プロフィール

相坂一考

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版
14年7月に、難病との戦いを扱った「月の砂漠」を文芸社から出版

このブログは3部構成です。
 1.タイトルへの一言。
 2.独り言コラムで、キーワードから世の動きを捉えようと試みる。
 3.プライベートコーナー
   (2015-06-03に修正) 

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927 裏舞台

 世界によっては、表舞台より裏舞台の方が面白いという。政界はその代表的な世界であろう。麻生降ろしでのうごめきが活発だ。

1.独り言コラム
 反麻生グループの会合が、昨夜は二つのグループで行なわれた。一つは、中川秀直元幹事長を軸とした者の集まりで、小泉純一郎元総理、武部勤元幹事長、佐藤ゆかりなどが集まったようだ。先の横須賀市長選挙で、小泉氏が押した現職候補が敗れ、あの小泉さんの神通力にも陰りが出てきたという中で、御大自らも加わっての会合で、「野党になることもあってもいい」との発言もあって、報道陣の注目を集めていた。
 また、塩崎元幹事長を軸とする平将明などの若手グループも、時系列的には、上記の小泉氏らの会合の後に集まったようだ。マニフェストを協議するとの表向きの目的だそうだが、麻生降ろしに関わるもう一つの動きである。
 一方、民主党の西岡徳馬参議院議員運営委員長が官邸に麻生総理を訪ねて、臓器移植法案の取り扱いについて意見を交わしたという。話し合い解散を探る動きではとの憶測を生んでいる。重要法案だけに廃案を避けて欲しいと望む国民も少なくないはずだ。
 いずれも、大詰めの解散時期を巡る永田町の動きは活発で目まぐるしい。
 ところで、試合後の「ぼやき」で人気がある野村克也楽天イーグルスの監督だが、昨日が74歳に誕生日だったようだ。報道陣からの盛大な祝いに、お迎えが近いのではと語っていたが、お迎えがごく近いのは、麻生内閣の方であり、笑っても、泣いても、あと最大72日の命である。
 ところで、プロ野球では、早くもオールスターのファン投票のメンバーが発表された。しかし、阪神からはファン投票では誰も選ばれなかった。8年ぶりのことだそうである。「振るわなければ選ばれない」というのは、民意が正直にそのまま現れたものでスッキリである。冗談だが、内閣もファン投票で選べば、もう少しましな内閣が出来るのではという見方もある。

2.プライベートコーナー
 3時40分起床。体重、59.7Kg。(昼間取る水分の多さ?) 外は今のところ雨は上がっている。
 入院11日目の雅子だが、依然として肺炎が治癒に向かう気配はなく、体温は37.5―37.9度で推移している。顔も少し赤みがあって心配だ。先生からは、新たに生体抗生剤の使用の話があり、その使用に直ちにOKのサインをした。早く、雅子を苦しさから解放してやりたいが、まだ、まだ先になりそうだ。病院、施設、自宅を行き来する多忙な毎日が続いている。
 そんな中で、お中元を贈りに西武デパートに行ったのだが、時間が開店の少し前だったので、ドアの前で並んでいたのだが、何気なく、隣にいたご夫人に「今何時ですか?」とお聞きしたところ、その方が「相坂さんでしょう?」と突然名前を呼ばれてびっくり。何と、中学生の同じクラスの方だった。時間を聞かなければ、全くのすれ違いに終ったはずだったが、不思議な再会だった。忙中閑で、暫し、立ち話で昔を偲んで会話を楽しんだ。

3.蓮載、難病との闘い(892) 第三部 戦いはまだまだ続く(186)
  第五章 季節は巡る(57)

 2.初夏から梅雨へ(15)
  (2)いろいろあるね(その4)
 この連休を挟んで、多くの音楽家が相次いで亡くなられた。
 連休前の4月20日には、歌手の清水由貴子さんが、介護疲れから49歳の若さでの自殺である。お気の毒な死であった。生前の清水さんに、一考は殆ど関心を持っていなかったが、介護疲れの自殺と聞いて胸を痛くしたのである。(ブログ、859回目ご参照)
 連休の真っ只中の5月2日には、ロック歌手の忌野清志郎さんが、癌性リンパ管症で58歳の若さで死去された。一考は、もともとロックという音楽そのものを知らなかったし、そんなロック歌手には興味も無かった。しかも、同氏の名前の読み方が難しく、近寄り難い存在だった。しかし、アースマラソンで頑張っている間寛平さんの応援歌を作っていたこと、加えて、その訃報を知った寛平さんが、号泣しながら走っている姿をブログで見て、改めて同氏への関心とロック音楽への関心を抱くに至った。間寛平さんのコメントによれば、自分みたいな芸人にも優しく接してくれた同氏への感謝は、言葉に表せないものがあるという。人間は、名前、外見で判断してはいけないことを改めて悟ったのである。青山葬儀場で行なわれたロック葬には、43000人のファンが参列したという。同氏の死を痛むファンの多さに、改めて驚いた次第である。
 その二日後には、シャンソン歌手の高英男さんが肺炎で他界された。享年90歳というから、同氏の場合は、天寿を全うされたと言えよう。独特のムードを醸し出す方で、俳優としても活躍されたが、筆者には初期の紅白歌合戦で幾度か楽しませてもらったことが思い出される。
 そして、連休が明けた11日には、作曲家の三木たかしさんが64歳の若さで亡くなった。石川さゆりが歌った「津軽海峡・冬景色」は歌謡史に残るヒット曲だ。他にも多くの優れた曲を残しておられる。
 こうした方々の死の報道に接し、一考は、改めて運命と云うものの微妙さを思うのである。人生は見た目では必ずしも公平ではない。長寿に恵まれる人もあれば、もったいないくらいの短命で人生を終えられる方もいる。
 自らが68歳、雅子が65歳という年齢で、今も難病と闘っている自分達の現状を思うとき、やはり、苦しくても生きている幸せに感謝しなければならないと、一考は自分に言い聞かせている。(以下、明日に続く)
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926 密約

 密約と聞くと、何んとなく薄汚さを感じさせる。その点、スポーツは、オープンな堂々の戦いが醍醐味だ。

1.独り言コラム
 今朝の毎日新聞は、日米安保条約に関する密約に関するスクープを一面トップで報じている。87年7月から89年8月まで外務事務次官だった村田良平氏が語った内容で、外務省で使用する普通の事務用紙一枚に書かれた文書で、それが歴代の事務次官に引き継がれて、歴代の外相に説明が繰り返されて来ているというのだ。
 それまでのいろんな報道で、そうだろうと思っていた訳で、改めて驚くこともないが、あの名文句「持たす、造らず、持ち込まず」は空念仏だったことがここでも裏付けられた。外交には密約がつき物とは言え、国民の一人としてしっくり来ない。
 かつて、あの毎日新聞の政治記者だった西山太吉氏が女性事務官から情を通じて得たとされる電文漏洩事件にも、改めてその真実が裏付けられた。毎日新聞としては、積年の恨みを晴らしたことで、改めて快哉の気持ちであろう。
 世論を裏切る密約は、それが仮令、一時的なものであったとしても許せないが、それが半世紀に及ぶものだけに、いい加減にしろと言いたい。
 そんな薄汚い話題をフッ飛ばしてくれたのが、昨日から今朝にかけてのプロゴルフの話題だ。堂々の優勝を飾った二人の若者の快挙である。男子の石川遼選手は、とかく人気先行で、ここ数週間は空振り状態が続いていたが、今週は見事なスコアーでツアー3勝目のお見事な優勝を奪った。12番での二つのOBで、それまでの貯金を全て吐き出して窮地に追い込まれたが、これにめげずに立ち直ったのは、さすがに天才ゴルファーと言えそうだ。特に16番でイーグルを奪った際の付きは大きく、若し、ピンに当たらず突き抜けていたら、パーも容易でなく、優勝をパーにしたかも知れなかった。全英、全米オープンでの大活躍を期待したい。
 一方の女子では筆者お気に入りの諸見里しのぶ選手が圧勝して、今年の女子の賞金王争いに加わった。楽しみな後半戦が待っている。もう一人、海外では宮里美香選手が大変頑張っていて、今朝の情報では4位タイに入った。最後のホールがボギーだったが、それがなければ2位タイだった。それでも、このところ、着実に力を着けて来ていて、宮里藍を凌いでいる。これまた、大いに楽しみだ。

2.プライベートコーナー
 4時20分起床。体重、59.6Kg。少し重い。(水分の取りすぎ) 天気は、予報は良くないが、今のところ好天。
 雅子が緊急入院して早くも10日間が過ぎた。しかし、未だに出口が見えて来ない。肺炎の治癒が進んでいないようだ。依然として、37度後半の熱が続いている。菌の種類の特定に手間取っているようで、抗生剤を取り替えての対応中だ。土、日の二日間は主治医が休みで直接お話が出来ていないので、実態が掴めていない。筆者が呼びかけに対する雅子の反応も今一つで、覚束ないことが多い。

3.蓮載、難病との闘い(891) 第三部 戦いはまだまだ続く(185)
  第五章 季節は巡る(56)

 2.初夏から梅雨へ(14)
  (2)いろいろあるね(その3)
 経費節減は、いまの一考には大事な課題である。何しろ、このアクティバ琵琶への支払いは、年金生活者の一考には大変な闘いなのだ。前にも紹介したことがあると思うが、今の実態は、プライマリーバランスが若干マイナスといえる状態で、75歳以上になった場合は、大きなマイナスになる。それだけに、今までの生活のダウンサイジングは欠かせない大きな課題である。
 その一つとして取り上げたのが、ケーブルテレビの解約だった。20年ほど前に、東レが事業の一環として始めたので、社員として協力して契約したのだが、それが、最近になって、東レもそれを売却したことで、そんな縁もなくなった。
 このケーブルテレビでは、今までは、将棋とサンテレビでの阪神戦、それにテレビ大阪でのゴルフ中継を見る程度だったのだが、こんどのデジタル化に際して、サンテレビとテレビ大阪が見られなくなるということで、あとは将棋だけの活用しかないとなると、将棋に多少の未練があっても、それだけでの契約を継続させるのでは、いかにも無駄な費用だということで、思い切って将棋番組を見るのを諦めたのである。加えて、今では、雅子の介護でテレビを見る時間そのものがなくなってきていて、ケーブルテレビまで見る余裕はない。
 そういうことで、早速解約作業に入ったのだが、そこで驚いたのが、この解約に基づく機器の取り外しなどに1万数千円掛かる上に、これをこのまま外すと、今見ているテレビもケーブルの配線に手を加えないと見られなくなるという。驚いて、いつもお世話になっている電気屋さんに確認すると、そうなのだという。今までは、そのケーブルテレビを利用して一般のテレビを見ていたようだ。先に、ケーブルテレビに加入していたので、後で追加したテレビがそれを利用した形でセットされていたのである。
 仕方なく、改めてケーブルの配線をお願いすると、これになんと3万円以上も掛かるというのだ。辞めるにもこんなに経費が掛かるのでは堪ったものではないが、致し方がないということで、やり直してもらったのである。屋根に上がってのアンテナのとりつけからケーブルの配線などと、随分と大掛かりな作業となってのである。
 そこで、改めて思うのだが、最近では、テレビを購入した際には、そのチャネルなどの設定を全て電気屋さんお任せしているので、自分では何も出来なくなってしまっていることだ。この辺りも、少しぐらいは自分でやれるようになっていないと、手直しする毎に、経費が掛かって仕方がないのだ。経費削減にも自助努力は欠かせない、(以下、明日に続く)

925 出口

 誰でもそうだと思うが、どうしていいか分からない処に迷い込んでしまった時に、出口が見つかった時ほどほっとする時はない。

1.独り言コラム
 今朝の日経新聞の一面の見出しは「国内景気、改善が悪化 上回る」である。これは、日経が行なった社長1000人アンケートに基づいたものである。漸く、出口が見え始めたような気がするが、需要回復には、まだまだ慎重な見方が多いようだ。
 出口がはっきりしないのが今の麻生内閣の世界だ。総理はここに来て、内閣改造と党役員人事の話を持ち出したようだが、今朝のニュースでは、そんなことは言っていないと打ち消したという。出口を求めての苦悩振りが窺える。
 犯罪の世界では、出口が見えない難事件は多い。中でも、2007年に起きた英国の英会話教師リンゼイ・アン・ホーカーさんを殺害事件で、逃走中の市橋達也容疑者の行方は杳として分からず、事件解決の出口は全く見えていない。警察庁は25日、この事件への情報提供者への懸賞金額を、それまでの100万円から1000万円に増額した。これで、出口が見つかれば幸いなのだが、…。
 スポーツの世界では、相変わらずいろいろと話題が豊富だ。先ずは、イチロー選手だが、このところ、快調なペースが続いていて、9年連続200安打の新記録達成の出口が漸く見え始めて来た。昨日で通算106安打で、あと残りは94本である。今、一番心配なのはデッドボールなどでの怪我が大きな敵である。無難に出口に到達して欲しい。
 男子ゴルフの石川遼選手が久し振りにトップに浮上し、今日最終日を迎える。ここ暫くは名前、人気だけが先行し、結果が芳しくない状態が続いていただけに、出口が急に見つかったような嬉しさを噛み締めているのではなかろうか。このトーナメントの結果次第で、全英オープンへの出場権が得られるだけに、大きな出口になりそうだ。
 ハンマー投げの室伏広治選手が日本選手権で前人未到の15連覇を成し遂げた。大した記録である。出口はしっかり確保しているが、むしろ、入口が遠くかすんで来た状況で、積み重ねた15年間の実績は素晴らしい。
 米国ツアーに賭けた宮里藍、上田桃子、大山志保、宮里美香の4人の若手女子ゴルファーはそれぞれ頑張っているものの、未だに優勝と云う出口が見えて来ない。最近の成績を見ると、特に上田、大山が不振で予選落ちが多い。4年目を戦っている宮里藍は、今にでも優勝しそうな状況も何度かあったが、残念ながら一度も果たせていない。今週のツアーでは若手の宮里美香が上位を狙って頑張っていて、今朝の結果でもトップとは8打差あるが、目下7位タイである。最終日の頑張り次第で、2位の期待は残されている。ここ数週間の結果を見る限り、宮里美香選手がもっとも安定しているように見える。

2.プライベートコーナー
 5時半起床。疲れもあって目覚めが遅かった。体重、59.1Kg。外は晴れ、今日も暑くなりそうだ。
 雅子の症状は依然として迷い道に入った状況で、出口が見えて来ない。午前中の10時頃には熱も平熱に下がり、痰の出るのもかなり収まっていたので、漸く快方に向かうかとほっとしたのも束の間で、午後2時前に顔を出すと、真っ赤な顔で苦しんでいた。熱を計ってもらうと38度。再び氷で冷やしてもらう。一方、通じの方も下痢気味で、栄養剤とのマッチングがしっくり来ていないように思う。
 6時半頃、帰り際に再び熱を計ってもらったが、依然として37.7度で、不安のまま帰途についた。この日は院長も休みなようで話は聞けなかった。

3.蓮載、難病との闘い(890) 第三部 戦いはまだまだ続く(184)
  第五章 季節は巡る(55)

 2.初夏から梅雨へ(13)
  (2)いろいろあるね(その2)
 二つ目の大磯にある旧吉田邸の火事についても、一考は別の不安を覚えたのである。それは、この火事が漏電によるものという原因が、一考の不安に点火させたからである。この場合の不安は、施設への不安ではなく、自宅に関しての不安だった。
 それというのも、一考の自宅の母屋は、それは今から50年以上も昔に建てた物件だ。その後、増改築して手を加えてはいるが、基本的な部分は昔のままである。従って漏電と聞くと、「大丈夫かい?」という不安が先立つのだ。一考は、この吉田邸の火事を対岸の火事と見ず、一度専門家に総点検してもらうことにした。そのことを母親にいうと、彼女も納得だった。
 早速、近くのいつもお世話になっている家電販売店の方に、どこか専門の会社を紹介してほしいと申し入れたところ、その販売店の方直接お見えになり、切り替えの配電盤さえしっかりと点検しておけば、問題ないはずどということで、自らが改めてチェックしてくれたのである。一考の頭の中では、天井裏の配線部分などを念頭に置いてのことだったが、ケーブルそのものは、そんなことでは問題ないというのだった。
 母屋に繋がっている一考が生活している建物の方は、1982年頃に、一考が大阪に転勤して来た時に建てたもので、その点では、築27年ということになるが、こちらは問題はないと見ている。それというのも、2年前にリフォームした時に、配線などは全てチェックしてもらっているからである。
 いずれにしても、最近は、世の中のちょっとした事件、事故にも、わが身に置き換えて考えてみることが多くなった。年のせいだろう。そんなことで、取り敢えず、点検を終えてほっとしたのである。桜が話題になり始めた穏やかな3月末のことだった。(以下、明日に続く)

924 いよいよ

 終盤国会も大詰め、泣いても笑っても、衆議院議員の任期は、人の噂じゃないが、あと75日である。

1.独り言コラム
 いよいよ、土壇場が迫って来ている。麻生総理が口にする「解散は私が決める」という聞き飽きたセリフも、その響きは虚ろになって来ている。ここに来て、選挙目当ての党人事、内閣人事手直しの話が出て来ているが、今更何をといった感じである。気になっているのが臓器移植法案の行方である。場合によっては廃案の恐れもあって、その行方が気掛かりだ。
 西松建設からの政治資金規正法違反事件も、ここに来て二階派パーティ券分も起訴された。小沢一郎秘書逮捕とのバランスを取ったと解釈できよう。いよいよ、選挙近しで関係者は戦々恐々かもしれない。数日前の新聞では、財務相の与謝野馨氏もダミー献金の疑いがあると大きく報じられていたが、ここまで来ると相互に足の引っ張り合い的な戦いも起きてくる。まさに、制限時間いっぱいが近づいて来ている大相撲の土俵を連想させる。
 いずれにしても、鳩山由紀夫民主党代表が優れているという訳ではないが、政権を交代させて、民主党の力量を見てみようという世論の動きを食い止めることは難しいだろう。この種の流れと云うものは、目には定かに見えねども、その加速度はどうしようもない勢いになっている。いよいよ、政権交代が実現する。
 さて、同じ「いよいよ」といっても、スポーツの世界は楽しい展開が進んでいて、とても気分がいい。MLB新記録を目指すイチロー選手のレギュラーシーズン200安打も、昨日一気に4安打を固め打ちして104本に達した。マラソンレースで言えば、折り返し点を快調に通過し、いよいよ、あと96本と言った具合のカウントダウンが始まっている。このところの安打の量産には快哉の気持ちでいっぱいだ。イチロー選手っていう男は、大した男である。
 アースマラソンの間寛平さんも大変な苦労を重ねながらも、米国上陸後、ほぼ4300Kmを走破し、いよいよ、当面の目標地であるニューヨーク港にあと10日ぐらいの距離(およそ500Km)に接近して来ているようです。本人は、アキレス腱を切らないように気を配っているという。この頑張りも超人的である。
 昨日の日本選手権の女子陸上の福島千里選手が、23秒00の日本新記録で優勝した。速報値では22.97秒と出たようで、世界陸上を目指し、いよいよ、22秒台突入が期待される。
 「いよいよ」夏の高校野球の予選である。今年の滋賀県予選の組み合わせが昨日決まった。それによると。筆者の母校の膳所高校は、初戦で春のセンパツで頑張った永遠のライバル高の彦根東と激突する。難敵だが、何とか撃破して欲しいものだ。
 マイケルジャクソンの死が話題になっているが、筆者は同氏のことは何も知らない。死因がはっきりしていないようだが、この話題についてゆけない筆者は、いよいよ、ポンコツに近づいていると言えそうだ。

2.プライベートコーナー
 3時半起床。体重、59.5Kg。
 最近、視力が衰えて来ているのが気になる。医者で一度見てもらう必要がありそうだ。天気は今日もよさそう。
 さて、入院中の雅子の状況だが、依然として、37度後半以上の熱があり、肺炎も治癒する方向には行っておらず、むしろ広がっているようだ。菌の特定に手間取っていて、この日も抗生剤の取替えが行われた。3時頃になって、漸く熱が、37,2度と少し引き始めた。この日は、痰の検査も行なわれた模様。看護婦さんの話では、痰の色は薄くなって来ていているという。まだまだ時間が掛かりそうで心配である。
 この日も、病院に早朝(7-9時)と午後(13時半―17時半)、アクティバには洗濯物をお願いに、それぞれ2回往復して多忙だった。

