プロフィール

相坂一考

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版
14年7月に、難病との戦いを扱った「月の砂漠」を文芸社から出版

このブログは3部構成です。
 1.タイトルへの一言。
 2.独り言コラムで、キーワードから世の動きを捉えようと試みる。
 3.プライベートコーナー
   (2015-06-03に修正) 

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777 天国の駅

 4時10分目覚め、体重、58.2Kg。外は細かい霧雨状の雨。昨日の雅子も相変わらずで、発声が覚束なく、意思確認に苦労している。

 今朝、目覚めて、いつものように無意識でテレビをつけた。たまたまだったが、チャネルはTBSで、画面は雪山の世界、その中で、吉永小百合が綺麗な肌を惜しげもなく晒しながら、男(西田敏之)に向かって「抱いて」と訴えかけていた。それから二人の雪山の中での懸命の逃亡が始まった。久し振りの吉永小百合の」演技に魅せられて、ラスト場面の彼女の絞首刑シーンまで見てしまいました。13階段を登るシーン、目隠しを断っての最後の死刑執行を受けるシ-ンには、凛としたものがありました。ほんの20分足らずの最後の部分しか見ていなかったのだが、何故か凄く感動しての目覚めとなりました。
 起床後、このブログに取り掛かりながら確認して見ると、この映画は、1984年製作の「天国の駅」だと分かったのです。逆算すると、吉永小百合さんは40歳前のはずで、女性の最も綺麗な頃で、二人の夫を殺した犯人を吉永小百合が演じていたのである。
 この映画のモデルとなったのは、昭和36年に栃木県のホテル日本閣で起きた事件で、二人の夫を殺害した犯人小林カウは、小太りでチャーミングな丸顔の女性で、逮捕時は52歳だった記載されていました。日本人女性の最初の死刑執行を受けた女性だということだそうです。筆者の学生時代に起きた事件ですが、、全く記憶には残っていません。
 思わぬ感動で目覚めたのだったが、現実に戻ると、世の中は暗いニュースのオンパレードでがっかりである。とにかく、経済界は真っ暗だ。日立、NEC、ソニー、東芝、トヨタなどの大手企業の年度末業績見通しが、いずれも大幅な赤字転落だとの見直し発表が相次いでいる。
 また、各種経済指標も最悪の記録が続いている。12月度の鉱工業生産指数は、9.6%という史上最大の下げ幅であり、失業率も0.5%増加といった具合で、雇用情勢の悪化も目を覆うばかりである。
 海外でも、米国の昨年10~12月の実質GDPはマイナス3.8%と2期連続のマイナス成長。経済情勢悪化は年明け以降も続いており、米国の景気後退は戦後最長になる可能性が高まってきているという。まさに負の連鎖である。
 こんな暗い世の中に、相撲界では、またしても大きな黒星が見つかった。大麻事件が再発覚である。ついこの間、若ノ鵬が廃業に追い込まれたばかりで、その舌の根も乾かぬ内の発覚だけにその衝撃は大きい。しかも、今度は日本人力士である。尾車部屋の若麒麟で、本人は既に事実を認めているという。本当に何処まで汚染が進んでいるのか、驚きは並みではない。ここでも、負の連鎖が起きているのではとさえ思う。
 吉永小百合さんの素晴らしい演技、イメージで目覚めたのだったが、それが、虚しく歪んでしまう今の世の中の実情に、無念さを思いながらの1月最後のブログとなった。時は休むことなく、刻一刻と刻んで進んで行く。早いもので、明日からは2月である。何か新しい変化の兆しと云うべき「天国の駅」の登場に期待したい。

2.連載、難病との闘い(742) 第三部 戦いはまだまだ続く(39)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(17)

(2)一年ぶりの自宅(その11)
 とにかく、一考は、急いで下着を下ろしやって簡易トイレに座らせようとしたのだが、既に手遅れであることが分かったのである。防備のためにつけておいたパットが、しっかりと濡れていた。改めて「しまった」と思いながら反省するのだった。しかし、幸いなことに、そのパットがしっかり頑張って水分を吸ってくれていて、外には全く影響が出ていなかった。一考は、最近のこの種の技術の進歩の成果に感謝してほっとしたが、それでも、とりあえず雅子をトイレに座らせた。申し訳ないことをしてしまったという思いでいっぱいだった。寝る前のトイレで、小用がなかったこともマイナスに影響していたようだ。
 雅子は、改めて便座に座ってみたものの、さすがにというべきか、もう、おしっこは出なかった。既におしっこの在庫はなくなってしまっていたからである。気の毒なことをしてしまったと思いながら、下着を取り替えてやってから、暫くはそのままベッドで横になってもらうことにした。雅子を起こすまでにしておきたいことが幾つかあったからである。
 その一つがブログである。いつもは2階に置いてあるコンピューターは1階に下ろしてあるので、それを居間に持ち込んでの作業である。元旦の初仕事で、何かかっこいいことでも書きたいと思ったが、そんな材料が見当たらず、差し当たっては、「玉手箱」というタイトルで、政治、経済共に不透明な世の中で、何が出るか分からない。そして、既に、いろんなことが動き出したという無難な内容を手短に纏めて配信した。
 ブログを終えるとお雑煮の準備である。既に、前日から昆布で出しを取った汁を用意してあるので、それに大根、人参などを刻んで加え、沸騰させてから白味噌で味をつけた。後は、餅をレンジで少し軟らかくして、この中に入れれば出来上がる。いわゆるインスタント雑煮である。
 そこまでの準備を終えると、寝室に戻って、雅子を起こしてあげる介護に取り掛かった。着替える前に、もう一度簡易トイレの便座に座らせてみた。つい、1時間ほど前に行なったばかりで、その時は何も出なかったのだが、改めてのトライである。すると、幸いにも、今度は少しだったが、おしっこが出た。よかった、よかったと思いながら、再びベッドに戻した。持ち上げる作業は、一考にはやはり大変な作業である。(以下、明日に続く)
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776 「迫力」談義、あれこれ

 3時40分起床、体重、57.9Kg。朝、風呂。寒さ、穏やか。雅子は前日並み。

 昨日は、近くのスーパー内にある本屋が開くのを待って週刊新潮を買いに行った。コラムニストの勝谷誠彦氏のブログを読んで、売り切れるかもしれないよ、とのコメントがあったからである。同氏の昨日のブログでの、その朝日新聞襲撃事件の告白手記に対する切込みはさすがで、なかなか読ませる内容だった。元、週間文春の記者だった面目躍如たる迫力ある内容で、思わず、購入に走ったのである。週刊誌を買ったのは何年ぶりだろうか?
 蛇足だが、この勝谷さんのブログは有料である。しかし、それでも、いままでのところでは ,充分にその内容に満足している。その知見の豊富さ、迫力、使われる語彙の巧みさ、豊富さには一目置くものがあって、大いに勉強させてもらっている。テレビでのコメントでよく見かけるような横着な一面があって気にならない訳ではないが、そこがまた同氏の魅力なのである。
 数あるワイドショーの中で、昨日、週間新潮がスクープした、朝日新聞襲撃事件の話題を取り上げたのは、筆者が知る限り、読売テレビの午後の「情報ライブミヤネ屋」だけだった。他は、じっと静観して全くふれておらず、不思議な感じだった。その「情報ライブミヤネ屋」では、この記事の信憑性に疑問を投げ掛けていて、今一つ迫力はなかった。なお、今朝の日経では、小さく事実だけを伝えている。いずれにしても、来週の続報が楽しみだ。
 さて、国会では、麻生総理の施政方針演説への代表質問が行なわれたが、民主党を代表して質問に立った先発の鳩山由紀夫氏はともかく、数多い論客を差し置いて抜擢された田中真紀子氏の質問には、麻生総理を揶揄する言葉が幾つかはあったものの、以前のような迫力とか切れといった魅力はなく、野次馬的な内容の乏しいものに終始していた。いつもそうなのだが、彼女の演説にはこれと言った中味が伴っておらず、気負ってバッターボックスに入ったものの、あえ無い空振り三振だったように思う。ましてや、次の総理として小沢一郎を持ち上げた辺りは、聞くに堪えない内容だった。肝心の、その小沢代表が質問に立たないのが、最も迫力を欠く要因になっていたように思う。その点、自民党を代表して質問をした細田博之幹事長の迫力にはかなりのものがあって、普段の同氏のイメージとは違った魅力を見せていた。なかなか、やるじゃないかと言った感じである。
 大相撲の朝青龍が見せたガッツポーズが問題視され、相撲協会から高砂親方に注意があったという。相撲は国技ではあるが、スポーツに変わりはない。真剣勝負であればあるほど、勝てば、そんなポーズは自然に出て来るものではなかろうか。高まった迫力が形になった自然な動きであり、筆者は、それほど気にすることはないと思っている。
 因みに、勝負事でガッツポーズを見せない代表が、囲碁、将棋の世界だ。勝った方が「私の方が悪いと思っていましたが、…」と静かに語るのをよく見かける。それでも、ただ、一度だけ例外があった。将棋のあの加藤一二三さんが、名人戦の大舞台で、中原名人に勝って名人位を奪取した最後局で、詰みを発見した終盤で思わず奇声を発したのである。加藤一二三さんの対局姿勢は、いつも迫力満点なのだが、それに奇声が加わった珍しい事例で、今も語り草になっている。
 テニスの杉山愛のペアが、全豪オープンの女子ダブルスの準決勝にも勝って決勝に進出した。激戦を制した瞬間の女性らしいガッツポーズは魅力的だ これでテニスの4大大会制覇に王手をかけた。決勝はアメリカのウイリアムス姉妹で、迫力満点の強敵だ。頑張って、しっかりとガッツポーズを決めて欲しいものだ。
 少し話題がずれるが、このところのロシアの動きが怪しい。北方領土の国後島に援助物資を運んだ日本船が、入国カードの記載を迫られて、それには応じられないとそのまま引き返して来たと云う。それとタイミングを同じくして、鳥取沖で日本漁船が拿捕されてナホトカに連行された。とにかく、ロシア側の動きがおかしい。裏でガッツポーズをしているのかとさえ思わせる不気味な動きである。近く、ロシアのメドベージェフ大統領との日露会談がサハリンで行なわれるという。このような不気味な動きがあるだけに、麻生総理は、しっかりと主張して、ど迫力をもって応じてもらいたい。

2.連載、難病との闘い(741) 第三部 戦いはまだまだ続く(38)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(16)

(2)一年ぶりの自宅(その10)
 雅子が楽しみにしていた紅白歌合戦が終った。一考は、殆どの部分を何かをしながら横目でちらちらと見ていたので、あまり強く印象に残っているものはなかった。但し、自分のお気に入りの「水森かおり」だけは、手を止めてしっかりと見ていた。ピンと張った高音のさびの部分が好きである。彼女が一生懸命に歌っている姿はなかなか魅力的だった。また、話題のグループ「羞恥心」の出番では、さすがに盛り上がっていたようだった。NHKも最近は結構オープンマインドで、フジテレビのアナウンサーの飛び入りPRも受け入れていた。視聴率低落傾向で、溺れるもの藁をも掴むなのか、考え方も柔らかくなって来ているのだろう。
 さて、そこからは、雅子を寝かせる段取りに入るのだが、その前にやはりトイレをさせる必要がある。ともかくも、トイレについては、およそ3時間おきに、対応する段取りを念頭に置いているので結構大変なのだ。先ほどと同じ要領で、一考が一人で対応した。しかし、今回はオシッコが出なかった。タイミングが少しずれたのか、或いは、いつもと生活のリズムが違っていたので、雅子の身体が戸惑っているのかもしれない。仕方なく、そのままパジャマに着替えさせて寝かせることにした。紙パンツと大型のパットを併用しているので、間違いがあっても大丈夫だろうと高を括っていた。もちろん、ベッドには、施設から持ち帰ったゴムシートを保険と云うことで敷いていて、その種の準備は万全期しているので、3時間後の3時過ぎに起してトイレをさせればいいだろうと考えていた。
 一考がベッドに入ったのは1時前だったと思う。テレビをつけたまま寝てしまっていたようだ。はっと気が付いたときは、もう6時前になっていた。テレビは、あの「朝まで生テレビ」の終りの部分を放映中だった。やはり、久し振りの介護で疲れていたのだろう。3時頃に起きて、雅子にトイレをさせることをすっかりパスしてしまっていたのである。「しまった」と思ったが、後の祭りだった。
 一考は、急いで雅子の寝ているベッドに駆け寄った。雅子は、既に目を覚ましていた。「ごめん、ごめん、すっかり眠ってしまっていた。申し訳ない」と謝ると、雅子は何か言おうと口を動かしたが、スムーズに声が出なかった。そこで、少し慌てた口調で「トイレは?」と畳み掛けて聞いてみた。雅子は懸命に口を動かして、しきり何かを訴えるのだが、やはり、何を言っているのか聞き取れなかった。(以下、明日に続く)

775 複雑な心境

 4時50分起床、体重、57.8Kg。寒さは大したことはない。雅子は、相変わらず。

 コラムニストの勝谷誠彦氏の昨日のブログで、今日発売の週刊新潮にスクープ記事が出るようだとの記載があったが、その通りで、今朝の各紙の新聞に「私は朝日新聞阪神支局を襲撃した」と題する島村征憲の実名告白記事の広告が出ている。もちろん、筆者は、まだその記事の内容を見た訳ではないが、20年余り前の痛ましい犠牲者を出した事件での告白には、何とも言えない複雑な気持ちである。
 これが、三億円事件の犯人とか、グリコ、森永事件のような犠牲者を伴わない事件ならば、よくやったと言ってやりたいが、…。勝谷誠彦さんが、推測していた幾つかの予測とも違っていた。同氏が、今日のブログでどのようにコメントするか関心が高い。
 元巨人軍投手の桑田真澄さんが早稲田大学の大学院に合格したという。親友だった清原和博選手は、どんな気持ちでこの報を聞いたのであろうか。二十数年前に、桑田氏が初志貫徹で早稲田大学に進んでいたら、二人の人生はどんな展開になっていたのだろうか。歴史は実験できないが、やはり、複雑な気持ちになってしまう。
 フォーリーブスのメンバーの一人、青山孝史さんが亡くなった。仲間に癌を告白して12日後の死だったという。筆者は、フォーリーブスのファンでもなく、名前を聞いていた程度のグループだったが、死を覚悟して舞台を続けていたという同氏の気持ちを思うと複雑な気持ちになってしまう。犯罪は論外として、迫り来る死を意識して行なう人間の行動には、筆者は神聖さを覚え、一目置く気持ちになる。もう半世紀近くなるが、あの三島由紀夫氏が市谷の自衛隊に出向いての驚くべき行動には、ある種の神聖さを覚えたものであり、今でもしっかりと記憶に残っている。
 そんな神聖さを微塵も感じさせない麻生総理大臣の施政方針説が行なわれた。先のオバマ大統領の就任演説では、深夜にも関わらず聞こうと思った関心に比べると雲泥の差で、うっかり聞き逃してしまった。脱小泉を意識しての「安全と活力ある社会」の構築を訴えたようだが、そのための果敢な挑戦を、是非見せて欲しいと思っている。小泉純一郎ファンの筆者の気持ちは、やはり複雑な心境と申し上げておこう。

2.連載、難病との闘い(740) 第三部 戦いはまだまだ続く(37)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(15)

 (2)一年ぶりの自宅(その9)
 このトイレは、雅子が帰って来ることを想定して買っておいた新品だった。シャワー付きの新型である。今回が新品の使い始めだった。便座に座わらせた雅子の膝の上に、ここでも施設での場合と同じように、座布団を二つ折りにして置いてやってから、少し身体を前に倒してやって、頑張れる体勢が取れるようにしてあげる。この施政の調整は、先ほどの場合と同じ要領だ。その状態で、雅子が用を足すまで暫く待つのである。小用の場合は長くて5分程度の待機時間だ。
 用を足したあとの作業は、今やったと逆の手順での作業である。相変わらず、抱き上げる際には大変な力が必要で、なるべく、左下手を取り、右上手を取るような形で抱き上げて、そのまま引きずるようにして移動させると、比較的安定して移動できる感じである。いずれにしても、一考には格闘技の部類に入る介護である。恐らく、介護されている雅子も、不自然な姿勢を強いられることで、身体の節々が痛くで我慢しているのかもしれない。自分のことだから、一生懸命に我慢して頑張っているのだろうと思う。
 このようにして、今度は先ほどよりは無難に、雅子をリビングの備え付けの椅子に戻すことが出来て、一考はほっとするのだった。この時点で、いつもの施設ならば、お薬を飲んで就寝することになる。しかし、今日は紅白歌合戦が終るまではテレビを見ることにしているので、ここでは、お薬だけを飲ませることにした。やり方は、先ほどと同じで、トロミ調整剤を使って、それに絡ませての服用で、無難に飲ませ終わる。ここからは、この日の特別のメニューで、テレビの観戦が続く。雅子は、久し振りの一考のサービスを満喫するようにテレビを見ていた。
 その内に太郎が2階から降りてきて、先に渡しておいた年越しソバを食べるという。自分で適当にやってくれと言って太郎に任せた。とにかく太郎の食欲が旺盛であるのに、一考は安心するのである。一人暮らしをしているので健康の維持には心配しているのたが、何とか無難にやってくれているようだ。
 10時を過ぎた辺りで、雅子にお茶を勧めたがいらないという。そこで、一考も、恒例のしきたりに従って、ソバを少し食べることにした。買って来ておいたのが信州ソバで、お湯で麺を処理して、特製のつゆにつけて食べるのだが、あまり美味しくはなかった。そうこうしているうちに紅白歌合戦も終盤を迎えていた。(以下、明日に続く)

774 事件のその後、対応は?

