プロフィール

相坂一考

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版
14年7月に、難病との戦いを扱った「月の砂漠」を文芸社から出版

このブログは3部構成です。
 1.タイトルへの一言。
 2.独り言コラムで、キーワードから世の動きを捉えようと試みる。
 3.プライベートコーナー
   (2015-06-03に修正) 

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2757 不覚にもこみ上げる涙

 先日、兵庫県の野々村竜太郎県議が、日帰り出張を繰り返し、突出した政務活動費を使っていたことが判明し、その釈明の記者会見で訳の分からない号泣をしていた。
 そんな涙とは対照的に、期せずしてこみ上げてくる不覚の涙がある。筆者の場合は、一人カラオケを楽しんでいる際に、時々経験するのだが、自分でも驚く。そんな場合は、当然な結果として、音程がずれたり、リズムが崩れたり、声が掠れたりして、採点結果に大きなマイナスとなってしまうので大いに困るのだが、…。

1.独り言コラム
 筆者が一人カラオケを楽しむようになったのは平成12年5月からである。最近はそのペースは落ちているが、今までの3年間で143回も足を運んで楽しんでいる。大きな声を出して唄うのは健康にもよさそうである。幸い、病院の近くに格好の「遊び場」という施設があって、そこでダーツやインターネットの設備もあることから、そこを訪ねることが意外に多いのである。
 涙に関しては、正直、もともと弱い人間である。今朝は、一人カラオケで楽しんでいて、思わずこみ上げて来る曲、ベスト6を紹介してみたいと思う。(文中敬称略)
 1位、美空ひばりの「越後獅子の唄」、街道暮らしの悲しい毎日の越後獅子を思うと、堪らなく悲しく、不覚にも思上げて来る涙が抑えられない。西条八十の名作だ。
 2位、宮城まり子の「ガード下の靴磨き」靴磨きをしている少女の悲しい毎日に心が痛むのである。特に3番の歌詞「誰も買ってくれない花を/抱いてあの子が泣いて行く/可哀そうだよ、お月さん/なんでこの世の幸せは/ああ、みんなそっぽを向くんだろ」の宮川哲夫の詞に、唄っているとぐっとこみ上げてくるのである。
 3位、島倉千代子の「東京だよ、おっ母さん」。泣き節で有名だったお千代さんの歌で、靖国神社で亡くなった兄さんのことが出て来ると、自然にぐっとこみ上げて来る。野村俊夫さん作詞、船村徹の心を揺するいい歌である。
 4位 美空ひばりの「悲しき口笛」の藤浦洸の詩に心が揺れる。万城目正の曲もよく、歌全体のトーンが胸を揺する。
 5位、小柳ルミコさんの「瀬戸の花嫁」。この歌の中盤の「だんだん畑とさよならするのよ、幼い弟、行くなと泣いた。…」の辺りの情景を思い浮かべると、不覚にも涙がこみ上げてくる。
 6位、童謡の「みかんの花咲く丘」で、3番の歌詞、「いつか来た丘、母さんと/一緒にながめた、あの島よ/今日も一人で見ていると/やさしい母さん、思われる」の部分で、ここでもじ~んとこみ上げて来るのだ。加藤省吾、海沼実の名曲だと思う。
 涙は、人生のいろんな場面で、喜怒哀楽を表わす際のお供として登場することが多い。それは良しとしても、大の男が、個室でマイクを握りながら、涙して唄っている姿は、何とも頂けないものだと、我ながら、忸怩たる思いになることがしばしばである。

2.難病との闘い、昨日の雅子
 一日を通じて息苦しそうな様子だったが、症状は落ち着いていた。この日、7月度の体重測定があり、前月より少し増えていた。体力の消耗にはつながっていないようだ。いつものように、車椅子での散歩を行った。