3.蓮載、難病との闘い(889) 第三部 戦いはまだまだ続く(183)
  第五章 季節は巡る(54)

 2.初夏から梅雨へ(12)
  (2)いろいろあるね(その1)
 二件続けて気になる火事があった。一件が、3月19日夜10時頃に、群馬県渋川市の介護付き有料老人ホーム、たまゆらで起きたもので、気の毒にも10人の死者を出した。その後の調査で、この老人ホームが無届の施設であることが判明して、事が大きくなった。この事件を切っ掛けに、厚労省が全国の実態について調査した結果、日本全体に、この種の無届の不法施設が579件もあることが判明した。因みに、きちんと届出されている有料老人ホームは、全国で4110施設あるという。
 もう一件は、3月22日に起きた火事で、大磯の旧吉田茂邸が全焼した。歴史ある物件だけに惜しまれる。本件は、原因が漏電であったらしい。
 この二つの火事で一考が心配することが二つあった。一つは、このような老人の施設での火事で、危機管理がどのように行われていたか、ということである。それは、同時に、今、雅子がお世話になっているアクティバ琵琶の場合はどうなのか、という心配に直結する。
 入居して間もなくのことだったが、この危機管理のことで、一考は当時の介護部の責任者だった桜井さんと話したことがある。一考の心配は、この施設では階段にせよ、エレベーターにせよ、普段はロックされていて、自由な行き来が出来ない。これは、入居者が勝手に出歩くのを避けるための配慮だが、それが、緊急時ではマイナスに働くことは容易に考えられる。一考が、桜井係長に確認した段階では、そのような非常時にはロックは自動的に解除されるということだったが、本当のそうなのかどうかの裏を取った訳ではないので、心配ないとは言い切れない。それに、その時の桜井さんのお話では、各フロアーには必ず誰かがいるはずで、そのような場合には必要なアクションが取られるはずだというのである。
 しかし、一考は最近の介護士さんの人事異動の実態を見ていると、その辺りの教育が徹底して行なわれているかどうかには疑問がないとは言えない。いずれにしても、その種のことが起きない手を打っておくのが第一だが、不幸にして起きた場合には、不測の事態が起きることは避けられないだろう。一考の不安はいつも頭の隅に残っているのだ。(以下、明日に続く)

923 大政奉還

 この大不況という世の中だけに、求心力を高める意味で、大政奉還的な大きな変化が歓迎される時代である。

1.独り言コラム
 昨日の夕方、久し振りに思い切って大阪に出た。かつて一緒に仕事をした、ある中堅商社の社長さんにお会いしたかったからである。かつての勤務先だったオフィスに顔を出したのも久し振りだったが、幸いなことに、今の支店長さんのきめ細かいご配慮で、楽しいひと時を持てた。
 この商社は、およそ30年前に、創業者が独立して新たに設立された会社で、たまたまだったが、筆者もその独立前夜のお祝いの場にいたこともあって、いささか興奮していたことを今でもよく覚えている。その後は、会社としても、個人としても、その主旨に賛同して、一緒になって仕事をさせてもらってきた。特に、今の社長さんとは、筆者とは年齢的にも近いということもあって、ざっくばらんなお付き合いをさせてもらってきた。中でも、幾つかの大事な顧客対策では、苦労を共にした仲間の一人だった。
 正直言って、当時は、まさか、彼が、社長になられるとは思っていなかったのだが、6年前に4代目社長に就任されて、しっかりとした経営をしておられるという。改めて、心から社長就任にお祝いを申し上げたのである。実に四半世紀ぶりの顔合わせだったが、時間的な距離感が全くなくて、昔話に大いに盛り上がった一夜だった。介護、見舞いに明け暮れる筆者には、貴重な梅雨の晴れ間だった。
 さて、社長と言えば、日本企業のトップの社長交代があった。トヨタが14年ぶりに創業者一族の社長の豊田章男さんが社長の席に着いた。いわゆる大政奉還である。今の大不況を如何に乗り切るかが、経営者の重い課題だが、求心力を高めるという意味では、一つの戦略だといえる。就任の挨拶を見ていて、今一つの迫力のように見えるが、内に秘められた能力、手腕には大いに期待したい。トヨタが吼えないと日本経済は上向かない。頑張って欲しい。
 一方、政治の世界では、総選挙を目前にして、橋下徹、東国原両知事や中田横浜市長らが新いいグループ結成に向けて動き出しているようだ。彼らの動きは世論を大きく動かす力を持っているだけに、政治の世界にも大政奉還に相当するような大きな変化を期待する国民も多いのではないだろうか。
 こういう時代だからこそ、大政奉還的な時代の大きな変化に興味を持ってしまう。日本人好みの話題なのだろう。そういえば、昨夜の社長さんとの盛り上がった話題の中にも、その種の大所高所からの話題もあって楽しかった。

2.プライベートコーナー
 4時10分起床。体重、59.3Kg。シャワーを浴びて体調を整えるが、軽い二日酔いで、少々辛い。お天気は良さそう。
 昨日で入院一週間目の雅子だったが、体温が37度台後半で下がらず気になっている。点滴、栄養剤の投与などは一定のリズムで行なわれているが、肺炎の回復には至っていない。痰の吸引の回数も減って来ていないし、お尻に出来ている床ずれによると思われる出来物もその治りははかばかしくない。そんなことで、心配は依然として続いている。

3.蓮載、難病との闘い(888) 第三部 戦いはまだまだ続く(182)
  第五章 季節は巡る(53)

 2.初夏から梅雨へ(11)
  (1)そんなの関係ない(その11)
 そんな辛い時に、ほっとさせてくれるのが、思わず発してくれる彼女の笑いである。一考の話しに反応してくれるのである。そこで、最近は、一考は意識して面白い話をするようにし始めた。思いつきのギャクを発することもあるし、用意して来た笑い話を披露してみせることもある。噴出すように笑ってくれるのが、今では一考の数少ない気分をほぐしてくれる雅子の反応である。
 最近の一考は、雅子の部屋を訪ねると、その前日にあったこと、その日の予定など、つまらないことでも、なるべく詳しく話して聞かせるようにしている。自分たちが過ごしてきた家庭の今の様子を話してあげることで、自分も依然として家族の一員として存在しているということを実感させて挙げようとの配慮である。同時に、それは、雅子の聞く耳を確かなものとして確保して置くためのトレーニングにもなると考えているからだ。
 そういう意味では、この施設に入居直後には、小説を読んであげたりしたこともあったが、雅子があまり好まないこともあって、今までは、その日の朝に配信したブログを読んであげることぐらいだった。雅子の反応に陰りが見えてきたことで、一考が思いついた対応策である。今では、それが欠かせない日課の一つになっている。
 雅子が喜んでくれた最近の笑い話を紹介してみよう。それは、後ろ髪に関する小話である。
 このところの雅子の様子だが、一考が帰ろうとすると、何とも言えない辛そうな顔を見せることが多い。時には悲しそうな声を出すことがある。そこで「見てごらん、私のこの辺りの髪の毛が薄くなって来ているでしょう。あなたのその辛そうな様子で、後ろ髪を引かれることが多くなっているんだよ」と言って後頭部を軽く叩いて見せてあげる。そうしたら、雅子がそれまでになかった大きな声で噴出してくれて、心が和んだのだった。
 これに味をしめて、「どうだい。二枚目だろう!」と言って、顔を近づけてやると、堪らないように噴出してくれる。しかし、このギャクは、演じる一考も、慣れているとは言え、複雑な心境だ。(以下、明日に続く)

922 がっくり

 人間は感情の動物で、落胆は健康上宜しくない。しかし、がっくりすることが、この世の中には多過ぎる。

1.独り言コラム
 期待していた将棋名人戦での郷田真隆新名人誕生だったが、3勝3敗の後を受けて行なわれた最終局は、それまでの好局とは打って変わって、郷田九段のそれまでにない不出来な完敗だった。この日は、筆者は、少し早めの5時過ぎに、病院から帰宅して戦況を見守った。その時点での局面では、郷田九段にも楽しみな手が残っていて、逆転の可能性もあるような解説だったので、若しかしたらと、ちょっとしたときめきさえ覚えていたのだが、夕食休憩後に局面は急転、一気に差が拡大し、闘志を失った郷田が潔く投了した。
 筆者は、気分的に「がっくり」して、病院通いで疲れていたこともあって、いつもより相当に早く寝入ってしまった。4月からの積み重ねてきた楽しみが、一気に消滅した虚しさに、何故か筆者が呆然としていたのである。単なるファンも、ここまでくると異常なのかもしれない。
 ところで、自民党が揺れている。このままでは総選挙で下野することは必至であるだけに、何かしなければという思いが強いのだろう。一昨日は、東国原宮崎県知事に声を掛けたという。それに対し、同氏が総裁候補ならという条件をつけたという。冗談はお止しよと申し上げたい。宮崎県民は「がっくり」したのではないか。人気があっても、東国腹知事に関しては、そんな器ではない。野に置け蓮華草だ。
 今朝のニュースで法務省が時効の扱いで検討を開始したという。これは、被害者家族からの要望が高いのを受けての検討開始のようだが、日弁連は、この動きに対し強く反対する旨の意見書を出すという。「何故だ!」と云うのが、被害者家族達の気持ちで、「かっくり」気分になっているのではなかろうか。
 こう着状態、或いは、もうそんな問題は終っているというような扱いになってしまっていて、手の打ちようがなくなっているのが、北朝鮮の拉致被害者奪回の問題だ。最近では、もう話題もほとんど出て来ない。横田夫妻を始め被害者家族達の多くが、高齢になって来ているだけに、時間がなくなって来ている。被害者家族達の「がっくり」している心境を思うと、今一度、小泉純一郎―田中均のようなパイプが必要な気がしている。
 株がまた下がり始めている。これまた、「がっくり」である。

2.プライベートコーナー
 3時過ぎに起床。体重、59.3Kg。郷田九段が完敗でがっくりして早寝したので、早く目が覚めた。朝風呂。外は曇り空。
 雅子は昨日で入院6日目。昨日の朝でも熱は下がっておらず、その後も一日中、体温は37.2~37.8度で推移、少し心配である。一方、肺炎の菌の特定がまだ出来ておらず、抗生剤を前日から取り替えて様子を見ている。とにかく、先ずは肺炎を治すことなのだが、この状況では、初期の見通しの「1週間で退院」は無理のようで、まだまだ長引きそうだ。

3.蓮載、難病との闘い(887) 第三部 戦いはまだまだ続く(181)
  第五章 季節は巡る(52)

 2.初夏から梅雨へ(10)
  (1)そんなの関係ない(その10)
 雅子の症状の悪化は終っていない、徐々にではあるが、あらゆる面での悪化がひょっこりと顔を出してくる。それに気づくと、お前もかといった気持ちになって、がっかりしてしまう。
 今、一考が恐れている悪化は幾つかのステップがあるが、ここでは全部を書くのを控えておく。しかし、そんな兆候に少しでも出くわすと、やっぱりといった気持ちで心が凄く痛むし、不安、がっかり、寂しさ、悲しさといった複雑な思いが交錯するのである。
 実は、言いたくはないのだが、最近になって、一考は、あることが気になり始めていたのである。その兆候は3月の初め頃から見え隠れしていたのだが、4月の末から5月に入って、遂にその顔が何となくしっかりとしたイメージで見え始めたのである。
 それは,、呼びかけに対する応答が曖昧になって来ていることである。二人の気持ちを結びつけて来ている唯一の絆とも言うべきコミニケーションパイプで、これが作動しなくなると、どのようにして意思疎通を図るのか、その手段に窮することになる。
 段々と細くなっていたパイプだったが。それでも、一考が質問を繰り返す呼びかけに、イエス、ノーの応接でそのコミケーションを図ってきていたが、それが次第に曖昧になり、今では、イエス、ノーの区別がほとんど出来なくなって来ているのである。幾たびも呼びかけるのが切なく、それに対する反応だが、雅子は頑張って声を発するのだが、それがか細く凄く小さくて、イエスなのか、ノーなのかの区別がつかないのである。
 そんな状態の中で、一考が注目し初めているのが顔の表情である。穏やかな顔の様子、それに比べて何となく苦しそうなしかめた顔の様子が見られるのだが、どちらかといえば、穏やかな顔を見るのが稀になって来ているのが寂しい。気になるのが、しかめ面と云うか、何となく苦しそうな表情の時で、何を要求しているのかを確認しようとするのだが、それが全く掴めないのである。これが、大変辛いことで、何とか分かってあげようと質問を繰り返し、その何がしかを知ろうと努める。しかし、ほとんどの場合において、何なのかが分からないのだ。そんな時は大変辛い思いのする時間である。
 その一方で、何かをしてあげようかと問い掛けた際に、その嫌な顔をした場合は、それは否定の意味であることが分かった。従って、最近では、嫌だろうと思うことを言って見て、嫌な顔をすれば、その逆を望んでいるということになり、今では、貴重な確認の手段として使っている。(以下、明日に続く)

921 扉

 通常、「扉」が開く、或いは、「扉」を開けるという動きは、その関係者達には、新しい何かが始まる訳で、明るい、有難い素晴らしい展開を期待することになる。

1.独り言コラム
 もう半世紀以上昔の話だが、NHKのラジオ放送で「二十の扉」というクイズ番組があった。「扉」を一つずつ開ける毎にヒントを一つずつもらって、隠された答えを引き出すという単純な番組だったが、結構、それを聴いて楽しんでいたと思う。
 あの足利事件の再審が決定した。菅家利和さんの無実が確定される「扉」が開かれのである。保育園の女児殺しで19年間もの長い間、服役させられた同氏の屈辱、鬱憤、怒りがリセットされることになるが、失われた人生は戻って来ない。しかし、漸く、こうして再審への「扉」が開かれたことで、本人はもちろんのこと、関係者達はほっとしておられることだろう。
 一方で、新しい裁判員制度が始まることで、民間人に裁判への参加の「扉」が開かれた。それによって、間もなくその最初の裁判が始まる準備がすすんでいるようだ。この法律の良し悪しは別として、民間人に司法の世界への扉が開かれた訳で、日本でも新しい裁判制度が始まったのである。不安も大きいが、期待もある。
 38歳のクルム伊達に13年ぶりにウインブルドンの「扉」が開かれて、昨日、その一回戦に勇姿を見せた。18歳の若手と対戦、往年の力を発揮して第一セットを奪取したものの、その後、痛めていた足に傷みが出て振るわず、逆転を喫して惜敗、96年以来の勝利はならなかった。
 競泳の入江陵介選手が二百メートル背泳で世界記録を出したが、使用した水着が規定に合っていないということで審議されていたが、結果的に公認という「扉」は開かなかったようだ。本人は残念極まらないと思うが、幸い、まだ若いのだから、今一度、頑張って世界記録の「扉」を今一度、堂々と開けて欲しい。
 さて、4月から戦われてきた今期の将棋名人戦だが、羽生名人と挑戦者、郷田九段の名人位を掛けた最終局が、昨日から豊田市で始まっていて、泣いても笑っても、今夜には決着が着く。果たして、郷田九段に初めての名人位の「扉」が開くのか、はたまた、羽生名人しっかりと防衛を果たすのか、ファンは堪らない一日になる。筆者も、妻の雅子の見舞い、介護の多忙な中で、その展開を緊張して追うことになる。昨日の第一日が終っての局面では、羽生名人が積極的で攻めに出ていて、専門家も、羽生名人が少し指し易いと見ているようだ。頑張れ、郷田九段である。

2.プライベートコーナー
 3時半起床。体重、59.5Kg。(少し便秘気味?) 外は雨。
 昨日の雅子だが、朝方は熱も下がり、気分が良さそうで目を開けて挨拶してくれたが、午後になって、肺炎の菌が特定されておらず、そのため抗生剤を変えたため、帰り際には熱が38度になっていた。少し心配。
 この日の午後に、パーキンソン病でお世話になっている京都の吉田病医院(仮名)の春日先生(仮名)に会って、今回の緊急入院に関して、それまでの状況報告をし、今後の対応についてのアドバイスを受けた。それを受けて、病院に戻って院長にそのことを伝えた。暫く、病状の成り行きを見守ることになる。この段階で、将来、施設に戻っての生活を視野に入れた対応を考えて置くことが大事になっている。

3.蓮載、難病との闘い(886) 第三部 戦いはまだまだ続く(180)
  第五章 季節は巡る(51)

 2.初夏から梅雨へ(9)
  (1)そんなの関係ない(その9)
 この便秘騒ぎの一因となったのが、醍醐にある吉田病院への4月25日の通院だった。その時の診断で、先生から掌の内側に湿疹ができているという指摘を受けた。一考は、思わぬ先生の指摘に、それまで見逃してきていた掌の洗浄という手入れに抜かりがあったことを反省するのだった。
そういえば、雅子は本来、この種の湿疹が出来易い体質である。この施設に入居後も、何回か身体の部分に湿疹や出来物が出来て、看護士さんの手当てを受けている。結婚して以来、そんな体質であることは全く知らなかっただけに驚いたくらいである。今も、気掛かりなのは、お尻の尾骶骨のところに出来ている出来物である。なかなか直り難くて時間がカあっている。
 従って、雅子が健康であった頃では、自分の体質のことを良く知っていて、自分できちんと手入れしていたにだろう。しかし、このように自分で何もすることが出来なくなってしまった雅子だけに、その対応が出来なくなっっていたのだ。
 介護士さん達も、気になることがあれば、看護士さんと連携をとって、必要に応じて対応してくれている。しかし、雅子の左手の内側は、固く握られた状態にある訳で、週2回の入浴時でも充分に洗うといったことがうっかり失念されれこともあったと思われる訳で、止むを得なかったことだろうと一考は思うのだった。そういう意味では、一考が気をつけて手入れしてあげることが大事だろうと考えたのである。
 従って、その後は、毎日、その掌の内側をきちんと拭ってやることを始めた。閉じられている掌を、少し力を入れて開けてやって、ウエットチッシュで拭ってやるのだが、結構手間が掛かる作業だった。こうして、その作業を毎日続けることで、その種の湿疹は出てこなくなった。今では、一考が雅子を訪ねた場合に実施する必要なアクションの一つにリストアップしてある。不思議なもので、一旦やり始めると、それをしないと罪悪感を覚えるようになって来ていて、お陰で、掌の湿疹とはお別れ出来そうだ。(以下、明日に続く)

920 続投

 野球では、ピンチを迎えた時点で、その投手を続投させるか、或いは他の投手に代える継投策を取るかは、監督の采配の重要な一つだ。野球だけでなく、何事でもそうなのだが、キーポジションの交代のタイミングは、事の勝敗を左右するだけに、極めて大事なデシジョンである。

1.独り言コラム
 日本郵政の西川喜文社長の続投が決まったようだ。鳩山邦夫元総務大臣と派手なバトルがあってその去就が注目されていたのだが、自らの報酬を30%カットなどの処分案を受けて佐藤総務大臣は、政府として続投を了承すると表明したという。この辺りの対応は、国民には良い印象を与えていない。
 衆議院議員の総選挙が迫る中で、麻生総理では戦えないとする議員が増えている。いわゆる総裁選前倒し論である。ここに来て麻生総理の続投に疑問が出て来るというのは、自民党として大きなマイナス効果である。総裁を代えて、変わり映えする候補がいるのかと言いたい。巷間、舛添要一氏などの名前が上がっているようだが、そんな姑息な対応では全く話にならないだろう。
 今年は阪神が振るわない。真弓新監督の手腕が大いに期待されたが、その期待は大きく裏切られている。筆者は、開幕当初に、このコラムでも書いた(842、871ご参照)通りで、投手交代のタイミングを見ていて、代えればいいのにと思った時点で、いずれも続投を指示、結果的に打たれて敗れた試合が多かった。そういうことから、今年の阪神は駄目だと書いたのである。多少のピンチでも続投させることで、その投手の成長に期待するやり方には一理あるが、その試合の勝ち負けを争うという面ではチャンスを逃してしまうことが多いように見受けられた。それでも、真弓采配で、能見投手が使える投手に育って来てはいるが、それだけでそろばんが合っているとは思えない。今後、この調子で負けが込んでくると、真弓監督自身の続投にも問題が出て来るかもしれない。

2、プライベートコーナー
 3時半起床。体重59.3Kg。外は曇っている。
 早いもので、雅子が緊急入院して昨日で4日目。少し微熱(37.1度)があるが、血圧、酸素指数などは安定。しかし、肝心の痰が詰まって吸引してもらう作業の回数は減っていない。なお、パーキンソン病のお薬がしっかり服用された形になったことから、手の震えはすっかり治まっている。なお、昨日から、食事に相当する栄養剤の投与が始まった。また、血液検査、レントゲン検査が行なわれ、今日結果が分かる予定である。見通しははっきりしていなくて、不安が去った訳ではない。