 4時半起床、体重、57.8Kg。
 昨日の雅子は、イエス、ノーの返答の区別がつき難く苦労した。今後が少し心配。

 今朝の新聞で偶々見つけたのだが、昨年の5月22日この欄に取り上げた(523ご参照)のだが、珍しく琵琶湖畔で見つかったばらばら事件の続報が出ていた。残念ながら、事件の解明はほとんど進んでおらず、未だに被害者の身元さえ分かっていないようだ。今朝の新聞では、被害者の精密似顔絵を公表したと伝えている。事件発覚直後の昨年の6月にも似顔絵が発表され、140件あまりの情報が寄せられたようだが、決め手にはならず、今回は科学警察研究所(千葉)で頭骸骨の形状等を元に複願して精密な似顔絵を作ったというのである。滋賀県警の名誉を賭けて、お宮入りにならないように全力を挙げて解明に頑張って欲しい。
 あの世田谷一家殺人事件に代表されるように、未解明な凶悪事件は多い、昨年、世間を騒がせたあの中国ギョーザ事件も、早いもので発覚して一年になる。政治、経済で微妙な関係にある中国を相手にしているだけに、捜査は思うように進まず、事件の解明はほとんど進んでいない。困ったものである。
 その一方で、起きた事件が発端になって、再発防止への対策が進んでいる事例もある。昨年大阪で起きた凶悪なひき逃げ事件が発端となった飲酒運転への道路交通法の改正が進んでいる。昨日、その改正案が閣議決定された。近々国会に上程され、審議が順調に進んでこの改正案が成立すると、今年の7月から実施されることになるようだ。その改正内容は、一口に言えば罰則強化で、例えば、今までだと酒気帯び運転で、0,25ミリグラム以上の場合は、13点減点で90日免許停止だったものが、25点減点で、人身事故を伴えば、免許取り消しとなるという。厳しくすればいいというものではないかも知れないが、抑止効果は期待される。
 ともかくも、起きた事件に対する前向きの対策が取られることは、教訓が生かされることであり、政治が国民の期待に応える大事な一歩前進なのである。
 免許ということでの余談だが、昨日山形県鶴岡市で、免許も資格も持たない男性店主が調理したふぐ料理を食した客で、7人が中毒症状を発症しているという。驚いたのは、このふぐ料理に関して、免許、資格などの条例があるのは、全国で19都道府県だけだそうで、東北6県には規制がないというのだ。狭い日本にもいろいろ違いがあるということだが、ふぐ毒のテトロドトキシンの恐ろしさには、全国通じて変わりがないのに、扱い規制がばらばらなのは困ったものである。ここでも政治の出番で、速やかな法的規制の改革を行なう必要がある。

2.連載、難病との闘い(739) 第三部 戦いはまだまだ続く(36)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(14)

 (2)一年ぶりの自宅(その8)
 夕食を終わって、後片付けなどが一段落したのは8時半を過ぎていた。9時過ぎには、雅子のトイレのタイミングになるが、暫くは自由な時間である。
 母親のトイレを手伝った太郎は、どんな気持ちだったろうか? いつの間にか、2階の自分の部屋に戻っていた。いつものことだが、太郎が帰って来ると、一考が普段使っている二階の部屋は太郎に引き渡すことにしているのだ。それというのも、その部屋は、二つに分けられていて、その一方に太郎の机や本棚が置いてあるからだ。従って、太郎が帰って来ている間は、一考はコンピューターを一階にもって来て、寝室で作業をすることが多くなっている。幸い、無線LANを使っているので、コンピューターの移動に関しては、それほど煩わしくなく便利である。その上、無線の発信装置も一階にあるので、受信の強さも強くて使い易い。
 束の間での一息が過ぎて9時になった。雅子をトイレに連れてゆかねばならない。この辺りは、施設でお願いしていると全く気遣わなくて済むから、気遣いの点では、天国と地獄の違いがある。
 本人にトイレの意志を確認すると、やはり、行きたいという。3時間間隔が身についていて、安全が保たれるインターバルなのだ。先ほどの夕方での苦闘を勘案し、これからは、ベッドの横に置いてある簡易トイレで行なうことに考えを変えていた。それなら、太郎の助けは不要で自分一人で出来る。そして、その具体的なやり方は、事前に頭の中で何回もシュミレーションしていて、それなりに自信があった。
 先ずは、雅子を車椅子に移し、寝室まで移動させる。寝室は、そのことを想定して、早めに暖房を効かせて置いた。ベッド脇に車椅子を近づけて動かないようにセットしてから、雅子を抱き上げて、ベッドの上に寝かせる。それを終えると、部屋が狭いので、車椅子を一旦部屋から出す。そうしてから、下着を下ろす作業に入るが、ベッドに寝かせているので、時間をかけて対応しても疲れることもないから、一人でゆっくりと出来るのだ。下着は半分程度、つまり、膝の辺りまで下げた状態で、雅子を抱き上げて、傍に置いてある簡易トイレの便座まで移動させて座らせるのである。一人で行なう作業だが、先ほどよりもスムーズに行なえた。幸い、それまでの作業は、頭の中で何回も行なっていたシュミレーション通りの進行だった。(以下、明日に続く)

773 掴みどころがない

 4時40分起床、体重、58.3Kg。寒さは中くらい。雅子元気今一つ。

 定額給付金を巡る国会での論戦、攻防は国民の期待とはかけ離れてしまっている。一昨日に行なわれた山形県知事選挙で、民主党の吉村美栄子氏が辛勝したことで、同党の鼻息が荒い。両院協議会での駆け引きを巡る新牛歩戦術で、会議が始まったのは夜の9時過ぎだった。それも民主党の議長の独断で、今日午後の会議に結論が持ち越された。この法律は憲法の規定で成立することは決まっているが、関連法案が通らないと、具体的な国民への給付金配布はできない。一体、どうなるのか。掴みどころがない。
 このところの株価の動きも全く先が読めない。オバマ大統領が誕生すれば、上向きに推移するのではと期待していたが、その気配は全く認められず、就任日でも大幅な下げとなった。その後も、日米共に方向感のない市場の動きが続いている。今朝の米国ダウも僅かな上昇で、まさにさ迷っているような動きである。実体経済が悪いだけに、掴みどころのない動きが続くことになるのだろう。
 久し振りの優勝を果たした朝青龍も、前夜は嬉しいお酒を飲み過ぎて、記者会見に1時間ほど遅れて顔を出したようだ。「長いトンネルを抜けてやっと青空が見えてきた感じだ」と語ったが、その一方で、将来は、モンゴルの大統領になるとも親しい髪結いさんにこぼすなど、その先行きは、相変わらず掴みどころがない面もあっていかにも同氏らしい。
 最も掴みどころがないのが麻生太郎総理である。このまま09年度予算成立まで突っ走るのだろうか。果たしてそこまで持つのだろうか。今朝の新聞で、週刊誌「サンデー毎日」の広告が掲載されているが、そこには、与謝野馨選挙管理内閣なんていう活字が躍っている。どうみても、今の自民党には勝ち味は見えて来ない。速やかに潔い下野をすべきではないだろうか。一方で、小沢一郎内閣が成立したとしても、長続きするようには思われず、ここにも掴みどころにないもやもやがある。
 大阪府の橋下知事が、来る2月6日で就任から一年を迎える。果敢な改革活動で頑張って来ている姿勢は高く評価されていて、ここでは、いい意味での掴みどころのない規模の大きい改革が進められている。府民の期待も大きく、日本国民も、その手腕に大いに注目している。この種の夢のある、規模が大きい、掴みどころのなさは、大いに歓迎すべきものである。

2.連載、難病との闘い(738) 第三部 戦いはまだまだ続く(35)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(13)

 (2)一年ぶりの自宅(その7)
 そして、いよいよ最も苦戦が予想されるステップ、用足しが終わった後の介護作業に入る。この作業は、便座に座らせる作業よりも、明らかに厄介なのである。何故なら、下着を上げてやる場合は、パットを使用していることもあって、はき心地をうまくフィットさせるように下着を上げてやる必要があり、単に下げればいいという作業とはちょっとした優しさが必要で、それが難しいからである。ましてや、太郎は全くの素人もいいとこだ。案の定、大苦戦だった。一考が持ち上げている間に、太郎が頑張るのだが、なかなかうまくいかない。時間が掛かると一考が支えるのが堪え切れなくなる。仕方なく、一旦、雅子を便座の上に一度下ろして休息を取った。一考の力も衰えていて、まさに格闘技のような頑張りだった。
 ともかく、大変だったが、何とか目的を果たして、雅子を移動用の車椅子に座らせて二人の親子は、顔を見合わせてほっとしたのであった。ほほえましい風景だが、見方によっては異様な風景でもあった。
 雅子をリビングの備え付けの椅子に戻したのはもう7時を過ぎていた。間もなく、NHKの紅白歌合戦が始まる時間である。ここで、一連の介護作業は一段落である。一考は、ほっとして、漸く、自分の夕食に取り掛かった。太郎が食べ終わったすき焼きを口に運ぶ。何だか、ガソリンを補充しているようで、味を楽しむ雰囲気ではない。太郎には、別に買ってある晦日そばを出して、適当に食べてくれと伝えた。そうこうしているうちに、紅白歌合戦は始まっていた。
 雅子は、久し振りの我が家だったが、何となく落ち着かない顔つきだった。やはり、いつもの雰囲気と違っていたからだろう。何といっても、部屋の広さが違っていて、このリビングはそういう意味では少しせせこましい。20へーべ以上もある施設の部屋はそういう意味ではゆったりしている。ここでは、ダイニングと合わせて一室になっていて、ごちゃごちゃしているから、余計にその違いが鮮明なのだ。いずれにしても、雅子は一年ぶりのリビングの部屋で、テレビに目をやっていた。(以下、明日に続く)

772 復活V

 4時40分起床。体重、58.2Kg。寒さはそれほどでもない。
 妻、雅子が施設のアクティバ琵琶に入居したのが、07年12月10日なのだが、それ以降の筆者の施設への訪問回数が、昨日でちょうど500回になった。あっという間の500回だった。なお、昨日は定例の体重測定日だったが、ここ3ヶ月連続で体重減少が続いていて、少し心配である。

 さて、今朝の話題は復活Vである。先ずは、朝青龍が見事な復活Vを果たした。場所前には引退が取り沙汰されていたが、その勝利でそれを雲散霧消させた。23回目の優勝は歴代4番目の記録である。同氏の存在の大きさが、観客動員数、テレビ視聴率で実証されていて、相撲協会も見直しているに違いない。何事もそうだが、勝つことが、事態のもやもやをスッキリさせる最大の手段である。
 マラソンでも、渋井陽子選手が復活優勝を成し遂げた。昨日、行なわれた大阪国際女子マラソンで、前半を自重した作戦が功を奏し、後半はライバルを引き離しての完勝だった。昨年11月の東京国際女子マラソンでは、前半飛び出してトップを独走したものの、後半失速して失敗していた。マラソンにしては短い期間での連続出場だったが、今度はその失敗の轍を踏まず、今までにない勝負への自信を得たようだ。8月に行なわれる世界選手権での活躍が楽しみである。
 スキーのモーグルのW杯で、上村愛子さんが今期、初優勝を果たした。復活Vではなく昨年の総合優勝に続いての連続Vである。一時は里谷多英さんに先を越されていたこともあったことからすれば、見事な復活Vとも言える。今や彼女の独壇場だ。今年も総合優勝を目指して欲しい。
 政治の世界でも驚きの復活劇がある。脳梗塞による重病説、一部には死亡説も流れていた北朝鮮の金正日総書記が、ごく最近に中国の要人と会談したニュースが配信され、同氏の回復ぶりが確認された。見方によっては、復活Vという類に入るニュースである。とにかく、よく分からない国での動きで無視したいのだが、そういう訳にいかないのがもどかしい。後継者を巡る動きも混沌としていて、これからもその動きからは目が離せない。
 一方、米国では、ギャラップ社による世論調査で、オバマ大統領への支持率が68%と出た。ケネディ大統領の72%には及ばないが、アイゼンハワー大統領と並んで2位タイだそうだ。宣誓式で200万人をも集めた動員力から、もっと高い数字を予測していただけに、少し物足りなさを感じたぐらいである。さあ、アメリカの復活Vを目指して、同氏がどんな手腕を発揮するのか、世界が注目している。しかし、その道は長く、険しく容易ではないだろう。
 一方、今朝の新聞各紙で、麻生内閣の支持率も発表されているが、いずれも20%を割る低さである。逆に、不支持が70%レベルで、オバマ大統領の支持率並みだ。これでは,日本の復活Vは全く見えて来ない。その麻生太郎総理が、昨日の朝青龍の優勝セレモニーに顔を出して一言コメントしていた。朝青龍の奇跡の復活Vに肖ろうとしたのかも知れないが、そんな場合じゃないだろう。小泉純一郎元総理が「痛みに堪えてよく頑張った」というセリフが喝采を得たのとは、時と場合が違い過ぎるのだ。その辺りが全く読めていないKYでは、復活Vなんて有り得ない。

2.連載、難病との闘い(737) 第三部 戦いはまだまだ続く(34)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(12)

 (2)一年ぶりの自宅(その6)
 歯磨きが終わると、トイレである。これが一連の介護作業の中で最も難しい作業である。事前の予定では、寝室に置いてある新しく購入した簡易トイレを使う予定にしていたが、息子の太郎が居てくれるので、思い切って施設で行なっているように、通常のトイレを使うことにし、二人掛かりでの同じ作業を行なうことに挑戦することにした。
 太郎に、その要領を事前に教えてやる。その作業内容を聞いた太郎は、さすがに戸惑ったようだったが、神妙に聞いてくれてOKしてくれた。その太郎の具体的な役割だが、それは、一考が便器の前で雅子を抱き上げている間に、雅子の下着を降ろしてもらう作業である。太郎はまだ結婚をしておらず独身だけに、自分の母親の下着を降ろすという作業には、正直、驚いたに違いない。
 そして、その大変な作業に取り掛かった。先ず、リビングの備え付けの椅子から雅子を車椅子に移し、トイレまで移動させて、そこで、雅子を車椅子から持ち上げて支える。この作業が、今では、一考には大変な力の要る作業で、全力を使っての必死の闘いとなる。そこで、太郎が教えられた通り作業を行なうのだが、当然ながら、慣れていないのでうまくいかない。おまけに、予備のためのパットをしているので尚更なのである。それでも、太郎も必死になってやってくれて、漸く、便座に雅子を下ろしてやることが出来た。一考には大変な消耗で疲れたが、ほっとして大きく一息つく。そして、いつものように、膝の上にソフトタッチのタオルを置いてやり、その上に座布団を二つ折にして置く。そして、雅子の上半身をそっとその座布団の上に倒すように傾けてやると、とりあえず頑張れる姿勢が完了するのである。この介護の様子から分かるように、今の雅子は、自分の身体を少し前傾させるような動作も自分では出来ないのである。可哀そうだが仕方がない。
 さて、それから暫くは、雅子の頑張りを励ます作業で、通常はじっと待っているが、頃合を見て、様子を確認するのである。具体的には、「終わったかい?」とか「まだ、頑張るかい?」の質問で、その反応を見て対応を決めるのだが、今回の場合は、前日に通じがあったので、この滞在期間は小用だけで済みそうで、随分と気が楽である。なお、このところの雅子の通じの頻度は、三日に一度ぐらいで、その場合は、今では便秘薬の使用は欠かせない。幸い、この自宅での滞在期間は、ちょうど、その3日間に入っていて、順調なら通じはない期間なのである。(以下、明日に続く)

771 頑張れ、橋下徹府知事

 5時起床、体重、58.4Kg。寒気が来るという予報だが、朝の時点ではそうでもない。雅子の様子は前日並みで「苦しさも、中くらいなり、今日の妻」である。

 今朝の毎日新聞(関西版、13版)社会面のトップに「思いつき」が「思い込み」に、そして「思い上がりに」という見出しが出ている。
 これは毎日新聞が、橋下徹・大阪府知事が就任一年を迎えるのを前に、府庁の課長、参事、全員にアンケートした結果の一部の答えだという。全体的な改革評価は6割と高い評価と称賛を受ける反面、上記のような不満、批判、泣き言なども多く寄せられたようだ。仕事量や職務の重圧感が増したという答えが全体の7割を占めていて、管理職も橋下流に戸惑い、悲哀を感じている部分もかなりあるようだ。
 何事もそうだと思うが、何か新しいことの着想の中には、いわば、思いつき的に頭に浮ぶことがら始まることがある。通常では、その発想内容を吟味、熟成して確信になった時点で、提案という形で議論の場に登場するというのが一般的だろう。問題は、その着想の中味の吟味、確認のステップが疎かになると、いわゆる、単なる思い付きと揶揄されることになってしまう。従って、生煮えの提案が押し付けられるとなると、それは「思い上がり」という批判を受けることになる。
 タレント時代の橋下氏の対応ぶりには、その種のギャグ的な思いつき的な発想が多かったことは確かだ。従って、知事になっても、その着想からの熟成のステップが不十分で発言されてしまっていることが多いのではとの懸念がある。このアンケートの結果には、その種の懸念が反映されているように思う。その辺りについては、しっかりしたブレインを配することで改善できるのではないだろうか。
 このアンケートで、筆者が注目したポイントに、同氏の対応のスピードの速さが高く評価されていることである。例えば、メールをすると直ぐに返事が返って来るようで、その熱意に感服するという見方も結構あるという。この点は、同氏がこれからも改革を進めて行く上での大事な側面で、やはり、熱意を持って果敢に取り組む姿勢がなければ、皆がついて来ないし、改革は進まないだろう。
 海の向こうの米国では、オバマ大統領が走り出した。もちろん、オバマ氏の場合は、その規模も影響も地球規模で、大阪府政と比較すべきものではないが、その精神において、共通するものがあるように思う。
 スポーツなどでは、二年目のジンクスなんて言われるが、そんなものはもろともせず、引き続き思い切った改革を進めて行ってもらいたい。今の日本の政治家としては期待の星である。頑張れ、橋下徹、と言っておこう。

2.連載、難病との闘い(736) 第三部 戦いはまだまだ続く(33)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(11)

 (2)一年ぶりの自宅(その5)
 雅子の食事は、とりあえず、事前に考えていた通りのメニューを用意することにした。ベースはおかゆである。あまりうまく炊けてはいないが仕方がない。もう一度温める。それに、購入してあるクリームコロッケをレンジでチンする。そして、今一つは、卵をスクランブル状に柔らかく煮る。
 太郎に一人でスキヤキを食べさせておきながら、一考は、雅子にそれらのものを食べさせる。久し振りに、雅子の食事をサポートするので、最初はそのリズムが合わずに苦戦した。確かに、開始直後は、口を開けるのが小さくで困ったが、その内に、雅子も必死に口を開けるようになり、一考はそのペースに合わせて、料理を少量ずつ運び入れる。と云うよりも、見方によっては、押し込んでいるような作業になる。途中で、雅子が疲れると思うので間合いを計るようにして休息する。クリームコロッケは中味のクリームの部分だけにした。周りの皮の部分は無理して食べさせない。喉に詰めたら困ると判断してのことである。
 時間は掛かったが、とりあえず、おかゆ、コロッケ、卵のスクランブルはほとんど食べてくれた。改めて、介護の大変さを認識したが、その食欲がきちんとキープされていることでほっとしたのである。
一休みした後で、今度はお薬である。施設からもらってきたトロミ剤を水でかき混ぜると粘調な液体が出来た。それに、お薬を乗せて、スプーンで雅子の口に運ぶ。錠剤、カプセル、それに粉薬も同じよう要領で口に運んだ。この方法は、確かに服用しやすい方法である。
 それが済むと歯磨きと口を洗う作業である。これは、在宅の時には、場所を洗面所の近くに車椅子を移動させて行なっていたが、今回は寒さのこともあって、この椅子に座ったまま、この部屋の中で行なうことにした。電動歯ブラシ、歯磨きチューブ、洗浄瓶などの必要な洗面具をこの部屋に持ち込んでの作業となった。まずは、余計なところが汚れないように、前掛けをかける。そして、電動歯ブラシに歯磨きチューブから出した歯磨き薬剤を少し乗せて歯磨きを行なう。ここでも、口の開きが心配になるが、とりあえず、雅子は必死になって口を開けてくれるので、なるべく奥まで磨いてあげるように気を配る。一通り磨き終わると、次は洗浄だが、差し当たっては、洗面器に水を入れて、歯ブラシをそれに漬けて洗い出すようにしながら、口の中と洗面器の水との間を交互に往復させ、かき出す作業を繰り返す。適当なタイミンで洗面器の水を替えて、そのかき出す作業を10回ぐらい行なうと、大体洗い終わった状態になるが、最後の仕上げとして、理科の実験などで使う洗浄瓶で、水を噴出すようにして口の中を洗ってやると完了である。(以下、明日に続く)

