保に不安を思った相田は、思い切って三十分程度先の列車に忍耐強く並ぶことで席の確保が出来た。列車は東京駅を出る時から、自由席車両は相当な込み具合だった。多分、140とか150パーセントぐらいの乗車率だったのではと思う。しかも、この列車は新横浜に停車する列車だったので、新横浜では、その込み具合は更に大変なものとなった。通路で立っている乗客が多く、連結部分では移動が思うに行かない状態であった。このため車内販売のワゴンも自由席には来なかった。果たして、この状態での車内検札はどうなるのか、相田は強い関心を持って動向を見守っていた。
 名古屋に着いて、混雑が少しは改善されたものの、それでもまだかなりの立ち席で乗客が頑張っていた。そして、案の定、京都に着くまで自由席での車内検札は実施されなかった。その時、相田は、研究会で紹介した事例1に似たケースが、この自分の場合にも同じような軌跡を描きながら進行していることを意識した。そこで、新幹線から湖西線に乗り換えるため京都駅の新幹線構内を出る改札でも、再び研究会での知見を念頭に置いて、自動改札を避けて駅員のいる改札口を選び、そこで乗車券を見せ、特急券のみを手渡し通過した。駅員は「有難う御座います」と言って特急券を受け取ったが、乗車券にはあまり注意して見ていなかったようだった。何の問題もないスムーズな乗り換え改札口の通過だった。
 かくして、湖西線に乗車するまでは、乗車券は無傷のまま手元に残っていたのである。ここまで来ると、相田自身も幾ばくかの興奮を覚えていた。湖西線で、西大津駅までの十分間程度は瞬く間に過ぎた。ホームに降りた時、一考は、ここで、若し定期券でも持っていれば、そのまま改札を通り過ぎることが出来る。そうなれば、それは事例2のケースに該当することになる。折角、東京からここまで乗車券を無傷のまま運んで来ただけに、何とかこの「無傷のままの乗車券」を守りたいといった妙な衝動に駆られたのである。頭の中では、ここを通過できる何か別の切符でもないものかと考えたりもした。不思議な興奮だった。
 しかし、今日は乗り越しでの検証が目的でもあることを思い出し、西大津駅に着くと、相田は気息を整え、姿勢を正し、落ち着いた態度を意識して装いながら、係員のいる改札口に真っ直ぐ進み「途中下車です」と言って係員に切符を見せた。ラッキーなことに改札口も立て込んでいたことも幸いしたのか、係員は切符をちらっと見ただけで「どうぞ」と言ってくれたのである。その結果、何と、乗車券は無傷のまま手元に残ったのだった。望外の結果だった。「やった!」といった思いが胸中を駆け抜けた。いささかの興奮で鼓動が早撃ちとなっていた。検証は思っていたよりもスムーズに新しい事例を誕生させることになった。(以下、明日に続く)

