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Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版

このブログは3部康成です。1部が「コラム」、2部が連載「難病との闘い」、そして3部が、速報、「昨日の雅子」です。

 

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見たくない喜びの顔

 5年ぶりの優勝だそうだ。阪神がゴール前でずっこけたことであっけないセ・リーグペナントレースの幕切れだった。人にはそれぞれ好き嫌いがある。筆者はアンチ巨人ファンだ。原監督の喜ぶ顔だけは見たくなかったが、各局のテレビ局からは、そのニュースが垂れ流しのように放映されている。心地よいものではない。
 ところで、今の筆者には、三つの見たくない喜ぶ顔がある。二番目が民主党の小沢一郎氏の顔だ。政権交代を狙う同氏は、福田総理の話し合いの呼びかけを拒絶する方向を強めている。果たして、それで、同氏が喜ぶ顔を獲得できるのか、これからが見物の国会論戦である。
 三つ目の見たくない喜ぶ顔は、ファンからは怒りの叱責を買うだろうが、あの宮里藍氏の顔だ。幸か不幸か、今年も残り僅かで、米国ツアーでの初優勝の喜びの顔は難しそうだ。特に、このところ、絶不調で予選落ちが続いていて気の毒な気持ちもあって、逆に「頑張って」という気持ちになる。人間って不思議な心を持っている動物だ。

連載(256) 難病との闘い
      第九章 介護生活の実態1 平成19年春から夏 (34)

(7) 2007年6月19日 曇り (実姉の見舞い その4)
 「最近の伸子ですが、年を取るにつれて身体の弱わりが顕著で、物忘れも激しく、山科の家で一人で住ませておくのが心配になって来ていたのです。兄夫婦とも相談し、設備の整った老人ホームに入ることにしたのです。それで、適当なところを探していたのですが、たまたま、雄琴にあるドリームスペースの広告を目にする機会があって、そこがいいのではと云うことになり、その資料の入手を行い、施設の見学も行なって、伸子を説得してきました。当初は急なことだということで、本人は躊躇していましたが、幸い、納得してくれて、目下、その契約手続きに入っています」霧子は、そこまで言って一息つき、隣の雅子の顔にゆっくりと視線を遣った。この話は、一考も雅子から聞いて承知していた。
 「お姉さんからお聞きしていましたので、先日、そのドリームスペースには、散歩がてらに行って来ました。アポイント無しに行ったのですが、営業の主任の木田さんから、伸子さんの話も聞きましたし、雅子の事情も或る程度知っておられたので、新しく出来るケア棟についても詳しいお話を伺いました。私の印象としては、琵琶湖の傍にあって眺望もよく、環境には恵まれていて、いい処ですね」
 「それに、場所的にも、京都からもそんなに遠くないし、自分達の希望の条件は揃っていて、いい処だと思っています」そういう霧子は如何にも満足そうである。
 「建設中の新しい介護つきのケア棟については、完成次第資料を送ってもらうことにしました。経済的な面では未検討で不安はありますが、資料が着き次第、改めて考えてみたいと思います。何しろ、政府が管轄する、いわゆる特別養護老人ホームは、入居希望の待機者が多くて、直ぐの入居が難しいそうですから」一考は、自分の考え方を披露した。
 「そうして頂くと、雅子ちゃんも喜ぶと思います。というのも、若し、そこに入居できれば、伸子と二人になれる訳で、いろんな便宜が図れることも多いのではと話していたのです」霧子は、タイミングを計るように、そうすることで得られるメリットを付け加えた。どうやら、二人だけの話は、そんなところにポイントがあったようだ。
 「なるほど。おっしゃる通りですね」一考は、そう答えながら、自分の考え方を今一度、頭の中でレビューするのだった。
 あくまでも、一考の考え方は、出来るだけ自分が直接に介護をしてやりたいが、やがて体力の限界が来るだろう。その時にはそんな施設にお世話になるのは止むを得ないのだが、問題は、お世話になると決めた時点で、施設をさがしても、タイミングよくその対象が見つかる可能性は少ないことだ。その意味では、早い目に適切な施設への権利を確保しておいて、お世話になるタイミングを見計らえばいいのではとの考えになって来ていた。
 「いずれはお世話になければならないと考えていますので、改めて真剣に検討を急ぎます」やはり、雅子も、私の負担のことを考えて、自分から言い出すことに躊躇していたんだなあと、少し感傷的になるのだった。(以下、明日に続く)

タグ : 原監督 小沢一郎 宮里藍 特別養護老人ホーム

カメラを取り戻せ!