770 快挙ニュースの陰の秘話に疑問

 4時20分起床、体重、58.5Kg。寒さはびりっとして厳しい。昨日の雅子は、前日と変わらないまずまずの症状だった。

 オバマ新大統領が果敢に動き始めている。その一方で北朝鮮の金正日総書記が中国要人と会談したニュースが写真付きで報道され、同氏が病気から回復していることが世界に伝えられた。まだ、健在で実権を握っているのである。
 そんな中で快挙と云うべきニュースが相次いだ。石川遼選手のマスターズ出場決定、スノーボードの世界選手権で、名前が同じ発音の「りょう」である青野令選手が優勝した。この競技での日本人選手では初の勝利である。
 また、温室効果ガス測定機器を搭載した「まいど一号」衛星の打ち上げが成功、中小企業の頑張りが実った。センパツ出場校が決定し、滋賀県から希望枠に文武両道の彦根東高校が56年ぶりに出場を果たす。今や筆者の母校の膳所高校を凌ぐ県下随一の進学校である。因みに、同じ希望枠で60年ぶりの出場を決めた大分上野高校だが、9時のNHKのニュースウオッチを担当している田口五朗さんは、この学校の卒業生だそうだ。
 ところで、昨夜9時からのTBSテレビで放映された「中井正広のキンスマ」で、脚本家の田淵久美子さんの秘話が取り上げられていた。昨年の大河ドラマの「篤姫」の脚本を担当された方である。そう言えば、筆者は昨年末のこのブログ(ご参照700回)で、原作の宮尾登美子さんを脚本家と書いていて大きなミスを犯していた。この場でお詫びしておきたい。
 その「キンスマ」での秘話の一つとして、彼女が脚本家により一層専念したいとして、二人の子供がいたにも関わらず、1999年のクリスマスイブに、最初の夫に離婚を申し入れた話が紹介された。その際の離婚の条件が、その後の3年間は同居を続けることにし、籍だけ抜いた離婚だったという。
 その後、2005年に「篤姫」の脚本の話があり、それに取り掛かった頃に、整体師であった二人目の夫と再婚する。その夫は歴史の知識も豊富で、彼女の脚本の創作活動に大いに貢献したそうだが、その創作が半ばに差し掛かった頃から、田淵さんは、夫の健康に異常を感じ始めていたようだ。しかし、「大丈夫だよ」との夫の言葉に、そのまま創作活動に専念したのだが、奇しくもそれの完成が近づいた頃になって、夫が大腸癌の末期だと知る。 
 昨年の9月に入って間もなく、脚本は目出度く完成し、9月27日には、ドラマ「篤姫」はクランクアップ、二日後の29日に打ち上げパーティが行なわれ、田淵さんもそのパーティに顔を出していた。その日が夫の手術の日であったので、彼女は、そのパーティが終ると、そのまま病院に駆けつけて手術に立ち会う、時間ンが掛かったが手術は終ったものの、数日後に夫は「愛してるよ」と自ら紙に記して他界したという痛ましい秘話だった。
 その番組の中で、彼女は、脚本家を目指そうとした時から「直感」を大事にして、脚本家を目指して生きて来たと語っていた。その後の努力で、立派な脚本家としての地位を確立した素晴らしいサクセス秘話である。近々、その辺りのことを書いた「女の道は一本道」という本が出版されるという。
 しかし、筆者は、この感動的な秘話に何か割り切れないものを感じるのである。つまり、もう少し早く、夫を病院に連れて行っていれば、大腸癌の早期発見は可能だったような気がするからである。仕事に賭けたといえば美談のように映ずるが、命の尊さが軽く扱われたような気がしないでもない。但し、筆者の上記の受け取り方は、あくまでも昨夜の放送から得た情報のみで判断しているので、他にその辺りのことに関して語られていない何かがあるのかもしれない。
 とにかく、見た目にも魅力的な49歳の女性である。先夫との間に出来た二人の子さんもしっかりと育っていて申し分なく、ファンになりたい気もがする一方で、少しわだかまりもあって複雑な心境である。

2.連載、難病との闘い(735) 第三部 戦いはまだまだ続く(32)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(10)

 (2)一年ぶりの自宅(その4)
 「お茶でも飲むかい? ヨーグルトでも食べるかい?」頃合を見て、一考が声を掛けると、雅子は、とりあえず、お茶を飲みたいという反応だった。一考は、施設に居る時と同じように、小さなコップにお茶を入れて、ストローを口に含ませてやる。いつもより、早いスピードでお茶が雅子の口に吸い込まれてゆくのを見て、今日は元気がありそうだと、一考はほっとするのだった。最近では、このストローで吸い上げる力が弱って来ているように感じてうたので、一考の心配事の一つになっていた。しかし、この日のしっかりした吸い上げぶりで、一考の心配はすっきりと吹き飛ばしてくれた。
 そうこうしているうちに夕食の時間が近づいて来ていた。この日は、母親の夕食の担当日だったが、母親のために買っておいた専用のおせち料理を出すことを予定していたので、特別な準備をする必要は無かった。ご飯とおせちを運ぶだけで済むのである。
 一方、自分と太郎の分は、この日はスキヤキを予定していた。スキヤキと言っても、野菜はおネギだけだ。近所の方から数日前に沢山のオネギを頂いていたからである。そのおネギも既に切って用意してあるので、後はお肉を入れて炊くだけでよかった。
 姉の久子が雅子に挨拶に来たのは、ちょうど夕食の準備は始めた頃だった。相変わらず、あれこれと細かいことをいろいろと喋ってくれるのだが、雅子はどうしようもなくい、苦しそうに聞いているだけだ、恰も、久子のワンマンショーを見せられているようで、一考も、太郎も手持ち無沙汰だった。頃合を見て、一考は、それでもうそれで充分だよと区切りをつけた。何だか、少しぎくしゃくした感じがしたが、取り敢えず、久子にお引取り頂いた。三人には、再び落ち着いた気分が甦った。
 この日は、母親の夕食を、いつもよりも少し早めに届けた。ご飯と、おせち料理のお重だけだから、手間か掛からなかった。そうすることで、一考らは自分達のことだけに集中できるようにしたのである。そう言えば、息子の太郎と一緒に食事をするのも、昨年の秋に見舞いに来てくれた時以来で久し振りである。
 すき焼き用の卓上コンロを準備し始めたのだが、暫くやっていなかったので、ガスボンベの入れ方で戸惑っていると太郎が寄って来て、こうするんだよと代わりにやってくれた。自分も耄碌したなあと思いながら、やはり息子の存在にほっとするのだった。一考は、自分達のおせち料理もテーブルの上に並べ、同時にすき焼きの材料を冷蔵庫から出して、息子には先に適当にやって欲しいと声を掛けて、自分は、雅子の夕食の準備を始めた。(以下、明日に続く)

769 厳しい経済環境下での朗報

 4時半起床、体重、58.6Kg。地面は濡れているが、雨は降っていない。寒さは少し厳しい。昨日の午後、雅子には、実兄夫婦の見舞いがあった。首を持ち上げて、頑張って応接していたのが、いじらしい。

 日銀が09年度の成長見通しを、マイナス2.0%と発表した。今年度(08年度)の見通しがマイナス1.8%であるから、2年連続マイナス成長となる。何といっても、米国の動向が注目されることになるが、オバマ新大統領の誕生で、思い切った施策が行なわれることに期待することになろう。他人任せの覚束ない対応である。
 厳しい見通しを象徴するようなニュースが相次いでいる。今朝の報道では、新日鉄が君津の高炉を一時休止し、減産に入るという。既に、JFEも減産を実施しており、日本の生産活動の源と云うべき高炉減産はその影響するところが極めて大きい。また、ソニーが14年ぶりの営業赤字に転落すると発表、特にテレビ部門の削減にメスを入れるという。また既に明らかにしている15000人という大規模な聖域なきリストラが進められている。
 リストラに関しては、海外でも、マイクロソフトが5000人、インテルでも追加で、数千人のリストラが発表されていて、地球全体が、急速にしぼんでゆくような経済面での悪化が進んでいる。世界が初めて経験する大規模な経済不況であり、全世界が参加しての新しい実験だといえよう。どんな展開になるのか、誰にも分からない。
 そんな厳しい環境下で、幾つかのちょっとした朗報があって貴重な救いでもある。一つは、ゴルフの石川遼選手がマスターズ委員会から、特別選手枠での招待の打診が入っていることが明らかになり、17歳での日本選手として最年少での出場が確実となったようだ。大したものだし、期待に応えてもらいたい。
 映画では、本木雅弘さんが出演している「おくりびと」が、第81回アメリカのアカデミー賞にノミネートされたという。発表は来月23日で、受賞すれば、6年ぶりの日本作品の受賞となる。
 一方、大相撲では、朝青龍が予期以上の頑張りで全勝街道を走っていて、優勝も視野に入って来ている。彼が頑張ることで、場所自体が盛り上がっているのだから、その存在感は大変大きいといえる。一方、大関の魁皇が良く頑張って12回目の角番をクリアーした。同氏のファンの一人として大変嬉しい。
 それに対し、残念なのは、日本政府の対応に然るべきものが見られないことだ。何しろ、国会で漢字の読み方の問答をして楽しんでいるのだから、打つ手なしで、困ったことであるが、最も不安なのが、リリーフとして登場するはずの民主党の力が覚束ないことである。このままでは、ケセラセラの冬の世界を見守りながら、じっと堪えるしかないのかも知れない。

2.連載、難病との闘い(734) 第三部 戦いはまだまだ続く(31)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(9)

 (2)一年ぶりの自宅(その3)
 一年ぶりにリビングに戻って来たことに、雅子はどんな感慨を持ったのだろうか。恐らく、言葉に出せない懐かしさにほっとする一方で、自分の世界から離れてしまったこの空間に何とも言えない寂しさをも同時に感じたのではなかろうか。言ってみれば、自分達の部屋に戻ったと思う一方で、自分はもう、よそものなのではといった孤独感のような切なさを覚えていたかもしれない。
 また、家族との顔合わせという面で、次郎がいないという寂しさがある反面、久し振りに太郎の顔を見られたことで、その嬉しさは一入だったろう。しかしながら、我慢すれば、この家庭に戻って来るのが可能な状態なら、心から喜べるのだが、若しかしたら、今回が最後になるかも知れないと思う気持ちもあって、複雑な感慨であったことは確かである。
 一考は、早速母屋に出向き母親に雅子が帰って来たことを報告した。母親は、よかったと言いながら立ち上がって、雅子のいる部屋にそろそろとついて来てくれた。そして、久し振りの二人の対面が実現した。雅子がアクティバに入居後、2回訪ねて来てくれていたが、4月半ばに来てくれたのが最後だったので、8ヶ月ぶりの対面である。
 いつものことながら、母親は涙を流しながら喜んで、雅子を椅子の周りから抱かかえるようにして慰めてくれていた。一方の雅子は、一生懸命に声を発しようとするが、言葉にはならない。直接的には、言葉が通じない対面だったが、それなりに気持ちは通じていたと思われる。一通りの挨拶が終わると、お薬の時間だと言って、母親を母屋に送って行った。そうとでも言って区切りをつけないときりがなく延々と続くからである。
 「まあ、ゆっくりしてくれ」母屋から戻ると、一考はそう言って、テレビのスイッチを入れた。そういえば、このテレビは。それまで雅子が見ていたテレビとは違う。大型のデジタルテレビに買い換えていたのだ。あの電気マッサージ椅子をアクティバ琵琶に移動させる際にお願いした電気屋さんに、うまく誘導されて、気の優しい一考が仕方なく買ってしまったのだった。雅子の部屋にあるタイプよりも一回りサイズが大きい。雅子は、何となく懐かしそうな顔で、静かにじっと画面に目を遣っていた。太郎は雅子の気の毒そうな姿に、何かしてやることがないかと傍で見守っていた。自分の母親の不幸にどうして上げたらいいのかと戸惑っている様子が、何か痛ましく思えるのだった。(以下、明日に続く)

768 オバマ新f大統領、本格始動

 4時40分起床、体重、58.2Kg、妻、雅子の様子は一進一退。

 昨日の第44代オバマ米国大統領の誕生から一夜が明けた。筆者もその興奮の余韻に酔っているような感覚である。インターネットで演説文をプリントアウトして目を通したりして、その余韻を楽しんでいる。そこには、何かが変わるといった前向きの余韻がある。
 思っていた通り、世界各国の反応は、総じて好感を持って、その誕生を祝福している。注目されていた演説も、さすがと言わせる読みの入った内容で、メディアも、米国民にも好感を持って受け入れられているようだ。特に選挙戦で訴えた強い口調から一転して、じっくりとその難局に取り組む困難さを訴えて理解と協力を求める演説トーンは、なかなかの説得性に富んだものだった。そのスピーチライターが27歳の若者だというから、これにも驚きである。
 それにしても、200万人という多くの聴衆が集まったこと自体には、驚きを越えた偉大さを感じる。ステージとなった連邦議会議事堂前の最前列から、何と2Kmもの間を聴取者が埋め尽くしたというから、まさに、オバマは神様以上のカリスマ的な存在だといえよう。
 そして、既に中東の首脳とも電話会談するなど、その任務を本格的に始動させているという。平和を願う世界の期待は大きい。さすがに、今朝の米国株も引け際になって上昇し280ドル近い伸びとなった。暫くは、同氏の一挙一動を世界が見守ることになる。頑張ってもらいたい。橋下徹大阪府知事の誕生の世界版のような感じがする。このたとえは、オバマ大統領には失礼かな? 
 さて、ここで余談だが、44代目ということに少し拘ってみよう。
 日本の44代目の総理大臣は、終戦直後の1945年10月に就任した幣原喜重郎である。吉田茂総理への繋ぎの総理大臣だった。一方、44人目の総理というと鈴木善幸さんである。いずれも、セットアップ的な役割を果たした総理だったといえる。その点ではオバマ大統領の役割とは雲泥の差である。
 また、スポーツ界に目を転じると、相撲界での44代目の横綱は、1954年に横綱になった、あの業師の栃錦である。筆者の中学生の頃の人気力士だった。野球界では、巨人軍の歴代の4番打者の44代目は、1980年頃のロイ・ホワイト選手(因みに46代目が中畑清)が、阪神では、藤田平選手が43代目で、その次の1965年頃の池田純一選手(熊本、八代東高卒)だ。
 こうして見ると、日本での44代目は、相撲界の栃錦を除けば余り目立った人はいない。
 ともかくも、オバマ大統領のこれからの4年に注目したい。

2.連載、難病との闘い(733) 第三部 戦いはまだまだ続く(30)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(8)

 (2)一年ぶりの自宅(その2)
 自宅への帰途の途中、車の助手席でも、相変わらず俯き加減の姿勢の雅子だったが、時々は頭を持ち上げるようにして外の景色に視線を送っているようだった。一年ぶりに目にする風景には、恐らく、心ときめかすものがあるだろうと一考は考えていた。
 僅か一年という短い間だったが、それでも、自宅へ向かうこの国道161号線の周辺でも、その景観が変わっているところも幾つかあった。自宅近くの柳ヶ崎の交差点付近は、大きなマンション建設などの再開発の工事が進んでいて、景観の変わりようも大きかった。特に、その一角にあった料理屋さんが取り壊されて、近くの近江神宮参道の一角に移っていた。かつては雅子が時々使っていただけに、雅子も、この変わりようには、多少の感慨深いものを覚えているのではと忖度するのだった。
 夕方の4時前には無事自宅に到着した。近所の様子は一年前と全く変わっていない。雅子は車の窓から、恐る恐るといった感じで視線を配るが、自分で首を回せないので、なかなか全体の把握は出来ないようだった。
 一考は、長男の太郎を呼び出して手伝ってもらい、雅子を移動させる作業に取り掛かった。この移動作業は、通院時で何回もやっているものだが、手助けがあると随分と楽になる。お陰で、思ったよりもスムーズに、雅子を車椅子に移し、玄関口まで移動できた。
 少し厄介だと思っていたのが、玄関にある段差をどう克服するかであった。段差はちょうど30センチある。車椅子をその近くまで寄せて固定する一方で、室内用の小さな車椅子をその段差の上の近くに固定して待機させておく。大変なのは、運んできた車椅子から、雅子を抱き上げて、その段差の上の小さな車椅子に移す作業である。一年前では、まだ、雅子が自らの足で、少しは自分を支えられる状態にあったので、何とか一考が一人でサポートできたのだが、それが今では出来ないから大変なのだ。雅子を抱き上げて一気に上の小さな車椅子に運ぶか、一旦、段の上の床に雅子の身体を横に寝かせた状態にして、少しずつ奥にずらせてから、抱き起こして車椅子に乗せるかである。
 この計画を考えた時から、この作業のやり方について、一考は頭の中でシュミレーアションを何回か 繰り返し、前者のやり方には、力不足で無理だと判断し、後者の方法で行なおうと決めていた。幸い、太郎が居てくれたことで、その方法で、何とか室内の小さな車椅子に運び上げ、リビングルームに移動させることが出来た。こうして、心配していたほどの厄介さもなく、スムーズに移動が完了できて、雅子も含めた三人は、ほっとして大きく一息つくのだった。(以下、明日に続く)

767 オバマ新大統領誕生

 昨夜は早目に就寝、深夜の1時に一旦起きて、オバマ大統領誕生のテレビ中継を3時近くまで見た。その後、少しまどろんだ後、5時半に起床。体重、58.2Kg. 寒さはほどほどの朝。

 リンカーンが148年前に使ったという聖書に手を置いての宣誓だったが、それを支えていたのはミシェル夫人だった。てっきり、何かの台に置いてあるものだと思っていたのだが、…。
 祝砲が鳴り響き、広場を埋め尽くす200万人もの国民の熱気に満ちた歓声に迎えられての注目の演説だったが、そこには、意外にも、それまで多用していた「Yes We Can」的なフレーズはほとんどない比較的地味なものだった。その一方で、現実の厳しさを真摯に訴え、嵐に耐え抜くために、一人一人の団結を呼びかける演説で、新たな責任の時代の到来を告げていた。
 つまり、夢や希望の安売りはしなかったと言える。今、遭遇している危機はそんな甘く、容易なものではない。現実の厳しさを強く訴えたもので、歓迎ムードに便乗するような楽観した甘い演説ではなかったが、演説そのものは、やはり、なかなか聞かせるものだった。
 これまた、意外だったというべきか、いや、当然の結果なのか、この日の米国株価の動きは、330ドルを越す大幅な値下がりで8000ドル割れという厳しい結果となった。せめて、正式に就任した午後からは、少しは持ち直すのではといった期待も、簡単に裏切られたのである。そこには、いわゆるご祝儀的な動きは全くなく、現実の厳しさを改めて認識させられた。
 この日、日本では、企業の王様というべきトヨタが、豊田章男副社長の社長昇格を発表した。14年ぶりの創業家の復活となる。来る3月期には、戦後初の赤字の見込みが確実となっていて、これを機に次の100年を睨んでの改革に取り組もうということのようだ。
 世界は、新しい時代への新しい取り組みを必要としている。日本の政治も新しい時代に相応しい新しい体制の誕生が待たれるのだが、今のところその気配がないのが心配だ。

2.連載、難病との闘い(732) 第三部 戦いはまだまだ続く(29)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(7)

 (2)一年ぶりの自宅(その1)
 トイレの介護が終ると、雅子が気に入っているコートを着せてやる。しかし、この衣装の脱着作業は、両手が自由にならないので結構厄介な作業なのだ。介護士さんにも手伝ってもらって、三人がかりのコラボレーションだった。着終わって改めて雅子を見ると、確かに、このコートが雅子には、しっかりと似合っていて、雅子が気に入っているのが良く分かる。こんな厳しい状態になっても、そんな衣装などに拘る雅子がいじらしい。
 さあ、あとはお薬を受け取れば出掛ける準備は完了となる。その時、タイミングを計ったように、この日吉グループのユニットリーダーの松井さんがお薬を持って来てくれた。一日分の余分も入っているという。、一考は、それを受け取ると、長男の太郎に電話を入れて、今からそちらに向かうと伝え、リビングに暖房を入れて温かくしておくようにと伝えた。
 大きな紙袋の荷物を持って、車椅子を押しながら部屋を出て、その場に居合わせた皆に挨拶してエレベーターに向かった。この日は、一人の介護士さんが車に乗せるのを手伝ってくれるという。親切に紙袋を持ってくれて、一階の玄関まで同行してくれた。有難いことである。
 車での雅子の移動に関して、一考が一番大変だと思っているのが、雅子を車椅子から車に乗せる作業である。雅子を車椅子から持ち上げるのはまだいいのだが、そこから少し向きを変えて助手席に腰を乗っける作業がうまくいかないことがあって大変なのだ。座席が少し車内の中に引き込まれた状態にあるので、抱き上げた雅子を降ろすのに、少し車内の方に押し込むように下ろさねばならないからだ。時々、力不足で真っ直ぐ下ろしてしまい、座席にお尻が引っかからないことがある。そうなると、雅子のお尻が車の入口の下に落ちた状態になり、それを引き上げるのがまたまた大変で、いっぱい、いっぱいの力作業になる。
 その一方で、抱き上げ方次第で、入口の天井で頭を打つよなこともあるので、それを避ける配慮も必要でこれまた大変なのだ。もう、一年以上の前の通院時でのことだったが、うっかり一般の駐車場に駐車したために、隣の車が邪魔をして、ドアがしっかりと開けられない状態で、雅子をうまく乗せられずに、他の車の方に手伝ってもらったことがあった。とにかく、車への移動が、一考が最も気にしている厄介な作業なのだ。この日はうまく対応出来て、介護士さんの手を煩わせずに済んだのは幸いだった。
 かくして、見送ってくれた介護士さんにお礼を言って施設を後にした。時刻は、3時半を過ぎていた。(以下、明日に続く)