1716 不安と期待が混在の週末

 担ぐ神輿は軽くてパーがいいという小沢一郎氏の名言が、今回も脚光を浴びている。ゴルフはパーはいいが、総理がパーでは戴けない。

1.独り言コラム
 小沢氏は、今の日本の危機を真剣に考えているのだろうか。総理の座をおもちゃ扱いしているようで戴けない。海部俊樹、羽田孜、それに先の鳩山由紀夫のように、かつて神輿に乗せられた方々は何を思っているのだろうか。
その鳩山氏のグループの海江田万里経産相を小沢氏は鳩山氏と合意して神輿に乗せた。鳩山氏の心境は分からないが、これで基礎票では圧倒的に海江田氏がトップに立っている。一回目の投票で200票を獲得すれば、小沢氏の思惑通りになるが、果たしてどうなるのだろうか。
 それにしても党員資格のない小沢一郎氏と既に総理を失脚した元総理が結託して次期代表、総理の選択に大きな力を発揮しているのは納得しかねる状況だ。これでは、民主党への国民の期待は完全に裏切られた形になっていると言わざるを得ない。
 その一方で、国民からの支持が高い前原誠司氏は大ピンチに見舞われている。ここに来て意外なほど前原氏への支持が伸びていない。同じグループの野田佳彦財相との2位争いが熾烈だ。支持しているファンとしては大フアン(不安)である。
 不安と言えば、118年ぶりにハリケーンに襲われている北米の東南部の方々だ。ニューヨークの37万人を含む230万人に避難命令が出ている。さすがに、米国ではスケールが大きい。
 汚染物の中間貯蔵所を福島県にお願いしたいと、菅総理が最後のお願いをしたが、さすがに、福島県としても分かりましたとは言えない。この話は、沖縄の基地問題、原発を抱える地域、更には、放射性物質の廃棄物処理場の六角村の話しに合い通じる不安を誘発する問題だ。何処かが負担、引き受けざるを得ない訳だが、…。
 スポーツの世界では世界陸上が韓国のテグで始まった。初日でのマラソンで、ママさんランナーの赤羽有紀子さんが5位に入る健闘、棒高跳びの沢野大地選手、ハンマーの室伏広治選手が一回目の試技で予選を突破し、決勝での大きな期待に繋がっている。
 TBSの独占放送だが、今回も織田裕二、中井美穂のコンビがナビゲートしている。さすがに中井美穂さんも少し容色の衰えはあるものの、二人の息の合ったコンビはさすがだ。下司の勘ぐりをして見たくなるのは、筆者の野暮な骨頂だろう。
 今週の女子ゴルフツアーでは宮里藍選手が絶好調だ。三日目の今日も首位争いを展開中だ。今週の彼女には不安はない。多分、優勝をするのではなかろうか。筆者がファンの宮里美香さんは、今週は今一つの調子で静かである。そんな時もあるのが普通の人間だ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床、体重、61.7Kg.今日のお天気は晴れ後曇りの予報だが、…。
 昨日の雅子は全体的に元気がないといった様子で、寝たきり状態の入口に来ているようで、心配である。

3.連載、なんたるちあ(34)

  6.不安な情報/事例研究会キックオフ(9)

 「なるほど、そうすると、その課長は、はつかり2号の自由席特急券は買わずに済んだのですね」土屋の説明が一段落したのを捉えて、相田が事実確認した。
 「そういうことです。このケースについても、JRとしては対策を考えなければならないポイントの一つで、会社への改革提言の対象には致しますが、この研究会では、新幹線を対象とした事例に絞っておりますから、ここではこれ以上触れません。私がご紹介しようとする事例は、この後に起きたのです」土屋はそう言って話を続けた。
 「課長は、この盛岡で、新幹線8時11分発のやまびこ4号に乗り換えて東京に向かうのですが、彼が盛岡駅の新幹線改札の手前にある自動切符販売機で自由席の切符を買って、自動改札を通ろうとしたところ、改札近くにいた職員の方が優しく手招きして手動の改札を指差してこちらを通りなさいというように案内してくれたのです。朝も八時過ぎ、始発駅で乗客もまばらだったこともあって、お通夜の着替えと鞄を両手に持っていた乗客を見た駅員が親切心からの配慮だったようです。課長は、一瞬、躊躇したものの、そこの券売機で買ったばかりの特急券だけを見せ、それに検印をしてもらって新幹線の構内に入ったのです。この事例のポイントの一つはまさにここでして、三戸―東京の復路の乗車券は無傷のままで新幹線に乗車出来たことです」
 「つまり、新幹線構内への入場時には、乗車券の検札を要求されなかったということなんですね」と相田。
 「そのようです。もちろん、乗車券を用意して手に持っていることを検札の駅員は承知していたようですが、ここでは改めてそれの確認はなかったとのです。多分、両手に荷物を持っていたこと、また自分の目の前で、特急券を買っているのを見届けていて乗客に対する信頼が潜在的に出来ていたからだと思われます。かくして、8時11分盛岡発東京行き“やまびこ4号”で東京に向かったのですが、この電車は込んでおらずのんびりとした旅だったのですが、どういう訳か、車内検札もないまま東京に到着、課長は自動改札を通らず、特急券だけを係員に渡し、新幹線構内を出たということです」
 「新幹線構内を出る際には、大抵の場合、乗車券をチェックされることは少ないですよね」自分にもそんな体験があったのを思い出してか、少し遠慮気味だったが、ママが口を挟んだ。
 「そのようですね。課長も、改札を通る際に係員に見せただけで、駅員は特急券だけを受け取ったとのことでした。そして、JRの改札はいつもの定期で出たということですから、手品ではなく乗車券が無傷のまま課長の元に残ったということです。本人も、会社に戻って来て気が付いたそうですが、これを、何もわざわざJRに届けるのも変だし、またその必要はなかろうとのことで、少し躊躇はしたそうですが、ささやかな恵みということで、この未使用の切符として払い戻したということでした。以上が『事例2』の全容です」紹介を終えると、土屋は、ほっとした様子で、残っていたグラスのビールを飲み干した。(以下、明日に続く)