 日本女子オープンは、諸見里しのぶが見事に逃げ切って優勝した。この4日間、NHKが生中継で放映した。試合は、逃げる諸見里しのぶと追う不動祐里との手に汗にぐる熱戦で、最後の最後まで楽しませてくれた。勝因は、諸見里の14番での3メートル以上あったと思われるパーパットをうまく沈めてパーセーブしたことだった。それが次のホールでのバーディを生み、逃げ切り優勝に繋がった。両選手のファンである筆者は、どちらに肩入れすべきか迷っての楽しく興奮しての観戦だった。
 民放によるいつものゴルフ中継なら、録画して編集したものを見せられるので、そこに製作者の意図が入って、歪んだ形で見せられることが多く、生きた魅力を欠いていることが多い。改めて、生中継の醍醐味とその魅力の素晴らしさを教えてくれた放映だった。
 ところで、生中継ではなかったが、その瞬間を捉えたあのミャンマーで射殺された長井健司さんの最後のシーンは、生々しく、その凄さが視聴者の胸を打った。しっかりとカメラを握ったままの映像は、命を賭けた男が最後に自らが演じた掛け替えのない作品だと言える。けしからんのは、そのカメラが行方不明で、遺族に戻されていないことだ。これは決して許されることではない。世界に訴えて返してもらうべきである。そうしなければ、長井さんの決死の作品が踏みにじられたも同然になる。日本政府よ、カメラを取り戻せ!!

連載(254) 難病との闘い
      第九章 介護生活の実態1 平成19年春から夏 (32)

(7) 2007年6月19日 曇り (実姉の見舞い その2)
 何気ない雅子の申し出だったが、一考には、何だか、変な気分だった。今までの雅子の対応からは、考え難い申し出だったからである。いくら実のお姉さんとお話するのだとは言え、一考に聞かれたくないような話しって何なんだろう。雅子が一体、何を霧子に話そうとしているのか、一考にはそれが何んなのか、思い当たることが浮かばなかった。
 とにかく、雅子を霧子に任せて、一考は自分の二階の部屋に戻って来たのだが、何となく落ち着かない。何をしようかと迷ったが、とりあえず、このところ、時間の余裕もなく、今まで書き溜めていたブログに連載している「難病との闘い」の在庫が減り始めていたので、その取り戻しを図ろうとコンピューターに向かった。しかし、その創作作業は、思うようには捗らなかった。階下での二人の話の内容が、それとなく気になっていたからである。
 半時間ぐらい経過したのを確認すると、一考は雅子の部屋を覗いてみることにした。何の挨拶もなく部屋に入り込むのは失礼だと思い、部屋の入口で、念のため、入室の確認をしてからドアを開けた。
「ごめんね、一考さん。何も二人だけでお話するような内容じゃなかったの。むしろ、一緒にお話を聞いてもらった方がよかったわ。お気になされたのでしょう?」少し、恐縮した面持ちで霧子さんが口を開いた。
「いやいや、雅子の本当の気持ちをお聞き頂けるのは、お姉さまだけですから」部屋にそっと滑り込むように身体を運び込みながら、一考はお姉さんのその言葉に、少し安堵したものを覚えた、
「こんな病気になってしまったので、妹も、却って、いろいろと余計な気を遣うのでしょう」
「ご尤もだと思います。何しろ、病気が病気ですから、いろいろと考えてしまうのは、止むを得ないことでしょう」一考は、それとなく、お姉さんに合わせた形で、無難な言葉で会話を繋ぎ、話の展開を見守るように霧子の次の言葉を待った。雅子は、少しはにかんだ顔で、二人のやり取りを聞いていた。
「そうなんですね。妹も、自分でどうしていいのか迷っていたところに、たまたま私が訪ねて来たものですから、お話をしたかったようです。何しろ、自分が、今は、何から何まで、一考さんにお世話になっているので、一考さんの身体のことが心配になって、どうしていいか分からず、私の考えを聞きたかったようです」霧子は、意識して明るく繕いながら、そこまで言って一息ついた。
「なるほど。先行きを考えれば、悩みは尽きませんからね」一考は、そう呟きながら、雅子がどんなことで悩んでいるのかに、思いを馳せるのだった。(以下、明日に続く) 