766 3人の美人女流作家

 3時50分起床、体重58.4Kg。寒さはまずまず。昨日は、今年初めての実姉の見舞いがあって、雅子もご機嫌だった。

 先日、大阪で行なわれたOBの新年会の際に、梅田の紀伊国屋で見つけた村山由佳の新作「ダブルファンタジー」を、ジャスコ内にある本屋で昨日購入した。500ページ近くある長編で、しばらくは楽しめそうだ。
 女流作家といえば、以前は有吉佐和子、曽野綾子といったところファンだったし、その後は、重厚な作品を書く宮尾登美子も好きな作家の一人だった。しかし、最近では、少し軟らかいものに関心が移り、若手の村山由佳、小池真理子の美人作家が気に入るようになっていた、そこに、極く最近になって、日経新聞に連載中の「甘苦上海」を読み出して、高樹のぶ子さんにも深い関心を持ち始めている。
 特に筆者の関心を呼ぶのは、彼女らが男女の絡み場面をどのように表現するかであり、特に、女性から男を求めるパターンの設定には格別の関心がある。そういう意味では、日経新聞の「甘苦上海」はその典型的なテーマのようで、ここ数日前からその辺りの課題に入って来ていて、毎朝が楽しみになっている。
 三人の女流作家の略歴を大雑把に列記しておこう。いずれも、直木賞、芥川賞に輝やく実力派の美人作家である。(但し、高樹のぶ子さんの顔はまだ見ていない)
 村山由佳(44歳)は東京都出身で立教大学卒、不動産会社の勤務を経て1993年に「天使の卵」で本格デビュー、2003年に「星々の舟」で直木賞受賞。小池真理子さん(56歳)は宮城県出身で、成蹊大学卒、1990年に「恋」で直木賞を受賞。高樹のぶ子さん(63歳)は、山口県防府市の出身、東京女子短大卒業で1984年に「光抱く友よ」で芥川賞を受賞している。不倫で家庭を壊したというから大した作家のようだ。
 筆者は初期の村山作品が好きだ。巧みな比喩を多用し、大胆な男女の絡みの表現が魅力だった。年上の女と年下の男性の恋を扱う作品が多いように思う。今でも連作中の「おいしいコーヒーのいれ方」は10年以上も続いているその典型的な作品だ。
 小池真理子の場合は、大変な美人であるのが、筆者には大きな魅力になっている。作品についてば、最初はミステリー小説ということでの関心があったのだが、いわゆる本格的なミステリーではない。どちらかと言えば、彼女の小説のタイトルに惹かれることが多かった。例えば「欲望」を始め、「第三水曜日の出来事」「冬の伽藍」「瑠璃の海」などが典型的で、それらに惹かれて読んでしまったのだ。肝心の男女の絡みという部分では、いつもうまくかわされてしまうので、吹っ切れない気持ちが残ることがある。
 高樹のぶ子さんの作品は、今の日経に連載中の作品が初めてだ。この作品に関する限り、なかなか大胆な取り組み方で興味深い。いずれ、彼女の他の作品、特に「光抱く友よ」は是非読んで見たいと思っている。
 美人流行作家といえど、所詮「女性」であることに変わりない。彼女らが、その作品を通じて見せてくれる「男と女」の部分には、尽きない魅力と関心を抱いている。
 さて、その「尽きない関心と魅力」といえば、いよいよ今日20日に(日本時間明日未明)バラク・オバマ大統領が誕生する。果たして、彼は世界の救世主になれるのか? 先ずは、その歴史的な就任演説が、今から世界の大きな関心になっている。筆者も明日のこの欄で、その感触に触れられることを楽しみにしている。

2.連載、難病との闘い(731) 第三部 戦いはまだまだ続く(28)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(6)

(1)帰宅作戦の準備(その6)
 幸いなことに、この日のスーパーには、揚げたての「かにのクリームコロッケ」が売られていた。良かったと思いながら、この3日間に食べるに必要な量を買い求めた。他にも、事前に考えていたスープやプリン、ヨーグルトなど必要と思われるものを買い込み、ほっとして帰ったのである。自宅に戻ったのは、11時を少し過ぎていたように思う。
 その直後のことだった。ほっとしていたところに、何とおせちが届いたのである。夕方の4時から5時と云う事前の確認は何だったのか。買い物の帰りが少し遅くなっていたら、入れ違いになる処だったので、とりあえずはほっと胸をなでおろしたのだが、それにしても、事前の確認した際の配達予定時間のいい加減差に、何たることとあきれると同時に、少なからぬ怒りを覚えたのである。
 いずれにしても、後は息子の太郎の到着を待って雅子を迎えに行けばいいのである。一考は、ともかくも、先ずは良かったと一息つくのだった。
 間もなく、息子の太郎から電話が入った。京都に着くのが12時過ぎだという。その後、具体的な到着時間の連絡があって、最寄のJRの大津京駅に迎えに行ったのが12時半過ぎだった。かくして、いよいよ、雅子の一時帰宅のために迎えに行く準備は全て整った。
 当初の考えでは、太郎と一緒にアクティバ琵琶に雅子を迎えに行くつもりであったが、タイミングを見計らって、事前に部屋を温めておく準備の必要性もあったので、太郎には家に残ってもらって連絡を待ってもらうことにし、一考が一人でアクティバ琵琶に向かったのである。12月31日午後2時少し前だった。
 この日の雅子は、午前中にお風呂を終えてすっきりしていて、一考が到着した時には、昼食、お薬の服用、そして歯磨きも終えて、椅子に座って待っていた。肌つやもよく、いつもよりも元気そうに見えた。
 早速、帰宅の準備を始めた。先ずは持って帰る靴下、下着、セーターなどの衣服類、壁に掛けてある時計にライトを当てる特殊なスタンド、トイレの時に使用する大きな座布団、それに、めがね、目薬、リップスティックなどの小物、更に、椅子に座る雅子を支える幾つかのクッションなどを大きな紙袋に詰め込んだ。
 大体の準備が出来たところで、介護士さんに頼んで、雅子のトイレをお願いした。なるべく、自宅での対応を少なくしたいとの配慮からである。とにかく、トイレの介護がもっとも大変であるだけに、その省力化を考えてのお願いだった。(以下、明日に続く)

765 ライバル対決

 4時50分起床、体重、58.9Kg。新聞を取りに外に出ると地面は濡れていたが、雨は止んでいた。寒さは普通。

 今朝の毎日新聞(関西版)の一面のトップには、橋下徹大阪府知事の支持率が69%と大きな活字が躍っている。就任して1年での調査結果である。昨年の6月時点の調査時よりも3%も上昇しているという。政策に期待できるというのだ。大したものだ。とにかく、積極的な取り組み姿勢に大きな魅力がある。
 これに対して今朝の日本テレビの電話調査で、麻生内閣の支持率は17.4%で、20%ラインを大きく割り込んだ。政権交代は避けられない様相だ。奇しくも、自民、民主両党の党大会が、昨日の同日に行なわれたようで、麻生太郎、小沢一郎両党首のライバル意識も頂点に達していたようだ。さあ、どうなるか、国会内外での睨み合いは熱を帯びて来ている。
 睨み合いと言えば、相撲だが、場所前に引退を巡って心配されていた朝青龍が全勝で前半を乗り切った。ライバルの白鵬も全く危なげのない全勝で、これからの二人の勝負が面白そうだ。これで、どうやら朝青龍の引退の心配はなくなったようだ。
 海外では、イスラエル政府とガザ地区を指導するハマスのライバル対決は、イスラエルの一方的な停戦で、暫くは様子見の情勢だ。さあ、これで事態収拾に繋がるのか、その見通しは今一つはっきりしていない。
 卓球の全日本選手権で、福原愛選手と十五歳の若手の石川佳純選手の初対決が、シングルス準々決勝で実現した。勝負は、先輩の福原愛が貫禄勝ちしたが、二人は、今後も良きライバルとして戦い続けてゆくだろう。楽しみなライバル同士だ。なお、優勝はオリンピックでも活躍した平野早矢香選手が3連覇した。
 趣味の将棋界では、王将戦の七番勝負が始まっている。羽生王将に挑戦するのは、このところめきめきと力をつけて来た深浦康一王位である。昨年夏の王位戦で、挑戦者となった羽生名人を4-3で堂々と勝ち切って王位防衛を果たした実績から、深浦挑戦者の戦いぶりが大いに注目される王将戦シリーズだ。昨日終った第一局では、羽生王将が粘る深浦王位を振り切って先勝した。今後の戦いから、ファンは目が離せない。

2.連載、難病との闘い(730) 第三部 戦いはまだまだ続く(27)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(5)

(1)帰宅作戦の準備(その5)
 事前準備では、もう一つ、衣服への配慮も必要だった。下着や靴下などの小物から、スボン、セーター、カーディガン、それに上に着るコーとなども、適当に選んで、必要なものを持ち帰ることである。しかし、滞在日数が2泊3日であることから、それほど大掛かりな対応は必要なかった。下着やズボンは家にも残っていたことから、気遣いの点では軽く考えて置く程度で済んだ。
 しかし、若しかの不測のことへの準備としては、ベッドにしくゴムシーツや紙パンツの類の準備は最小限はしておこうと考えていた。一種の保険である。いずれにしても、それらを整えて、その日を待ったのである。
 そして、08年12月31日を迎えた。スッキリした晴天ではなく、曇り空でどんよりしていたが、雨や雪の心配はなく、雅子の移動には問題のない天候だった。前夜に、息子の太郎に、手伝って欲しいことがあるので、出来るだけ早く帰って来て欲しいと電話を入れていたが、太郎が朝に自信がないというので、この朝、一考の方から6時半に目覚ましコールを入れた。
 それでも、この日の段取りで一つだけ不安が残っていた。それは、事前に予約してあるおせち料理の配達時間がはっきりしておらず、それを受け取るまでは、外出が出来ないからだった。確か、昨年の場合は、お昼前の配達だったと思いながら、今年もそのぐらいの時間帯であって欲しいと思っていた。
 とにかく、10時頃までは、気分が落ち着かない時間を過ごしていた。とりあえず、一考は雅子の食べるおかゆの準備を始めた。それまでに2回ほど練習をしていたのだが、今朝の仕上りも、さらっとしたきれいなおかゆにはならなかった。「まあ、これでよかろう」と、一考は勝手に合点し、それを食べさせることにした。また、寝室、リビングにも掃除機をかけて、それなりに部屋をも整えた。そんなことで、久し振りに、朝からバタバタした時間を送っていた。
 10時を過ぎた時点で、おせちを注文したデパートに電話を入れて、配達時間の確認を行なった。すると、昨年とは違って、配達は夕方の4時から5時の間になるという。それなら、午前中に買い物を済ませておこうと、そのまま近くのスーパーに出かけたのである。(以下、明日に続く)

764 高度な技術、たゆまぬ努力に感動

 4時40分起床。体重、58.7Kg 寒さは比較的マイルド。昨日は、雅子の通院日で、醍醐にある吉田病院(仮称)を往復。

 ハドソン川に見事なソフトランディングを見せて乗客、乗員155人全員の命を救ったベテラン機長、チェスレイ・サリー・サレンバーガーさんの素晴らしい操縦技術は、神様以上だと、昨日のこの欄で書いた。
 この種の高度な技術は経験、才能、努力、度胸、加えてラッキーな環境条件などの全ての要因がプラスに発揮されることで初めて成立するものだと思う。歴史に残る快挙だったと改めて感動している。
 高度な技術という観点で、今朝のニュースを見てみると、昨日、阪大病院で、日本で初めての心肺同時移植手術が行われた。幸い手術は無事に終り、患者の容態は安定しているという。外国では、今までにも多くの事例がある手術だそうだが、日本では今までに事例はなかったようだ。今、日本でこの手術が実施可能な施設は、阪大と国立循環器病センターだけだという。相当な高度な技術が必要な手術であることは言うまでもないが、患者の順調な回復を願っている。
 少し、話が飛ぶが、テニスのクルム伊達選手が予選を勝ちぬいて、13年ぶりに四大大会の一つ、全豪オープンの本戦出場を決めた。ここでも、やはり、経験を積み重ねた高度な技術の存在は欠かせない。スポーツで、38歳という年齢的なハンディを克服しての勝利であり、これまた快挙の部類に入る活躍だ。
 今朝の毎日放送の5時からのTBSニュースバードで、生まれながらの障害者である久島雅樹氏が「酒乱万丈」という本を出版したという話題を取り上げていた。同氏は、へその緒が首に巻き着いた状態で誕生したために、生まれながらの脳障害に見舞われ、大変な苦労の人生を送って来たという。とにかく、手足の自由が利かないのだが、それでも、左足の指を使ってパソコンを駆使し、ブログを書いていたのが、2008年のブログ大賞に選ばれたという。同氏が奮闘してコンピューターを打っている様子が放映されたが、これは、大変な努力の積み重ねの賜物で、足指を使った高度な技術に感動した。出版した本の内容は、身体を楽にしてくれるお酒を飲み過ぎて、アルコール依存症になった危機から、酒断に成功する経緯を綴ったという。
 上記事例のような、自分を高め、他人を救うための高度な技術、大変な努力には大いに感動を覚える。その一方で、1億2千万人の乗客を乗せた日本丸が遭難の危機に瀕している現状を見る時、それを救う高度な技術を持ち合わせたパイロットの出現を期待したいと思うのは私一人ではないだろう。米国では、間もなく、期待のバラク・オバマが登場する。そこで筆者も大声で叫びたい。「出でよ、日本のスーパーヒーロー」である。

2.連載、難病との闘い(729) 第三部 戦いはまだまだ続く(26)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(4)

(1)帰宅作戦の準備(その4)
 さて、事前準備という観点からは、トイレのことを除くと、厄介な対象としてはお風呂のことだが、これは今回の自宅介護では、最初から無理だと諦めていた。体力、技術の面で一人で行なうのは不可能だと判断していたからである。幸い、12月31日が水曜日と年明けの3日の土曜日が、それぞれ入浴日であることから、その間を自宅で過ごすことになるので、風呂抜きでも大丈夫だろうと一考は判断し、そのラッキータイミングに便乗することにしたのだった。
 トイレとお風呂の次に来る課題は、食事に関する対応である。現在、施設では、超みじん切りで対応をしてもらっている。それだけに、どんなものを用意するかは、一考にはちょっとした悩みの種であった。とにかく、柔らかいもの、なるべく流動食の範疇に入るものを準備する必要がある。そういう意味では、ご飯はおかゆにしなければならないだろう。一考が気にしていたのは、どんなおかずにするかであった。とにかく、料理には全くの無知の一考で、雅子から教えられた幾つかの定番しか作れない。果たして、今の雅子の口に合うものを用意することができるのか、一考は頭が痛かった。
 以前から雅子が好んで食べていた一つにコロッケがあった。特にその中味がクリーム状になっている「かにクリームコロッケ」が近くのスーパーに売っているので、それを買っておくことは一つの対応だった。気になるのは、それが毎日売っているとは限らないことで、うまくタイミングを見て、事前に購入しておく必要がある。しかし、それだけではあまりにも単調過ぎる。他にどんなものを用意するかに腐心した。結果的には、卵を柔らかくスクランブルに炊き上げたもの、それにスープ、おやつにヨーグルト、プリンなどを準備することにしたのである。
 ところで、おかゆと言っても、自分で作ったことがなかった。そこで、帰宅が迫っていた12月末には、何回かテスト的にトライしてみたのである。最初は炊き上がったご飯をおかゆにしようと、水を入れて煮てみた。また、それとは別に、お米から水を多めにして炊いてみた。しかし、いずれの場合も、なかなかうまく作れなかったが、その内に、まあ、何とかなるだろうと腹を括ったのである。(以下、明日に続く)

763 歴史に残る…

 4時40分起床。体重、58.6Kg。昨日に比べて1Kg以上も増加。(便秘気味が影響?) 寒さが痛く身に沁みる朝だ。

 歴史に残る大ヒーローが誕生した。ニューヨークのラグアディア空港を離陸した直後に、バードストライクを受けて二つのエンジンが止まるという緊急非常事態に見舞われながらも、一人のベテラン機長の冷静な判断、抜群の機転と落ち着いた操縦手腕でハドソン川に不時着させて155人の乗客、乗員全員を無事に救ったのである。この奇跡のドラマを創ったチェスレイ・”サリー”・サレンバーガー機長は神様以上だったと米国民から賞賛の嵐を受けているという。
 特にじ~んと胸を打ったのは、不時着後も、機内を2回も見回って残っている人がいないことを確認して、自らが最後に脱出したという行為の素晴らしさである。人間は、死を目前にした時の行為が、その人の人間性を表すというが、責任感に満ちた頭の下がる機長だった。その機長の奥さんが「やるべきことをきちんとやったまでのことで、誇りに思っているいつもの夫には変わりない」とインタビューに答えていたのが印象的だった。
 さて、歴史に残るというと、今日は、6434人が亡くなった阪神大震が起きて14年目の日である。今朝も神戸市中央区の東公園では、震災の起きた5時46分に合わせて、1.17の形に飾られた蝋燭に火を点し、犠牲者への黙祷が行なわれた。あの日のことは、多くの方々の胸中で、それぞれの忘れがたい思い出として生きている。得がたい震災の教訓、対策などはもっと、もっと伝えられ、実行されなければならない。
 いよいよ、3日後の20日には、米国の新しい44代目の大統領が誕生する。バラク・オバマ大統領の登場で、その歴史的な名演説が期待されている。世界経済、地球温暖化、テロとの戦いなどの難問が立ちはだかる厳しい状況下での登板で、容易ではない大変さなのだが、既に、74兆円規模の投資、400万人レベルの雇用創出などの積極的な政策が発表されていて、その期待は高まるばかりだ。その一方で、ホワイトハウスを去るブッシュ大統領の最後の演説が昨日行なわれた。9.11テロへの戦いから始まった同氏の8年間は、後世の歴史家がどんな評価を下すのだろうか。必ずしも満足すべき形での退陣にはならなかった訳で、別の形で歴史に名前を留めることになろう。寂しさが拭い切れない気の毒な退陣演説だった。
 一方、ローカルな話題になるが、大戸川ダム建設凍結を訴えていた嘉田由紀子滋賀県知事の意見案が、昨日の県議会の本会議で可決された。昨年末に、反対派の抵抗で廃案になった経緯があっただけに、粘り強く説得に努めた嘉田知事の努力は多とすべきであろう。そういう意味では、昨日の県議会は「歴史に残る議決を行なった」との評価がある。嘉田知事は、先に新幹線の新駅建設も取り止めた結論を導いており、歴史に残る立派な知事として名を残すことになる。大津市などの地元民からは落胆の声も大きいが、県民の一人としては、大いに歓迎し、誇りしたいと思っている。