3.蓮載、難病との闘い(885) 第三部 戦いはまだまだ続く(179)
  第五章 季節は巡る(50)

 2.初夏から梅雨へ(8)
  (1)そんなの関係ない(その8)
 雅子が初めて経験した7日間にも及ぶ長い便秘がやっと解消できた翌日からも、一考は雅子の様子が心配だったこともあって、朝と午後の2回、アクティバに顔を出すようになった。思えば、雅子がこの施設に入居した07年12月10日以降の暫くは、一日2回の訪問は当たり前の生活リズムになっていたので、その時の状態に戻ったと言える。入居当初は、それまでの生活環境が急激に変わったことへの心配があった訳で、そのことへの一考の配慮だった。しかし、その後、3か月近く経過したの昨年の2月の後半に入ると、この施設の生活にも慣れたということで、特別の用事がない限り、一日一回のペースに変わっていた。そして、それから一年余り経過したこの4月になって、雅子の症状の悪化が心配となって、再び、一日2回の訪問が復活したのである。
 それも、心配だった便秘が解消したこともあり、そのために、その朝の訪問時での滞在時間が30分程度の短いものになっていたので、そのうちに、この朝の訪問の必要性について、どうしようかと迷い始めたのである。しかし、雅子のためと云うよりも、むしろ、一考自身の気分転換の意味があり、暫く様子見も必要だろうと考え、このまま暫く続けてみることにしたのだった。
 しかし、喉元過ぎれば何とかで、この一日2回の訪問も三日坊主になりがちだった。もっとも、お墓参りや自分の病院通いなどの野暮用が入ったこともあったのだが、正直言うと、午前中での短い訪問では、具体的に何かサポートしてあげることも無いことが多いことから、それなら、午後の一回で事たれりじゃないかという安易な気分に戻ってしまうのだった。
 それでも、何日かに一度は思い出したように一日に2回顔を出すのだったが、それが、近い将来に、違った形でますます増えるようになってゆくとは知る由もなかった。(以下、明日に続く)

919 一段落

 森光子さんが「放浪記」の公演で2000回を越えて話題になった。芝居の公演という意味では、人は誰しも、自らの主演で、毎日、台本なしの長編ドラマを演じているようなものだ。然るべきタイミングで、幕間を迎えて一段落して息抜きしたいと思うのは誰しも同じだろう。

1.独り言コラム
 国会は重要法案も成立して一段落、プロ野球も交流戦が終って一段落である。長く続いている戦いが、とりあえず、一つのステップを終えると、それらの主役達は、ほっと一息ということになる。 
 その一方で、まだまだ熾烈な戦いが続いている人達も少なくない。イチロー選手のレギュラーシーズン200安打を目指す戦いは、昨日で58試合を消化し93安打までに達している。故障者リスト入りで、開幕から暫く出遅れた形になったが、その後は驚異的なペースで、今までにヒットの無かった試合は僅か5試合、マルチ安打試合が29試合といった実績だ。従って、あと残り95試合で107本必要であるから、このペースから見れば、一見、それほど難しいようには思えないが、そこはイチロー選手も生身の人間だけに、今までと同じペースでいくとは限らない。(なお、今朝も既に2本安打している)一本、一本の積み重ねでプレッシャーは大変だと思う。筆者は一ファンとして、早く楽にしてあげたと思う毎日である。
 間寛平さんのアースマラソンも大変だ。アメリカ上陸後4100Kmに迫っていて、あと700Kmぐらいで、当面の目的地のニューヨークだが、身体にも相当にダメージが見られるようで、あと半月ぐらいは大変な戦いになりそうだ。何しろ、10月2日にコペンハーゲンに到着したい訳で、体調に合わせて適当に走っている訳にはいかないのが辛いだろう。とにかく、ニューヨークに着いて一段落して欲しい。
 筆者も、妻の難病から端を発し、肺炎を患って緊急入院中だ。そのため、今までの施設通いよりも厳しい病院通いになっていて、毎日が大変である。早く、施設に戻ってくれて、一段落したいと願っている。今週の経過がその鍵を握ることになるのだろう。しかし、予断は許されない状況だ。

2.プライベートコーナー
 5時10分起床。体重、59.0Kg。今朝も小雨がぱらついている。
 昨日の雅子だが、体温は平熱の36度台に戻った。また酸素指数、血圧などのデータは通常値に戻っていて、総じて安定しているが、痰が詰まるのが治らず、適時吸引作業が続けられている。点滴が続けられていて、お薬はチューブを通して行なわれている。7日ぶりに通じあってほっと一息。今日から、食事に相当するものが投与されるという。暫く、様子見が続く。実兄夫妻の見舞いあり。

3.蓮載、難病との闘い(884) 第三部 戦いはまだまだ続く(178)
  第五章 季節は巡る(49)

 2.初夏から梅雨へ(7)
  (1)そんなの関係ない(その7)
 とにかく、7日目の通じだった。うまく出てくれて本当に良かったと一考は思いながら、雅子の頑張りを慰労してやるのだった。
 たまたまそうだったということなのかも知れないが、一考が自分でサポートしている時に、雅子が頑張ってくれて、結果が通じに繋がったことが嬉しかった。多分、雅子にしてみれば、一考が居ることで、多少なりとも精神的にリラックスできて、しかも、適当なマッサージや身体のバランスなどでの気遣いで頑張りやすい環境があったのだろうと、自分に都合のよいように解釈するのだった。逆に言えば、介護士さんに、そこまで行届いたお願いするのには無理があるだろうとも思っていた。何しろ、このユニットに、現在14人の入居者がいる訳で、雅子一人にかまっている訳にはゆかない。そういう意味で、一考は自らの存在価値を思うと共に、それが一考の頑張りをサポートしていると思うのだった。
トイレが終って暫くした頃、血圧と体温の測定があった。いつも行なわれているようなのだが、それまでは、一考はあまり気にしていなかった。しかし、その雅子の大仕事の後ということで、その結果を確認すると、体温は正常だが、血圧はいつも低いという。この日も最高が86で最低が64だった。大仕事をした後だけに低いのかと思っていたが、介護士さんの話では、いつも大体これくらいだという。
 この時、一考は、雅子の血圧は、午前中が低いという体質ではないかと考えた。それというのも、先日、長男が見舞いに来たのが午前中で、その時の雅子の反応が乏しく心配していたが、その日の午後になって、再び顔を出した際には、雅子の様子はかなり変わって、太郎にもそれなりの反応を示すように戻っていた。そういうことから、午前中は血圧が低いのではと考えた。そこで、介護士さんに、念のために、午後にも血圧を測って欲しいとお願いした。しかし、結果は午前中と変わらなかった。それじゃ、雅子の午前、午後の反応の違いは、どうして起きているのだろうかと、一考は考え込むのだった。(以下、明日に続く)

918 肩透かし

 言いたくないこと、答えたくないことを、誤魔化し、はぐらかして避けて通ったりしたい気持ちは理解できたとしても、政治家は、そんな肩透かしの繰り返しでは、国民の信を失うことになるだろう。告白本の著者も然りである。

1.独り言コラム
 先週は、麻生総理と鳩山由紀夫代表との二回目の党首討論が行なわれた。いつも思うのだが、この種のやり取りは、双方がその質問にまともに答えない。質問をはぐらかし、逆に相手の弱いところを攻める。ディベートの基本かも知れないが、こんなことでは、国民は納得しない。相撲では肩透かしは立派な「技」なのだが、ここでは裏切りに近いものである。今朝のTBSの日曜討論で、野中広務氏と話題の鳩山邦夫氏が出ていて、そんな感想を漏らしていた。
 国民の期待に応え、国民の生活を守るのが政治である以上、見直してもらわねばならないことは多い。例えば、今朝の毎日新聞に出ているが、国保保険料の問題がある。これが、地方に丸投げで、住む所の違いで、最高3.6倍以上の差があるというデータが紹介されている。我が大津市はどうかと見てみると、もっとも安い処に比べて2.5倍、もっとも高い処に比べて70%で、まあ、平均的な位置づけとなっているが、同じ県内でも結構な差がある。毎年この時期になるとその算定額が出て来て、その多額に驚くのだが、税金などに比べて格段に高いのかこの国保保険料だ。しかも、こんなに不平等感があるのは、国民感情として納得できない。これこそ、地域格差を無くす政治ができないものなのだろうか。せめて、都道府県単位で同一基準での保険料にしてもらいたい。議員一人当たりの有権者数では、不満があるにしても見直しは行なわれている。この問題には、はぐらかすことをせずに、至急に見直すアクションに入って欲しいのだが、…。
 期待を裏切る肩透かし的なことがあり過ぎる今の世の中だ。ここで、次元の違う話を引き合いに出して恐縮だが、先日、このコラム(812回をご参照)で取り上げた、元朝日放送のアナウンサーだった関根友美さんが出版された「アレルギーマーチと向き合って」という本を読ませてもらった。長男が一種のアレルギー体質で悩んでいたこともあって関心が深かったからである。全体としては、うまく纏められていて、そのご苦労ぶりはよく分かったが、肝心な部分を避けておられるのが、あたかも肩透かしを食らったようで、残念に思った。それは、そんな体質の関根さんを妻に選んだ旦那さんの考え方、それに対する関根さんの対応振りなどのリアルな姿が全く描かれていない点である。読者の一人として、結婚に支障になったはずのポイントをどんな具合に対応されたかを知りたかった。折角、プチファンになりかけていたが、かなり満たされないものを感じ、肩透かしを食ったような気持ちである。

2.プライベートコーナー
 4時10分起床。体重、58.9Lg。外は小雨。蒸し暑い
 昨日の雅子だが、肺炎ということでその治療が続けられているが、まだ、喉が詰まる苦しみは完治しておらず、時々吸引が必要。筆者の2回目の訪問時でも、見ていて苦しそうだったので、看護婦さんを呼び出してやってもらった。体温が朝は平熱に戻っていたが、帰り際(午後7時前)には37.8度と上がっていて、安定していない。栄養剤、お薬はチューブで鼻から投与。昼間は点滴を2本といった具合、夕方には、抗生剤を打ってもらう。不安が完全に去った訳ではない。 

3.蓮載、難病との闘い(883) 第三部 戦いはまだまだ続く(177)
  第五章 季節は巡る(48)

 2.初夏から梅雨へ(6)
  (1)そんなの関係ない(その6)
 最近の雅子の通じは、9割がた便秘薬のお世話になっていて、3日間お通じがないと、4日目の朝に服用する。そうすると、大体は、その日の午後、一考がアクティバに訪問している時間帯で通じがあることが多い。もちろん、場合によっては、その時間がずれて、深夜、若しくは翌朝になることもある。
 そういうことから、通じは、一考が介護してやっていることが多いのだが、その際の雅子の頑張りは大変で、それが終った時点で大袈裟に言えば失神するくらいに疲れ切ることがある。雅子には大変な重労働なのだ。従って、一考が、傍にいて、さすってやったりしてサポートしてやる。また、傍にいないと、前屈みで頑張るので、身体のバランスを崩して、便座から倒れそうになることもあって、長く放置して置くのは危険なのだ。一考が立ち会っていることで、雅子も思い切って頑張ることが出来て、そのタイミングで通じに繋がることが多いのだと一考は理解している。
 さあ、今朝はどうだろうかと一考は、いつものようにそのサポートを始めた。暫くして、雅子の身体が小刻みに震え始める。これは力いっぱい頑張っている現れで、この動きが上手くゆくと通じに繋がるのである。何とか、通じに繋がって欲しいと祈るような気持ちで、でん部の部分をさすってやる。出る時には、その気配で分かるのだが、まだ、出ていないようだった。今朝も駄目なのだろうかと不安が頭の中を過ぎる。本人は、懸命に頑張り続けている。この状態をあまり長く続けると、顔が膝の上のクッションに、顔を押し付けているので、息苦しくなってくるから、適当な時間を見計らって、頭を起してやる必要があるのだ。このタイミングが難しくて、早過ぎると、折角出掛かっていたのが出難くなってしまうことになる。しかし、それが遅れると、息苦しくなり下手すると、失神してしまう恐れもあって難しいのだ。
 懸命の頑張りの2回目をトライしたが、これ以上続けると危ないと察して、頭を持ち上げてやった。雅子は本当に苦しそうに、涙を出しながら荒い呼吸をするのだった。やはり、駄目だったのかと半分諦めの心境だったが、念のためトイレの中を確認してみると、なんとしっかりと出ていたのである。やったというほっとした喜びがあった。「よくやった!」と言いながら、雅子の頭を何回か撫でてやった。本当に良かったと思いながら、暫く雅子が体調を整えるの待ってやった。(以下、明日に続く)

917 天の声

 Wikipediaには、神託、神のお告げとあり、転じて、絶対的権力者による指示と解説している。

1.独り言コラム
 今から30年以上も昔の話だが、1978年の自由民主党総裁選挙で大平正芳氏に敗れた福田赳夫総理の「天の声にも変な声がたまにはある」の名言は今も筆者の記憶に健在だ。かくして、あの角福戦争は一旦幕引きとなったのだが、飄々として総理の座を退いたあの時の福田さんには、乾いた潔さがあったと思う。
 さて、西松建設の政治献金事件に関して、東京地裁の公判が始まった。検察側が主張する小沢事務所からの「天の声」の存在が一つの大きな争点になっている。小沢一郎氏のような絶対的権力者による指示による特定受注業者指示は絶対であるのが、建設業界の常だ。
 この事件は、今年の3月3日に小沢一郎の公設第一秘書が逮捕されたことで明るみに出た。その時点で、殆ど死に体に追い込まれていた麻生内閣の支持率が、これによって一旦は回復し始めたのだ。しかし、民主党が代表を鳩山由紀夫氏に代えて、小沢氏を裏方に回したことで、再び、麻生総理が土壇場に追い詰められて来ている。
 このタイミングでの公判開始であり、メディアは、またこのニュースを取り上げる訳で、麻生総理にとっては最後の命綱になっているようだ。さあ、この公判での「天の声」の存在有無の議論が、麻生総理にどんな形の「天の声」になるのだろうか。世論の動向が注目される。いずれにしても、早晩、麻生内閣は解散総選挙を行わなければならず、天の声の裁定を受ける。制限時間いっぱいで、もはや待ったなしの状況である。
 一方、あの足利事件では、DNA鑑定の結果が、鬼の首を取ったような天の声として、警察、検察、裁判官に罷り通って、菅家利和さんを犯人という誤った判断に導き、とんでもない悲惨な冤罪を生むことになった。この場合は、DNA鑑定を天の声として受け取ったサイドの許されない判断ミスである。
 ところで、一昨日に取り上げた2016年のオリンピック開催都市の選考だが、これこそ、東京開催を期待する日本人にとっては、まさしく天の声を待つような感じである。
 ところで、私的な話で恐縮だが、妻の雅子の難病では、天の声は依然として厳しく、これでもか、これでもかと言った具合に厳しい試練を与え続けている。昨日は、痰が詰まって息がうまく出来なくなり、救急車で病院に搬入される事態となった。幸い小康状態を回復しているが、天の声には、もう少しその厳しさを緩めて欲しいと願うばかりである。

2.プライベートコーナー
 4時起床。体重、58.6Kg。天候は晴れ模様。
 昨日は雅子にも、一考にも大変な一日になった。朝方、痰が詰まって息がし難いということで、雅子が救急車で病院に運ばれたという連絡があり、急遽、施設のアクティバに直行、そして、介護士さんから様子を確認して、搬入された琵琶湖大橋病院に急行した。緊急の検査、診断で、肺炎の可能性があるとして入院となった。諸々のことで、施設に3回、病院に4回通う慌しい一日だった。幸い、夕方には、症状は落ち着いて来ていた。

3.蓮載、難病との闘い(882) 第三部 戦いはまだまだ続く(176)
  第五章 季節は巡る(47)

 2.初夏から梅雨へ(5)
  (1)そんなの関係ない(その5)
 「残念ながら、通じはなかったのですよ」介護士さんは、開口一番、少し言い難そうにそう報告してくれた。やかり、そうだったかと一考は少しがっかりしたが、仕方がないと自分に言い聞かせ、そうなると、便秘が今日で7日目になるだけに、何とか、強制的にも通じを成功させたいと思うのだった。
 介護士さんの詳しい報告を聞くと、どうやら、あと一歩のところまでは行っているようだった。それまでの自分が介護した感じでは、もう少し身体を支えてやって、マッサージすれば、可能だったかのしれないが、やはり、夜中の一人の勤務では、他の方も多くいらっしゃるだけに、雅子一人にはそこまでは要求するのは無理がある。それでも、良くやって頂いたとの感謝であった。
 いずれにしても、彼女がいてくれたことで、この時間でも、スムーズに入館できて、雅子の部屋のいるフロアーに顔を出せた。雅子は、ちょうど朝食のためにテーブルの前に座っていた。顔の様子には、特に変わったところは見受けけられなかった。それでも、一週間も通じがないだけに、相当に苦しいのではと思うのだった。
 とにかく、朝食が終るのを部屋で待っていた。1時間ぐらいして、部屋に戻って来て、歯磨きを終えてもらう。この間、雅子は一生懸命にその介護に対応しているようだった。そして、やっとトイレの段取りになったので、介護士さんに頼んで、簡易トイレではなく、落ち着いて頑張れる個室にあるトイレに座らせてもらうことにした。ここからは、一考の出番である。一考は、今日こそは何とか出してやれねばと満を持して、そのサポートに当たった。
 先ずは、おしっこから始まる。いつものようにお尻の後ろをさすってやると、しっかりとおしっこは出た。確か、夜中はおしっこが出なかったが、明け方には少し出たというのが、先ほど別れた夜勤の介護士さんの報告だった。そういう意味では、今出た量は、大分溜まっていた分が完全に出たような感じだった。
 さあ、これからが勝負だった。何とか出て欲しいという祈るような気持ちで、先ずはお腹をさすってやった後、膝の上の枕上のクッションに俯かせるようにして、前傾の姿勢を取らせ、お尻の後ろをさすってやるのだった。(以下、明日に続く)

916 命の尊さ

 人の命を救うという行為は極めて尊い。しかし、その尊い行為のために、命の扱いが粗雑になってはならない。

1.独り言コラム
 命を扱う課題は、微妙で複雑だ。臓器移植法が昨日の衆議院を通過したが、この先の展開は不透明だ。参議院での扱いがどうなるか、仮に否決されて衆議院に戻ってきた場合、2/3採決は可能なのか、更には解散のタイミングも絡んでいて、廃案も見え隠れしていて、先の見通しは立っていない。昨日の採決でも、麻生太郎総理や鳩山由紀夫民主党代表は反対の投票を行なった。
 一つ言えることは、日本で許されていない移植手術を海外に求める今の実態は、止むを得ない手段ではあるが、国際的な議論からすれば、やはり、筋の通った公平な対応ではなく、何時までも続ける訳にはいかないだろう。そういう意味では、日本でも行なえる法律の整理は欠かせない。
 しかし、需要と供給という単純な考え方では誤解を生む。人助けに命を捧げる訳だから、理屈を越えた究極の愛への高邁な哲学が必要となるだろう。難しい問題だ。筆者なら、さし当たっては、賛成票を投じただろう。しかし、その場合には、運営上での違和感がない心ある対応が前提である。
 さて、今の麻生内閣の命だが、今や余命何日といった具合で、見方によっては、脳死状態に追い込まれているようにも思える。このような場合は、早く手術(解散総選挙)に踏み切り、民意を確認して、その結果に委ねるべきだろう。一国の指導者が不適格であると、それは、国民全員の命が粗雑に扱われていると同様である。何時までも、解散権を盾に頑張り続けるのは、無駄の垂れ流し以外の何物でもない。

2.プライベートコーナー
 4時40分起床。体重、58.7Kg。天気は曇り模様。
 昨日の雅子だが、口が開き難くなっていて、食事、お薬が口に入れ難く、その介護は大変。このままだと体重の更なる減少は避けられない。一考は、吉田病院の春日先生に電話でアドバイスを求め、それに基づいて、介護士さんや看護士さんたちとも協議するなど、この日も施設を2度に渡って往復し、その対応に努めた。
 夕方の時点では、なんとか食事も半分程度はとってくれたが、不安は続いている。命の尊さを意識する今日この頃である。(この辺りのことについては、いずれ連載の中で詳述の予定である)