1712 仰天、衝撃の展開でかすむ前原出馬

 水原弘の歌の文句ではないが「黒い花びら、静かに散った」である。異能の持ち主、島田紳助氏が芸能界からの突然引退を表明した。このため他の大きなニュースがかすんでしまっている。

1.独り言コラム
 何事が起きたのか、正確に把握できないままニュース速報を見ていた。島田紳助氏の芸能界引退会見だった。どうやら、数年前にあった黒い交際が発覚したと言うことらしい。自らの判断では、セーフと判断していたが、所属している吉本クリエイティブがこれは許されるものではないという判断で、最も厳しい対応ということで、芸能界の引退と云う結論になったという。
 本人は、その記者会見で、金銭の貸し借りなど法律に抵触することは何もしていないと弁明する一方で、社会的な責任を取りたいということだった。
 とにかくテレビ界は大騒ぎしているに違いない。人気番組のMCで、彼の才能で成立していた番組が殆どだけに、これから、どう対応して行くか、てんやわんやであろう。
 つい、二日前には、NTV系列のあの24時間テレビのクライマックスで、今年の24時間マラソンを完走した徳光和夫さんと感激のトークをしていた島田紳助氏だ。徳光さんは、このニュースに、どう思っているだろうか。
 同氏が持っていた番組は、「ヘキサゴンⅡ」、「行列の出来る法律相談所」、「人生が変わる一分間のいい話」、「なんでも鑑定団」、「クイズ紳助くん」、「紳助社長のプロデュース大作戦」、更には、TBSの「オールスター大感謝祭」などと多い。いずれも人気番組で、これからどうなってゆくのだろうか。これを期に、番組終了となるケースも出て来るだろう。秋の番組改変期というタイミングでもあり、テレビ界、芸能界は今までにない混乱に陥るだろう。困っているのは、同氏にくっ付いていた芸能人たちだ。途端に路頭に迷うタレントも出てくることなるかもしれない。その一方で、自分に順番が回って来るかもしれないということで、ほくそ笑んでいるタレントもいるだろう。
 それはさて置き、とにかく、同氏は話術においては、独特の才能を持っていただけに、このまま居なくなってしまうには、極めて惜しい気もするが、黒い交際の前には、救いようがないのだろう。
 そういえば、つい、一週間ほど前に週刊誌で、阪神の金本知憲選手が、恐喝で訴えられたという記事があった、その際にも黒い交際の疑いがあるとも書かれていた。彼の場合は、本人も完全否定していた通り、大丈夫なのだろう。
 大相撲の世界で、同様に賭博が発覚し、黒い交際が噂された大関琴光喜関は、角界から解雇処分された。黒い交際は、有名人、タレントたちにとっては、タブーで許されない世界である。
 昨夜は、もう一つ、あの一斗缶猟奇事件の犯人が緊急逮捕されたという展開があった。殺されていた二人は、妻と息子のようだ。大阪府警の鮮やかな逮捕劇に、これまたびっくりである。
 この二つの大きな展開で、民主党の前原誠司氏の代表選出馬のインパクトが大きく減じられることになったのは、前原ファンには遺憾なことだった。
 世の中何が起こるか分からないし、一寸先は闇である。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 配信時間が異例(午前1時前)で、まだ就寝していない。体重も未測定.今日もお天気ははっきりしないようだが、回復傾向にありそうだ。
 昨日の雅子は、まずまずの症状だった。しかし、前日に比べて、テレビに視線を送ることは、ほとんどなかった。火曜日は、介護士さんが多忙な日なので、車椅子での散歩はない日である。従って、寝たきりの一日だった。