2.連載、難病との闘い(728) 第三部 戦いはまだまだ続く(25)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(3)

(1)帰宅作戦の準備(その3)
 一考の申し入れに、亀井さんからは、この場合は、身障者用の資金サポートの対象になるのではとの有難い示唆を得た。早速、市役所の係の窓口の方に電話で確認すると、その通りだということが分かり、必要な申込書を送ってもらった。そして、再び、亀井さんのお知恵をお借りして、必要事項を記入して、勇躍として市役所を訪れたのである。しかし、そこでは思わぬ展開が待っていた。
 その申請内容を確認した係りの方が、このタイプのトイレは、おっしゃっておられるような大幅なサポートを受けられる対象には該当していなくて、一般の10%のサポートだけだという。やはり、そういうものなのかと、一考は一旦は諦めたのだが、とりあえず、そのことを業者の亀井さんに報告すると、それはおかしいので自分から確かめてあげようと言ってくれた。ちょうど一年ほど前の施設に入居する際に、車椅子購入時の対応とは大違いで、今度は大変な懇切丁寧な応接だった。
 同氏の話では、この辺りの扱いは、都道府県でその対応に微妙な差があるというのだ。同氏は京都でも担当していることから、その違いを承知してのアドバイスだった。
 翌日、亀井さんから確認結果の連絡を受けた。それによると、シャワー(水洗)付きのものなら、相当な援助がもらえる対象に該当するというのだった。早速、亀井さんと相談して、それに該当するタイプの製品を選んで再申請したのである。有難いことに、これにより、大きな資金援助が得られて、立派な簡易トイレを購入することが出来た。
 しかし、この購入の経緯、規定に、一考の気持ちは複雑だった。それと云うのも、安く収めようとして比較的安いものを選んだが、それが資金援助の対象にならずに、高価なものだと援助の対象になるという、世の中の仕組みへの違和感があった。
 それはともかく、亀井さんのその後の手早いアクションもあって、11月26日には、新しい簡易トイレが届いた。これで、大事な一つの準備は完了した。
 そこで、二人の息子に、年末に全員が集まりたいとその意を伝え、少なくとも12月31日か1日には戻って来て欲しい旨連絡を入れた。しかし、数日後に次男の次郎から、今年は休みが取れないという。コンピューターの仕事を担当していると、皆が休んでいる時にどうしても仕事が入るのは致し方ないことだ。仕事優先は、自分の場合もそうだったことで、これは諦めざるざるを得なかった。しかし、幸いにも、長男の太郎は帰って来てくれるという。まあ、それでもいいやと、一考は自分に言い聞かせるのだった。(以下、明日に続く)

762 久し振り

 5時50分起床、体重、57.3Kg。軽い二日酔い。(お酒を飲んだので、体重が下がっている。)
 昨夜は、大阪で行なわれたOB仲間の新年会で楽しんだ。後半には、4人の現役の諸君(米谷、石川、岩下、黒澤各氏)が飛び入りしてくれて盛り上がった。黒澤さんを除いた三人とは、一緒に仕事をした仲間でもあり、久し振り(4年ぶり?)の出会いで懐かしかった。
 新年会の始まる前に少し時間があったので、久し振りに阪急三番街にある紀伊国屋書店に立ち寄った。そこで、筆者がファンである直木賞作家の村山由佳さんの久し振りの新作「ダブルファンタジー」を見つけた。主人公と思われる有名女性脚本家が、男を自宅に呼び込んで「何」を楽しむ冒頭の出だしが生々しく、思わず惹き込まれて立ち読みを楽しんだ。後で購入して、じっくり読んでみたい。なお、この日、恒例の芥川賞と直木賞の選考が行なわれ、第140回芥川賞には、大阪の津村記久子さん(30歳)の「ポトスライムの舟」が選ばれた。この「ポトスライム」という聞き慣れない言葉は、東南アジア原産の観葉植物の名前のようだ。今年の流行語の候補になるかも?
 さて、その紀伊国屋を出たところでに街頭テレビがあって人だかりしていた。大相撲の中継を見ている人達だった。ちょうど、日馬富士と琴奨菊の一番だった。この日は日馬富士がしっかりとした相撲で4連敗に終止符を打ち、新大関での初めての勝ち星を挙げた。大袈裟に言えば、日馬富士にしてみれば、久し振りの勝ち星である。続いて、横綱朝青龍が、往年の強さは見られなかったが、豪風を慎重にしとめて5連勝を果たした。この一番が終わったところで、多くの人並みが動き出した。やはり、朝青嶐への関心の高さが相当に高いと認識した。ただ、朝青龍の今の勝ち方を見る限り、同氏の久し振りの優勝は覚束なさそうだ。
 このブログを書いている途中で、ニューヨークのハドソン川に飛行機が不時着したという速報が入った。日本人二人の乗客を含む乗員、乗客136人(その後増えて155人)全員が救出されたという。離陸後直ぐに、二つのエンジンが止まったので、不時着する旨のアナウンスがあり、それで機内は比較的落ち着いていたという。筆者は、一瞬、テロかと思ったが、そうではないという。
 このニュースを伝えたNHKの朝の7時のニュースで、現場近くから伝えていた有働由美子アナウンサーを久し振りに見た。かつて、夜の7時のニュースを担当していた人気のアナウンサーだったが、どうやら、今はニューヨークで頑張っておられるようだ。女性アナウンサーは使い捨てにされることが多いだけに、その後、どうされたか気になっていたが、全員無事という報道でほっとしたと同様に、有働さんの久し振りの活躍ぶりにもほっとしたのである。

2.連載、難病との闘い(727) 第三部 戦いはまだまだ続く(24)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(2)

(1)帰宅作戦の準備(その2)
 以前にも書いたことだが、雅子の介護に関して、一考が今までに取ってきた節目での必要なアクション、具体的には、東京からの帰郷、自宅のリフォームなどは、いずれもぎりぎりのタイミングで間に合うといった綱渡りの連続だった。それらは、たまたまだったにせよ、致命的な遅れにならずに対応できて来たことに、一考は随分とラッキーだったと思うのである。もう少し、遅れていたら、大変な苦労を余儀なくされていたであろう。そういう意味からも、この施設への入居のタイミングも全く同じようなぎりぎりのタイミングだったのである。
 それはさて置き、昨年の秋頃に、このお正月での雅子の一時帰宅を考えた時点では、前年のお正月での大変な苦労もかなり薄れていて、短期間なら何とかなるだろうと比較的楽観的に捉えていた。つまり、そこには、雅子を家族と一緒に過ごさせて上げようとの思いが、優先、先行していたと言えるのかもしれない。
 さて、一時帰宅といっても、当然ながら、そのための準備には万全を期さねばならない。差し当たって、一考が打った手は、簡易トイレの購入だった。既存のトイレで一考が対応するのは困難だと考えていた。何しろ、この施設でもトイレに関しては、二人の介護士さんが協力して行なってくれている。具体的には、一人が抱え上げ、もう一人が下着を上げ下げする作業を、うまく力を合わせて対応をしてもらっているのである。施設に入居する前に一考が一人でやっていた時点では、雅子を少し支えるだけで、本人が握り棒に掴まった形で、自分の身体を支えることが出来ていたから、一考の手が使えて、下着を上げ下げすることが出来ていたのである。
 それが、今では雅子が自分で身体を支えられず、一考が支えなければならないから、手が使えないのだ。従って、一人でトイレをさせるには新たなテクニックを身につける必要があった。この施設でも、夜になると一人の介護士さんで賄っている。その際に必要なのが簡易トイレなのである。
 具体的なやり方は、雅子をベッドに寝かせて下着を上げ下げし、そのままの状態で抱かかえて、ベッド脇に置いた簡易トイレの便座の上に移動させるやり方である。そういう意味で、簡易トイレは必需用品なのである。
 そこで、その簡易トイレを少しでも安価で良いものを購入したいと思い、在宅介護時にお世話になっていた介護用品の業者の亀井さんに相談を持ちかけた。10月の半ばのことだった。(以下、明日に続く)

761 不発弾

 4時50分起床、体重、58.4Kg。 相変わらず寒さは厳しい。雪がちらついている。

 昨日の朝、沖縄県の糸満市の水道工事現場で重機で作業中に爆発事故が発生、負傷者が出たり、近くにあった老人ホームりのガラスが破損するなどの大きな被害があった。これは、戦争時の不発弾の爆発によるものだ。心配なのは、この種の不発弾は、沖縄にはまだ3000トン以上の残っているという。戦争が終わって64年経過した現在でも、そんな不安を抱えての生活は不気味であり、安全、安心からは程遠い。
 不発弾というと、麻生政権そのものが不発弾を抱え込んでいる最たる事例だ。二人の造反者が出たが、その予備軍と思われる議員も少なくない。その一方で、今日発売の週刊誌に、テレビによく顔を出している鴻池官房副長官の議員宿舎に美人女性が宿泊するといったスキャンダルがすっぱ抜かれている。難しい国会運営を問われているタイミングだけに、厄介な不発弾の登場である。
 一方、最近、次第に大きな記事になって来ている西松建設に関わる外為法違反容疑は、今後政界に繋がる不気味な不発弾かも知れない。この件に関しては、事件が表に出た時点で、コラムニストの勝谷誠彦氏は自らのブログで、今後の展開が注目されると指摘していた。果たして、ロッキード事件の再来なのかどうか、大いに注目して行きたい。
 中央大学で教授が殺害される事件が起きた。自由の府、大学構内での残虐な事件は、不発弾の痛ましい炸裂である。待ち伏せしていたようで、めった突きにされているということから、かなりの恨みを持った犯人の犯行と思われる。刺殺された高窪統教授は祖父、父もかつて中央大学の教授だったという学者一家だそうだ。大変な人気教授だったという。一刻も早い犯人逮捕で、この種の不発弾の一掃を願いたい。
 良い意味での不発弾は歓迎だ。卓球会で新星が現れた。8歳の平野美宇さんで、昨日の卓球全日本のジュニアの部で一回戦で高校生を破って、福原愛選手の持っていた最年少出場、及び最年少勝利記録を更新した。お見事である。卓球界では、今後期待の不発弾と言っておこう。

2.連載、難病との闘い(726) 第三部 戦いはまだまだ続く(23)
  第二章 お正月、自宅介護で大わらわ(1)

 2008年の秋頃から、一考は、この年末は雅子を自宅に連れ戻して家族全員で正月を迎えたいと考え始めていた。家族の絆を確かめる意味で、敢えてそんな機会を作りたいと思っていたからである、しかし、入居直後のお正月(08年1月)で、一週間ほど帰宅させた際の大変さを考え、2泊3日の短期間にしての挑戦となった。それでも、一考の思った以上の大わらわとなったのである。その一部始終を紹介したい。
 なお、当初の予定では、2008年のトピックスや施設入居一年の総括を先に掲載する予定だったが、お正月の話がずっと後にずれるのは、リアリティを失うことになりかねないので、順序を入れ替えて先に掲載することにした。
 また、この章から、今まで、施設名を「ドリームスペース」、建物名を「楽裕館」という仮称を使っていたが、本章から、リアリティアップを考慮し、それぞれ「アクティバ琵琶」「楽裕館」の実名に変更した。

(1)帰宅作戦の準備(その1)
 雅子が自宅を出て施設に入ったのは07年12月10日だった。当初の一考の考え方は、雅子の生活は、軸足を施設に置きながらも、月の半分ぐらいは自宅で自らが介護するというものだった。
しかし、その考え方は、雅子が施設に入って間もなく、打ち消さざるを得なくなった。思っていた以上に、自宅での介護が限界に近づいていたからだった。
 そのことを具体的に認識したのが、昨年のお正月での実態だった。この時には、せめてお正月だけでも自宅で過ごさせてやりたいとの考えで、年末の2007年12月30日に自宅に連れ戻したのだったが、あいにく、思わぬエアコンの故障があって、思いのほかてこずってしまい、当初予定の1月10日を待てずに、1月8日には急遽施設に連れ戻すことになった。
 この時の介護は、それまで自分が少し前まで行っていた在宅介護と同様に、食事、洗顔、お薬服用、トイレ、お風呂など全ての介護を引き受けたのだが、結果は矢折れ力尽きて、予定より早く撤収する形になったのだった。このことで、一考は、自分の体力の対応の限界を知らしめられることになったのである。ほんの少し前まで自らが行なっていた在宅介護が難しくなった意外さに、信じられない気持ちを味わうのだった。逆に言えば、施設への入居のタイミングが、ぎりぎりのタイミングでのアクションだったと言えるのかもしれない。(以下、明日に続く)

760 どたばた劇

 4時半起床、体重、58.2Kg 少し増加気味。部屋から見える比叡山が、白い化粧をしていて大変美しいが、結構寒い。なお、今朝はこのブログのサイトが、7時半までメンテ中だったため、配信が少々遅れました。

 昨日の国会では、最近よく見かけるドタバタの採決風景を目にした。渡邉善美議員の離党に続いて、新たに松浪健太内閣府政務官も採決時に退席し造反した。二人目が出たことで不穏さがじわじわと拡がる感じがしないでもない。
 それと云うのも、昨日の或るテレビ番組で、次の首相に相応しい人の世論調査で、トップが小沢一郎、2位が小泉純一郎、そして3位に渡邉善美が入っていて、麻生太郎は5位だった。渡邉善美が3位に入っていたのは、筆者には意外な動きで、国民の期待がそんな形で拡がれば、流れが変わることもあり得ることになる。そうなれば、今まで表に意思表示していない議員に加速的な造反を促す効果に繋がることも考えられる。とにかく、今の二人の造反は、自民党内に不気味な時限爆弾を抱えたことになりそうだ。それにしても、昨日の麻生総理の顔色は、今までにない冴えない厳しいものだった。
 経済界でも、自動車業界に次いで、ソニー、東芝などの大手電機メーカーの営業赤字見通しの発表が相次いでいる。日本経済もいまやどたばた劇が展開中で大変だ。株価も、年初の3日間は、上昇し9200円台を回復したが、その後は下落が続き、昨日は今年最大の400円を越す下げとなり、このまま推移すれば、8000円台を割りかねない懸念がある。今朝の米国ダウも冴えずに前日比マイナスで、このところ5営業日連続マイナスが続いていて極めて低調だ。オバマ氏が大統領になるまでは、このまま低迷が続くのではないかと思われる。いずれにしても、どたばたした状態は暫くは避けられないだろう。
 横綱朝青龍の進退論で盛り上がって始まった大相撲初場所は、大方の予想を裏切った展開で3日間が終わった。注目の朝青龍が何とか3連勝を果たして、進退論が一時休止の感じだが、期待された新大関の日馬富士が出だし3連敗して、思わぬところでどたばたしている。とにかく、意外な展開が人気を呼ぶ訳で、そういう意味では、今場所は大いに盛り上がりそうだ。因みに、魁皇、千代大海、琴欧州の三大関が出だし3連勝も珍しい。本当のどたばたはこれから始まるのだろう。
 なお、このブログで連載中の「難病との闘い」は、明日から、このお正月に妻の雅子を自宅に連れ戻して在宅介護を行なった模様を連載します。予期以上の大変などたばたした介護劇の連続で苦闘の2泊3日でした。目を通して頂ければ幸いです。

2.連載、難病との闘い(725) 第三部 戦いはまだまだ続く(22)
  第一章 2008年下期の二人(22)

(2)雅子の症状(その16)
 有難いのは、お手紙を頂戴したり、お見舞いの申し出を受けることである。単調な施設での雅子の生活には、大いに励ましになっており、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。ただ、お見舞いについては、雅子の症状から判断して、直系の親族に限らしてもらっている。多くの友人の方達からは、幾度も有難いお申し出を頂いておりましたが、来て頂いても、本人がお話することも出来ないし、却ってご迷惑をおかけすることになるから、お断りをさせて頂いています。
 そんなことで、今では、二人の息子達と孫、それに雅子の長姉と次姉と長男夫婦だけのお見舞いに限らせてもらっている。これらの血の繋がった方であれば、精神的に特別な緊張することもなく、雅子はありのままの姿を曝け出して応接できるからである。しかし、親族と言えど、一考の姉妹などの身内のと、そういう訳にはいかず、一考から、敢えて顔を出すことを控えてもらっている。
 そんな中で、長姉の霧子さんには、幼い頃に母親代わりをしてもらったと云うこともあって、雅子は特別の親しさと安心感を持っていて、大いに慕っており、毎月一度顔を出してもらうのを首を長くして待っている。一考も、自分が不器用でやりにくい爪きりや耳かきなどの細かな作業をお願いしている。
 また、雅子が百貨店のカタログ購入の会員になっているので、毎月関連PR雑誌を送ってきてくれるので、スラックスやセーターなどの衣類の買い物は、この雑誌のカタログを見て注文することにしている。今までは、雅子と一緒にそのカタログを見ながら、購入したい物を選ぶんでいたが、この選ぶ作業が結構面倒なので、最近では、霧子さんにお願いしてやってもらっている。
 さて、この病気が進行性の病気と言うことで、その先行きがどうなって行くかは、誰にも分からず、それだけに、一考と雅子には大変頭の痛い心配事である。従って、雅子本人の心配を加速するような余計なことは言わないようにと、一考はいつも心掛けている。
 先日、テレビのお正月の特番で、ペア将棋を見ていた時だったが、解説者が発した言葉が、その一考の気持ちを代弁するような内容で溜飲が下がった。一考は、思わず「その通り」と自分に言い聞かせながら、改めて、雅子との会話には余計な心配をさせないようにと言葉遣いに配慮し、気を引き締めるのだった。
 ペア将棋というのは、二人がチームになって、一手、一手交代に指す将棋なのだが、その解説者が話した内容というのは、「相方が指した時に、その手を見て、ため息をつかないことが大事」ということだった。つまり、そこで、ため息をつくと、その手が悪い手じゃないかと相方に感じさせることになり、相方の意欲を削ぐことになりかねないというのである。このことを、雅子の病気に当てはめれば、雅子が気にしているような病気に関する心配事に、油そ注ぐような誤解を与える言葉を遣わない配慮が必要だということになる。「的を得た示唆で、けだしその通り」と一考は大いに共鳴したのだった。(この章は今回で終わり、明日からは「第二章、正月自宅介護で大わらわ」を連載します)

759 さよなら宣言

 5時50分起床、少し朝寝坊。体重、57.9Kg 快晴。

 昨日が成人の日の祝日で、全国で133万人の成人が誕生した。子供時代へのさよなら宣言をした人生の大きな節目の一つである。凶悪な少年犯罪が増えている中で、法律上の成人年齢については、いろいろ議論の最中にあるが、ともかくも、この日を期して、精神的にも立派な大人になって欲しいものだ。
 さて、この133万人という数は、この推計が始まって以来の最少記録の更新だそうだ。平成6.7年頃には200万人を超していただけに、少子化が急速に進んでいることを改めて実感する。
 今年も、有名人、特にアスリート達の大人入りが紹介されている。スケートの小塚崇彦、卓球の福原愛、それに野球の田中大、斉藤祐樹選手など、いずれも、世界を相手に戦っている有能なアスリート達がいる。
 中でも、かつての甲子園でヒーローとなった田中大選手と齋藤佑樹選手のコメントにはそれぞれの味がある。田中選手は、それでも「マー君」と呼ばれることへの記者の質問に、親しみを持っていただいている証であって、それはそれで結構とインタビューに答えていた。一方の早大の斉藤祐樹投手は「去華就実」という早実の校訓を色紙に書いたそうだ。「外面の華美を追うのではなく、内面の充実に努める」という意味だそうだが、「今の自分にも、今の世の中にも足りないことだと思う」と言葉をかみしめていたという。それぞれの二十歳の立派な宣言である。更なる飛躍を期待している。
 新成人が子供時代にさよなら宣言をしたお目出度い同じ日に、気掛かりな二つのさよなら演説、宣言が日米で行なわれた。
 一つはブッシュ大統領のさよなら演説である。同氏は、その演説の中で、かつて悪の枢軸としてあげた北朝鮮とイランの核の脅威は今でも変わっていないと強調している。特に、北朝鮮については「高濃縮ウラン(HEU)開発の懸念がある」と指摘、6カ国協議の枠組みによる検証体制の確立が必要だと述べたようだ。それならば、何故そんなに焦って、北朝鮮をテロ支援国家指定から削除したのか、憤りさえ感じるのである。
 一方国内では、渡邉善美元行革大臣が、昨日地元で、自民党へのさよなら宣言をぶち上げて、今日、離党届を出すという。果たして、新たな政治のうねりを起せるのかどうかが、今後の注目の的になる。