3.蓮載、難病との闘い(881) 第三部 戦いはまだまだ続く(175)
  第五章 季節は巡る(46)

  2.初夏から梅雨へ(4)
  (1)そんなの関係ない(その4)
 この通院を挟んで、雅子には厄介な便秘が続いていた。4月23日が便秘4日目ということで、通常通り、便秘薬を服用したのだが、残念ながら通じに至らなかった、そこで、その翌日、つまり、長男の太郎が見舞いに来てくれた日には、便秘薬の量を増やし、2錠服用をお願いしていたが、手違いで1錠しか与えられず、結果的に、この日も通じがないままだった。なお、この夜は、OB仲間の会合があって、一考はそれに顔を出していた。
 その翌日の4月25日は、便秘6日目になっていたが、通院日に重なったため、この日の朝に便秘薬を飲むのは、途中で困ることもあり、不適切ということで、見送ったのである。
 そこで、病院から施設に帰って来た3時過ぎの段階で、思い切って便秘薬を飲むべきか、或いは、翌日の朝に飲むべきかで迷っていた。直ぐに飲めば、その効果は、多分、その日の夜に出て来るだろう。そうすると、介護士さんが一人になる時間帯だから、対応が大変になるという心配があった。そうかと言って、明朝になると、便秘が今までに経験したことのない7日目になるので、それも心配で、どちらにすべきかで迷っていた。そこで、リーダーの松井さんを通じて看護士さんと相談してもらった。
その結果は、やはり、今日中に飲む方がいいという結論になった。そこで、一考はその飲む量について確認すると、いつものように「1錠」でというので、ここは、一気に効果が期待できるように「2錠」にしてはどうかと申し入れた。結果的には、看護師さんも同意してくれたので、直ぐに2錠を一考が飲ませてやったのである。午後の4時前のことだった。一考の予測では、夜の11時頃から効果が現れると思われたので、自分が来て、サポートしてあげるのがいいと思い、何とか、深夜の入館を許可して欲しいと申し入れたが、さすがに、ここでの決まりに反するということで、当直の介護士さんにお願いすることになった。
 一考は、心配だったが、仕方なくそのまま帰宅した。さすがに前夜のOB会でのお酒、それに昼間の雨の中での通院の疲れもあって、気掛かりだったものの、早めに眠ってしまっていた。
 翌朝目を覚ますと5時前だった。急いで起きてブログを終え、施設のアクティバ琵琶に急いだ。日曜日の朝と云うことで道は空いていて、7時半には施設に到着した。こんな早い時間に入館できるかどうかが心配だったが、ふと見ると、一考の後ろから車が一台入って来ていて、一考の直ぐ傍で停車した。よく見ると、夜勤で頑張ってくれた介護士さんだった。一考の車が入って来るのを見て、帰りかけていた彼女が戻って来てくれたのである。夜勤で疲れているにも関わらず、そこまで気遣ってくださる配慮が嬉しかった。とても仕事に熱心な親切な方だと改めて感謝するのだった。さあ、通じの方はどうなったのかと一考は焦る気持ちを抑えて、鷹揚な口調で問い掛けた。(以下、明日に続く)

915 心ある言葉の強さ

 妻が言葉を全く話せなくなっていて、その対応に苦労しているだけに、言葉の有り難さを痛感しているが、その一方で、誤解を与えず、誠意ある真意を伝える言葉を使うのはそれほど容易なことではない。

1.独り言コラム
 足利事件の続報で、再審請求中に釈放された菅家利和さんに、石川正一郎栃木県警本部長が面会して謝罪した。冒頭、本部長から「長い間辛い思いをさせた」との丁重な心からのお詫びがあった。筆者が感動したのは、その言葉そのものではなく、そう謝罪しているその言葉遣い、心溢れる口調、真摯な姿勢にあった。言葉も、このような衣装をまとって初めて感動を与えるものに変わるのだ。筆者は、思わず、胸にじ~んと来る熱い感動を覚えた。そこには、紛れもなく本当に心から滲み出ているお詫びの響きあったからである。 
 そういう意味で、石川県警本部長の人柄の優秀さを実感した。菅家さんも、同様に感じられたようで、釈放直後のインタビューで「絶対に許さない」と激怒していた態度から、一転して、これを受け入れ「本当に心から謝っておられると思いました。私も、許す気持ちになりました」と語っていたのも感動ものだった。
 単に取り繕ったり、口先だけのものでなく、心から発せられた言葉には、人の心を動かす大きな力があることが証明された貴重な事例となった。誠意ある言葉の持つ力の大きさを改めて思う。
 一方、その日の午後に行なわれた党首討論の第2ラウンドでは、言葉が攻撃弾として使用され、互いに言葉尻を捉えたり、相手の弱みに切り込む汚い言葉の応酬で、討論としては、面白いやり取りではあったが、言葉の持つ本来の素晴らしさという点は無視されて、心がこもっていない相手をやりこめるための武器としての飛び交っていたのが、上記の事例と対照的で心寂しいものを感じた。
 さて、2016年のオリンピック開催都市を巡って、4つの候補都市の最終的なプレゼンテーションが、スイスのローザンヌのオリンピック博物館で行われた。これこそ、如何にIOC委員に印象強くインパクトを与えるかが勝負で、言葉の果たす役割が大きい。しかし、さすがの石原都知事も手ごたえが掴めず、その難しさを吐露していた。さあ、結果はどうなるか。10月2日に結論が出される。その日に、アースマラソンの間寛平さんが、そのコペンハーゲンに入っていることになるが、このマラソンが言葉を越えたインパクトにはならないだろうか。そんな淡い期待をしている。
 6月の月例経済報告で景気底打ち宣言が出され、「悪化」が削除されたという。この種の報告は、時として言葉の遊び的な使い方、組み合わせで弄ばれることが多い。言葉にしてみれば、いい加減にしてくれと言いたいにのではなかろうか。
 いずれにしても、言葉の有り難さを痛感している筆者の今日この頃である。

2.プライベートコーナー
 4時起床。体重、58.9Kg。お天気はまずまずの感じ。
 昨日の雅子は、前日に続いて大変だった。体重測定の結果、大幅な減少が判明し、何とか、食べる量を増やす必要性を痛感。しかし、最近は、口を開けるのが大変になっていて、食事の介護が難しくなって来ている。この日も、一考は夕方にも顔を出してフォローしたが、心配は尽きない。体力が落ちていることで、問い掛けへの応答、反応が極めて乏しくなっている。或る意味でピンチである。

3.蓮載、難病との闘い(880) 第三部 戦いはまだまだ続く(174)
  第五章 季節は巡る(45)

  2.初夏から梅雨へ(3)
  (1)そんなの関係ない(その3)
 信号が青になっているのを確認した一考は、ハンドルを少し左に切った。いつもなら、そのまま左折して、駐車場に向かうのだが、今日は、その直ぐをまた直進し、タクシーが並んで待っている前を横切って、病院の玄関に横着けした。思っていたよりも、スムーズに車を予定の位地に停車できて、一考はほっとするのだった。幸いだったのは、その時点では、その玄関前には、一台も車が無くて、操作し易かったことである。やれば、なんでもないことだと自信に繋がった。
 ここからは、いつも駐車場で行なう作業だった。車椅子を下ろし、助手席近くにセットし、雅子を抱き上げるようにして、車椅子に移し替えるのである。これも、上手く出来た。途中で、傍にいたご夫人が手助けしようと近寄って来て下さったが、その前に作業を完了させていた。そのご夫人の方がおっしゃるには、ここでは、事前に頼んでおけば、手伝っていただけるそうである。ご親切なご夫人にお礼を言ってから、雅子を玄関ドアーを入った隅のスペースに車椅子を止め置いてから、「少し待っててね」と雅子に言って、車に戻り、駐車場に車を移動させた。
 まあ、4、5分掛かったと思われるが、何事もなかったようで、雅子はそのまま待っていてくれた。心配していた作業の半分は、つつがなく終えることができて、一考は一息つくのだった。
 この日の待ち時間は、前回よりも少しあって、名前を呼ばれたのは、30分ほど予約時間が過ぎていた。いつものように注射を打つ段階になって、先生が手の内側の消毒しようとしたところ、そこに湿疹ができているこが分かり、このまま注射を打つのは病原菌の感染の恐れがあるので、今回は見送りたいと言われたのである。折角、雨を押して来たのにとの思いが一考にはあったので、その部分は避けるとしても、手首辺りにでも打ってもらえないかとお願いすると、すんなりと引き受けて頂いた。それにしても、その握り締めている手の平の部分の湿疹に、気づかなかったことを反省するのだった。 今後は、必ず、毎日、その部分のアルコール消毒を行なうことを心するのだった。しかし、次回の診察は、この湿疹のこともあって、5ヵ月後となったのだが、何だか、心細い気がした。
 さて、診察を終えると、所定の手続きを済ませ、帰りの段取りに入った。来る時と逆の作業をすれば良く、雅子を玄関脇の隅に待たせておいて、車を駐車場から移動させ、それに雅子を移動させる。一度やっていると、後はもう何の心配もなかった。順調に作業を終えて病院を後にした。これからは、もう天気の心配をすることもなくなると思うと、今まで心の底に溜まっていた不安が吹き飛んだような気分になっていた。(以下、明日に続く)

914 勝負はフルセットに

 今期の将棋名人戦は、遂にフルセットに持ち込まれた。羽生名人、郷田挑戦者の二人の力が拮抗していて、第5局を除いて、いずれの戦いも最後の一手一手のねじり合いが凄かった。昨日も、棋譜をフォローしている筆者が胸苦しくなるぐらいの凄さで、感動も多いが、その反動で疲れも半端ではなかった。そのためなのか、今朝は少し朝寝坊してしまった。

1.独り言コラム
 夕方のNHK衛星放送の中継の画面を通じて、大きな雷鳴が轟いているのが聞こえていたが、大一番となった名人戦第6局は、終盤の戦いに入っていて緊迫した状況にあった。二人の対局者は、小さな将棋盤を挟んで苦渋の様子で、雷鳴に気を取られることなく勝負に集中していた。
 前日の第一日で、郷田挑戦者が採った陽動作戦が、結果的に空振りに終わり、羽生名人がかなり有利な局面のまま二日目を迎えていたのだが、大きく開いていた二人の差が、午後になって挑戦者の粘りで徐々になくなり、夕方のテレビ中継の時点では、一手争いの緊迫したねじりあいになっていた。郷田九段の頑張りはその後も続き、若しかしたら、郷田名人誕生かと思わせる場面もあったようだが、結局は一歩及ばず、最後は、羽生名人の超手数の即詰めで郷田九段の投了となった。
 かくして、このシリーズは3勝3敗のタイになり、第7局のフルセットの戦いに持ち込まれることになったのである。筆者は、局面の動きを気にしながらも、この日、体調が変調を示していた雅子の介護、見舞いで、施設を2往復するのだった。夜の戦いになって、最後は、どっちが勝つのか不明の局面展開に少なからない興奮を覚えながら、激しい戦いに酔っていたが、残念ながら、郷田九段勝利の朗報には至らなかった。
 さあ、こうなると、勝負の流れは百戦錬磨の羽生名人防衛が色濃くなってくる。一週間後の最終局までに、羽生名人は、棋聖戦のタイトル防衛戦の一局が予定されていて、その勝負が微妙な綾になる可能性がある。郷田ファンとしては、このシリーズで善戦したというだけでは納得できず、何としても、最終戦に勝利して名人位奪取を果たしてもらいたいと願っている。
 さて、フルセットというと、衆議院議員の任期が9月10日ということで、麻生総理もまさに、フルセットの勝負に追い込まれた状態だ。しかし、この場合は、今期の将棋の名人戦の大接戦の繰り返しとは違って、一方的に追い込まれた形であって、むしろ、かど番に追い込まれたといった表現の方が当たっている。大きな敵失か、起死回生の満塁本塁打に相当する何かが起きないと勝負にならない状況だが、そんな奇跡が生まれる可能性は考えられない。どうやら、この勝負には打つ手なしのようだ。
 その一方で、世の中にはフルセットだけでは収まらない戦いもある。あの足利事件では、菅家利和さんは、最高裁までのフルセットを戦って完敗だったのだが、その後の弁護団の頑張りもあって、再審の場で改めて戦うことになった。勝負は最後の最後まで諦めてはいけない事例である。
 
2.プライベートコーナー
 5時10分起床。少し朝寝坊。体重、58.6Kg。外はすっきりした晴れ模様。
 昨日の雅子は変調だった。それまで服用していて栄養剤を新しい液状のものに変えたことが、影響していたのかもしれない。最初に栄養剤を飲んだ時と同じような、口の開き方も苦しそうで、呼びかけへの反応もほとんどない状態になっていた。心配だったので、一旦帰宅し、母親の夕食を出した後に、改めて施設に顔を出して様子を窺った。この時点では、幸い、食事はそれなりに食べた後で、ベッドに静かに横になっていたので、ほっとして帰宅した。

3.蓮載、難病との闘い(879) 第三部 戦いはまだまだ続く(173)
  第五章 季節は巡る(44)

  2.初夏から梅雨へ(2)
   (1)そんなの関係ない(その2)
 太郎が見舞いに来てくれた翌日の4月25日は、醍醐にある吉田病院への通院日であった。3ヶ月に一度の通院で、手首などの筋肉を軟らかくしてもらう注射を打ってもらうのである。一週間前の天気予報の時点から、この日が天候が良くなく雨だろうとの予報だった。嫌だったのは、そこの駐車場には屋根がなく、雨だと、車と車椅子、そして駐車場から病棟への移動が厄介なのだ。強い雨だとずぶぬれになってしまう。
 有難いことに、それまでは、京都駅前の吉田病院への通院の場合をも含めて、通院日は天候に恵まれていて、たとえ、予報で雨と出ていても、その日になると上手く天候のずれが生じて、雨の影響を心配せずに通院できていた。但し、一度だけ相当な雨に見舞われたことがあって、さすがにその日だけは通院を取り止めたことがあった。それを除けば、幸いにも、天候には恵まれていたのである。極端な例として、その日は一日中雨だったにも関わらず、ちょうどその乗り降りの時だけ奇跡的に雨が上がってくれたりすることもあった。従って、今回も何とか上手く予報がずれて、結果的には雨に煩わされずに済むのではという淡い期待もあった。しかし、残念ながら、今回はそのような奇跡は起きなかった。
 この日は、朝からしっかりとした雨だった。一考は覚悟していた。今まで、苦手だということで避けていた病院の玄関前の狭いスペースでの車と車椅子間の移動作業を行なう決心をしたのだった。今までは、自分は車の運転では下手であって、細かい技術が要求される運転を避けてきていたが、今日は、これまでの2年近い介護の経験で、それなりに技術も向上しているだろうから、とにかく挑戦してみようと決意し、腹を決めて、いつものように雅子を乗せて病院に向かった。依然として、雨脚は緩まることなく厳しく降っていた。
 それでも、病院に着いて、一考が作業をする間だけでも、奇跡的に雨が止んでくれるのではとの奇跡的な期待もあって、空模様を見ながらのドライブだった。しかし、奇跡は起きなかった。むしろ、病院に接近するにつれて、雨脚はそれまでよりも強くなっているように思われた。(以下、明日に続く)

913 陽道作戦

 味方の真の企図をかくして、敵の判断を誤らせるために、わざわざある行動に出て敵の注意をその方に向けさせる作戦

1.独り言コラム
 名人位の移動があるかもしれない大一番の将棋名人戦の第6局が、昨日から京都の東本願寺で始まった。郷田挑戦者が勝つと初の名人位の奪取となる。その大一番で、郷田挑戦者が採った作戦が、得意の矢倉に組むと見せかけて飛車を振ったのである。いわゆる陽動振り飛車作戦だった。ほとんど飛車を振らないのが郷田九段なのだが、この大一番に意外な作戦に出たのである。
 しかし、かど番の羽生名人は、堂々と王様を矢倉城に入場させて受けて立った。専門家の見方は、郷田挑戦者の思惑が外されたことで、羽生名人の方が指し易すい展開になっているという。さあ、どうなるか。「京都の変」は起きるのか。はたまた、羽生名人が勝ってフルセットに持ち込むか。今日中に結着が着く。
 郷田ファンの筆者は、普段やらない振り飛車をこの大事な対局で、郷田九段が採用したことに期待と不安が混在している。前局で郷田の作戦が大成功で圧勝しただけに、今回も事前の研究から思い切って採った作戦だと思われる。しかし、その思惑が外されたことで、郷田挑戦者はどう対応するのだろうか。とにかく、筆者は、郷田新名人誕生を願っての長い一日を過ごすことになる。
 鳩山邦夫前総務大臣が郵貯の西川喜文社長の交代に関し、4月に麻生総理から手紙をもらっていて、そこに交代社長候補のリストが同封されていたと言う。この時点で、麻生総理が西川社長の交代を匂わせていたとすれば、結果的には、麻生総理の陽動作戦に鳩山総務大臣が引っかかったということになる。政界には、こんな陽動作戦は常態化していて、数多く横行しているとは言え、盟友を裏切る結果になったのは、麻生総理の本意ではなかったと思いたい。
 北朝鮮で、しつこく繰り返されている核実験、ミサイル発射も陽動作戦の一つとの見方が出来る。今朝の朝日新聞は、金正日総書記の後継者とされている金正雲が、金正日の名代として、今月10日前後に中国を極秘訪問していたという。世界の目をくらませて置いて、着実に後継者の準備を進めている遣り方は、如何にも北朝鮮らしい陽動作戦だ。
 要するに、陽動作戦は、相撲で言えば、猫騙し、張り手、蹴手繰りなどの目くらまし的な作戦で、堂々たる正攻法ではない。この種の作戦は、古く戦国時代では多用されていた作戦だし、今でも世界の至る処でも、選択肢の一つとして検討の対象になる作戦の一つである。うまく行けば快哉の喜びに直結するのだが、失敗すると惨めな結果が待っている。

2.プライベートコーナー
 3時50分起床。体重58.7Kg。少し肌寒い
 昨日の雅子は、5日目となった便秘を必死に頑張って解消に成功。ほっと一息だった。全体的な症状は前日並み。看護師さんからは、現在服用中の粉末状の栄養剤を、服用させやすい液体のものに変更したいとの申し出があった。とりあえず、その試験的に明日から実施することにした。
 この日から始まった将棋の名人戦を見るために、早めに帰宅したいとの申し出に、快くOKしてくれた。

3.蓮載、難病との闘い(878) 第三部 戦いはまだまだ続く(172)
  第五章 季節は巡る(43)

2.初夏から梅雨へ(1)
 (1)そんなの関係ない(その1)
 カレンダーの曜日の関係で、今年は大型のゴールデンウィークとなることが話題になっていた。100年に一度の不景気だとは言いながらも、サラリーマン達には、嬉しい連休である。息子達もそういう意味では、その恩恵に与かっているはずだが、生憎の新型インフルエンザが大阪、神戸といった関西で流行し始めた不安材料もあって、動きが取り辛くなっているかも知れない。
 そんな中で、長男の太郎が一泊二日の短い日程だったが、急遽、大津に戻って来た。その大型連休を間近に控えた4月23日の夜である。
 太郎は、生まれつきのアレルギー体質の関係で、子供の頃からお世話になっている病院に通い続けていて、年に数回は診察に戻って来る。もう、いい加減に、千葉の医者に替えたらいいのではと薦めるが、頑として変えないのが太郎の真骨頂なので困っていたが、雅子が病気になったしまった今では、定期的に帰って来てくれる機会になるので、それもいいのではと思っている。
 その翌日の24日の朝早く、草津にあるその病院に連れて行き、その足で琵琶湖大橋を渡って堅田に出て、少し戻る形になるが、雄琴にあるアクティバ琵琶に顔を出した。今では、このコースが、このところの二人のお決まりドライブコースである。このドライブが、二人でゆっくり話が出来る絶好の機会であることから、一考は、将来の雅子のことを含め、気になっている諸々のことを話して聞かせると同時に、自分に不幸があった場合のことについても、あれこれと頼んだりしている。この辺り、真面目な太郎は、じっと聞いていてくれるので、一考は、さし当たっては、二人のコミニケーションの場として使っている。
 今回の太郎は、一枚のDVDを持って来ていて、それを雅子に見てもらおうというのだった。太郎は、妙な趣味を持っていた。それは、一考には気に入っていないことなのだが、映画やテレビドラマのエキストラに出ることで、どうやら、今ではエキストラの常連になっているようだ。公務員であるだけに、職場の規定に反しないように繰り返し注意しているが、休日には、せっせと足を運んでいるらしい。その種の撮影の現場が楽しいようで、加えて、有名な俳優と一緒の場を持てることにも楽しみがあるようだ。
 これも一つの趣味であり、気分発散の場になっているなら致し方がない。そんなことで、そのDVDを見ることになったが、中には、それとはっきり分かる形で画面に映っているのを見ると、何とも言えない妙な気分になるのだった。雅子も致し方ないといった顔で見ていた。雅子の気持ちとしては、見舞いに顔を出してくれることには、心の安らぎを覚えているようだが、気分転換というのなら、早く結婚してほしいと思っているに違いない。(以下、明日に続く)