3.連載、なんたるちあ(31)

6.不安な情報/事例研究会キックオフ(6)

 少し虚を突かれた相田だったが、やおら立ち上がってそれに応じたのである。
 「いや、驚きました。土屋さんの素晴らしいご挨拶がありましたので、それ以上何も申し上げることはありませんが、私の苦い経験から、一言付け加えさせて頂きたいと思います。ご承知の通り、昨年のことですが、仕事上でお上の手入れを受けたものであります。それだけに、たとえ遊びであったとしても、法律を厳守することを強調して置きたいということであります。」相田も、土屋が作ったセレモニー的な雰囲気を引き継ぎながら、最近自らに言い聞かせている考え方を披露して、一息ついてみんなの様子を窺った。
 三人とも、意外に真面目に聞いてくれていることを見て、相田は言葉を続けた。
 「とにかく、いくら悪法であったとしても、法は法であります。法治国家である以上、法律厳守を前提として楽しい研究会を目指したいということです。数年前の実例ですが、妻が勤めていたある有名大学の教授が、二つの大学を掛け持ちしていた数年間に、いわゆるキセル通勤をして逮捕されたことがありました。名誉ある地位にあった方が、「法」を侵したことで全てを失ったという残念な話もあります。土屋さんもおっしゃったように、展開によっては、誤解を受けるリスクもありますので、この研究会から得た知見の扱いには留意し、誤解を招くような適用は避けるべきであります。いずれにしても、この研究会では、大いに飲んで知恵を出し合って楽しみましょう」
 相田は、自分が会社の為にやったとは言え、独占禁止法違反で公正取引委員会の手入れを受けたこと、更に、妻の知り合いの教授が行った事例を取り上げて、法に対してはあくまでも厳守すべきであるとの持論を付け加えた。
 「そうよね。相ちゃんには、これ以上の余計な敗北記念日があってはなりませんからね」ママが冗談交じりに口をはさんだ。
 「はい、ぼくはもう沢山です」相田がママの冗談に「はいぼく(敗北)」に掛けて、低レベルのジョークで応じた。
 「何ですか、その『はいぼく』は。今一つのレベルですよ」ママのこの応酬を切っ掛けに、ちょっと硬かったムードから和気藹々の雰囲気に変わって行った。(以下、明日に続く)

1602 GW終盤に乾杯

 昨日は、ユッケの痛ましいニュースの続報を除けば、嬉しい、明るい、感動的で前向きなニュース、イベントなどが幾つかあって、筆者には心和やかな一日だった。GW終盤に乾杯である。