2.連載、難病との闘い(724) 第三部 戦いはまだまだ続く(21)
  第一章 2008年下期の二人(21)

(2)雅子の症状(その15)
 雅子が、自分から積極的な考え方を示してくれることは他にもある。病院へ出掛ける数日前には、その着て行く衣装選びに付き合わされる。上に着るセーター、カーディガン、コート、下にはくズボンなどを選ぶのだが、今では、とりあえずクロークにある現物を取り出して本人に見せて確認する作業である。こういう場合も、その色の組み合わせなどで、しっかりと注文をつけてくれる。もう、病気だからそこまでやらなくてもと思うこともあるが、未だにしっかりとその辺りにも気を配っているのである。そういう意味では、安心すると同時に女心のいじらしさを改めて思うのである。
 またその他にも、一考への気遣いは普通の人以上に細やかだ。少し、身体の調子が良くないようだと知ると、病院に行けと云うし、その後の経過にも気を配ってくれている。
 母親の食事を用意することに対しても、今でも、雅子に確認することは多い。大抵は、夕食を用意する日曜日から水曜日では、一考がその日のメニューを説明するのだが、その際に、少し困ったことなどは改めて雅子に確認することにしている。とにかく、料理なんてやったことがない一考だけに、他に頼る人がいないのだ。
 細かい気遣いは、雅子がトイレに行きたいと言い出すタイミングにも配慮が窺われる。つまり、母親に夕食を用意する日には、一考が少し早めに帰らなければならないので、それに合わせてトイレに行くタイミングを調整してくれているのである。夕食準備のない日には、4時が過ぎても、自分が行きたくなる時間まで待つことが多いが、夕食を準備する日には、雅子がまだ行きたくはないような早目のタイミングでも、トイレに行くことを申し出てくれる。とにかく、精神的な面で、一考がいる間では落ち着くからであろう。加えて、その間ずっと傍で付き合ってくれて、身体を支えたりして細かい対応に与かれるからであろう。
 また、友人との集まりなど、一考に別の用事が予定されている日などは、雅子から、そのことを配慮したタイミングで「早く帰りなさい」とのサインをくれるのだ。ことほど左様で、雅子の頭の中は、それなりに緻密な考慮、配慮があって、自らをコントロールしているのだ。そういう配慮がある限り、雅子の頭の働きは健在で、一考にはその種の心配は全くなく、安心できるのである。(以下、明日に続く)

758 男達の勝負の風景

 4時40分起床、体重、57.8Kg。外は小雨、寒さは昨日よりマイルド。

 大相撲初場所が始まった。注目の一番となった朝青龍は、力を着けて来ている小結の稀勢の里と対戦した。一瞬危うい場面もあったが、その後は両差しになって逆襲し初日を白星で飾った。観客からは、今までは負けると起きていた拍手、歓声を、勝って一段と大きい拍手、歓声として受けていたのが印象的だった。しかし、試練はまだまだこれからである。なお、大変珍しいことだが、この日の幕内の取り組みでは、一番も「待った」がなかった。過日に行なわれた研修の成果なのだろうか。「やれば、出来る」の一例だ。
 タイで行なわれていたゴルフのザ・ロイヤルトロフィー最終日で、石川遼選手が18番でグリーンとラフの間に落ちたボールを、何と3番ウッドのスプーンでチップインバーディを狙う勝負に出た。これは、惜しくも外れたが、この勝負を引き分けに持ち込んでチームの勝利に貢献した。年初の出足としてはまずまずのようで、今年の活躍が期待される。
 今朝の報道で、内閣支持率が20%を切った麻生総理だが、昨日から韓国に飛んでの外交で、何とか活路を見出そうとして頑張っている。気になったのは、麻生さんの握手のタイミングである。昨日の夕方の李明博大統領主催の晩餐会で、大統領が求めた握手に対し、そのタイミングが微妙に一拍遅れるのが少し気になった。握手のタイミングも勝負の大きなポイントである。
 あの饒舌を売り物にしている島田紳助さんが、球速100Km以上を連続50球投げるという大胆な挑戦を披露した。かつて30歳代で達成した実績を持っていたが、いまや52歳であり、同席した星野仙一氏も無理だろうと太鼓判を押していた。昨日の「行列の出来る裁判所」の特番でのことである。筆者も、思わずそれに見入ってしまったが、一球も外すことなく、それを達成したのはお見事だった。(計測器に細工するようなやらせではないと信じているが)
 なお、この番組で島田紳助さんが、かつて胆道閉鎖症を患っていた少女の久米若菜さん(当時12歳)を励ます手紙を送り続けていたという感動の秘話が紹介されていた。同氏にはその種の秘話が多い。十数年前の話で、お涙頂戴の作られた手柄話とは思われず、同氏の人間としての優しさが滲み出ていて感動した。多忙な芸能人にしては珍しい存在である。とにかく、昨今の同氏は、昨年の紅白歌合戦に新人歌手を送り込むプロデュース活動など、その活躍は目覚しい。
 スキージャンプの岡部孝信選手が今期国内5勝目を挙げて活躍している。38歳の最年長のジャンパーだが、W杯選手から漏れたことが発奮材料になっているのだろう。男の颯爽とした勝負の気概が素晴らしい。アラフォーでも若さは依然として健在なのだ。

2.連載、難病との闘い(723) 第三部 戦いはまだまだ続く(20)
  第一章 2008年下期の二人(20)

(2)雅子の症状(その14)
 雅子の前では言い難いことだが、一考のもう一つの心配は、頭が正常に働かなくなること、つまり、いわゆる認知症への心配だった。しかし、幸いなことに、今までのところ、その種の心配は全くない。頭はしっかりしていて、こちらのいうことは正しく理解しているし、時々は一考にも助言するような対応もあって、その心配は杞憂だった。まさに、不幸中の幸いで、有難いことだと思っている。確かに、自分の意志を適格に表現できないことから、二人のコミニケーションが難しくなって来ていて、厄介なことは事実だが、判断や理解は正常な人と変わりない。と云うよりも、それよりも細かい配慮が窺えることは再々ある。
 そのような雅子の行届いた配慮の事例は、一考との日常でのやり取りの中の到る所で認められる。
 例えば、最近では毎日、その日のブログを読むのが習慣になっているが、それについて、事実と異なることや、自分に関して嫌な部分があると「ええ」と懸命に声を出して反対の意向を訴える。時間をかけて、その内容を確認すると、雅子の指摘は確かであり、一考も納得して、帰宅後に、そのように書き改めることにしている。
 最近になって、雅子が時々新聞を見せて欲しいという。最初は一考は、何を見たいのだろうと不思議に思っていた。しかも、それを膝の上に置いてやると、直ぐにそれでいいという。一体、何のためにそんなことを要求するのだろうと、その目的が分からなかったのだが、暫くして、その意味が分かったのである。それは、雅子が新聞の日付を確認していたのである。つまり、このような単調な生活をしていると、時には日付が覚束なくなることがある様で、それを自分の目で確かめているのだった。今の二人のコミニケーションの方法だと、時間も掛かって大変だから、その辺りを察しての雅子の要求だったのだ。
 お世話になっている先生への心づけや、友人からの手紙などへの返事なども、忘れずに一考に頼んでくる辺りにも、雅子のやさしい心遣いがしっかりと維持されているのである。他人に嫌な思いをさせないという意味で、美容院でのカットや白髪染めをタイミングを見て要求するのも、その辺りの雅子の配慮からである。(以下、明日に続く)

757 ひとり芝居、悲喜こもごも

 4時50分起床、57.8Kg 結構寒く、ところどころにうっすら雪化粧している。しかし、今は雪は降ってはいない。

 お笑いタレントに「劇団ひとり」というピン芸人がいる。両親がパイロット、スチュアーデスだったことから、小学校時代にはアンカレッジに在住したという異色の経歴を持っている。帰国後に子役をしたことで芸能界との繋がりを持ち、その後は大田プロダクションに入った。地味なタレントだが、最近になって徐々にその地位を得て来ているひとり芸人だ。
 昨日のワイドショーだったと思うが、自民党離党を強くにおわせながら、行革法案に対する不満、反対をぶち上げている渡邉善美元行革大臣のことを「劇団ひとり」と呼ぶ人がいると揶揄していた。確かに、その主張に賛成する方も多くいるはずだが、誰もついてゆく気配が感じられないからだ。選挙前の離党は、自殺行為に等しいからだろう。そういう意味では、同氏の行為を、劇団ひとりの一人芝居と呼ぶのは、けだし名言である。
 一方の麻生総理だが、こちらもその主張が常にブレていて定まらず、おまけに漢字の読みなどでつまらぬ失策が続き、いまやひとり芝居も甚だしいといった感じである。厄介なのは解散権と云う大きなカードを握っているので、他の議員もうかつに動けず、じっとそのひとり芝居を見守っているのは気の毒なかぎりである。
 さて、アースマラソンに挑戦している間寛平さんだが、インターネットの情報では、風に恵まれず、思うようにヨットが進まずに苦労が続いているようだ。この挑戦も、ヨットの専門家がひとり付いてくれてはいるが、地球を一周するという大舞台から見れば、実質的には、ひとり芝居に挑んでいると言えるのではないでしょう。
 毎年お正月に大津の近江神宮で行なわれる小倉百人一首の日本一を決める大会が、今年も昨日行なわれた。男子の名人戦では、西郷直樹永世名人が史上初の11連覇で防衛、一方のクィーン戦では楠木早紀さんが5連覇を果たし三人目の永世クィーンを射止めた。この競技を見ていると、格闘技を思わせる力強い早業の繰り返しで、それは、見方を変えると、ひとり激しく踊っているようなイメージさえ受ける。そういう意味で、これも、素晴らしいひとり芝居ではないかと筆者は思ってしまうのである。
 ひとり芝居は、立派な芸能の一分野を占めていることも確かだが、日常生活の場合では危険を伴うこともある。今朝の新聞の社会面に大きく報道されているが、女性の方が、しわを消すつもりで、ヒアルロン酸を自己注射したところ、しこりやひきつれが起きたという。綺麗になりたいという女性の切ない願望は理解できるが、この種のひとり芝居は、素人が一人でやっては危険だと、医師も強く呼びかけている。ご注意のほどを!!

2.連載、難病との闘い(722) 第三部 戦いはまだまだ続く(19)
  第一章 2008年下期の二人(19)

(2)雅子の症状(その13)
 中でも、雅子の通じの有無は、今、気になっている一考の最大の関心事であり、心配事である。自宅で介護している際には、それほど気にすることなく順調な通じがあった。しかし、次第に便秘傾向が出始めていたことは確かである。それでも、コーラックのような強い便秘薬の使用は、慢性化するのを恐れ、その使用を最小限に抑え、ファイバーのような食材で対応するような配慮してきていた。
 そして、2007年の12月にこの施設に移ったのだが、ここでの便秘に対する対応は、3日間通じがないと便秘薬を服用させるのが一般的な対応だと、看護士さんが説明してくれた。そこで、一考は、個人差があると思われるので、雅子の場合は、もう一日長くインターバルを置いて、4日間通じがない場合に、5日目に便秘薬のコーラックを服用をしてもらいたいとお願いして来ていた。
 暫くは、そういうことで無難に管理されていて、便秘薬を服用するのもそんなに多くはなかったのだったが、半年ぐらいを経た6月になって、雅子の便秘状態が悪化し、或る時には、便秘薬だけでは用を足さず、座薬を併用するような事態が起きた。たまたまのことだったかも知れなかったが、やはり、症状の悪化に伴うものだと判断した一考は、その時点で、それまでの一考の考えを改めて、便秘薬の使用をこの施設でのペースに合わせてもらって結構だと、その変更を申し入れた。幸い、その後は、座薬を併用するような厳しい状況は起きていない。
 しかし、症状の悪化は、その後もゆっくりと進んでいるようで、通じは、殆どの場合にコーラックの服用が不可欠になりつつある。内臓、特に胃腸、大腸の働きに悪化が進んでいるのではと一考は考えていた。
 10月の定期診断で、その辺りの事情を話したところ、春日医師は、それならマイルドな便秘薬を朝夕の食後に付けることになった。そのため、施設の看護師さんの判断で、それまで飲んでいたファイバーの服用を取り止めた。あまりに多くのお薬を飲むのもどうかという判断からである。従って、今では、一日2回の食後の便秘薬と、便秘が3日間続いた際に服用するコーラックの2種を使って便秘対策としている。春日先生が付けてくださったお薬の効果は、今のところはっきりしていない。いずれにしても、今後の雅子の通じについては、やはり心配は絶えない。(以下、明日に続く)

756 びわ湖マラソンが「ゴールド」ランクに

 4時40分起床、体重、57.8Kg  外は冷たい雨

 ミシュラン社が、レストランを星の数で格付けし本にして出版、販売しているのは周知の通りである。
 スポーツの世界では、世界ランキングは適時発表されていて、ファンの注目するところである。一昨日のテニスのブリスベーンの国際大会の準々決勝で敗れた錦織圭選手は、現時点での世界ランク61位である。また、昨日から始まったアジアと欧州との世界ゴルフマッチに出場している石川遼選手は、最新情報で世界ランク60位である。(因みに、日本選手では片山晋呉選手が32位)
 ランキングと言えば、国内で最も知名度があるのが、音楽のヒットチャートを発表しているオリコンランキングだ。テレビ番組のヘキサゴンから生まれた羞恥心の「泣き虫サンタ」が、昨年末ではシングル部門の首位を獲得して、大きな話題になった。
 ビデオリサーチが発表しているテレビの視聴率の発表も、広い意味では、その代表的なランキングで、一分毎のデーターが発表されている。年末の紅白歌合戦は平均視聴率が42%という結果だったそうで、長期低落傾向に、漸く歯止めが掛かったようだ。
 最近では、テレビ朝日の娯楽番組で、ロンドンハーツが司会をしている番組で、俳優やタレントなどの芸能人を格付けする番組があって、娯楽番組では結構な人気番組になっているそうだ。
 さて、今朝の新聞に、マラソンコースの格付けの記事が毎日新聞に掲載されていた。それによると、びわ湖毎日マラソンが、日本のマラソンレースで最高位の「ゴールド」にランクされたという。
 このランク制度は、国際陸連(IAAF)が昨年から導入した制度で、大会の規模、出場選手、運営能力などに応じて格付けされる。ボストン、ロンドン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークなどの主要都市マラソンが最高ランクに名を連ねている。日本のマラソンは、開催能力は高く評価されているが、トップ選手の参加や国際テレビ中継などがネックで、次のランクである「シルバー」止まりという。
 幸いにも、びわ湖毎日マラソンが高く評価を受けたことは、滋賀県民の一人として大いに誇りに思うのである。64回目を迎える今年の大会は、来る3月1日に行なわれることになっている。

2.連載、難病との闘い(721) 第三部 戦いはまだまだ続く(18)
  第一章 2008年下期の二人(18)

(2)雅子の症状(その12)
 毎日、雅子の部屋に通っていて気づくのだが、雅子の体調は、日によって結構なブレがある。それは一進一退というか、少し良くなったのではと思わせる日もある一方で、一層悪化が進んだといった感じの日もあって、そういう目で見ていると、いろんな事柄で結構なブレが認められるのである。進行性の病気であるから、そのブレが、結果的には緩慢な悪化に繋がっているようで、一考には気の重い不安になっている。
 そのブレで目立っていて気になっているのが、身体の震え具合、発声の強弱、問いかけへの反応具合、更には口の開け具合などである。また、長く椅子に座っていることから、お尻を痛がることも多くなって来ている。加えて、通じの姿勢でもちょっとしたブレが見られる。安定した姿勢を保てる場合とそうでない場合がある。また、介護士さんにお任せしている食事、洗顔、入浴などでも、その種のブレがあると思われるが、一考としては十分な把握が出来ていない。
 そんなブレの中で、身体の振るえだが、これはこの病気の本質的な現象で、極端に言えば、止まることなく常に続いている症状だ。それでも、その時々で、その酷さに違いが認められるのである。お尻が痛くなった場合や疲れた場合に顕著になる傾向があるので、そういう場合は、お尻の位置を動かして見て様子を見るか、それでも駄目な場合は、ベッドに横にしてもらって様子を見ることにしている。
 発声具合や問いかけへの反応では、最近、特に弱って来ているように思えて、先行きが心配である。特に、声がまともに出ていない日が目立つ。今のコミニケーションが、一考が質問しながら、そのイエス、ノーの返事を受けて、雅子の言いたいことを探り当てて確認する方法で対応しているのだが、その肝心なイエス、ノーがはっきりしないことが多くなって来ているのである。今の救いは、一考が解釈を間違えて、違った方向に進もうとすると、雅子が懸命になって「ええ!」とかなり大きな声を出す反応を見せてくれるので、それが間違った方向だと確認することができる。従って、最近では、どうしても、はっきりしない場合には、意識して違った答えを出して見て「ええ!」と言わせることで、雅子の意志を確認する手法にしている場合がある。それほどまで、通常の場合では、イエス、ノーの返事が、分かり難い状況になって来ているのである。従って、この「ええ!」という雅子の悲痛の叫びは、今や、二人の間では命綱のような役割を果たしてくれている。
 また、口の開き方では、食事の際や歯磨きの場合に認められている。歯磨きでは、今の歯ブラシが口に入り難い場合が起きていて、小さいタイプに替えてもらうことになった。同じ動作を繰り返していると、口は次第に開くようになってくるのだが、その行為の最初の段階で、そのブレが大きく見られ、対応がし難くなって来ているのである。
 ことほど左様で、今や二人の間の命綱は極めて心もとなくなって来ている。(以下、明日に続く)