912 人生の選択

 永遠のライバル達の戦いを、観客の一人として見て楽しむ。そこには、思わぬドラマ展開があり、得難い教訓もありそうだ。

1.独り言コラム
 昨日のゴルフのサントリー女子オープン最終日で、諸見里しのぶさんが、中国の嘔莉英とのプレイオフを制して、今季二度目、通算三度目の見事な優勝を果たした。まだあどけなさが残っていて好感を抱かせる期待の女子ゴルファーだ。
 一方、このツアーが自分を世に出してくれた場であるという意味で、全米女子プロ選手権を欠場してまで、この大会に参戦した宮里藍選手だったが、思いのほか振るわず、17位に甘んじた。日本の女子ゴルフのレベルもそんなに甘くはない。
 この諸見里と宮里の二人の選手は共に沖縄県出身、4年前には共にアメリカ女子ツアーの資格を獲得、米ツアーに参加した。しかし、諸見里選手は、一年後には、戦いの場を日本に変更したが、宮里藍選手は、初期の目標通り米国ツアーに拠点を置いて戦ってきている。早いもので、それぞれが4年目の戦いに入っているが、宮里藍選手は、今にも優勝すると期待されながら、未だに未勝利である。
 戦いの場を、自分の身の丈に合わせて日本ツアーに変更した諸見里選手とあくまでも世界に戦いの場を決めた宮里藍選手、この戦いの場の二人の選択が、二人の人生を大きく左右する選択となっていて、筆者は二人の今後の戦いに強い関心を持っている。
 人生の選択という意味では、共に甲子園で戦った駒大苫小牧の田中将大と早実の斉藤祐樹の二人の投手の場合も興味深い。田中投手はそのままプロ世界を選択し、楽天に入団、今や日本のエースの一人に成長しているのに対し、斉藤投手は早大進学を選択し、エースとして活躍中だが、その活躍具合は、今のところ、田中投手が一枚も二枚も上である。
 とにかく、直接プロの場を選択した田中投手、大学野球を経験してプロの場を選択する斉藤投手の二人が、今後どんな戦いを見せてくれるのか、筆者の関心はすこぶる高い。
 世界は違うが、共に早稲田の出身で弁護士からスタートし、共に人気番組「行列のできる法律相談所」で人気者になった後、共に政治の世界に飛び出した橋本徹大阪府知事と丸山和也参議院議員の二人の今後にも関心は高い。その活躍具合は、今は、圧倒的に橋下知事がリードしているが、今後は、どんな展開を見せてくれるのだろうか。二人とも同じような人生の選択をして来ているところが面白い。
 一方、女子アナの世界を覗いて見ると、ここにも興味深いライバル達がいる。角界のスターだった貴の花という大横綱をしとめたフジテレビの河野景子アナ、松坂大輔というスーパースターを手篭めにした日本テレビの柴田倫世、イチローという世界の逸材を射止めたTBSの福島弓子たちだ。いずれの女性も大卒のエリートである。彼女らが選択した相手、言ってみれば戦いの場が、年下のスーパースターたちだけに、旦那たちが現役を引退した後のそれぞれの生活がどんな具合になってゆくのか。彼女達が選択した人生ドラマの後編を見てみたい。

2.プライベートコーナー
 3時50分起床。体重、58.7Kg。天気は素晴らしく良さそう。
 昨日の雅子は、見かけは前日と変わらないが、問い掛けへの反応、特に発声量が極めて落ちていて、不安である。なお、本来ならこの日は便秘4日目なので、便秘薬を飲むはずだったが、手違いで服用していなった。最近は、こういうケースが目に付く。介護士さんも忙しそうだ。宿題になっていた高島屋のカタログを持ち込んで、対象を絞り込んだ。今日にでも買いたいものを決める予定。

3.蓮載、難病との闘い(877) 第三部 戦いはまだまだ続く(171)
  第五章 季節は巡る(42)

 1.再び春が…(42)
(3).淡々と春は過ぎてゆく(その7)
 この日、久し振りに実施の霧子さんが顔を出してくれていた。一考が体重の話で、少し興奮した顔つきて部屋に入って来ると、霧子さんは、そんなに神経質にならなくてもいいんじゃないと少し諌めるような口調で挨拶した。「それもそうだが」と思いながらも、やはり不安が抜けない。そのために、かなり無理をしてまで飲んでもらった栄養剤の効果がないということは、他に打つ手がないといった具合で、路頭に迷うような困った心境である。
 しかし、そんな不安を雅子が居る前で吐露するのは如何にもまずく、霧子さんがそれとなく、話題を変えたので、一考も、そのことに気づくとともに、この種の不安を口走ることは慎まねばならないと、自分に言い聞かせるのだった。
 この日の霧子さんは、少し疲れているように見えた。姉としてのご苦労もあるのだろう。しかし、雅子にしてみれば、他の人ではカバーし切れない心の安らぎを運んで来てくれている。言葉が話せないので、たとえ実姉であっても、込み入った会話が出来るわけでもないが、そこには、いわゆる血の通った以心伝心の心の通いがある。雅子の表情を見ていると、一考ではどうしようもない何かが雅子を心地よくさせているのは確かである。
 一考は、この霧子さんとの面会の機会を捉えて、過日、夜に電話した初めての栄養剤補給時の異変のことも含めて、ここのところの幾つかの雅子の様子などの話題について、詳しく話して聞かせた。その中で、特養に申し込んでいるが、その経過で9位にランクアップされていて、若し、順番が回ってくれば、移転についても真剣に考えたいことなどを話したが、特に異論は無かったようだ。
 3時を過ぎたところで、雅子がトイレに行きたいとの意思表示が見られたので、それを済ませると、一考は、いつものように霧子さんを最寄り駅まで車で送った。その車の中で、霧子さんは何かを言うのではないかと思っていたが、特に何も口にすることはなかった。雅子の将来のことを考えると、姉として、複雑な心境にあったのは確かである。一考も同様に不安な気持ちだったが、その一方で、「なるようにしかならない」と開き直るのだった。(以下、明日に続く)

911 紙一重

 何事も、ちょっとした違いで、全く違った結果になることがある。幸不幸、明暗、勝敗は、時の運であり、紙一重の差で決まることが多い。

1.独り言コラム
 今朝の毎日新聞に、金正日の後継者といわれている金正雲が10代に偽名でスイスに留学していたことが報道されている。これは、スクープかもしれない。写真も16歳時の素顔で、今まで全くベールに包まれていた正雲氏の姿が、少しオープンになった。バスケットボールの試合をパリまで観戦に車で日帰りしたことも紹介されている。先日のテレビ朝日が同氏の写真を間違えて報道したが、見方によっては、それも紙一重の微妙な手違いに気づかず誤報となった。
 そんな中で、北朝鮮は相変わらずの危険な瀬戸際外交を強行に進めている。国連の安保理での非難決議を受けて、核放棄など絶対にあり得ないと強く反発し、ウラン濃縮宣言を行なった。
 こうなると、西側としては、圧力を強める以外にないのだが、そうなると危険なキナ臭ささえ心配される際どい展開が憂慮される。隣国である日本がもっとも巻き添えを食う可能性があり、大変な危険と紙一重の不安に迫られることになる。困ったものだ。
 危険なプレイを売り物にしているプロレスで気の毒な犠牲者が出た。昨日の広島での興行で、2代目のタイガーマスクだった三沢光晴さんがバックドロップを受けて頭を強打して動けなくなり、病院に運ばれたがそのまま亡くなった。倒れた時に、レフェリーからの「動けるか?」の問い掛けに「動けない」と答えたのが最後の言葉だったという。新会社プロレスリング・ノアを設立した同氏だったが、その最後は自らの舞台で動けなくなり、危険と不幸と紙一重の男の世界での痛ましい犠牲者になった。
 危険と不安との紙一重だと言えば、今の麻生総理の立場もその一つである。今般の盟友の鳩山邦夫大臣を更迭したことで、世論がどう動くかが大きな鍵を握っているが、今後予定されている都議選などの地方選挙で敗れることになれば、麻生降ろしに火がつくことになる。今や、情勢は、麻生総理にとっては、紙一重どころではなく、大差になりつつある感じである。
 そんな紙一重の際どい世の中の動きの中で、昨日、筆者は人のぬくもりに触れる嬉しい体験をさせてもらった。いつも買い物をするスーパーで、この日たまたま買ったばかりの宝くじを、多分、買い物をした際の支払いの時だと思うのだが、うっかりしていて落してしまった。どうせ当たらない宝くじだし、仕方ないと諦めていたのだが、妻の見舞いから帰った夕方に、念のためにスーパーに電話で落し物がなかったかと確認すると、なんと、届けてくれた方がいて保管されていたのである。残酷な殺人事件などが多発している今の世の中だが、このような人の温かさ、優しさがに触れると嬉しいもので、この世も棄てたものじゃないと思った次第である。まさに、不幸と幸せは、その大小は別にして、紙一重であるということを、改めて実感させてもらったのである。この宝くじ、若しかしたら、大当たり? かも。

2.プライベートコーナー
 3時50分起床。体重、58.4Kg。外はどんよりしている。
 昨日の雅子は、今一つ元気がなかった。高島屋のカタログを持って行ってやったが、見る気がないようだったので持ち帰った。こちらで、雅子が希望の商品の候補を選んで改めて持ち込むことにする。トイレの後、ベッドに横にしてやったが、どこかが痛いのか、「めえ、めえ」といったヤギのような声を出し続けていたので、気になって、何処かが痛いのかと幾度も確認したが分からず。しかし、帰る頃には幸い治まっていた。

3.連載、難病との闘い(876) 第三部 戦いはまだまだ続く(170)
  第五章 季節は巡る(41)

 1.再び春が…(41)
(3).淡々と春は過ぎてゆく(その6)
 プロ野球やお相撲、サッカーなどのメジャーなスポーツや競技の結果は、その日のうちにスポーツニュースなどで知ることが出来るが、将棋の場合は。中継されるタイトル戦などを除いては、その日のうちには分からない。翌日にインターネットで日本将棋連盟のホームページを開いて、その対局結果を知ることになる。従って、自分の贔屓の郷田九段が対局した翌日には、大人気ないが、胸をドキドキさせてその結果を見るのである。そこには、恰も、受験の結果を見るようなドキドキがある。その結果が勝っていればほっと一息つくが、負けているとがっくりと落胆する。そういう意味では、一考は単純な男だ。
 その日の午後、ちょうど、そんなドキドキした気持ちで、一考は、雅子の居る日吉ユニットのフロアーに到着した。エレベーターを降りた直ぐ脇にある介護士さんのたまり場に目を遣ると。いつも愛想のいい看護士さんが緊張した面持ちで近づいて来て、声を掛けてくれた。
 「申し訳ありません」のっけからとお詫びである。一体どうしたのかと一考は戸惑っていると、彼女は言葉を続けた。
 「やはり、少し減っていたのです」元気のない声だった。
 「体重のこと?」と一考が確認すると
 「そうです。申し訳ありません」とまた丁重に謝るのだった。
 「そうか、減っていたのか!」一考は、正直がっかりした。そんなはずがないと思っていたからである。少なくとも、ここ数日の雅子の様子は大分元気を回復しているように感じていたからである。
 「それは、君たちの責任じゃないよ。何も謝ることはない。で、どの位へったのかい?」
 「500グラムぐらいです」
 「500グラムも!!」一週間で500グラムも減ったというのは、少ない減り方ではない。月に換算すると2キログラムになる。
 「本当に申し訳ありません」
 「残念だが、仕方がないよね。いずれにしても、君らの責任じゃないから」と一考は自分に言い聞かすが、予期していた結果と違っていたことに、どうしたものかと思案するのだった。これでは、栄養剤の補給も効いていないことになる。見掛けの様子と体重とが、連動していないことに、一考は戸惑うのだった。とにかく、もう少し見守るしかない。(以下、明日に続く)

910 ほくそ笑む

 ホクソは塞翁の意で、物事がうまくいったとひそかに笑う。しめしめ、してやったりの笑み。

1.独り言コラム
 遂に、麻生総理が決断し、盟友の鳩山邦夫総務大臣を更迭した。その結論を出すまでの経緯の中で、郵貯の西川社長に、土下座させてお詫びさせるという妥協案が示されたというから、驚きも常識外である。こんなことでガバナビリティを発揮したとほくそ笑んだ訳ではないと思うが、この決断には流れを読むという点では全く大失敗だったと思う。これじゃ、ガバナビリティではなく、世論を無視したカナワビリティである。ほくそ笑んだのは、兄貴の鳩山由紀夫代表だろう。
 このところの世の中の動きを見ていると、ほくそ笑んでいる奴は多い。足利事件で誤認逮捕された菅家利和さんは釈放されたが、事件は時効になった訳で、真犯人は堂々と(?)ほくそ笑んでいるだろう。ほくそ笑んでいる常連は北朝鮮だ。国連は北朝鮮の非難決議を行なたtが、また核実験でお返しするとの噂である。新型インフルエンザも、ここに来てフェーズ6に格上げされて、その力が見直されたことで「ざまあみろ」といった意味でほくそ笑んでいるかもしれない。
 いい意味でのほくそ笑みも幾つかある。巨人軍の原監督だ。若手を育て上げてメンバーを大きく若返らせた采配はお見事で、その成果にほくそ笑んでいるはずだ。一方、マリナーズのイチロー選手も、このところ絶好調が続いている。安打数も昨日で82本に達した。あと、103試合で118本打てば、大記録達成である。毎日の必死の戦いの中に、ちょっとしたほくそ笑みもあるのではと思ってしまう。この調子を維持して欲しい。ゴルフでは、アメリカツアー4年目の宮里藍だが、未だ未勝利なのだが、今週はアメリカのメジャートーナメントを欠場して日本のトーナメントに出場、初日躓き、あわや予選落ちの危機もあったが、昨日の後半で頑張って、何とか予選を通った。インタビューで、首位と6打差なのでまだまだ可能性があると、ほくそ笑んでいるように見えた。さあ、どうなるのだろうか。そんなに甘くはないぞ!
 最後に、個人的なほくそ笑みだが、今朝、このブログを書いていたら、日本テレビの日テレニュース24の中で、4時半頃から「およよん」というニュース&トークの番組を偶然に見つけた。作家の吉田豪さんと丸岡いずみさんの二人で語っている楽しい番組だ。筆者のお気に入りの丸岡いずみさんのいい処がしっかり出ている面白い番組だ。思わず、にんまり、ほくそ笑みながら、楽しくブログを書かせてもらった。しかし、この番組、毎週ではなさそうだ。

2.プライベートコーナー
 3時半起床。体重、58.5Kg。朝風呂に入る。天気もまずまずの感じ。
 昨日の雅子も、まずまずの感じ。友人からの手紙を読んであげる。ほっとしたような顔つきで聞き入っていた。久し振りだったが、帰り際に何かを要求。幸い、タイミングよく解明できた。高島屋から来ているカタログを持って来て欲しいという。

3.連載、難病との闘い(875) 第三部 戦いはまだまだ続く(169)
  第五章 季節は巡る(40)

 1.再び春が…(40)
(3).淡々と春は過ぎてゆく(その5)
 その翌日だった。一考が部屋を訪れると珍しく、その日は椅子に座ったいた。このところ、殆どベッドで横になっていることが多くなって来ていただけに、「あれっ」といった感じだった。そう思って見ると、何となく顔色もいいように見えた。その朝は入浴日で、午前中に済ませていたので、特にそう見えたのかもしれない。
 そんな風に見ていると、何だか少しよくなっているように感じるから不思議である。前日に比べても、首を持ち上げている時間も長く、問いかけに対する反応も良いように思うのだった。こんな風に良い感触を得たのは、大袈裟かもしれないが、この施設に入居して初めてのことであった。
 その翌日も同様だった。欲目で見るせいかもしれないが、少し元気が戻っているように見えて嬉しかった、どうやら、栄養剤の補給のリズムが身について来ているのかもしれない。しかし、今までの経験では、少しいいのではと思った翌日には、その期待が裏切られることがほとんどで、一進一退を繰り返しながら、全体として悪化していることが多く、軽々に喜ぶ訳にはいかない。また、直ぐに、元に戻ってしまうことになりかねない。暫く、慎重に様子を見守ることにした。
 幸い、その翌日も前日並みで、全体としては、まずまずの感じ。この日は、便秘薬を服用せずだったが、大変な頑張りで、通じがあったのも幸いなことだった。体調も比較的穏やかなようだったので、栄養剤の効果が出て来いるのかもしれない。しかし、その一方で、ストローで飲むのが相変わらず苦手で、うまく吸えず苦労していた。
 そして、4月22日、一週間後の体重測定の日を迎えた。目で見ている感触が、きちんと数字で確認できるかどうかに強い関心があった。
 この日、一考は、すっきりした気分で、勇躍としてアクティバ琵琶に向かった。気持ちの中では、少なくとも体重が何がしか増加していると信じていた。それまでにない吉兆の感触が先行しているようで、一考の身体が軽く感じられ、長いトンネルを抜ける間際のときめきに似た心地よい気分だった。握っているハンドルの捌きにも、久し振りに切れが感じられていた。(以下、明日に続く)

909 ○○年ぶり

 最近の、○○年ぶりのニュースを拾ってみた。○○年ぶりと聞くと、「へえー、そうなの」といった具合に、ちょっとしたリアリティが加わって、何となく感動も深まる気がする。

1.独り言コラム
 WHOが遂に新型インフルエンザの警告度を「パンデミック」であるフェーズ6に引き上げた。世界76の国と地域に広がり、感染者数が28805人、死者144人に上っているという。日本では、何となく峠を越えたような感覚にあっただけに、「え!」といった感じである。パンデミック宣言は、1968年の香港風邪以来、41年ぶりだという。
 プロ野球で1イニング15点の新記録が誕生した。昨日のロッテが広島を相手に、48分間で打者20人を送り11安打での記録である。今までの記録は13点で、2000年に横浜などが作ったもので、9年ぶりの新記録である。
 また、ヤクルトの館山投手が、球団のシーズン連勝記録の9にあと1に迫る勝ち星を記録した。次回にでも勝てば、金田正一投手の記録を半世紀ぶりに更新することになる。
 一方、巨人のゴンザレス投手が、巨人軍の開幕7連勝の新記録に挑んだが、オリックスに敗れて達成ならなかった。若し、勝っていれば、1936年に沢村栄治投手以来の73年ぶりの記録となるはずだったが、残念ながら、幻に終った。
 申すまでも無いが、イチロー選手が挑戦中のレギュラーシーズン200安打の記録だが、今年も達成すれば、9年連続200安打となり、この記録は、108年ぶりの記録更新の大記録となる。昨日現在で80本安打を達成し、残り試合の104試合で120安打に迫って来ている。今月中に、折り返し点を過ぎ、カウントダウンが始まることを期待している。
 また、一昨日に取り上げた話題だが、テニスのクルム伊達公子のウインブルドン出場は13年ぶり。
 昨日の日経平均が8ヶ月ぶりに一時1万円台を回復し、景気の回復が期待されている。
 社会問題では、足利事件で菅家利和さんの釈放は、17年半ぶり。直接の詫びを訴える菅家さんの怒りには迫力があって、共鳴を覚える。
 昨日凱旋したバン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した辻井伸行さんだが、この大会での日本人の成績では、1969年の野島稔さんが2位に入って以来の40年ぶりで、全盲であるだけに、その感動は大きい。
 趣味の将棋の世界で、珍しい記録が誕生している。今期の第67期将棋名人戦の第4局で、羽生名人、郷田九段の双方の王様が84手目まで一手も動かない相居玉記録を作った。これは24年ぶりの記録更新で、それまでの記録は、第43期名人戦での当時の谷川浩司名人と中原誠挑戦者(先手)との第6局での75手目までの記録だった。「居飛車は避けよ」は、将棋では有名な格言なのだが、「名人に定跡なし」である。
 ニュースもこんな具合に見てみると、ちょっとした感動を楽しめる。