タグ : 諸見里しのぶ 不動祐里 長井健司

楽しい連続ドラマ

 毎日の介護生活を潤してくれるのが、メディアが伝えてくれる世の中の動き、話題である。これらは、恰も、連続ドラマが推移して行くようで「さあ、今日はどうなるのだろういか」との興味と関心を掻き立てくれる。
 そういう意味では、今の看板ドラマは、福田氏、麻生氏の自民党の総裁選の戦いで、勝負がついたといわれる中でも、判官贔屓ではないが、頑張っている麻生氏の言動に興味はある。若しかすると、意外に票を集めるのではとも思っている。 また、福田氏の登場で戸惑っている小沢民主党の次なる戦略も面白そうだ。
 一方、スポーツ界では、阪神、巨人、中日の三つ巴も、日替わりで首位が交代する激しい戦いが展開中で、ゴール目指しての最後の戦いが大変な盛り上がりを見せている。特に、JFKの三人の押さえを持つ阪神の戦いに興味が集まるが、生身の人間である三人が、どのように頑張るかは、ファンをひきつけて止まないだろう。
 短編ドラマだが、今日最終日を迎える女子ゴルフで、飯島茜選手が、日本人初の三週連続優勝を成し遂げるかどうか、更には、それを更新して四週連続に期待を繋ぐか、興味は尽きない。
 朝青龍の動向、大相撲秋場所、株の動き、各種裁判、毎日起きる事件など等、チャンネルが多すぎて、追い切れない毎日で充実している。

連載(239) 難病との闘い
      第九章 介護生活の実態1 平成19年春から夏 (18)

(2)2007年3月22日(木)晴れ (その4)
「大変なの!」久子の特徴で、何事も大げさな表現をすることが多く、また下らないことでも言って来たのかと思っていると、早口で「母親が昼間、庭で転倒して頭を打ち、一人で歩いて、近所の佐藤外科病院に行って来た」と告げた。これは下らない話ではなく、びっくりの話だ。
「ええ! 母が一人で歩いて病院に? そんな馬鹿な!」と一考は話の内容に不安を覚えて呟いた。
「そうなの。あの年なので、一人では出掛けないよう幾度も言ってあるんだけど」久子のいつもの癖で、少し興奮していて早口だ。
「何時頃の話なの?」若しかしたら、自分が山科に雅子を送迎している間なのかもしれないと思いながら確認した。
「お昼過ぎのようよ。階段の下からあなたに声を掛けたようだが、返事がなかったので、自分で病院に電話して行って来たというの」
「お昼過ぎなら帰っていたよ。でも、そんな声は聞こえなかった。まあ、二階の部屋にいると聞こえないことが多いけれど」少し弁解気味に一考はそう言って姉の顔を見た。
「先ほど病院へ行って確認すると、一人で歩いて来られたので、看護婦さんがびっくりしたと言っておられた。とにかく、95歳の老人が、頭に大きなこぶを作って、ふらふらと歩いて来られたので、何があったのかと心配したと言っておられた。ちょうど、先生が医師会の会議に出ておられて不在だったので、直ぐに呼び返してもらったらしいの」
「二階のあの部屋が問題だね。緊急の際の連絡方法を考えておかないといかんなあ。それで怪我の方はどうなんだ?」一考は、責任を感じながら弁解し、診断結果を確認した。
「レントゲンを撮ってもらったようで、今のところは異常がないらしいが、何しろ、年が年だけに、暫く様子を見る必要があるというの」
「分かった。まあ、不幸中の幸いだった。庭になんかに出て、余計なことをしないように言っておいてくれよ」一考は、そう言ってみたが、母親の大事な時に連携が取れなかったことに遺憾を覚えていた。
 この日は、六カ国会議で北朝鮮の代表が、勝手に帰ってしまうという事態が起きていて、世界的にも遺憾な不安が拡がっていた。いずれにしても、母親の状態が大事に至っていないことで、一考はほっとしていた。
 翌日、母親と二階の部屋に短縮ダイアルで直結できるようにし、母親にその扱い方を教え込んだ。いずれにしても、二人の面倒を看なければならない一考も大変だ。(以下、明日に続く) 