755 解放

 5時10分起床。体重、57,7Kg 新聞を取りに出ると外は小雨、比較的暖かい。

 昨日は、趣味の将棋で大興奮した一日だった。今年の4月から始まる名人戦挑戦者を決める予選リーグで、トップを走る二人、森内俊之―郷田真隆の両九段の直接対局があり、朝からその模様をコンピューターで楽しむ一日となった。
 朝10時から始まった対局は深夜にもつれ込み、激しいねじりあいが続いていたが、終盤になって、果敢な飛車を切っての郷田九段の豪快な攻めが相手の王様を追い込んだのだが、森内九段の巧みな応手で、王様がするりとその包囲網を抜け出し、うまく入玉を果たしたと思われたその土壇場で、郷田九段に決め手となった絶妙手が出て辛勝し、挑戦者リーグでトップに躍り出た。郷田ファンの筆者には、堪らない興奮で、手に汗しながらドキドキのコンピューター観戦だった。これで、郷田真隆九段は挑戦者まで、マジック2である。終局は日が変わって深夜の午前1時で、その鮮やかな勝利に興奮でなかなか寝着かれない一夜だった。睡眠不足の今朝も、その嬉しい興奮状態からは解放されていない。ファンっておかしな存在だ。 
 解放というと、エチオピアで昨年9月に誘拐され、隣国のソマリアで拘束されていた日本人医師の赤羽桂子さんが108日ぶりに無事解放されたという明るいニュースがメディアを賑わしている。身代金が介在したといわれているが、詳細は発表されていない。「I am in a dream」とその感想を語る彼女の嬉しそうな顔が印象的だった。とにかく、よく頑張ったと思う。
 さて、大相撲初場所が明後日の日曜日から始まるが、進退が掛かる朝青龍が出場を決意したようだ。場所前の練習の調子は今一つであり、然るべき成績を残さない限り、その進退問題からは解放されない状況である。それにしても、あの無敵だった強さは、一体何処へ行ってしまったのだろうか。
 国会の論戦が始まっている。テレビ中継で見ていると、麻生総理が追い込まれていて、気の毒だ。喋れば喋るほどその言葉尻を取り上げられて追究される悪いパターンが続く。昨日も「さもしい」という言葉が話題になっていた。今国会では、その厳しい追及から解放される訳には行かないだろう。野党からのしつこい追及から逃げ切れるかどうかが焦点である。
 そういう意味では、筆者も介護という立場からは、永久に解放されない立場である。昨日も今年初めての定期診断日で、将棋の前半の時間を割いて、妻の雅子を連れて病院を往復した。それでも、お天気がとても良くてほっとした一時的な解放(開放)感を味わえたのは幸いだった。

2.連載、難病との闘い(720) 第三部 戦いはまだまだ続く(17)
  第一章 2008年下期の二人(17)

(2)雅子の症状(その11)
 とにかく、トイレを終わると、雅子も一考も二人揃ってほっとする。その日の大仕事を終えた気分である。特に、通じがあった場合は「万歳」をするくらい喜ぶ。とりあえず、お茶、ジュースをサービスしてその努力を讃える。とにかく、便座の上での雅子の頑張りは並みではなく大仕事なのだ。従って、当然、喉が渇く。以前にはケーキなどを勧めたことがあったが、今では食べるものは滅多に口にしなくなった。いずれにしても、トイレの時間が終わると二人は一段落なのである。
 その後は、一考は帰宅のタイミングを見ながら、目薬を差してやったり、口を濡れチッシュで拭ってやって部屋を出ることにしている。最近では、部屋を出る直前に、雅子が何かを思い出して、それを話そうとする様子が時々あり、その対応で少し戸惑う。言っている事が直ぐに分かれば有難いのだが、そうでないことが多い。従って、時間の関係もあって一考は少々焦ることになる。どうしても、分からない場合は、翌日への宿題として残すことになる。申し訳ないのだが、母親の食事の準備の関係で致し方がないのだ。
 一考が戻ると、雅子はじっとテレビを見ながら夕食の時間を待つ。大抵は5時半頃から夕食は始まって、朝食、昼食と同様な段取りで、お薬の服用、歯磨き、トイレなどの一連の必要なことを済ませる。
 それが終わると、あとは9時の就寝の時間まではテレビを見て過ごすことになる。雅子の見たいチャンネルがテレビの前に置いてあるホワイトボードに書いてあるので、介護士さんがそれに合わせてくれる。9時になると、就寝前のお薬を飲み、トイレを済ませて着替えさせてもらってベッドに横になる。直ぐに寝られる時と、そうでない時がある。途中、12時過ぎと4時ごろに小用に起してもらう段取りである。尚、寝付けない時には、真正面のカーテンレールに掛けてある時計を眺めながら過ごすこともある。
 こうして、雅子の24時間が淡々と過ぎてゆく。いろんな方々のサポートを受けてはいるが、本質的には孤独で大変な闘いなのだ。(以下、明日に続く)

754 クイズ雑学王

 4時起床。体重57.5Kg。寒さは普通。

 テニスの錦織圭がプリスベンオープンで準々決勝に進出した。ランク20位の格上選手を破っての快挙だ。力が着いてきているのだろう。ゴルフの石川遼選手もタイで行なわれる今年最初の国際大会に出場するためにタイに到着している。お正月の番組でも石川選手は幾度か顔を出していたが、自信を見せながらも適度な謙虚さがあるのが非常にいい好感を与えてくれている。若い二人の今年の更なる飛躍を期待している。
 さて、テレビのクイズ番組は、今や多少食傷気味であるが、昨夜見たテレビ朝日のクイズ番組「雑学王」は、その内容が結構勉強になった。いつも驚くのは出場者が、随分と物知りだということだ。昨日も最終の決勝の残ったのは、伊集院光、西川史子、麻木久仁子、東貴博の常連組に、初めてだと思うが、元フジテレビアナウンサーの露木茂だった。結局は、少し意外だったが、西川史子が優勝した。事前の問題漏洩ややらせ的なことがないとすれば、彼らは大変な物知りだと思う。ここでも、麻木久仁子さんは優秀で、筆者はますますファンになっている。頭のいい美人は、筆者の好みのタイプの最右翼である。
 ところで、今朝のNHK衛星放送のニュース(4時)を見ていたら、ETCを通過する際に、車がスピードを出し過ぎる傾向があって事故が多いことから、その対策を取った結果、事故が激減(16.5%)しているというニュースを伝えていた。驚いたのは、この内容は、昨日のその番組の問題に出ていた内容で、問題は「どんな対策を取ったのか?」と云うものだった。答えは、「バーを下ろすタイミングを少し遅らせる」というのだが、それを麻木さんと露木さんの二人が答えていた。今朝は、そのニュースを見て、そんな新しい内容をタイムリーに、そのクイズ番組に取り込んでいることに驚いたのである。
 因みに、そのニュースでは、ETCが一般車両に使われ出したのが2001年3月の沖縄が最初で、今では、その装着率が75%になっているという。クイズで問題になった「バーを下ろすタイミングを少し遅らせる」ことで、車のスピードが落ちる(それまでの時速40Kmが、20Km程度に減速)爲で事故が減ったのだという。
 たかがクイズ番組と言って馬鹿にしてはいけない、これが、筆者が得た「今朝の教訓」であった。

2.連載、難病との闘い(719) 第三部 戦いはまだまだ続く(16)
  第一章 2008年下期の二人(16)

(2)雅子の症状(その10)
 さて、この数時間の滞在中で、一考がやれねばならない一番大事なことは、トイレに付き合うことである。起床後、各食事の後のトイレ、それに夜間のトイレはあるが、それらは大抵の場合は小用が主である。そのため、ベッド横の簡易トイレで用を足すことが殆どである。
 しかし、一考が付き合うこの時間帯では、トイレは本格的なもので、個室で行なうことにしている。座っている椅子から個室のトイレに移す作業は、一旦車椅子に移してから、個室の前まで移動させて、便座に移す手順である。今では、雅子を車椅子に移し、個室前までの移動は一考が頑張ってやることが多い。しかし、その後は、介護士さんにお願いして、雅子を個室のトイレの便座に座らせてもらう。厄介なのは、この間の下着を脱がせる作業で、さすがにこの作業は一人では出来ず、二人の介護士さんの共同作業となっている。かつて、雅子の在宅時に、一考が一人でやっていた際には、雅子が棒に掴まっていれば、自分で身体を支えることが出来ていたので、一考が下着を下ろす作業も一人でも何とか可能だった。しかし、今は、棒を握れなくて、自分の身体を支えることは全く出来ない。二人の介護士さんのサポートは不可欠なのである。
 そういう一連の流れの中で、一考が気を配っていることは、差し当たっては、雅子がトイレに行きたいというタイミングを確認することから始まる。言葉をがはっきりと話せないことから、雅子の様子を窺いながら、質問形式で雅子の意志を確認して、トイレに行きたいというタイミングを見つけ出すのである。その意志が確認できると、後は、先ほど述べて手順で、介護士さんとの連携で、雅子をトイレの便座に座らせる作業を行なうのである。
 雅子が便座に座わった後の一考の役割は、雅子の身体のバランスを取ってやることである。身体が前かがみになって倒れそうになるのを防ぐため、膝の上に座布団を二つに折って置いてやって、そっと支えてやることも今では一考の大事な役割である。また、その日の様子を見ながら、必要に応じてお腹をさすってやることも大事な役割だ。
 うまく、通じがある確率は30%程度で、便秘が3日ないし4日続くと、便秘薬のお世話になる。この場合は、朝の起床後に便秘薬を服用する。そうすると、タイミング的には、大体一考がいる2時から4時ぐらいに効果が出るので、その場合は、通常よりも、細かいウオッチ、対応が必要となる。終われば、もう一度介護士さんにお願いして洗浄、乾燥、そして下着を上げて車椅子に戻し、いつもの椅子に戻してもらう。いずれにしても。一考の役割は、雅子には精神的な面でもそれなりの役割を果たしている。(以下、明日に続く)

753 出口が見えない

 5時40分起床。いつもよりかなり遅い。妻、雅子も施設に戻って、少し落ち着きを見せてくれている。

 新しい年が始まってまだ一週間も経たないが、日本を含めた世界は多難な様相だ。イスラエル軍の侵攻で、戦線はガザ南北で拡がり、パレスチナ側に630人を超す死者が出ているという。フランスのサルコジ大統領が停戦に向けた外交交渉に乗り出し、6日にはエジプト入りしているが、解決の糸口を見つけるには至っておらず、出口は見えない。
 日本では、麻生総理が動き出そうとしているが前途は多難である。あの定額給付金については、昨日になって、高額所得者にも一律給付するから受け取って欲しいと言い出した。自ら、高額所得者受け取るのは「さもしい」といったあのせりふは何処へ言ったのだろうか。二転、三転である。ここまで変わってくると、どうなることやら、出口は全く見えない。
 その一方で。麻生内閣は、長期的な視点に立って、クリーンニューディール政策をぶち上げている。環境問題に取り組む課題に連動していて、太陽エネルギーを活用した太陽光発電の普及に注力しようとするものだ。アメリカのオバマ次期大統領が打ち出している政策に呼応しようとしたもので、政策そのものは立派なもので、将来への投資と云う観点からは、大いに頑張って実現に結び付けて欲しい課題である。コメンテーターの勝谷誠彦氏もブログやテレビの番組で盛んに取り上げている。何しろ、太陽エネルギーは、ただなのである。それを活用する考え方は理に叶叶っている。しかし、一朝一夕に達成できる課題ではなく、時間が掛かる政策で、麻生内閣がそこまで持つことは考えられず、そういう意味では出口が見える云々の類ではない。
 今年の7月22日に日本国土では46年ぶりに皆既日食が見られるという。しかし、完全にそれが見られる地域は限られていて、屋久島(全島)、種子島(全島ではなく一部分)、トカラ島(全島)、その中で、最も人気があるのがトカラ島だそうだ。しかし、そこは、施設などのインフラが充分でなく、収容人数が限られていて、入島制限が行なわれるという。そういう意味では誰でもいける訳ではないようだ。出口云々よりも入口が見え難いようだ。

2.連載、難病との闘い(718) 第三部 戦いはまだまだ続く(15)
  第一章 2008年下期の二人(15)

(2)雅子の症状(その9)
 椅子に座って一息つくと、月水金は午前中にマッサージを受ける。どの程度の効き目があるかはよく分からないが、単調な一日の中で、体位の変化が取れて気晴らしになっていることは確かである。雅子に確認すると、マッサージを受けている部分は、それなりに気持ちがいいそうだ。
 また、水曜日と土曜日は入浴日になっている。タンク方式で、身体を温める方式は、以前よりも有難いそうだ。
 昼食は、11時半過ぎから始まる。段取りは朝食の場合と同じで、お薬の服用、歯磨き、トイレを済ませて、疲れている時にはベッドに横にして貰うが、そうでないときには椅子に座ってテレビを楽しむことになる。
 一考が顔を見せるのは、大体1時半から2時に掛けてである。水曜日だけは、母親の部屋の掃除に在宅介護のサービスの方が2時頃に来られるので、それを待って出掛けるので、アクティバ琵琶に到着するのは2時半頃になる。
 これから夕方の4時ないし5時までは一考が雅子の相手する。
 最近は、部屋に入るとベッドに横になっている時と、椅子に座っている時が半々ぐらいで、今までよりも、ベッドに横になっている場合が少し増えている。疲れに伴う身体の震えが目立つ場合は無条件で横にしてもらっている。この病気の特徴の一つは身体の震えだ。お薬で抑えているのだが、その日の体調で、その度合いも微妙に違ってくる。
 アクティバ琵琶に到着して、一考が最初にやることは、前夜から午前中に掛けての様子の確認である。それは病院での問診に相当する。夜勤の介護士さんが誰であって、特に何も無かったか、トイレの有無などを確認する。時々、こんなことがあったとの報告があるが、コミニケーションが大変で、それを確認するには大変な時間を要することが多く、また、結果的に分からないこともあり、時には介護士さんに確認することもある。
 それが終わると、タイミングを見計らってその日のブログを読んで聞かせたり、届いた郵便物を読んであげたりする。また、この時間帯で、この日の夜のテレビの番組を確認し、テレビの傍に置いてあるホワイトボードにメモしておく。こうすることで、夕食を終わった後に介護士さんがそれにチャンネルを合わしてくれるのだ。
 かつては読書の時間を設けて、小説を読んであげたりしたが、今では、取り止めている。雅子が疲れるようで、希望しなくなったからである。(以下、明日に続く)

752 難病、FOP

 4時半起床、6時になっても外はまだ真っ暗だ。
 正月休み明けの昨日から、世の中は何が起きるか分からないといった波乱含みだが、ゆっくりと動き始めている。東証株価は、幸いにも、ご祝儀的に9千円台を回復したが、先行きははっきりしない。それでも、昨年の同じ大発会で617円という大幅な下げで始まったことを思うと、まずはほっとした感触である。しかし、今朝の米国株は、81ドルほど下げていて、依然として手探り状態である。
 国会も始まった。例年よりも早い開会である。定額給付金を巡る与野党の対決、加えて身内からの造反もあり、麻生総理はどのように対応するのだろうか。離党を口にした渡邉善美氏の動きも注目される。
 さて、テレビ番組も正月特番から徐々に通常の番組に戻りつつあるが、昨日の夕方の関西テレビのニュース番組で、FOP(進行性骨化性線維異形成症)という難病の特集を放映していた。妻、雅子が難病となって以来、筆者は、難病には高い関心を持つようになっていて、今までにも、このブログで、大原麗子さんが患っているギラン・バレー症候群を始め、もやもや病、アラジール症候群、魚鱗癬、多系統萎縮症、ALS、,繊維筋痛症の8つの難病を取り上げて来た。
 今回のFOPという病気は、200万人に一人と云う難病で、筋肉、じん帯などが硬化して骨になって行く進行性の病気だそうだ。関節が自由に動かせなくなり、腕が上がらないとか、身体が動かせなくなってゆく大変厄介な病気で、そのメカニズムや治療法は全く分かっていないという。
 放送では、具体的な事例として、明石市の小学校五年生の山本育海さん、もう30年以上も患っておられる静岡の志野明弘さんの二つのケースを取り上げていた。
 山本育海さんの場合は、肋骨の外側に骨が出来ているような状態だという。放送では、学校に通っていて、友人達からの温かい励ましを受けて、明るく元気に頑張っている姿が放映されていたが、自分の妻の病気のことと考え合わせると胸が痛むのだった。専用のホームページ(www.fop-akashi.jp/?p=59)が 開設されているという。
 この病気に関して、一つ大事なことが分かっていて、治そうとして、無理を押して歩いたり、その部分の筋肉に刺激を与えたり、更には手術をしたりすると、悪化が急速に進むという事実である。山本さんの場合は、その知見が生かされ、手術直前で取り止めたことで、最悪の事態を免れたようたが、志野さんの場合は、その悪例を受けてしまって、苦しい毎日を送っておられるのだそうだ。そんな大変な病気だから、一般の病院では間違った判断がされてしまうことになりかねず、早く専門医に出会うことが大事なようだ。
 筆者の知らないこうした難病は実に多い。人知れず苦しんでおられる方が数多くおられることを知る度に、胸が痛むのである。その一方で、雅子も苦しい毎日だが、頑張らなければと励まされる気持ちにもなる。
 ところで、話は飛躍するが、今の日本の政治の混乱振りを見ていると、日本の政治も大変な難病にかかっているように見えて来る、上記のFOPと同様に、まだその治療の手法もはっきりしておらず、下手な治療や手術ではますます悪化が進行する心配を包含しているが、とにかく、国民は、この難病に対処できる名医の登場を強く望んでいるのである。

2.連載、難病との闘い(717) 第三部 戦いはまだまだ続く(14)
  第一章 2008年下期の二人(14)

(2)雅子の症状(その8)
 ここで、最近(08年12月中頃)の雅子の一日を追ってみよう。一日の始まりは、朝7時頃に起してもらうことで始まる。直ちに小用を済ませると着替えをしてもらい、車椅子に移してもらって朝食を待つ。その間、置きぬけの飲み物サービスを受ける。ポカリスエットをトロミ調整剤で粘調にした形で口に入れてもらうのだ。食事は大抵7時半頃からである。この辺りは、それまでの手順、タイミングとも変わっていない。
 俯き加減の姿勢で頭が下がっていて、顔が下向きになっていることが多いので、介護士さんのサポートでなるべく頭を持ち上げるように頑張って、食べさせてもらい易い姿勢に努めるが、これが大変なようだ。
 朝食は、介護士さんが付きっ切りで食べさしてくれる。固いものは喉を通らないので、細かく超みじん切りにしたものを食べさせてもらう。ご飯はおかゆだ。幸い、食欲はそれなりにあって、残すものは少ない。入居後は、一考が全くタッチしていないので、実際のところは介護士さんの報告を聞いて判断しているだけだ。このところ、口を開けるのが少し大変で、エンジンが掛かって口が大きく開くなるのに少し時間が掛かるようだ。
 食事が終わるとお薬の時間だ。少し間をおいて飲ませてもらう。種類が多いので相変わらず大変だ。いずれのお薬も、そのまま服用するのではなく、とろみ調整剤に絡ませて、一緒に食べるようにして服用させてもらうのである。
 食事とお薬の服用が終わると歯磨きである。自分の部屋に戻って備え付けの洗面台の前で介護士さんにやってもらう。このやり方は、以前に一考が自宅でやっていた方法と本質的には変わっていない。電動式歯ブラシを使う。ポイントは口内の洗浄で、今でも簡易洗浄瓶を使って、口内を洗い出す方法だ。手間が掛かるが他にこれと言った方法がない。介護士さんには我慢強くやってもらっている。
 それが終わると、食後のトイレである。二人掛かりの作業だ。大抵は小用だけで直ぐに終わる。そして、備え付けの椅子に座らせてもらい、一息ついて、テレビでも見ることになる。身体が俯き加減なので、音声だけで楽しんでいることも多い。(以下、明日に続く)

751 安心、活力

 4時半起床。寒さはまろやか。
 さあ、新しい一年が動き出す。国会も今日から第171通常国会が始まる。東京証券取引所では今朝、大発会が行なわれる。多くの企業も今日から仕事始めである。澱どんでいた水の流れが動き出すのである。どんな展開になるかは全く不透明だ。
 昨日の麻生総理の年頭記者会見を見た。自らがその場で色紙に「安心、活力」としたためるパーフォーマンスを披露した。なかなかの達筆だ。総理自らがその場で、色紙にしたためるのは珍しい。まさに「言うは易し、行なうは難し」であって、発言したり、書いたりすることは、そんなに難しくはない。それをどのように実行に移すのかがポイントだ。この記者会見での麻生総理には何か重みが感じられなかった。本当に「安心、活力」は大丈夫なのかと云うのが筆者の印象であった。
身内の渡邉善美氏が離党宣言を行い内部から揺すっているし、民主党の攻勢も勢いづいていて、国会運営は、風雲急で大変だろう。
 世界に目を転じると、イスラエルでは地上軍がガザ侵攻を始めた。それに対しハマスが応戦し犠牲者は拡大している。ここでは、「安心」は全く存在せず、「活力」が無駄に空回りしている。世界はどう動いてゆくのだろうか。
 そんな動きとは無縁に、アースマラソンで頑張っている間寛平さんだが、こちらでは、逆に風に恵まれず、鴨川から千倉に移って、暫く待機が続いていたが、昨日、ようやくその千倉港を離れたようである。いるかを見つけたり、かもめが訪れたりして楽しんだ一面もあったようだが、やはり風が来ずに苦労をしているとのことだ。ニューギニアの地震による影響は大したことはなかったという。ここでの安心、活力はしっかりと確保されねばならないが、いずれにしても、先が長い闘いで、健康、忍耐との戦いでもありそうだ。