2.プライベートコーナー
 3時50分起床。体重、58.3Kg。天気は良さそう。梅雨の晴れ間か? 
 昨日の雅子は、通院日でよく頑張った、幸い、雨には合わずにほっと。診察では、体重の減少が続いていることを報告すると、先生からは、雅子に優しく、頑張って食事を採るようにとの励ましを受けた。

3.連載、難病との闘い(874) 第三部 戦いはまだまだ続く(168)
  第五章 季節は巡る(39)

 1.再び春が…(39)
(3).淡々と春は過ぎてゆく(その4)
 最初は服用するのに苦労した栄養剤だったが、その後は、介護士さんの努力もあって、一日に一缶の半分ぐらいの量から始まり、それが間もなく一日、一缶を飲むようになったようだっだ。一考が飲ませた飲み初め頃に、雅子が苦しんだことが嘘のようで、慣れれば、飲めるようになるものだと、一考もほっとするのだった。
 栄養剤を飲み始めて、初めての体重測定日が巡って来た。4月15日水曜日の入浴日である。その日、一考がエレベーターを4Fで降りて、介護士さんの管理室を覗くと、担当してくれた看護士さんが「少しだけ増えていましたよ」と声を掛けてくれた。その報告にほっとして、どの位増えていたかを確認すると、200gの増加だという。それでも、減少に歯止めがかかったということで、一考は、少し愁眉を開いた思いになるのだった。
 雅子の部屋に顔を出すと、心なしか雅子の顔が少し元気そうに見えた。まさに、気分は心の持ち方で変わるものだと思うのだった。
 翌日は通院日だった。心配していた体重の減少傾向に歯止めがかかったことを先生に報告し、栄養剤に対する先生の見解を聞くのがこの日の目的だった。先生からは特にこれと言ったアドバイスはなかったが、このまま様子を見ることを勧められた。
 この日、一考が驚いたのは、診察室での雅子の対応だった。出掛ける前は、一考からの問いかけにも相変わらずの返答で、その反応は曖昧だったのだが、順番が回って来て診察室に入ると、雅子の姿勢はぐっと改善されて、首を持ち挙げて頑張っていたのである。しかも、先生からの問いかけにも、きちんと分かるように反応したのである。一考には驚きだった。たまたま、この日は待ち時間も短くて、予約時間よりも少し早めに診察を受けるというタイミングだったことで、疲れも少なかったのかも知れなかったが、それでも、朝方の様子から一転しての前向きの姿勢で、とても喜ばしい変化だった。
 もともと、雅子は自らが春日先生を探し出して、この病院に移った経緯があって、精神的な面からも先生への憧れが強く、それが精神的な高揚につながり、元気を後押ししていてくれるのかもしれない。先生に、雅子のその変化の顕著さを補足すると、「この病気だけは、本当に、どうしようもなくてね」と言葉に詰まっておられたのが面白かった。いずれにしても、本人の気の持ち方も大事であることには変わりない。施設でも、そんな気分にさせることが大事だと一考は思うのだった。(以下、明日に続く)

908 違和感

 最近の動きの中に、なんとなく、しっくりしない、ピンと来ない、噛み合っていないことが多いように思う。若しかしたら、そう感じる筆者の方がおかしいのかも知れない。
 
1.独り言コラム
 昨日、麻生首相が、温室効果ガス削減の中期目標として、05年比15%減を発表した。世界をリードしようとの意図で、総理が決断したようだ。ドイツのボンで開かれていた国連の国際部会に、この報告が説明されたが、会場からは拍手はなかったという。そのレベルが、科学の要請に程遠いという意味で違和感があったようだ。
 郵貯銀行社長人事を巡る麻生総理と鳩山邦夫総務大臣の対立も、盟友と言われていた二人だけに違和感が伴う。こうなると、それまで確執があったとされていた鳩山兄弟の方が噛みあってきているようにも見えて来るから面白い。さあ、2羽の鳩はどんな具合に動くのだろうか。鳩山総理の誕生は近い。
 夕方のニュースで。関西地区のローカル枠内だが、タレントの麻木久仁子さんがコメンテーターとして顔を出しているのだが、筆者は、そのしっくり来ない違和感に、それまでの彼女へのファン的な気持ちに赤信号が点り始めた。クイズ番組などで頑張っている博学の麻木さんは、なかなかよく頑張っていて魅力があって楽しめたのだが、ニュース番組でべらべら喋っている麻木さんには馴染めない。ニュースという真面目な課題に、何も彼女からのコメントは聞きたいと思わないからある。番組の狙い、主旨と噛み合っていない彼女の起用だ。
 その反面、噛み合っているのは、ジャイアンツの投打のバランスだ。今年の強さは圧倒的で、アンチ巨人ファンとしては、もうお手上げで、勝手にしあがれといった状態である。それまで、あまり名前を聞いたことのない若手の選手が大活躍で、チームは大いに若返ったようだ。その代表格の坂本勇人選手は、今やチーム内でも違和感のない大選手に育っている。
 さてゴルフの話題だが、今週の米国女子ゴルフツアーは、メジャーの一つである全米女子プロ選手権が行なわれるが、宮里藍選手はこれに出場せずに、日本で行なわれるサントリーレディースオープンに出場するという。その事情を知らない筆者には、メジャーに出ない宮里藍に違和感を覚えるのだが、…。
 一方の男子ゴルフでは、今日から始まる日本プロ選手権の昨日の練習ラウンドで、人気の石川遼選手がホールインワンを記録したという。違和感はないが、何か、空回りをしているようなもったいない感じである。 

2.プライベートコーナー
 3時40分起床。体重、58.3Kg。外は雨は上がっているが、地面は濡れている。今日は通院日なので、何とか土砂降りは避けて欲しい。
 昨日の雅子はよく頑張った。便秘が続いて6日目だったことで、必死に頑張って、何とか、これを解消できた。雅子には、いろんな戦いがある。

3.連載、難病との闘い(873) 第三部 戦いはまだまだ続く(167)
  第五章 季節は巡る(38)

 1.再び春が…(38)
(3).淡々と春は過ぎてゆく(その3)
 何とかコミニケーションが曲がりなりにも出来ていた頃までは、雅子から多彩な要請があって、その中味を確認するのに手間取ることが多かったが、最近は、その種の要請もほとんど無くなって来ていた。その理由の一つは、もう二年目に入っていて、新たに買ってくるようなものが無くなってきていることによると思われるが、それよりも大きな理由は、その種のやり取りをすること自体が体力の低下などで大変になっているからだと思われる。
 4月17日だった。一考がいつものように午後に顔を出して、いつものように挨拶すると、雅子が何か言いたげな様子だった。何だろうと思って確認を試みたのだが、その時点では要領を得ないままだった。
 暫くして、部屋に入って来た介護士さんが、「あの、この電球が切れているんです」と言って、雅子がベッドに横になった状態で、正面に見えるように掛けてある電波時計をライトアップしている特殊スタンドのランプを外して差し出してくれた。ソケットの幅が小さい特殊タイプのランプである。
 一考は、介護士さんにお礼を言いながら、壁際のカウンターにある引き出しを開けて、予備として置いてあるはずの在庫を探したのだが、あいにく在庫はなくなっていた。後で、雅子に確認してみると、雅子が先ほど言い出したのは、まさにこの電球のことだったのである。
 一考は、雅子の言わんとすることが分かったことでほっとしながら、買って来て上げるからと言ったものの「明日でいいだろう?」と確認すると、雅子は、きっとなって厳しい顔つきをして反対の意向を現した。
 「今日中に欲しいのかい」一考が確認すると、どうやら、「そうだ」という顔つきを見せた。やはり、雅子には、夜に一人で寝付かれない時の友人、いや、命綱は、この時計のようだった。これが見られないと、「何時なのか?」が全く分からず、どうしようもない不安に苛まれることになるようだった。普通の人間には、雅子のそこまでの不安はなかなか理解し難い。一考は、ずっと傍にいばがら、雅子のそこまでの夜の苦しさに考えが及ばなかったことを反省するのだった。
 直ちに、一考は買いに出かけた。この種の雑貨は、いつもは、自宅の近くにあるスーパーの電気用品コーナーで買うのだが、そこまで戻るのは厄介だったので、この日は、反対方向の堅田駅近くにあるスーパーに向かったのだった。
 施設に戻って来て、新しい電球を点けてやると、ようやく、雅子の顔にも、穏やかな光が点ったようで、一考もほっとするのだった。(以下、明日に続く)

907 梅雨入り

 条件反射と云うべきか、梅雨と聞くだけで鬱っとしい気分になってしまう。例年だと6週間ぐらいの辛抱が必要だそうだ。頑張らなくっちゃ!

1.独り言コラム
 昨日、九州から東海に掛けて梅雨入りが宣言された、例年より1週間ぐらい遅いという。しかし、世界経済は、昨年9月のリーマンショック以来、100年に一度と云う大変な不景気に入っていて、梅雨どころでない湿っぽい不景気が続いている。それが、幸いなことに、ここに来て、その下げ幅が減少し、下げ止まりといった報告も見え隠れし始めた。東証の株価も1万円台を目指すレベルに来ている。しかし、これらの動きも限定的なようで、一気に梅雨晴れとはいかないようだ。
 そんな鬱な梅雨気分を吹っ飛ばす快挙があった。バン・クライバーン国際ピアノコンクールで全盲の辻井伸行さんが優勝の栄誉に輝いた。この世界に知見のない筆者だが、その快挙には頭が下がる。大変なハンディを背負っての堂々の栄冠で、ご本人の才能はもちろんのこと、それを引き出したご両親のご尽力にも、込み上げる熱いものを感ぜずにはいられない。努力が報われた嬉しさは格別である。先ずは「おめでとう」の連呼である。
 ところで、政府は、不景気の対応策として骨太方針を見直す原案を発表した。小泉総理時代に2011年にはプライマリーバランスをプラスにしようと組み立てられた方針が、この世界不景気を、恰も、堂々たる免罪符のように掲げて、悪びれる様子もなく、大きく後退する方針への切り替えの発表である。それによると、5年後にマイナス額の半減化、10年後にプライマリーバランスをプラスにするという十年後退の宣言である。借金額が815兆円という、気が遠くなる天文学的な数字であるが故に、痛さも麻痺した感覚である。困ったものだ。
 こういう時の救いは、何と言っても、スポーツ界での朗報だ。イチロー選手のレギュラーシーズン200安打への着実な歩み、アースマラソンの間寛平さんも、順調にシカゴの南部を通過中で、梅雨知らずの好調さ、頑張りが続いている。加えて、テニスのクルム伊達選手が13年ぶりにウインブルドン大会に出場が決まったという。いずれも、大したもので、我々に勇気を与えてくれている。その一方で、プロ野球界では、ひとり巨人軍の強さが目立ってはいるが、交流戦まで二人のエースで快調に走って来た楽天が、一気に梅雨入りしてしまったようだ。セリーグの横浜ベイスターズとともに、お荷物にならないように、今一度奮起して欲しい。

2.プライベートコーナー
 3時40分起床。体重、58.7Kg。4時20分現在、雲が掛かっていて、早くも梅雨気分。
 昨日の雅子は、便秘5日目であったが、通じに至らなかった。前日に2錠服用とお願いしておいたのだが、1錠しか服用しておらず、連携に不具合があったようだ。今日こそは何としても、解消してやりたい。

3.連載、難病との闘い(872) 第三部 戦いはまだまだ続く(166)
  第五章 季節は巡る(37)

 1.再び春が…(37)
(3).淡々と春は過ぎてゆく(その2)
 将来のことに関しては、雅子の症状の更なる悪化などの心配事も気になるが、それよりも、資金、経費面での不安も小さくはない。そのために、昨年の夏(平成21年8月1日)に国が運営する施設である特別老人養護施設、いわゆる特養に申し込みを行なった。その時の話では、案の定、200人程度の待機者がいると云うことだった。係りの方は、何も申し込み順ではないと言いながらも、何時頃になるかは分からないと説明した。一考の考え方は、今直ぐでなくてもいい。年金額が減少する75歳以降の時点で、何とかこの施設に移れればという希望だった。とにかく、申し込みをしない限りチャンスは巡って来ないということで、最寄の施設に申し込んだのである。心の中では、まあ、当面は当たることもなかろうと達観していた。
 しかし、その一方で、「若しも、当たったらどうするか」については、不安がないこともなかった。それと云うのも、この特養での介護の実態をきちんと理解していないこと、見せてもらった部屋の大きさが、今の施設に比べて少し狭いこと、更には、永久的なサポート保障の有無がはっきりしていないなどの未確認の内容があったからである。
 とにかく、今、お世話になっている有料施設のアクティバ琵琶には、永久の部屋の使用権利を取得済みで、毎月の経費のことを除けば心配ない。一旦、特養に移れば、その権利を放棄することになるだけに、その辺りの確認は不可欠だが、何となく不安がなくはなかった。
 そして、早いもので、その申し込みを行なって半年が経過したが、案の定というべきか、当然ながら何の連絡もなかった。しかし、その扱いがどんな具合になっているかを確認しておこうと電話を入れてみた。平成21年4月15日のことである。その結果、待機順番がワンランク上がって、9位タイであるという説明を受けた。但し、9位の方が雅子を含めて40人おられるので、実質的には48位ということとも解釈できる。先の申し込みの有効期限が、介護保険証の有効期限までで、それが更新されると改めて申請し直す必要があり、その時点で、改めて順位は審査されるという。
 気の遠くなるようなウエイティング状況にあるが、待つしか仕方がない。その一方で、直ぐにでもOKが出たら「どうしようか」と云う不安、戸惑いも内在しているのだ。(以下、明日に続く)

906 落し所

 この言葉は、広辞苑には「決着を付けるに最適の場面」とある。いわゆる、妥協で生み出される産物である。

1.独り言コラム
 日本郵貯の社長人事で政府が揺れている。鳩山邦夫総務大臣は、西川喜文社長の経営責任を重く見て、その続投に強く反対していて、再任を前提にしている麻生総理と真っ向から対立している。既に二人の間で、極秘会談が行なわれたもようだ。記者の「落し所は?」という質問に「私は、落し所という言葉は好きじゃない」と強く反発、それこそ、今後の落し所が注目される。
 北朝鮮に対する国連の非難決議声明の内容について協議が進められているが、日、米、韓の主張に対し、中国が難色を示していて、その調整は難航しているようだ。目下、最終的な「落し所」を求めての話し合いにあるという。ポイントの一つは金融制裁の内容にあるようだ。
 中央大学の高窪統教授が、教え子に殺害された事件で、逮捕された山本竜太容疑者の殺害の動機が徐々に明らかになって来ている。それによると、何と「ゼミの忘年会で、教授から自分だけが話し掛けられず、疎外感を覚えたことにあった」というから、全く信じられない話だ。細まかい詳しい事情は分からないが、たかが、そんなことで殺人を決意するなんて考えられない選択で、これこそ、「落し所」を弁えず、勘違いも甚だしい馬鹿げた事件で、開いた口が塞がらない。こんなことでは、犠牲になった高窪教授も救われない。
 さあ、いよいよ、今の麻生政治、自民・公明連立政治への国民の意思が、間もなく行なわれる総選挙で示されることになる。この4年間、小泉政治以降の国民の評価が明らかになる訳で、漸く、二大政党時代の実質的な幕開けとの見方が大きい。戦術面で、二羽の鳩が微妙に絡んでいて、その展開に別の面白さを付与しているが、「民主党さん、とにかく、一度、やってもらいましょう。お手並拝見」と云うのが、その落し所であろうと見ている。
 
2.プライベートコーナー
 3時40分起床。体重、58.6Kg。4時過ぎで、空が薄明るくなり始めている。どんよりした空模様だ。
 昨日の雅子も前日並みの小康状態。この日は便秘になって4日目で、いつも通り便秘薬を服用したが通じはなかった。帰り際に、何かを訴えたが分からず、今日、改めて確認することにしている。

3.連載、難病との闘い(871) 第三部 戦いはまだまだ続く(165)
  第五章 季節は巡る(36)

 1.再び春が…(36)
(3).淡々と春は過ぎてゆく(その1)
 4月14日、2ヶ月ぶりに実兄のご夫婦、祐一さんと香子さん、それに自立棟にいる伸子さんが見舞いに顔を出してくれた。3月度は確定申告などの準備、手続きで忙しかったので顔を見せなかったのである。数日前に、栄養剤の服用で体調のバランスを崩していて心配していたが、幸い、この日は回復を見せていて、何とかそれまでと同様の対応が出来た。お兄さんは小児科の医者で今でも山科で頑張っておられる。それだけに、症状への理解もあって、体重の減少についても心配して下さるのだが、当面は様子を見るしかないとの見解だった。
 いずれにしても、忙しい中、ほぼ毎月一度の頻度だが、時間を割いて来て下さることには感謝である。自分が逆の立場だったら、これほど妹の見舞いに訪れるだろうかとふと考えるのだった。
 正直言って、この種の難病の見舞いは、来る方も、受ける方も大変で難しい面がある。本人はあまり見苦しい面を見せたくない。それだけに、トイレなどのタイミングは避けて欲しいし、来て頂く方も、その話題の選び方が難しい。ましてや、雅子は一言も喋れないだけに、その間合いの取り方にも気遣うことになる。
 一考の姉妹達も見舞いに行きたいと口にしてくれるが、今の状態では断っているのだ。そもそも、お見舞いである以上、見舞いを受けた本人が、勇気付けられるとか、心を開ける場合の見舞いは有効だなのが、そうでない場合は、本人もそうだし、来てくれた方も余計な気遣いなどで大変で、双方に好ましくない負担が増えるだけである。
 雅子の友人の一人の方が、頻度多く手紙や葉書を書いて送って下さっている。有難いことである。直接のお見舞いと違って、お便りなら、タイミングを見計らって読んで聞かせてあげられるし、雅子も落ち着いて感動に浸れるのだ。
 先日、その方に電話を差し上げてお礼を申し上げた際に、「自己満足で書いているのですから、どうぞ、お気にされないで下さい」とおっしゃってくださった。この言葉に、一考は大いに共鳴するところがあった。
 自分の場合でも、先日、亡くなられた伊勢村前社長の病気が厳しいとを聞いた際に、一度お舞いに行っておきたいと思ったことがある。そう思った背景には、若しかしたら、もう会えないかも知れないので、それまでに一度会っておきたいという気持ちがあった。それは、あくまでも、自己満足の気持ちが優先していて、本人が喜ぶかどうかは、さて置いての判断だった。一考の姉妹や母親が、しきりに見舞いをしたいと言っているのも、取り敢えずは自分たちの気持ちが落ち着くという自己満足のるためであることは確かである。従って、彼女らの気持ちは理解はできるが、雅子本人に余計な負担を掛けてまで行なう必要はないと、今の時点では、一考は思っている。
 そんな訳で、今は、実兄、長姉、次姉の血の繋がった三人以外のお見舞いは、丁重にお断りさせてもらっているのである。(以下、明日に続く)