3.今朝の一考
 3時起床。体重は63.0Kg。お天気は、朝方は雨が残るようだが、その後回復し、夕方には再び曇る見込みだとの予報である。

4.「月の沙漠」PRコーナー (第33回)
 文芸社が今回から初めて行っている、全国の紀伊国屋書店のレジにある画面で行われているPR広告を、一昨日大津店を訪れた際に確認したが、数冊の本が纏めて一画面に登場するが、そんな画面を見ている人は、全くと言っていいほどいないということが分かった。東京などの人の多いところは分からないが、このPR効果には全く期待できない、と思う。(以下明日に続く)
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1688 一人カラオケ奮闘記(その2)

 今日で7月も終る。相変わらず時間の経過は早い。このところの筆者は、発散を兼ねたカラオケに夢中になってしまっている。

1.独り言コラム
 今年の女子ゴルフのメジャー最終戦である全英オープンでは、宮里美香さんと上田桃子さんが粘りのあるゴルフで頑張っている。3日目を終って、美香さんは9位タイ、桃子さんは16位タイの活躍中。筆者の贔屓の宮里美香さんは、今年のメジャーでは全てベスト10入りしているだけに、今夜も頑張って今の地位を死守して欲しいと期待している。
 ところで、筆者は、一人カラオケに嵌ってしまったようである。偶々、インターネット喫茶を探して見つけたのが、妻が入院している病院の直ぐ近くにある「あそび場」だったが(1642をご参照)、そこにカラオケもあって、ちょっと入ったのが、病み付きになってしまったのである。ええ年をしたおっさんが、個室でマイクを握って得意げに歌っている姿は、他人様には見せたくないが、単調な付き添いの毎日の中での発散の場には持ってこいである。他人に迷惑を掛けずに楽しむのは悪くはない。
 特に最近のカラオケは、その機能は充実していて、唄った歌の分析、それに全国平均点が出るので、それを上回ろうと頑張る目標があって、なかなか楽しいのである。
 そんなことで、今年の5月から昼休みを利用して通い始めたのが、今や大変な趣味の一つに昇格し、その通う頻度はぐんぐん上昇していて、この3ヶ月間で28回も通ってしまった。
唄った歌の内訳は、曲目数が117曲(童謡34曲、男性の歌謡曲、43曲、女性の歌謡曲、29曲、ヂュエット曲が6曲、その他が5曲)延べ曲数は348曲、費やした延べ時間が41時間、使った費用が10500円に上っている。
 何でも統計を取るのが趣味の筆者は、それらの結果の全てをエクセルシートに記録している。今朝はそれらのデータの中から、幾つかのエピソードを紹介し、一人カラオケ奮闘記としたい。
 1.三浦洸一さんの「落ち葉しぐれ」、三橋美智也さんの「古城」、それに藤山一郎さんの「長崎の鐘」の3曲は、好きなのでよく歌うが、いずれも全国平均得点と常に接戦で、その日の体調を知る上でのリトマス試験紙の役割をしてくれており、毎回、この中の1曲は必ず歌うことにしている。
 2.好きな歌が高得点ではないケースが多い。会社時代に得意げに歌っていた、八代亜妃さんの「愛の終着駅」や石川さゆりさんの「能登半島」などは、やっとのことで全国平均を上回ったが、安定はしておらず、当時の仲間には踊らされていたことを思い、今になって改めて恥ずかしさを思う。
 3.歌った117曲の中で、未だに全国平均得点を上回らないのが10曲足らずある。その中で、童謡の「里の秋」「浜辺のうた」、歌謡曲の「愛の賛歌」(越路吹雪)、「霧の摩周湖」「港町13番地」「東京午前3時」などは、幾らトライしても、今のところは、負け戦になっていて、何とかしたいと当面の目標になっている。この中で、上手に歌えているつもりの童謡の2曲には、今や、どう歌ったらいいのか、分からなくなってしまっている。もっとも、その2曲の全国平均が不思議なくらい高いのである。いずれ、なんとしても突破したいと頑張り続けつもりである。
 4.最後に、ご参考に、一度でもいいから出た高得点のベスト10を紹介しておこう。
 1位、君が代(89.221)、2位、この道、3位、蛍の光、4位、海(広いな…)、5位、琵琶湖周航の歌、6位、こいのぼり、7位、故郷、8位、七つの子、9位、公園の手品師、10位、君恋し(86.363)、
 5.今後の目標は、曲目数を500曲に、全国平均クリア曲数を400曲という遠大なターゲットを設定している。
 (注、今使っているシステムはDAM(第一興商)の最新の精密採点である)。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時40分起床、体重、62.1Kg.(7月度平均は62.1Kgで、ここ数か月の増加傾向に歯止めが掛かった)お天気は相変わらず不安定との予報、
 昨日の雅子は、まずまずの比較的安定した症状の一日だった。午後には1時間半くらい車椅子で散歩した。特記事項は、なし、である。