2.連載、難病との闘い(716) 第三部 戦いはまだまだ続く(13)
  第一章 2008年下期の二人(13)

(2)雅子の症状(その7)
 お風呂は雅子には待ち遠しいぐらいの有難いサービスである。単調な毎日の生活の中で、大きな変化を与えてくれるし、身体を動かすという面からも、とかく不足勝ちな運動をカバーする貴重な機会である。ともかくも、ゆっくりと身体を温めて疲れを癒せる訳で、雅子には、まさにオアシスと言うべきものである。
 その有難い入浴は、この施設では週2回のペースである。若干、少ないと言う気がしないではないが、特別に汗をかくような運動をする訳でもなく、じっと座って過ごす毎日であることから、介護の大変さを勘案すると、バランスの取れた頻度だと言える。
 さて、その入浴についてだが、入居してからずっと大部屋のお風呂でお世話になっていた。そこでは、もちろん、専用の車椅子のまま入浴するのだが、湯船の深さとの関係で、どうしても、お湯が膝の上程度までしか来なく、身体を深くまで浸けられない事情にあった。実際には、ポリの小型の桶でお湯を掛けてもらって、身体を温めるのだが、作業も手間がかかる上に、身体の温まりも今一つである。
 そこで、入居後10ヶ月経過した9月になって、それまでよりも身体を深くお湯に浸して温まることが出きる特別のお風呂に入れてもらえることになった。ここでも車椅子のままだが、より深く浸かれる仕組みのお風呂である。
 一考は早速のそのお風呂での入浴具合を見学させてもらった。そこでは、車椅子が深く浸せるように工夫したタンク状の湯船を使うのである。お湯の出し入れは機械を操作して行なう仕組みだ。
 その手順は、先ずは、必要なお湯をそのタン状の湯船に入れる。そして、そのお湯を一旦別のタンクに移し、そのタンクを空にする。一方、雅子は、予め暖房された脱衣所で、従来と同じ手順で、専用車椅子に移されて脱衣させてもらう。
 脱衣を終えた雅子は、車椅子のまま空になったタンク状の湯船に入るのだが、その場合の車椅子の入出は、タンクの先端部分が機械の操作で開閉する仕組みになっていて、開いた入口の部分から容易に入れるのである。車椅子が入ったタンク状の湯船は、その入出部をしっかりと閉じて、そこへ、別のタンクに移しておいたお湯をその湯船に戻すのである。この場合、お湯の深さが以前の方式の湯船よりも深いのである。
 こうして、その湯船でゆっくりを身体を温めて、タイミングを見計らい、再びお湯をタンクに戻し、その湯船をオープンして車椅子を出すという逆手順を踏む。なかなか理にかなった方式だが、今までの手順に比べれば、手間が掛かるが、介護の作業自体はより楽に行なえるメリットがある。こうして、今では、より身体を温めることができることになって、雅子には有難い入浴となっている。(以下、明日に続く)

750 意外な展開

 3時半起床。外は小雨がぱらついている。寒さは普通。
 終わってみれば、あっという間の正月3が日だった。妻の雅子を自宅に連れ戻した31日からの足掛け3日間は、その大変さが思っていた以上の意外な厳しさで、体力の限界と闘う介護に四苦八苦だった。施設の介護の有り難さを改めて知ったのである。
 さて、二日間楽しませてくれた箱根駅伝は、東洋大が67回目の出場で初優勝を果たした。レース前の同校部員の不祥事で、川崎監督が引責辞任し、それを引き継いだ佐藤監督代行が見事な采配を見せた。中でも、6区にエントリーしていた主将の大西選手がアキレス腱を故障していたのを心配し、富永選手に代えた判断がプラスに出たのを始め、その他の交代メンバーが全て好走してr勝利に結びついたようだった。それに対して、筆者の贔屓の早稲田は、昨年と同様に復路の後半で逆転され、前年と同じ轍を踏んだのは残念だった。有能な1年生が4人入部し、その内3人は活躍していただけに惜しまれる敗戦だった。渡邉監督の采配はどうだったのだろうか。いずれにしても、優勝候補だった駒澤大学がシード権を失うなど、意外な展開のレースだったといえる。なお、初出場を果たした滋賀県出身の花田勝彦監督率いる上武大学は、順位的には意外に振るわなかったが、襷をきちんと繋いで完走を果たしたのは、まずまずだったと言っておこう。来年以降に期待したい。
 なお、今放映中のテレビの時事放談を見ていて、塩川正十郎さんは、東洋大学の総長さんだそうで、おめでとうと云う司会の御厨貴さんの挨拶で、嬉しそうな顔が印象的だった。総長とは全く知らなかっただけに、意外な役職に改めてびっくりした。
 既に、世界は動き出している。2日の米国株は9000ドル台を回復する意外な大幅な上昇で始まった。自動車3大メーカーへの差し当たっての危機が避けられる見通しが付いたのであろうか? 今朝のニュースでは、次期大統領のオバマ氏が、経済危機を脱するための超党派による協力を求め、300万人の雇用を確保するなど大胆な景気対策の提案をしている。こと、オバマ氏に関する限り、意外さはなく、その采配に期待はますます高まっている。
 それに対して麻生内閣の動きが見えて来ない。解散カードを弄んでいるようで、内閣発足時から話題の解散が迷走して年をp越した。肩透かしを食わせる対応は、意外な展開と言える。監督代行が巧みな采配で優勝した東洋大学ではないが、適当な首相代行はいないものかとさえ思われる展開である。とにかく頑張って欲しい。
 ところで、あの偽メールで議員辞職した永田寿康議員が、昨日の夕方、北九州でビルの上から飛び降りて自殺したという。東大出での秀才も、そんな弱い人だったのかと意外に思うのである。何か独り相撲のようでお気の毒だった。ご冥福をお祈りしたい。
 とにかく、意外な展開で始まった今年だが、何が起きるかわからない不安と期待が待っている。頑張ろうとの強い思いが、支えになってくれるはずである。

2.連載、難病との闘い(715) 第三部 戦いはまだまだ続く(12)
  第一章 2008年下期の二人(12)

(2)雅子の症状(その6)
 トイレに関する事情も、雅子の症状の変化とともに、少しずつ、その様相が変わって来ている。08年8月の下旬に入って、トイレに付いている左右に開く引き戸を取り払ったのである。それまでは、車椅子の雅子を取り扱うスペースが狭くて、二人の介護士さん達の作業がし難くかったのを改善したのである。その代わり、カーテンをつけて、何とか個室的な雰囲気を提供している。蛇足だが、そういう訳で、自分をも含めて、お見舞いに来てくれた人は、そこで用を足すのには少し勇気がいる。当たり前のことだが、その度ごとに1Fのトイレに行くことになる。
 さて、雅子の通じの方だが、今年の夏以降は、ずっと便秘状態が続いていて、便秘薬の使用は欠かせなくなって来ていた。もちろん、それまで通り、毎食後のファイバーの服用は継続していたが、その効果も薄らいできているようだった。そこで、10月の定期診断時に、春日先生にその様子を報告したところ、一日に二回服用する別の便秘薬を勧められた。その効果は、見た目には、はっきりとした形では出て来ていないのだが、施設の看護師の判断で、それまで服用して来たファイバーは取り止めることになった。いずれにしても、内臓の働きにも悪化が進み、大腸の働きが劣って来ているのだろう。最近では、3日間便秘が続くと、それまで使っていた便秘薬、コーラックを服用することで、何とか通じを保っているといった感じである。
 また、そのトイレを頑張る姿勢も不安定になりつつある。力をいっぱいに出そうと身体を少し折り曲げるような姿勢を取らせるのだが、そのために、膝の上に座布団を二つに折り曲げた形で置いてやって安定を保ってやる。しかし、それも力を入れることで、どうしても不安定となって、座布団を落としてしまうことが多い。仕方なく、その頑張る間は、一考が居る場合は、傍に居て座布団を落ちないように支えてやっている。その間、必要に応じてお腹をさすってやると、場合によっては、その効果もあって、通じに繋がることもある。
 いずれにしても、通じに関しては、春日先生からのお勧めの便秘薬、それに3日間通じがない場合のコーラックを服用することで、今のところは何とか繋いできている大変な作業なのである。それだけに、通じがあるとほっとして、心の中で万歳を叫んで喜ぶのだ。たわいない話のようだが、自分達には笑っている場合ではないのである。(以下、明日に続く)

749 20人抜き快挙の考察

 5時起床。昨日、妻を施設に戻したことで、熟睡出来て体調はすっきりである。
 昨日は、妻の介護で四苦八苦しながらも、その合間を縫って箱根駅伝を楽しんだ。今年も素晴らしい記録が誕生する中で、優勝候補の最右翼にあった駒沢大学が大きく出遅れているなど思わぬドラマもあって大いに楽しませてくれた。
 早稲田ファンの筆者で、山登りで逆転されて2位に終わったのは残念だったが、レース1ヶ月前の不祥事で出場云々されていた東洋大が、初めての往路優勝を果たしたのは見事であり、皮肉な結果でもあった。5区を担当した東洋大一年生の柏原竜二選手が、8人抜きで早稲田との4分58秒差を、区間新記録の快走で一気に逆転したのは奇跡的な快挙だった。
 この日も多くの快挙や好記録が生まれた。区間新記録が4つも出ている。2区の山梨学院のモグス、3区の早稲田のエース竹沢健介、4区の早稲田の1年生の三田裕介、それに5区の東洋大の柏原竜二だ。一年生が頑張ったのも特徴だった。
 そんな中で、20人抜きというとんでもない記録も誕生した。2区を走った日大のギタウ・ダニエル選手で、一区で出遅れた22位からあれよあれよと云う快走で、チームを一気に2位に引っ張り上げた。この日は、この他にも、東海大の佐藤悠基選手が3区で13人抜き、そして往路優勝に貢献した柏原竜二選手の8人抜きであった。
 この20人抜きという記録を考えて見たいのだが、これは、言うまでもないことだが、個人、ダニエル選手の力だけでは達成できるものではない。そこには、幾つかの条件が揃わねばならない。先ずは、出場チームが21チーム以上が前提である。幸い今大会は、記念大会で大会最多の23チーム出場していた。また、チーム内の選手が、思わぬ不振で出遅れていないと成立しない。この日の日大は、一区の堂本尚寛選手が22位と大きく出遅れたのが幸い(?)して、チームの不幸を一気に幸せに変える反発力となってダニエル選手の快走を生んだのである。面白いのは、そんな快挙にもかかわらず、その区間ではベストワンの記録を必要とはしないという点である。因みに、この区間のベストワンは、山梨学院大のM.モグス選手が区間新記録で奪っている。
 そんな風に考えると、筆者の個人的な話になって恐縮だが、こうして、毎日ブログの更新が続けられているのも、妻の不幸が反発力となって、筆者の毎日の闘いを支えてくれているのだと勝手な連想をしたのである。お目出度い人だ。

2.連載、難病との闘い(714) 第三部 戦いはまだまだ続く(11)
  第一章 2008年下期の二人(11)

(2)雅子の症状(その5)
 今の食事の状態であるが、この施設にお世話になって以来、一考は全くタッチしていない。食事に関連した介護、つまり、三食の食事、歯磨き、洗顔、そしてお薬の服用などは、全て、ここの介護士さんにお任せしていて、それらに関する詳細な変化は、十分には把握していない。
 介護士さんの話を総括すると、食欲そのものは通常に維持されているようで、この点では幸いなことである。しかし、ここでも、症状の悪化の進行は、それなりに認められていて、心配がないという訳ではない。差し当たっては、次の三つの課題があって、先行きがどうなって行くか不安である。
 一つは、大きな物や固い物が喉を通り難いということで、この夏頃から料理、食材は「みじん切り」から「超みじん切り」の段階に入っている。この施設では、「普通」「みじん切り」「超みじん切り「ミキサー」の四段階があって、その方の症状に合わせて対応しているのだが、雅子は、その三つ目の段階の「超みじん切り」のレベルに入っているのである。今のところ、このレベルでは問題ないが、将来は分からない。
 二番目の課題は、雅子の姿勢である。普通にしていても俯き加減なので、食べさせるのに、介護士さんは苦労している。少し、上を向くようにリクライニングの椅子を使ってみたが、うまくいかなかった。美容室で毛染めの際に、それを洗い落とす洗浄時には、身体をそらせるぐらいに上に向かせているが、食事となるとそうはいかないのである。
 三つ目の心配事は、口を開けるのが大変になっていて、口が然るべく開くようになるまでに時間が掛かるのである。つまり、一旦、口を開けると、その後は、少しずつ開けられるようになるのだが、最初に少し開けるのに、ちょっとばかり時間がかかるのである。この辺りは、忍耐強く我慢して待っての介護が必要なのだ、この点で将来の心配が残る。
 一方、お薬の服用だが、これについては、自宅での介護と違って、ここに入居後は、新たな方法が採用されている。それは、粘調のとろみ材を使って、お薬をそれに絡ませて口に運んでいる、雅子にして見れば、飲むという感じから食べると言った感じで喉に送り込まれるのである。今のところ、その方法で問題はなさそうだ。
 食事、お薬に続いての歯磨きであるが、これは、昔ながらのやり方で続けてもらっている。電動歯ブラシで歯を磨いてから、水でゆすぐという単純な作業だが、口を開けることなど、雅子にも、介護士さんにも結構な忍耐が必要な作業である。頑張るしか仕方がない。
 いずれにしても、この種の悪化の進み具合、は本当に徐々に、徐々にではあるが、進んでいることは確かで、これからも、心配事は耐えない。(以下、明日に続く)

748 初夢

 4時半、起床。寒さ、ほどほど。
 当たり前のことだが、新年になったからと言って、急に何かが大きく変わるというものでもない。前日の延長上での今日である。しかし、不思議なもので気分は新たなものになっている。
 今年も、お正月の楽しみは駅伝で始まる。昨日は第53回実業団駅伝が、群馬県の全長100Kmのコースで行なわれた。今年は、妻、雅子の介護が大変なこともあって、例年のようにレースをじっくり楽しむという訳にはいかず、結果的には、最後の1Kmのデッドヒートを楽しむことが出来た、一番、美味しいところを見たようで、ゴール前300mの大激戦は熾烈だった。息子の次郎の勤務先である富士通が9年ぶり2度目の優勝を果たしたが、アンカー松下選手の激走は、実にお見事だった。2位になった日清食品の大西選手が、ゴール少し手前で後ろを振り向いたのが失敗だったように見えた。驚きは、3位になった旭化成を加えた1位から3位までの差が僅か1秒差以内という接戦で、恰も、短距離走のレースを思わせるゴールだった。今朝からは、恒例の箱根駅伝で2日間を楽しむことになる。
 ところで、今朝起きて記憶を辿ったが、どうやら初夢は見なかったようだ。見たのかも知れないが、記憶には何も残っていない。雅子の24時間介護で、夢を見る暇もなかったと思われる。皮肉なもので、今の日本の実情を反映していて、夢も希望もないというのだろうか。
 因みに、筆者には、今年は新たな企画に取り組んでみたいというささやかな夢がある。趣味の推理小説の新作への挑戦だ。書きたいテーマがあって、これから、そのプロットを練ることのなるが、年内には、このブログを使っての創作に着手したいという夢である。頑張ってみたい。
 さて、昨日頂いた年賀状の中で、今年から始まる裁判員制度で、最初のメンバーに選ばれたという付記のある賀状を見つけた。「なるほど、当たるものなのだなあ」と妙な感心をした。この方は、筆者の目からみれば、極めて裁判員に適任な方で、ご本人は大変だろうと思うが、いい人選だったと思っている。何事にも、しっかり調べて対応される方で、自信をもった判断をされるものと確信している。大いに頑張って欲しい。 
 手前事で恐縮だが、一時的に自宅に連れ戻した妻、雅子の介護は思っていた以上に大変だった。何とか第一日の闘いを終えたという感じである。端的に言えば、まさに格闘技、そのものだった。今日、もう一日頑張るのだが、この辺りの具体的な介護の苦労話については、いずれ、連載中のドギュメント「難病との闘い」の中で詳述する予定である。

2.連載、難病との闘い(713) 第三部 戦いはまだまだ続く(10)
  第一章 2008年下期の二人(10)

(2)雅子の症状(その4)
 それから数日経った頃である。ちょうど年賀状の準備に入っていた。今年は、予備に新たなコンピューターを買ったこともあって、年賀状のソフトを思い切って変えることにした。今まで使用していたソフトが古くて、そのアドレス帳の機能が、時々うまく作動しないことがあって不便を感じていたからである。
そこで、手間だったが、改めて一人一人のアドレスを入力し直したのである。纏めて移動させることも可能だと思ったが、急がば回れで、その方法を探し出すのが面倒だったので、一人一人打ち込み込み作業を行なった。ちょうど、住所の確認には好機会となった。しかし、雅子に友人関係で、どうしても一人の住所が分からず、そのことを雅子に報告した日の帰り際だった。
 何かを雅子が言い出したのである。例によっての二人の大変なコミニケーションが始まった。礼によって、先ずは、「それは自分に何かをして欲しいということなのか、或いは、何かを伝えたいというものなのか」との質問には、後者、つまり報告、伝達だと言う。
 その内容に迫るため、それは何に関するものかと確かめると、衣装や食事に関するものではないと言うので、いつものように、雅子の身体に関することなのか、それ以外のことなのかと聞くと、自分の身体のことではないと言う。そこで、「この部屋にあるものか?」と訊ねると「イエス」という。そこまで追い詰めると、今度は、順番に部屋の中にあるものを確認してゆくのだ。とにかく、時間が掛かるが焦ってはいけない。「時計」、「テレビ」と言った具合に、部屋にある全てのものを挙げて確認するが、該当するものが出て来なくて、途方にくれた。
 仕方なく、そのものの大きさを確認すると、小さいもので手で持てるものだと言う。更に、この部屋のどの辺りにあるかと確認すると、自分の後ろだという。
 「後ろというと壁だよ。壁にかかっているの?」と聞くと、そうじゃないという。
 「じゃ、クロークの中?」と聞くと返事は曖昧で分からない。結局、この日は、時間がなくなったので、分からないまま宿題にして帰ったのである。
 翌日、改めてその宿題にとりかかった。この日は、少し方針を変えて、そのものの大きさをから迫った。すると、それは、葉書より小さいものだというのだ。続いて、そこには何かが書いてあるということも判明、さて、何だろうと思いながら、改めて、それがある場所を部屋を区切って確認してゆくと、どうやら棚の下にある引き出しの中であるということが探り出せた。昨日の夕方、自分の後ろにあるというのは間違いだったようだ。
 そこで、引き出しの中を開けて探してみると、何とそこに雅子が使っていたアドレス帳があったのである。なるほどということで一件落着して、二人で喜び合った。年賀状のことでアドレスが分からないと言ったのに、答えてくれたのである。
ま あ、こんな具合のコミニケーションの闘いが、ほぼ、毎日繰り返されているのである。(以下、明日に続く)

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