タグ : 福田 麻生 JFK 飯島茜 朝青龍

若手抜擢

 プロ野球もレギュラーのリーグ戦に戻った。今年の阪神は予想外の低迷で、縋(すが)り付きたい3位狙いにも赤信号である。陣容を見ると、ここに来て若手の抜擢が目立つ。坂克彦庄田隆弘桜井広大上園啓史が起用されて、しっかりした結果を出して来ている。既に、レギュラーを確保している林威助、半分確保の狩野恵輔などを加えると、大幅なメンバーの入れ替えが進んでいる。いずれも、有名な高校から入団した金の卵だった。金本、今岡、矢野に頼ってばかりでは先行き不安だ。そういう意味では、これらの金の卵をふ化させるためのいいタイミングでの若手起用といえる。広沢克己コーチの手腕が期待される。さあ、改めて、後半戦の阪神の巻き返しに注目しよう。
 ところで、最近のNHKの朝の5時、6時、7時の看板ニュースでの若手女子アナの起用が目立つ。今までになかった思い切った起用だ。確かに、見栄えがよく、明るくて結構だが、こと、この時間帯の看板のニュースとなると、少し軽さが気になる。若手抜擢にも、処を得たものであることは論を待たない。まさか、視聴率を気にしての起用じゃないでしょうね。

連載(164) 難病との闘い 第六章 機能喪失の一部始終(21)

(12) 五感  
 多くの機能が悪化して行く中で、いわゆる五感である視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚について触れてみたい。全体的には、幸いなことに、手が動かせないために、触角に物理的な面で多少の障害がある程度で、他の四感については、全く影響を受けていない。これは、滋賀医大で一年ごとに検査しているMRSで、運動機能を司る脳の部分に、大きな悪化が認められているに対し、知的な脳の部分が影響を受けていない結果と呼応している。(しかし、この解釈は、その後の春日医師の説明で、異なっているので、改めて別途確認してみる予定)。個別に4感を順次確認してみよう。
 視覚は元々から近視で少し乱視が入っていた。従来はコンタクトレンズで対応していたのだが、指先が使えなくなるタイミングで、眼鏡に替えた。この病気が進行に対しても、幸いなことに、今のところ、その影響は出て来ていない。
 聴覚は全く影響を受けていない。元から、その機能は極めて優れていて、一考は驚くぐらいである。それと言うのも、例えば、テレビを見ていて気づくのだが、雅子は、音量表示で、一考の5ポイントぐらい低い音量でOKという。外部での声や音にも一考が気づかないものでも感知している。
 臭覚も、聴覚と同じく、もともと凄い感知能力を持っていて、症状の悪化にも影響を受けていない。今までにも「母屋でガスが漏れているのでは」と臭いで危険を察知したことや母親が訪ねて来たのではと、においから判別するのだから、その機能にびっくりする。
 しかし、鼻、そのものの手当ては自分では出来ないので、一考のサポートは欠かせない。例えば、鼻をかむ場合は、チッシュで一考が拭いてやることになることになる。
 味覚についても、実質的な影響はない。しかし、「口」という機能面からみると、幾つかの機能障害が認められる。先ず一つが、口がスムーズに開き難い。更には、飲み込みに少し異常があって、口をゆすぐ場合に、その水を飲み込んでしまうことが時々ある。また、一旦、口に入れたものを吐き出すことが難しく、一考が手を入れて取り出そうとすると、その指を噛んでしまうという傾向にある。数日前に、うっかり魚のほへを口に入れてしまい、それを取り出そうとして苦労したことがあった。また、吸う込む能力も少し低下していて、ストローで吸うのも時間が掛かる傾向がある。つまり、口の運動に関する機能が低下しているので、味覚とは別である。その結果、言葉がスムーズに出難く、また、発音も正確にし難くなって、言葉がはっきりしなくなるというマイナスの連鎖となっている
 触角については、手が不自由であるが、触覚そのものには、影響が出ているという確証はない。
 それ以外で、肌や皮膚には特に影響はでていないが、手足などの末端が冷え症のように少し冷たいのが気になる。(以下、明日へ続く)