3.連載、なんたるちあ(8)

 2 飲み仲間(2)
 この店では、仏の土屋と呼ばれ、いつもその優しさで通っている土屋の返事にしては、奥さんに会わずに戻ってきたという返事が、如何にもあっさりし過ぎていると思いながら、一考は、純が土屋に手渡した新しいグラスにビールを注いだ。二人は軽くグラスを差し上げた仕草を交わし、黙ったまま互いに喉を潤した。少し重苦しい空気が流れた。一息ついた相田が意識的に話題を変えた。
 「ところで、土屋さん、新幹線が二時間半の遅れということですから、特急券代の払い戻しじゃないですか」
 「そうですね。しかし、二時間半も遅れた上にこんなにずぶ濡れになって、たった五千円ちょっとの戻りじゃ割に合わないですよ」
 珍しく土屋が不満げに口を尖らせた。余程、ずぶ濡れになったのが気に入らなかったのだろう。土屋はカウンターの上に置かれたお絞りを取って改めてゆっくりと顔を拭った。
 「珍しく、ご機嫌斜めじゃない? さあ、ぐっと飲んで、ご気分を直してよ」純がカウンターの中から気遣いながら、土屋のグラスにビールを注ぎ足した。
 「そんなに不機嫌に見える? ごめん、ごめん。そういうことではないんだ。さっき相ちゃんに『家に帰った?』って聞かれて、咄嗟に時間が取れなかったと答えたけど、正直言うと急に帰ったのがいけなかったんだけど、妻が外出していて会えなかったんですよ。それが面白くなかったのを思い出したものだから」土屋の意外な告白に、相田と純が思わず顔を見合わせた。
 「急に帰るからですよ。奥さんだって忙しいんだから」純が戸惑いながらそう言ってその場を取り繕った。
 「それは分ってるけどね。まあ、いいや。さあ、飲もうよ」今度は、土屋がビール瓶を取り上げ二人のグラスに注ぎ足した。
 「さっきの払い戻し、五千円の話だけど、とても羨ましい話だわ。二時間半で五千円なら、私達のお手当てよりもずっといいんですもの」純も先ほどからの重苦しい雰囲気を変えようと明るく繕いながら話題の転換を図った。
「そうなのかい。君らの手当てはもっと沢山と違うの?」自分が聞いた奥さんに関する問い掛けが土屋の不愉快さを呼び起こしたことに責任を覚えていた相田が、純の話題の転換をサポートすべく、その手当ての話題に割って入った。
 「相ちゃんも知っての通り、私はアルバイトでしょう。だから、 まだそのレベルにはなってないの」
 「そうなのか。相場というのを弁えていないのでコメントできないが、まあ、頑張ってよ。でもね、君らへのペイが高くなるほど、我々が来に難くなるからほどほどにして置いて欲しいな。ところで、土屋さん、今夜のそのキャンセルフィーのような事例は、土屋さんがおっしゃっておられる我々の研究会の対象には該当しませんよね」相田が、バーに働く女性の給料の話題から、一転して二人の研究会の話に転じた。(以下、明日に続く)