905 北朝鮮に詳しい専門家たち

 北朝鮮の金正日総書記の寿命が秒読みに入っていると言われていて、それを取り巻く動きは慌しい。

1.独り言コラム
 今朝の新聞では、米国が北朝鮮を、テロ指定国家に再指定することを検討し始めていると伝えている。繰り返えされる核実験などの挑発的な行為、好戦的な言動が、米国をしてそんな動きにさせてしまったのだろう。しかし、再指定には、国際的なテロ活動を支援しているという証拠も必要になるようで、その辺りの調査が開始されているようだ。
 一方で、金正日総書記の後継問題では三男の金正雲が内定したという報道もあって、先週末からのテレビでも、その辺りを多くのワイドショーなどの番組で取り上げていて、いわゆる、北朝鮮に詳しい専門家たちが再三に渡ってテレビに登場していた。
 その中でも面白かったのは、昨日のお昼に、東京を除く全国に放映された「たかじんのそこまで言って委員会」である。この道の専門家の代表格の大阪市立大学の朴一教授、早稲田大学の重村智計教授がゲストが出演して番組は大いに盛り上がったものであった。
 その中で、筆者が思わず苦笑したのが、この番組のレギュラーの重鎮である評論家の三宅久之氏が重村智計教授に対し、同氏が昨年の8月に出版した「金正日の正体」の中で、金正日の死亡説を書いているのを指摘し、「それ以来、あなたの話はあまり信用していない」と手厳しい一言を発したことだった。
 そう言えば、重村教授については、筆者も以前から気にしていたことがあった。それは、同氏の発言には、いつも、人を小ばかにした軽い含み笑いを伴っていることである。どうやら、それは、同氏の照れから来ているようなのだが、何となく不誠実に見えて気になって仕方がなかったのである。そのことに関して、大分前のことだったが、「たけしのテレビタックル」で司会の阿川佐和子さんから、「そんな重要なお話をされるのに、そんなに笑っておられていいんですか」と突っ込まれたことがあり、たまたま見ていた筆者は、その時には、思わず「快哉」を叫んだのを思い出す。
 昨日の放送に関する限りでは、そんな重村教授がいたことで、朴一教授の話に、説得力、しっかりとした重みがあったように思う。
 いずれにしても、今や、北朝鮮に詳しいコメンテーターは大もてだ。このほかにも、関西大学教授、李英和、それに料理人だった藤本健二さん、静岡県立大学の伊豆見元教授らもいて、多士済々である。
 どうやら、北朝鮮にもその内部では、権力闘争もあって、その情報源にも複数の流れがあり、これらの専門家やコメンテーターたちが、その中のどの流れに関したパイプを持っているかで、情報の真偽、精度が異なっているようだ。
 そんな中で、関西大学の李英和教授は、いつも口癖のように、自分は北から狙われているというような前置きで語るのだが、確かに、かなり有力なネットワークは持っていそうである。一方、金正日に13年間仕えた料理人の藤本健二さんは、とにかく、長年傍で見聞きして来たという事実、それに持ち出した証拠品などには何物にも替え難い大きな説得力があるが、それらも時間の経過とともに、その神通力にも陰りが見え始めていることは確かである。もう一人の静岡県立大学の伊豆見教授は、NHKが多く起用している点からも、重村教授とは違った重みがあるが、迫力において今一つである。
 この他にも、この番組のセミレギュラーであるコラムニストの勝谷誠彦氏も、北朝鮮に関しては、それなりのパイプを持っておられるようで、話の中身はかなり大胆過ぎるきらいはあるが、その推理力、発想力にはなかなかのものがあって面白い。
 いずれにしても、暫くは、これらの教授、コメンターターらの人たちの活躍の場は続くだろう。それぞれが持っておられるネットワーク、パイプの情報力のコンテストのような面白さを楽しむのもいいのかもしれない。
 
2.プライベートコーナー
 5時起床。うとうとしていて少し寝過ごした。体重、58.5Kg。空はどんより。
 昨日の雅子は小康状態。実姉の霧子さんの久し振りの見舞いを受けて、ほっとしているようだった。

3.連載、難病との闘い(870 第三部 戦いはまだまだ続く(164)
  第五章 季節は巡る(35)

 1.再び春が…(35)
  (2)不安に怯える(その19)
 一考の今までの人生を振り返ってみると、悔しいと思ったことは幾度もあって、そんな数多い無念さに堪えて頑張って来た人生だったと思う。結局は、自分にそれ相応の実力がなかったためなのだが、それをさておいて、自分の希望が叶わなかった無念さだけを強く感じてきた人生だった。しかし、幸いだったのは、その無念さが反発のエネルギー源となって、ともかくも諦めずに自分なりに戦って来られたといえる。売れはしなかったが、推理小説を書いたのも、その種のエネルギーが後押ししてくれた反映だった。
 そんな苦境に反発する一考の気持ちは、雅子がこんな思いも寄らない難病に掛かってからも、幸いなことに、変わることなく、依然として健在である。その結果、それまでと同じような反発心で、何とかしなければと云う頑張りの強い気持ちを支えてくれて、介護という厳しい生活にも挫けずに頑張って来られた。
 それが、最近になって、微妙に変化して来ているように、一考は感じ始めたのである。それは、今まであまり意識したことのない悲しさ、切なさを覚えることが多くなったからである。気の毒な雅子の様子を目の当たりにすると、何もして上げられない自分に対して無力感を覚え、そこから来る切なさにいたたまれなくなるのである。
 少しでも役に立ってあげたいと思う気持ちが強くなる中で、結局は、彼女が言っていることすら分かってあげられない無力感である。そう思うと、何かしてあげることの幸せを思う一方で、何もしてあげられない悲しさ、切なさを痛感することになり、どうしようもない辛さに至るのである。
 今、一考が、最も心を痛めているのは、雅子が何を言っているのか、分かってあげられないことである。何とか、少しでも分かろうと、例によって質問形式で迫ろうとするのだが、肝心のイエス、ノーの返事が、はっきりとした形で返って来ないのだ。繰り返し、繰り返し確認をするのだが、判断できるような意思表示が得られない。その様子を見ていると、雅子自身は何とか返事しようとしてくれているのだが、適格な形の返事になっていない。恐らく、思うように口が開かず、声が出なくて空回りをしているのだ。そんな雅子を見ていると、とても切なくなるのである。切なくなるほど悲しいものはない。人間、やはり、自分が何かに役立っていると思う時が、とても幸せなのだと思う今日この頃である。(以下、明日に続く)

904 遂に、…

 ずっと頑張ってきたこと、じっと我慢していたことに、一定の成果、結果などが出た場合に使うことが多い言葉だが、好結果の場合と無念、残念の結果の場合とがある。

1.独り言コラム
 遂に、岡田ジャパンのサッカーチームが、来年に南アで行なわれるW杯に4回連続での出場を決めた。昨日深夜から今朝の未明に掛けてのウズベキスタンとの戦いに、1-0で辛勝し、開催国を除く出場の一番乗りを決めたのである。試合開始9分、中村憲剛選手のスルーパスを受けた岡崎慎司選手が、一旦はGKに弾じかれたボールをダイビングの頭で押し込んでの貴重な先制のゴールで、それを全員で必死に守り切っての勝利だった。とにかく、おめでとうである。
 今朝のスポーツでは、他にも「遂に」を感じさる大きなニュースがある。今朝、びっくりして目覚めたのが、あの女子ゴルフの宮里藍選手の驚異的な追い上げ速報だった。ふと目覚めた3時頃のスコアーでは、この日だけで8アンダーを奪って、トータル11アンダーとし単独トップに立っていたのである。しかし、その後、最終ホールで、この日初めてのボギーを叩き、今現在(5AM)では、2位タイにいる。米国ツアーに参加して4年目、遂に、初優勝へのチャンスを掴んだのである。明日の最終日が勝負となるが、果たして、どうか。笑顔を見たくないリストの一人にノミネートしている筆者は、久し振りに複雑な心境である。
 MLBで活躍中のイチロー選手が自己記録を更新中だった連続試合安打記録が、遂に、昨日28試合目では安打が出ずにストップした。試合は延長戦に入り、一回余分に打席が回ったのだが、残念ながら三振に終った。イチローも生身の人間だ。さすがに、無念と口走っていたようだ。
 少し古い事例になるが、先の大相撲夏場所で連勝記録を続けていた横綱白鵬が33連勝でストップして、先輩の朝青龍の35連勝に顔を立てた結果に終ったが、連続記録というのは、いずれはストップするものである。現在更新中の金本知憲選手の連続フルイニング出場記録も、いずれは途切れる日が来るはずだ。
 ところで、アースマラソンに挑戦中の間寛平さんが、昨日の走りで、遂に、大事な足を痛めたようだ。ロサンゼルスを出発し、3375Kmを走り続け、目下イリノイ州を走り続けていて、シカゴを目前にしてのトラブルである。身体が全ての戦いだけに、今後の走りが心配である。
 さて、政治の世界でも、大きな動きが出始めている。相次ぐ北朝鮮の挑発的な対応に、訪欧中のオバマ米大統領は6日、フランス北西部カンでサルコジ大統領と会談し、それらの問題について話し合い、両国が連携を強めることで一致したという。遂に、オバマ、サルコシ両大統領も、堪忍袋の緒が切れたといった感じになってくれたのではと期待する筆者である。思い切った金融制裁に踏み切る検討が進められているようだ。
 他方、日本の政界でも、総選挙を目前に、幾つかの不穏な動きが見え隠れしている。あの鳩山邦夫総務大臣が独走している日本郵政の西川喜文社長再任に絡み、麻生総理の指導力が問われていて、それを切っ掛けに、遂に、麻生降ろしなどの内部抗争が激化する気配を見せている。そんな中で、あの平沼赳夫氏が、選挙後に新党を立ち上げると演説を地元で行なったという。遂に、動き始めたかという感じだが、あのかすれた声、その体調が気になる。
 いずれにしても、不景気に苛まれ、淀んだ雰囲気の今の日本には、良い意味での「遂に、…」を期待している国民は少なくないだろう。 

2.プライベートコーナー
 3時半起床。体重、58.7Kg。天気は悪くはなさそうだ。
 昨日の雅子は、悪いなりにいつもの症状で安定していた、前日に、買って欲しいと言っていた衣装について改めて確認し、帰りにスーパーに寄って、思いつきで購入した。今日の訪問時に持ってゆく。果たしてお気に召すかどうか、不安である。

3.連載、難病との闘い(869) 第三部 戦いはまだまだ続く(163)
  第五章 季節は巡る(34)

 1.再び春が…(34)
  (2)不安に怯える(その18)
 雅子の様子が少しおかいいとの一考の説明に、霧子さんは、一考が思っていたよりも落ち着いていた。
 「まあ、心配だけど、仕方がないわね。暫く、様子を見た方がいいのじゃない。急な栄誉剤で、身体が馴染んでいなくて、少しがたついているのかもしれないよね」霧子さんは淡々とした口調でそう言った後、「いろいろ頑張ってもらっていて、あなたも大変でしょう」と軽い労いの言葉をもらったことで、それまで張りつめていた一考の気持ちも穏やかなものになった。そして、明日の朝は早めに様子の確認に顔を出してみたいと言って電話を切った。
 一考の気持ちは複雑だった。それというのも、体重の顕著な減少を何とかしようとして、担当医師や看護士さんのリコメンドで踏み切った栄養剤の補給という対応だったが、その結果が、雅子の予想外の体力消耗に繋がったことで、自分のやっていることが、マッチポンプ的なトラブルになってしまっていたからである。
 しかし、取り敢えずは、お姉さんにその心配を伝えたことで、一考の気持ちも少しは軽くなっていた。
 翌朝、とにかく、毎朝更新しているブログを早めに終えて、アクティバ琵琶に急いだ。朝早い時間帯だったので、車も殆ど混んでおらずスムーズに走った。施設に着いたのは7時を少し過ぎた頃だった。急いで部屋に入ると、ちょうど介護士さんに起してもらって、朝食に向かうところだった。一見して、顔色は悪くなく、前々日の症状に戻っているように思われて、一考はほっとするのだった。
 介護士さんの話では、前夜は、一息ついた後に、ベッドに横になったまま夕食を少し食べさせてもらったのだという。そんな介護士さんの努力で、体力が回復したのかもしれない。一考は、介護士さんの尽力に感謝するのだった。
 朝食を終え、歯磨きをしてもらって、トイレを済ませた雅子は、大事を取って、ベッドに横にしてもらった。この日は、午前中に入浴、マッサージが予定されていることもあり、とりあえず、一考は一旦自宅に引き上げることにした。昨日の午後からの異変でばたばたして心配したのだが、お陰で、どうやら普段の状態に戻りつつあることで、愁眉を開いた気持ちになっていた。
 この日の午後には、いつものように雅子を訪ねた。一日に2回訪ねるのは、久し振りのことである。一考が顔を出すと、もうすっかりそれまでの雅子に戻っているようで、前夜からの心配は雲散霧消していた。難病の症状が回復した訳ではなかったが、悪いなりにも、いつもの雅子に戻ってくれて、それ以上の大きなトラブルを回避できそうで、一考は一安心するのだった。(以下、明日に続く)

903 先入観

 強烈なインパクトのある情報は、たとえ、それが不確かであっても、信頼性の高い先入観となって、その後の判断、行為を支配してしまうことがある。

1.独り言コラム
 足利事件での誤った判断を出した背景について、今一度、冷静に考えてみたい。
 菅家利和さんを逮捕し、無期懲役の判決を決定付けたのは、他ならぬ「DNAが一致」という唯一の証拠であった。DNA鑑定が犯罪捜査に導入された直後のことだったとは言え、DNAが一致したという事実は、動かぬ絶対的な証拠として、全ての判断にインパクトある証拠として存在していたといえよう。
 昨日からの一連の報道で、この当時のDNA鑑定の精度が劣っていて、833人に一人の程度の確率での精度なんていうことは、捜査、裁判に関わった人たちは、恐らく、誰も知らなかったのであろう。
 この鑑定結果が、絶対的だと信じていただけに、担当した刑事、検事も必死になって、菅家さんを自白に追い込もうとして、懸命に頑張ったに違いない。「早く吐いた方が楽になる」という常套文句で迫るというパターンは、ドラマでも良く出てくるシーンであり、この事件では、DNAが一致していたことで、まさに、答えが分かっている問題だという認識で、刑事達は、強引な手段を交えながら、自白を求めたのであろう。そして、最後には「やっと吐きましたよ」と上司に報告した刑事のしてやったりの顔が浮んでくる。場合によっては、この刑事さんは、「よくやった」と労われ、そのことで表彰を受けていたかも知れない。
 裁判でも同様だったのだろう。判決に携わった裁判官達も、DNA鑑定の絶対性を信じない訳がない。そういう意味では、DNA鑑定が一致という時点で、無期懲役という判決は、用意されていた答えだったと言える。
 若し、当時のDNAの精度が、833人に一人程度だと分かっている人がいたとすれば、必ず、テレビドラマなどで見かける優秀な刑事、裁判官が、皆と違った判断をして頑張って視聴者を唸らせるエンディングを迎えるドラマになっていたと思う。
 要するに、DNA鑑定という神様が下したお告げのようなインパクトが、捜査に当たった人、裁判に携わった人をして、その絶対性を信じ込ませてしまっていたことが全てであったのだと思う。それは、強烈な先入観が誘導した許されない誤りだった。
 同じような先入観、錯覚は、ついこの間の新型インフルエンザの騒ぎでも見られた。この場合はメキシコからの第一報で、多くの死者が出ているというインパクトある情報で、その毒性の強さ、怖さが、全てに優先する形で、その後の対応に繋がった。しかし、そのために執られた日本での対応は、その初期のステップとしては間違っていなかったと思う。先ずは、水際作戦の徹底、そして感染者が出た時点での休校、休園などの対応も決して過剰な対応でも無かった。
 しかし、その後の情報で、このインフルエンザは「弱毒性」だとの情報が出てきたことで様子が一変したのである。要するに、その第一報の死を伴う恐ろしいインフルエンザだとの先入観が、ここでも大きなインパクトとなって、多くの日本国民に大きな衝撃を与えたのは確かだった。しかし、この場合は、上記の足利事件とは違い、最悪の事態を想定した対応を取った訳で、間違った対応でなかったことで救われたのである。
 とにかく、正しい情報の速やかな把握の重要さを改めて思うのである。

2.プライベートコーナー
 4時40分起床。体重、59.0Kg。小雨がぱらついている。
 昨日の雅子は小康状態を保っていた。珍しく。帰りがけに何かを買ってきて欲しいというのだった。その内容を確認すると、幸いにも、何か上に着る物を言っているようで、今日、もう一度確認して、適切な対応をする予定である。

3.連載、難病との闘い(868) 第三部 戦いはまだまだ続く(162)
  第五章 季節は巡る(33)

 1.再び春が…(33)
  (2)不安に怯える(その17)
 その夜、一考は、雅子の変調が気になっていた。それは、この施設に入居して以来、見たことがない雅子の苦しそうな様子に、何とも言えない不安が募っていた。とにかく、ここ半年に渡る体重の減少に歯止めをかけたかった。そのためには、前回の定期診断時に春日先生からもアドバイスのあった栄養剤を、看護士さんとも相談して服用し始めたのだが、その二日目のトラブルだった。
 その栄養剤の補給と云う新たな対応がもたらした思わぬ変調で、一考はどうしたものかと戸惑っていた。喉を通すのが難そうな栄養剤を、何とか少しでも多く、食べさせようとして頑張ったのが良くなかったのだろう。 多少の無理を承知で、思い切って食べさせたのである。
 とにかく、一考にしてみれば、藁をも掴む思いだったことから、良かれと思って栄養剤の補給を提案したし、雅子も良かれと思って頑張ってくれたのだが、そこに無理があったとことに、居たたまれない辛さを覚えるのだった。
 不安のまま帰宅した一考は、そそくさと夕食を終えると、いつものように自室にこもり思いを巡らせていた。その内に、一考の頭の中では、これは大変まずいことになるのではといった取り留めの無い不安に発展して行くのだった。
 とにかく、この難病では、数多くの種類のお薬を服用している。それらが、曲がりなりにも、微妙なバランスが保っていたものが、新たな栄養剤の服用で、そのバランスが崩れて、身体に変調を来たしているのかもしれないと一考は考えるのだった。そうだとすれば、自分が執った栄養剤の服用という対応が、不適切で、そのような悪い結果を導いてしまったことになる。それは、言ってみれば、いわゆるマッチポンプ的な愚行だったということになる。一刻も早く体重の減少を食い止めたいと思う焦りが、そんな愚行に繋がり、症状の悪化を促すという最悪の選択をしたことになる。一考は、雅子に対して、申し訳ないとの忸怩たる反省の思いと同時に、掴みどころのない不安を覚えるのだった。
 心配になった一考は、この事実をとりあえず実姉の霧子さんには伝えておく必要があろうと思い始めていた。血の繋がった親族で一番雅子のことを心配しているお姉さんだ。どうこうと云う類のことではないかもしれなが、まさかのことになってからでは遅い。そう考えた一考は、普段は滅多にしない霧子さんに電話を入れることにしたのである。時間は9時近くになっていたが、今日中に伝えておくことに意味があると思い、受話器を取ったのである。(以下、明日に続く)

902 謝っても済まない誤りだ

 人間だから、うっかりして誤りを犯すことはあるのだが、人の人生を台無しにしてしまうような誤りは、断じてあってはならない。

1 独り言コラム
 4歳の女児が殺害された足利事件で、無期懲役が確定し服役中だった菅家利和さんが、逮捕から17年半ぶりに、昨日釈放された。逮捕、判決の決め手になっていたDNA鑑定に誤りがあったという。今でこそ、DNA鑑定は絶対的な信頼がある技術として確立されているが、当時は導入された直後で、その精度はまだまだ低いものだったようだ。しかし、それを絶対的な証拠として取り扱ったことが、大きな誤りの原点となった。
 捜査に当たった警察、検察、それを裁いた裁判所の立場に立てば、DNAが一致したということで、そういう結論を出すことに違和感がなかったというのも頷ける。DNAが絶対的なものでないという考えがあれば、当然違った結論も出ていたかもしれない。
 それにしても、もっと早い時期に、もう一度DNA鑑定をやり直しがあっても良かったのではないか。菅家さんにしてみれば、自分の人生を台無しにしただけでなく、両親、家族に与えた衝撃はいかばかりであったか。特に、そのご両親は既に亡くなっておられる。この無実の報告をお二人に伝える手段はもはやない。「人生を返して」と叫ぶ菅家さんの無念さは、痛いほど胸に響く。
 とにかく、謝って済むことではないが、警察、検察、裁判所の関係者たちは、直ちに心から謝るべきだろう。こうなった以上、事件に関するこれ以上の隠蔽や嘘の上塗りは許されない。ちょうど、裁判員制度が始まった直後であり、国民に与えたインパクトの大きさは計り知れない。
 ところで、隠蔽や嘘の上塗りの信じられない対応を貫くお隣の中国の統制された体制には、驚きを超越した仰天の世界がある。特に報道管制の凄さは、北朝鮮並み、いや、それ以上かも知れず、とても近代国家とは言えない。
 ちょうど、昨日が20年目になる天安門事件だが、その関連の報道が全くないというから、これは驚きを越えたとんでもない国家である。昨日のNHKのニュースでは、中国にあるNHKが、その関連報道を流した途端に、電波が遮断され、画面は真っ黒にされたという。本来ならば、この事件の総括の上に立って、国民に対しその誤りを知らしめ、関係者に謝らねばならないはずである。それなのに、一切をほうかんむりして知らんぷりを決め込む姿勢で貫いている。今や、インターネットの時代だ。全ての隠蔽が果たして可能なのだろうか。その上に、中国国内では、チベットやウィグル民族の自治に関する厄介な内政問題を抱えていて、不当な弾圧が行なわれているという。
 そう考えると、もはや、この国には世界を語る資格はない。然るに、今や、中国はGNPでも日本を追い抜く勢いにあるというから厄介だ。また国連では拒否権を持っている常任理事国でもある。 
 こんな国に、ご機嫌を伺いながら付き合って行かねばならない日本は、余りにも理不尽過ぎる。どうすればいいのだろうか。近所にいる悪い筋の友人との付き合いだけに厄介なのだ。こうなると、またアメリカとの友人関係を強化するしかないのだろうか。
 筆者は、やがて、歴史を書き換えるような破綻が来るはずだと思いたいのだが、どうだろう。筆者の目で確かめる時間内では無理なのだろうと思ってしまう。