タグ : 阪神タイガース 坂克彦 庄田隆弘 桜井広大 上園啓史 林威助 狩野恵輔 広沢克己

頂けない

 久間防衛大臣が30日に行なった講演での「原爆投下容認」をにおわせる発言は、とんでもない発言で頂けない。また、それに対して行なった安倍総理の、庇うような最初のコメントも頂けない。その後の思わぬ大きな反対の波紋に、久間大臣は昨日、お詫びと訂正をし、安倍総理も、自分の最初のコメントを言い直した。久間大臣は、少し前に、イラク派遣に関し、問題発言をしていて、その見識が疑われる。安倍総理も、この辺りで「ぴりっ」とした対応が必要ではないか。参院選を間近に控えて、駆け引きも微妙な時期だ。対応の仕方第で、ピンチをチャンスに変えるチャンスになることもある。安倍総理、思い切って更迭して見てはどうか?
 さて、今朝も、テレ朝が「全米女子オープン」を中継していた。結果は、米国のカー選手が初優勝した。筆者の贔屓の大山志保さんは、最後に崩れて、横峯さくらさんと同じ22位に終わった。頂けないのは、このテレビ中継は、生ではなく1時間程度遅れた録画放送であることだ。インターネットで全てが瞬時に伝わる世の中だ。何故、生中継をしないのだろうか。生の迫力は視聴者に真の興奮を伝えられる。放送時間枠にも問題がないはずだ。
 普段の日本でのゴルフ中継でも、そのほとんどが録画だ。しかし、この場合は、メディアの力で、インターネット中継を中断させている。それでも、幾つかのメディアが速報で結果を伝えているので、その効果も空振りに終わっていることを、中継するメディアは知るべきだ。ましてや、世界では、インターネットを押されることは出来ない。テレ朝も録画放送と断るべきで、あたかも生中継と見せているのは、許されぬ偽装である。なお、筆者があまり好きでない宮里藍が追い上げて,10位に入った。米国ツアーで、何時、初優勝するのか、逆の意味での興味を持ってフォローしている。

連載(163) 難病との闘い 第六章 機能喪失の一部始終(20)

(11)バランス機能
 一考の帰郷直後から、健康管理の一環として実施してきた雅子の毎朝の体重測定が、身体のバランスが取り難くなって来て、測定が難しくなってきていた。二人が使っている体重計は、立つスペースが一人しか立てない一般的なものである。従って、身体のバランスを失うと、そのスペースから落っこちてしまうことになり、正しい測定が出来なくなるのだ。
 計り難くなったのは、2006年9月に入って直ぐで、立つことが不安定になり始めた頃からであるた。9月末には、雅子の身体を支えがなければ安定せず、測定に苦労し始めていた。その後も、不安定な状態が続き、11月後半までは、そうした不安定な状態で測定を断片的に続けていた。しかし、12月に入ると、遂に、測定不可能な日が続出し始め、結果的には、年末を持って測定は取り止めざるを得なくなったのである。
 この間、何軒かのデパートなどを回って、それに代わる体重計を探したが見つからなかった。病院などで見かける二人が乗れるような、或いは座って測定できるような体重計を探したが、適当なものは見つからず、体重の測定は中止されたままである。
 ちなみに、最後の測定となった昨年末での体重は、一考が危険ラインとして設定していた43Kgはクリアーしていて、44から45Kgのレベルを行ったり来たりで、その意味では安全圏内にあった。
 今現在は、果たして、体重はどんな具合になっているかは不明だ。しかし、心配しているような体重減少はないようだ。それが証拠に、雅子を支えたり、持ち上げたりする時に必要とするエネルギーは半端ではなく、それなりの重さを感じること、同時に、体重減によると思われる異常も認められていない。従って、今のところは、パーキンソン病以外は、何とか健康を維持しているとみている。
 いずれにしても、何か、健康状態を管理する別のモニターの方法を見つけ出さなければと思っているが、未だに、名案が出て来ていない。(以下、明日に続く)