1642 一人カラオケを楽しむ

 趣味の定義を、「夢中になって時間を過ごせる対象」とすると、筆者の場合、読書、執筆、将棋などがあるが、最近ではカラオケもその一つに加わった。

1.独り言コラム
 会社生活時代でも時々楽しんでいたカラオケだが、最近になってひょんなことから、今までにない強い興味を持つようになり、馬鹿じゃないかと思われるぐらい、これに嵌ってしまっている今日この頃である。
 その切っ掛けは、偶然だった。妻の付き添いで病院通いの生活が始まって丸二年になるが、この間にインターネットにつなぐ必要性から、病院の近くにあったネットカフェに顔を出していたのだが、この4月下旬にその店が閉店した。仕方なく、その代りの店を探したところ、やはり琵琶湖大橋病院のごく近く、国道161号線を少し北上したJR小野駅近くに、「あそび場」という大きなレジャー設備を有する店を見つけた。そこには、インターネットだけではなく、漫画喫茶、ビリヤード、ダーツ、それにカラオケも揃っている大きな遊び場だった。インターネットを使うために訪れた最初の日に、ついでに、何気なく一度やってみようかと始めたのがきっかけだった。
 最近のカラオケ事情は、筆者らが現役時代に楽しんでいたよりもずっと進んでいて、自分の歌った歌の採点が細かく分析された形で出て来る。それだけでなく、大変面白く思ったのが、その歌の全国平均得点が出て来ることだった。その点数が、筆者を惹き付けたポイントだった。しかも、その平均得点は、リアルタイムで更新される仕組みになっているのである。
 ここで、今楽しんでいるカラオケの効用について、改めを総括してみたい。
 1)安くて楽しめる発散の場である。2時間ぐらい楽しんでも500円程度で、エコノミカルであるし、一曲歌うと4~8Kcal消費する訳で、十分な発散が可能である。
 2)闘争心、負けじ魂を誘発してくれる。全国平均には負けまい、といった闘争心が出て来て結構盛り上がるものだ。平均得点よりも上回った場合には、ちょっとした充足感も味わえる。
 3)自分の好きな歌同士で勝ち負けを競い、順位を競うのも面白い。ここでも、勝った、負けたの戦いを楽しむ事ができる。
 4)その日の健康チェックが可能である。幾つかの持ち歌の中には、その日の調子で、全国平均に勝ったり、負けたりする微妙な曲目があって、その得点結果から、自分のその日の微妙な体調の差を知る事ができる。
 かくして、カラオケに夢中になって2ヶ月近くなるが、昨日までに歌った曲目が40曲、歌った述べ回数は139曲という大きな数字に膨らんでいる。それらの中身を分析すると、幾つかのグループに分類できる。
 1)健康状態をチェックできる対象曲。つまり、その日によって全国平均得点を上回ったり、下回ったりする曲。例えば、落ち葉しぐれ(三浦洸一)、古城(三橋美智也)、長崎の鐘(藤山一郎)
 2)常に全国平均よりは上回る。例えば、高校三年生(船木一夫)この世の花(島倉千代子)琵琶湖周航の歌、多くの童謡、唱歌(仰げば尊し、みかんの花咲く丘、荒城の月、花、海など)
 3)かつては十八番だったが、意外にもそれらの得点は全国平均を下回る事が多い曲。例えば、愛の終着駅(八代亜妃)、能登半島(石川さゆり)。会社時代は、それほどうまくなかったことに気付かずに無神経に歌っていたことを恥ずかしく思う。
 4)得点は高くないが、全国平均を上回る曲がある。例えば、ついてくるかい(小林旭)
 5)箸にも棒にも掛からないほど低得点。例えば、霧の摩周湖(布施明)おゆき(内藤国雄)
 因みに、昨日現在、筆者の平均得点のベスト3を上げると、1位が、仰げば尊し(87.637)、2位、みかんの花咲丘、3位、海、といずれも童謡・唱歌が上位を独占している、歌謡曲では、1位が悲しい酒(85.522)、2位、東京アンナ、3位、ここに幸ありで、いずれも昨日歌ったばかりで、一回だけしか実績がない。三回以上歌った曲のベスト3(歌謡曲)は、1位、落ち葉時雨(10回平均、84.605)、2位は、高校三年生(4回)、3位は、琵琶湖周航の歌(5回)である。
 ところで、筆者は、この種のデータを、エクセルシートを使って、いろいろと総括表を作ったりするのが好きであり、夢中になって結構な時間を割いていることが多い。言ってみれば、データ総括作業も、筆者の趣味の一つかもしれない。
 ところで、未だに頑張っておられる菅総理も、早くお辞めになって、カラオケでも楽しまれたらどうだろう。すっから菅も、少しは潤ってくるのでは、なんて思う今日この頃である。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時50分起床。体重、62.9Kg.(このところ、徐々に増加傾向にあって気掛かり)お天気は良さそう。
 昨日の雅子はまずまずの症状だった。細い目だったが、こちらからの話しはよく聞いてくれていた。最近、昼休みに気分転換を兼ねて一人カラオケを楽しむ事が多く、戻って来てその結果を話してあげると、じっと聞いてくれているようで、調子に乗って話すのだが、若しかしたら、いい加減にしておけと言っているのかもしれない。