1.独り言コラム
 昼間は、女子ゴルフの今季メジャー第一戦の初日が行なわれ、期待の不動祐理さんが-3でトップに立った。先週までに出場したツアーで2週連続優勝しており、このメジャー大会が3週目である。筆者の好みでないライバル宮里藍さんと同じ組でのラウンドで、心優しい不動さんだけに心配していたが、この日の宮里さんは振るわず4オーバーと出遅れたのでほっとであった。まだ今日から3日も残っていて勝負はこれからだ。不動さんの頑張りに期待している。
 夕方には、5時前の東京ドームの8回裏だった。巨人軍の小笠原道大選手の打ったライナー性のボールが、ピッチャーの頭上を抜けてセンター前に落ちた。待望の2000安打達成の瞬間だった。この記録は38人目の記録だが、川上哲治、長島茂雄、張本勲選手に次いでの史上4番目の速さでの達成だという。フルスイングの豪快な打法が売り物の同氏だが、この記録のカウントダウンに入ってから、さすがに思うように安打が出なかったが、漸く、昨日の最終打席でうまくしとめての達成に、ドーム内の大観衆が大きく沸いた。イチロー選手とは対照的なフルスイングに徹する打法は、見ていても気持ちがいい。大きな目標の達成におめでとうと申し上げたい。
 夜になって、NHKの「家族が選ぶ日本の歌」という番組をたまたま見ていたのだが、その番組のトリを務めたのが、今年80歳の二葉百合子さんだった。持ち歌の「岸壁の母」の熱唱に思わず感動を覚えた。最近引退を宣言されたのだが、この番組はその引退の3日前の録画だそうだ。いずれにしても、声量もまだまだ豊かで、しっかりした唄い方はさすがだった。
 そういえば、昨年8月の第42回思い出のメロディで、当時82歳の三浦洸一さんが、落ち葉時雨をこれまたしっかりと唄われていて、感動したのを覚えている。うまい人は幾つになってうまいんだなあと改めて思う。
 日産車のバン(NV200)がアメリカのニューヨークのイエローキャブ、13000台の全てに採用されることが決まったという。景気が不透明な日本経済界にとっては快挙と云うべき大きな商売の成立だ。おめでとうと云うべき嬉しいニュースである。
 また、昼間には、こう着状態にある福島原発に関して、1号機内の汚染された空気を清浄化するための配管が建屋内に13本運び込まれた。あの水素爆発以来、初めて作業員が建屋に入っての決死の作業だったが無難に行なわれたようだ。早速、ポンプが作動して清浄化作業は開始されたという。空気の汚染が低減化すれば、建屋内での作業が可能になるということで、期待は大きい。ここでもGW終盤での大きな前進のようだ。
 今日から、将棋名人戦第3局が行われる。挑戦者森内九段が二連勝のスタートで、この対局に勝てば、羽生名人を一気にかど番に追い込むことになる。さあ、羽生名人はどんな指し方をするのだろうか。GW終盤の熱戦に期待したい。
 改めて、GWに乾杯である。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時起床。体重、62.1Kg.お天気はまずまずのようだ。
 昨日の雅子は平熱で、比較的穏やかな顔つきの一日だった。午後には、久し振りに車椅子で散歩した。まだ風が少し冷たかったが、屋上に出て外気に触れた。ほんの少しの間だったが、目を開けてくれていた。条件次第で、まだ目が開けられることもあるようだ。一進一退である。

3.連載、難病との闘い(192) 第三部 施設、病院での介護生活(93)
  第五章 頑張りの報酬(25)

(4)施設に戻って(2)
 待合室に戻って、適当なスペースに車椅子を止めると、一考は時間をかけて、いつものような手順で雅子の言わんとすることの解読に掛かった。心の中では、大そうなことになったとの思いがあった。一考は、雅子を焦らせてはいけないと、意識的に鷹揚に構えて、質問を繰り返す形での確認作業に取り掛かった。
 先ずは、病気に関することだねと聞くと、「そうだ」という。そこで、どこか別のところが痛いとか、何か困ったことがあるのかと確認すると、やはり「そうだ」と云う。それならば、その部分はどこかと順次確認していったところ、「顔」だということが分かり、それなら、唇付近の出来物のことかと聞くと、「その通り」だということが分かった。
 正直な話し、そのことについては、一考は最初から気付いていたのだが、この病気とは直接関係がないと判断して、先生には敢えて話さなかったのだった。先生も診察時に気づいておられたと思うが、特に話題にはならなかった。大したことはないと判断されたのだろう。いずれにしても、思っていたよりも手短に、雅子の言わんとしたことが解明できたことに一考は心底ほっと一息つくのだった。
 そこで、タイミングを見計らって、改めて看護婦さんにそのことを伝えると、何と、春日先生が、直ぐに、雅子の車椅子のところまで出て来て頂いたのである。こんなことは初めてだった。先生は、改めて、雅子の唇辺りを診ながら、「大丈夫だよ、メンソレタームのような塗り薬を塗っておけば充分だよ」と、優しく声を掛けていただいたのである。先生の思わぬ優しい一面を見せてもらって、雅子もいつになく大変嬉しそうだった。一考は。えらく恐縮してお礼を申し上げた。
 とにかく、雅子にとっては春日先生は大きな心の支えである。数年前に、大津の日赤病院で、この厄介な病気だと告知されて悩んでいた頃に、自らが専門書で調べて、春日先生の存在を知り、知り合いを通じて紹介をもらったという経緯があった。言ってみれば、春日先生は、雅子からのご指名の先生だった。それだけに、自分の訴えに、わざわざ診察室から出て来て頂いて励まして頂いた優しさに、雅子は満更でない嬉しさを感じていたと思う。(以下、明日に続く)

| ホーム |


 BLOG TOP  » NEXT PAGE