タグ : 久間防衛大臣 全米女子オープン 宮里藍 大山志保 横峯さくら カー

発言の重み

 今朝のTBSの時事放談での感想を二つ取り上げる。
 一つは、この対談での自民党元幹事長、野中広務氏の出演である。同氏は例の日本歯科医師会からの献金、一億円授受の場にいた一人で、その事実を否定している立場にある。幾ら、高邁な意見を述べられても、そのことを明確にしない限り、その発言には何の重みもないことを本人は自覚すべきだし、番組を作っているTBSが同氏を出演させる見識を疑うことにならざるを得ない。
 もう一つは、その中でも取り上げられた話題で、先日の天皇陛下の記者会見(?)での発言で「自分は個人的なことで外国訪問はしなかった」と、暗に、皇太子に意見をされたように受け取れた。このご発言の持つ重みは、格別のものだと受け取ったのは筆者一人ではないだろう。天皇家のコミニケーションがどんな具合になっているか知らないが、こんなことは、天皇が直接皇太子に伝えられたらいいことで、何も公式の会見で言わなくてもいいのではと思うのだが。直接、お話になるような機会はないのだろうか?

連載(120) 難病との闘い 第五章 衝撃の症状悪化(9)

 案の定だった。レントゲン撮影の結果、手首の骨折が判明した。打ち所が悪かったのだ。医者のメモに「櫈骨遠位端骨折」という難しい名称が書かれていた。足の捻挫で二週間強のギブス生活の苦しみからやっと抜けたばかりで、まだその状態もすっきりしていないのに、今度は手首にギブスをしなければならない。大変な生活に逆戻りと思うだけで、一考はうんざりするのだった。それでも、この骨折が左手だったことが幸いだったとプラス思考で捉えることにした。若し、右手であったなら、両手が使えない生活を余儀なくされてしまうからだ。かくして、再び、食事、風呂など全ての日常生活に窮屈で大変な生活が始まった。
 この事故には、一考が、それまで以上の「れば」「たら」を考えてしまう裏話があった。それには、このお墓参りを、母親と一緒に行くことになった経緯から話さなければならない。
 母親と一緒にお墓参りをしたことは、今までにも何回もあった。しかし、その都度、スローペースの母親を連れて行くのに、時間が掛かり過ぎるので面倒になって、一考の考えで、最近では、声を掛けるのを止めていた。ところが、少し前に雅子が姑と話している時だった。
「お墓は沢山の人がお参りしてあげた方がお父さんも喜こぶんじゃない」と義母が口にしたのである。
「それは、そうでしょうね。今度行くときは、声を掛けますから、是非、ご一緒してください」雅子はそう言って、その場を繕った。そこには、最近、二人が声を掛けていないことを不満に思っていた義母が、嫁に気を遣いながら、婉曲的な表現で伝えようとしたのだが、それが、却って皮肉に受け取れるという、二世帯家族の無駄な神経の使い合いの悪循環があった。
 しかも、この話には更におまけが付いていた。その日の朝になって、風も強く天候も怪しげだったし、雅子の調子も今一つだったので、翌日に延期しようかと、婉曲的に母に伝えたのだが、耳が遠い母には主旨がうまく通じず、珍しく母親が、明日が月参りの命日だからと主張し、結局、予定通りお参りに行くことにしたのだった。それが、思いも寄らない事故に繋がったのである。
 それだけに、余計に悔やむことになる。もし、この日のお参りを取りやめていたらと思いたくなるのだが、先日のご近所でのお土産の手渡しで転んだように、このところの、雅子の足腰の弱りは進んでいただけに、早晩、そんなことになっていたのかも知れないと、二人は、解釈するようにしている。
 結果的には、この事故以降の雅子の症状の悪化は、皮肉なことに、それまでのゆっくりとした変化と打って変わって、目に見えるハイスピードで進むことになるのだ。(以下、明日に続く)

タグ : 野中広務 天皇家のコミニケーション 櫈骨遠位端骨折

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