3.連載、難病との闘い(227) 第三部 施設、病院での介護生活(128)
  第六章 緊急入院(24)

  (4)いざ勝負 (その3)
 二人は言葉少なく、椅子に腰を下ろした。緊張していた気持ちが落ち着いた訳ではなかったが、かくなる上は、先生たちに雅子を任せたということで、後は、全てが順調にゆくことを願うしかなかった。
 霧子さんは携帯を取り出し、お兄さん宅に電話をして、いま手術が始まったと伝えていた。こうして、雅子の命を懸けた厳しい戦いが始まったという意識が、一考の頭の中で大きく広がり、不安を含めたいろんな思いがうごめき始めていた。
 それにしても、三井先生の今回の手術に対する説明には、かつてない厳しいものを覚えたが、常識的に考えて、先生たちが見込みのない手術に取り組むとは思えない。万が一の不測の事態の発生に、保険を掛けておこうとする病院側の姿勢が、あんな風な言い方になったのだろうと一考は考えることにしていた。
 しかし、そうは思いながらも、一考から不安が消えた訳ではなく、恰も、泳ぎがあまり得意でない者が、急流に飛び込んだような状況に似ていて、何が起きるか分からない不安があり、何が何でも助けて欲しいという気持ちでいっぱいだった。それにしても、三井先生の物の言い方には、もう少し工夫があってもいいのではと一考は思うのだった。
 一考は、椅子に腰を下ろしても、いつものように本を読む気にはならなかった。頭の中で、先生たちによって進められている手術の展開をあれや、これやと思い浮かべながら、自分も一緒になって苦しんでいる気持ちを味わっていた。ともかく、一考は、何とかうまく手術が無事に終ってくれることを強く願っていた。腕組みしながら、じっと構えている一考の姿には、その難しい顔つきから、恰も、哲学者が頭の中で難しい思考を深耕しているようで、うかつには近寄れないオーラーを発しているようにも見えた。
 ふと気が付くと11時を過ぎていた。手術が始まって早くも30分が経過していたが、まだ何の連絡も来ていない。ひたすら堪えて待つという我慢の時間が過ぎてゆく。それは退屈という類のものでなく、心の中でのいろんな思い、不安との葛藤が次々と展開されていて、心の余裕といったものは、ほとんど存在していなかった。頭の中での「ああでもない、こうでもない」といった思考の試行が退屈させない働きをしていた。いわば、一考は、思考のスパイラルの中にいたと言えよう。待機場所が、エレベーターの前だけに、人の行き来は結構頻繁であったが、一考には、そんなことが気分転換にプラスすることもなかった。とにかく、何事もなく無事に手術が進んでくれることを願い、祈ることに、心身の全てを集中させていた。(以下、明日に続く)

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