2.プライベートコーナー
 4時40分起床。体重、58.5Kg。今朝もどんよりした空模様。
 昨日の雅子は、いろいろとよく頑張った。便秘薬は服用していなかったが通じもあり、久し振りに、長兄夫妻、次姉のお見舞いを受けて、その応接に懸命に頑張っていた。新型インフルエンザの影響で、暫くはお見舞いがなかったので、雅子には格好の気分転換だったと思う。

3.連載、難病との闘い(867) 第三部 戦いはまだまだ続く(161)
  第五章 季節は巡る(32)

 1.再び春が…(32)
  (2)不安に怯える(その16)
 介護士さんの話では、いつものように、食事をして貰おうと雅子を椅子に座らせたが、疲れなのか身体がしゃんとせず、だらりとしてしまうので、このまま食事をさせることが無理だと判断し、暫く休ませて、様子を見てからにすることにしたというのだった。
 一考の頭の中では、やはり、栄養剤の補給の際の頑張りとトイレでの頑張りが続いたことで、相当な疲れが出てしまったのだろうと考えていた。ともかく、大事を取って、介護士さんの言うように、ベッドに横にしてもらったのは、妥当な対応だと思っていた。
 しかし、雅子の様子は、いつになく、ぐったりしていて苦しそうに見えた。一考は、良かれと思って自ら行なった栄養剤の補給が、少し強引過ぎたことを反省していた。少しでも、体重の減少を抑えたいと思う気持ちが先行し、まずい結果に繋がったのだろうと、一考は少し凹んだ気分になっていた。
 ベッドでのいつにない苦しそうな雅子の様子に、一考は、どこが苦しいのかと訊ねたのだが、雅子からは適格な応答、表示が得られず、具体的な状況は全く分からず、掴みどころの無い不安を覚えるのだった。
 さあ、どうすべきなんだろうと悩みながらも、これというべき打つ手は思い浮かばなかった。場合によっては、救急車を呼ばねばといったような不安が、一考の頭の中を掠めていた。それでも、介護士さんの言うように、とにかく、暫く様子を見ることにしたのである。
 一考は直ぐに看護士さんと相談し、栄養剤の取り扱いについて、改めて相談した。一考の懸念は、思っていた以上にその補給量が多くて、今の雅子の口の開け具合からすれば、負担が大き過ぎるように思えたので、何か別の方法がないかと聞いてみた。注射や点滴などで間に合わせるようなものはないか。仮に服用するにしても、サプリメントのような小さな錠剤のようなもので済ませる方法がないかと、こまごまと確認してみたが、看護士さんのお話では、その種のものは、いわゆる栄養剤の範疇に属するものはないという。そこで、致し方なく、その服用量を少なくすることで、暫く様子をみることにしようということになった。
 その結論を介護士さんに伝えて、この日は、時間も遅くなったので、不安で後ろ髪を引かれるような思いだったが、そのまま施設を後にしたのである。(以下、明日に続く)

901 千日手模様

 千日手は、将棋で、同じ局面が4回繰り返した時に、無勝負とし、先手、後手を入れ替えて、指し直しとする規定。双方が他の手を指すと不利になる場合に現れる。

1.独り言コラム
 第一日目から、異例の急戦で始まった将棋名人戦第5局は、二日目になって羽生名人の驚異的な頑張りで、じりじりと追い上げを見せ、昨日の夕方では、あわや逆転かという雰囲気が出始め、更には、千日手模様の展開となった。しかし、それまで終始リードしていた郷田九段は、この千日手を許さず、思い切った差し手で打開したのが幸いし、その後は、改めて優位を取り戻した。最後は、勝ちが見えなくなった羽生名人が投了し、挑戦者の郷田九段が3勝2敗とし、初の名人位奪取に王手した。
 この戦いをフォローしながら、少し有利な戦いを勝ちにまで結びつける難しさを改めて実感した。思い切って踏み込むべきか、或いは、穏やかにじっくりと有利を拡大して行くべきか、難しい選択が続いた郷田九段の指し回しだった。
 さて、名人位を掛けた注目の第6局は、再来週に、近くの京都東本願寺で行なわれる。郷田九段が勝てば、1935年にそれまで世襲制であった名人が、実力制度に変わって、初めての木村芳雄名人(第13世永世名人)誕生から数えて13人目の名人誕生となる。果たして、京都の変は起きるのだろうか。神のみぞ知るの世界である。(因みに、2人目以降は、塚田正夫、大山康晴、升田幸三、中原誠、谷川浩司、加藤一二三、米長邦夫、羽生美治、佐藤康光、丸山忠久、森内俊之)
 さて、千日手という言葉から、例によっての筆者の連想が始まるのだが、先ず、最初に頭に浮んで来るのが、北朝鮮が繰り返えす瀬戸際外交である。その手法は、例の六カ国協議でも見られるように、一旦は合意したふりをして、得られるものだけは得ておいて、タイミングを見計らって、いちゃもんを付けて約束を破る。そして、次のステップでは、ミサイル、核などでぎりぎりの脅しを掛けて、相手の出方を見るという一連の応接の繰り返しである。中国の存在を盾に、米国からの妥協を求めようとする一連の局面展開だが、今度のオバマ大統領は、今までとは一味違うようだ。さあ、この千日手模様の戦いは、今度はどんな展開になるのだろうか。金正日の後継内定も絡んでいて、世界が注目している。
 今の日本の国会での自民と民主の対決にも、同様な千日手のイメージがある。いわば、万能薬のような衆議院での2/3の議決権での再可決を使うパターンだ。法的に認められているとは言え、今や、民意を反映しているかどうかには、大いに疑問がある。この辺りで、指し直し、つまり、解散断行が正しい応接だと改めて思う。
 世の中には、この種の同じような事件の再発、繰り返しが実に多い。「またか」と少々食傷気味だ。最近の事例では、有名な一流大学を含む多くの大学で起きた大麻事件、また、数日前に明らかになった京都教育大学で起きた輪姦事件なども、過去の同様な事件の繰り返しであって、またかと言った重苦しい気分を与えてくれる。また、不特定人間を巻き込む凶悪な殺傷事件や昨日も起きた建設現場でのクレーン車の横転事故も同様だ。この種の同じ局面を何回も見せられる千日手模様の事件の繰り返し、何とか、ならないものだろうか。
 そう言えば、筆者の妻の介護パターンも、今や、まさに千日手模様になっているとも言えそうだ。出来ることなら、難病のない健康な状態に戻って、二人の人生の差し直しをさせて欲しいと思ってしまう。

2.プライベートコーナー
 4時少し前に起床。体重、58.3Kg。空はどんよりしている。
 昨日の雅子は、前日並みのまずまずの小康状態。しかし、この日行われた体重測定の結果は、最低の記録は免れたものの、前週よりも少し減少だった。
 この日も、いつものようにブログ、新聞小説の朗読をしてやり、牛乳を飲ませて、ヨーグルトを食べさせてあげ、その後、脚のマッサージといった具合に、いつもの段取りを消化した。前日に続いて、将棋名人戦中継を見たいので早めに引き上げたいというと、気持ちよくOKしてくれた。

3.連載、難病との闘い(866) 第三部 戦いはまだまだ続く(160)
  第五章 季節は巡る(31)

 1.再び春が…(31)
  (2)不安に怯える(その15)
 栄養剤の補給を開始したのは4月9日からだった。この日は、最初と云うことで、看護士さんの指示通りに介護士さんが飲ませてくれた。確認していないが、多分、夕食後からだったと思う。
 翌日の二日目、4月10日、この日は、昼間に一考が雅子を訪ねていたが、3時半過ぎになって、一考が飲ませてやることにした。ジューズ状のものを例のトロミ剤で粘調な流体状にしてスプーンで食べさせるように口に運んでやるのだ。最初に一考が感じたのは、その量が意外に多いことだった。大きなマグカップの半分ぐらいもあって、こんなに沢山といった感じである。確認すると、これで一日分である一缶の半分の量だという。
 いつもヨーグルトを食べさせると同じ要領で、一考は雅子にそれを供し始めた。この段階では、雅子も、自分のためだと言うことで、頑張って口を開けて一生懸命になって飲み込む努力をしてくれた。味がどうなのかを確認する余裕もなかった。製品の種類としては、コーヒー味、イチゴ味、シャーベット味などがあったが、いずれもそんなに美味しいものではないはずだ。
 雅子に食べさせながら途中で少し気になったのだが、どちらかといえば、無理やりに口に押し込んでいたことだった。少しでも体重の回復を期待しての強引な作業になっていたのだろう。スプーンで押し込む際に、いつものヨーグルトやプリンの場合よりも、口から戻される量が少し多いように思ったのだが、とにかく、強引に押し込む作業を続けたように思う。結局、そのコップの半分ぐらいの量を食べさせたところで、一旦、その作業を止めた。それ以上は、雅子の疲労も激しく無理だと思ったからである。残ったものについては、介護士さんにまた夕食後にでも飲ませてあげてということにしたのである。
 暫くして、雅子がトイレに行きたいとの意思表示をした。前にも紹介したが、3日間便秘が続くと、4日目には便秘薬を飲むことにしていて、ちょうど、この日が便秘薬を服用していた日であった、時間的には、その効果がちょうど現れるタイミングだった。
 幸い、雅子は、いつものように頑張って、いつものように通じがあった。一考もほっとしたのだが、この時の雅子の様子が、いつもよりも相当に消耗していることに気づいたのである。   
 しかし、幸か不幸か、ちょうど、夕食の時間になっていたことから、介護士さんが、そのまま夕食のためにリビングに連れて行ってくれたのである。しかし、である。雅子は程なく部屋の戻されて来た。疲れが酷く、暫く休んだ方がいいという介護士さんの判断からだった。(以下、明日に続く)

900 異例の展開、マジック? そして、どうやら、見えて来た

 異例の展開というと、大いに興味をそそられ、マジックにでも遭ったような興奮を覚えることがある。しかし、その内に、どうやら結論らしきもの見え始めると、「なあんだ」「やっぱり」ということで落ち着く。我々の日常はそんな「どうやらパターン」の繰り返しである。

1.独り言コラム
 昨日から、2勝2敗のタイで迎えた将棋名人戦七番勝負の第5局が秋田で始まった。これに勝った方が名人位に王手するとあって、双方ともに落とせない重要な対局である。出だしは横歩取り模様で、定跡通りの展開だったが、筆者が午後4時前に妻の介護から戻ってみると、局面は大きく動き、飛車、角の大駒の交換もあって風雲急を告げていた。
 通常、二日制の将棋では、第一日は駒組みが主で穏やかな展開になるのだが、この日は異例の急戦展開で、見方によってはもう終盤である。どうやら、郷田が指した封じ手前の2筋に垂らした歩に、羽生名人が痺れたようで長考に入った。結局、名人が封じたのは、封じ手予定時間を1時間近く過ぎた7時26分という異例の遅い時間となった。この封じ手に、羽生名人は何と、2時間42分も使ったのである。
 さあ、今朝の9時から指し継がれるが、果たして封じ手はどんな手か。どんな波乱の展開となるか。羽生マジックは出るのか。郷田ファンの筆者には、どうやら、楽しみな一日になりそうだ。
 北朝鮮の金正日総書記の後継は、どうやら、三男の金正雲に決まったようだ。ディズニーランドへ行こうとして捕まったことで話題になったあの金正男は、どうやら落選したようだ。金正日の余命があと何日と言われいてに時間が切迫していることもあって、最近の北朝鮮の動きには異例な緊迫した様子が見え隠れしていて、核実験、ミサイル発射など瀬戸際の対応に奔走している。この辺りのぎりぎりの対応は、言ってみれば、金王朝のマジックショーかもしれない。しかし、幾ら、手詰まりになったからと言って、危険な核のおもちゃを弄ばれては、射程圏内に存在するわが国にとっては堪ったものではない。
 さて、行方不明になっていたエールフランスのエアバスの残骸らしきものが、どうやら、ブラジル北東沿岸から1100Km沖で見つかったようだ。これで一縷の望みも消えたようで、マジックも奇跡は起きていなかったことになる。雷に襲われた異例の気の毒な事故のようだ。
 山口県の秋芳洞近くのホテルで、ガス中毒事故が起きて、修学旅行に来ていた教員らが次々と倒れ、児童が避難する騒ぎとなった。この事故で、気の毒にもカメラマン一人が犠牲になった。どうやら、一酸化炭素が原因のようだと言われているが、あたかも、何かマジックでも食らったような謎の多い異例の事件である。
 阪神は昨日も楽天に負けた。試合前に阪神の主要な選手が、楽天の野村監督に挨拶に顔を出していたが、その度に野村監督のジョーク交じりの口撃にあって実力を出し切れずに、どうやら、野村マジックに翻弄されての阪神の敗戦だったとも言える。
 
2.プライベートコーナー
 4時20分起床。体重、58.4Kg。お天気はどんより。
 昨日の雅子は、小康状態(?)である。一考の呼びかけ、問い掛けには、僅かに反応してくれるが、イエス、ノーは曖昧だ。思い切って冗談を言ってやると、「ぷっ」と噴出してくれるのでほっとする。将棋の名人戦が見たいので、早く帰るというと、すんなりOKしてくれた。この辺り、よく分かってくれていて助かる。

3.連載、難病との闘い(865) 第三部 戦いはまだまだ続く(159)
  第五章 季節は巡る(30)

 1.再び春が…(30)
  (2)不安に怯える(その14)
 4月8日水曜日。この日は一考はそれなりに注目していた日である。というのは、3月度の定期の体重測定で、2月度で一旦は止まったかに見えた体重が、更に減少し、半年間でおよそ7Kgに及ぶ大幅な減少になったことで、その対策の一つとして、食事を取り易くするために、今までの超みじん切りからミキサーでのカットに切り替えたのに加えて、そのフォローをしっかりしようと一週間毎に体重測定をして貰うことにしたのだが、この日が、その対応をしてからの最初の体重測定日だったからである。
「どうでした、体重は?」その日の午後、施設に到着した一考が、急いで雅子の部屋のある4階に向かい、入口で顔を合わせた介護士さんに、声を掛けた。
 「少しですが、下がっていました。0.65Kgの減少です」
 「0.65Kgといえば、少なくはないですね。一ヶ月換算だと、2.6Kgに相当しましから」一考はそう言いながら、食事のミキサー細断の効果が出ていないことにがっかりすると同時に、これは大変だという気持ちで雅子の部屋に入った。
 雅子は、このところの多く見せるパターンだが、ベッドに横になっていた。顔色はそれほど悪くはない。しかし、声を掛けると、何とか口を動かそうとするのだが、声は全く出ない。
 一考が、いつものように、「起して欲しいかい?」と聞くが、反応はない。仕方なく、これもいつものように「起して欲しいなら、顎を少し動かしてごらん」と言っても、適格な反応がない。「そのままでいいの?」と聞くと、顔を歪めて、どうやら反対の意向のようだった。そこで、ゆっくりと起してやって、椅子に座らせて、少しジュースを飲ませてやる。直接コップから少し口に注いでやった後に、ストローで飲ませてやろうとするのだが、少しは吸い上げるが、その後は殆ど吸い上げない。この辺りは、最近よく見かけるパターンで、吸い上げるという動作をあたかも忘れたように見えて、なかなか吸おうとしない。粘り強くサポートしていると、急に、吸い始めることもあるが、いつもそうとは限らない。
 暫くしたら、看護士さんが来て、体重が減少したことに対する対策として、保留にしていた栄養剤の補給の話を持ってきた、一考は、とにかく、テスト的に始めてみることをお願いした。なんとか、減少傾向にストップを掛けたいとの思いでいっぱいだった。幸い、次の週が定期の診断日なので、春日先生にも、そのことを相談してみたいと思っている。不安が続く毎日である。(以下、明日に続く)

899 駆け込み寺

 米国連邦破産法11条は、便宜的にチャプターイレブンとも言われている。厳密な意味で日本でいう倒産とはニュアンスが少し違う場合があると思う。

1.独り言コラム
 今から24年前の1995年に、筆者が勤務していた合弁会社の米国の親会社、ダウコーニングが、チャプター11に破産手続きを行なって倒産した。これは、売り上げ高が、全体の1%未満だったシリコーン豊胸材で、その被害を受けたとする患者からの訴訟が相次ぎ、その収拾がつかなくなったため、この訴訟問題を隔離して、残りの99%のシリコーンビジネスを継続するために取られた対応だった。
 この倒産のニュースは、当時、日本の新聞でも、それほど大きくはなかったが報じられたため、子会社であった当社も、取引先などの関係会社には、その背景などの事情説明を行なうなどかなりの苦労したことを思い出す。
 しかし、米国親会社も含めて、豊胸材以外の商品に関する日常業務には、ほとんど何らの支障なく、それまでと同じビジネス活動が継続できて、しっかりと利益も生み出し続けた。結果的には、その訴訟問題も、その後も10年ほど時間を要したが、全て解決をみて、今もしっかりとした経営が続いている。
 つまり、その当時の破産法申請は、訴訟問題を隔離するための駆け込み寺だったと、筆者は解釈している。
 さて、今回のGMの破産法申請だが、この場合も、いわゆる、単純な倒産ではなく、とりあえずは、株主、従業員、取引先を守り、再建を図る場を確保するために駆け込み寺に飛び込んだのだと、筆者は見ている。こうすることで、政府の強力なサポートを得て、再出発する環境が確保された訳で、オバマ大統領も説明したように、これは新しいGMのスタートであり、そう遠くない時点で、再び自力で羽ばたくチャンスが与えられることになるだろう。今朝の米国の株価が221ドルの大幅な値上がりになったのも、市場がそう言った期待をしている証に違いない。
 話は飛ぶが、和歌山県田辺市新庄町の内ノ浦湾に迷い込んだオスのマッコウ鯨の動きが注目されている。ここ一週間、町内の方々が何とか救おうと頑張っていたが、残念ながら、ほとんど動かず手詰まり状態だったが、昨日になって急に動き出し、一旦湾外に向けて泳ぎ出しているという。若しかしたら、このマッコウ鯨にとっては、この内ノ浦湾が、一つの駆け込み寺であると思い込んだのかもしれない。
 ところで、今、大変心配なのは、乗員、乗客228人を乗せて連絡が途絶えているエアフランスのエアバスの行方だ。未だに手掛かりも掴めず、時間的に見て絶望と見られている。どこかの駆け込み寺にでも不時着していて欲しいと、関係者の家族の方々は願っているに違いない。
 さて、いよいよ任期切れも迫って来ていて、解散のタイミングで苦慮していると思われる麻生総理だが、昨日55日間の会期延長を決めた。この延長国会は、麻生総理にとっては、ある意味では駆け込み寺的な意味がありそうだ。
 そんな風に考えていると、筆者がこのブログを毎日書き続けているのも、妻の介護の負担からの一時的な回避の駆け込み寺になっているのかもしれない。

2.プライベートコーナー
 3時50分起床。体重、58.8Kg。またぞろ増加の気配。天候は今日もよさそう。
 昨日の雅子はまずまずだった。便秘薬の効果もあって、6日ぶりに通じもあった。一考からの問い掛けにも、僅かに応答は認められた。それでも、帰り掛けには、何かを訴えていたが、分かってあげられずに帰宅した。

3.連載、難病との闘い(864) 第三部 戦いはまだまだ続く(158)
  第五章 季節は巡る(29)

 1.再び春が…(29)
  (2)不安に怯える(その13)
 前にも書いたことがあるが、今の自分のエネルギーの源泉は、雅子の面倒を見てあげるのは自分しかいないという使命感から来ている。最近の心境としては、その思いが今までよりも強くなっている。
 雅子にば、信頼すべきお姉さんもいるが、彼女とて、雅子よりも一回り年長であり、旦那さんの面倒も見なくてはならず、ここに訪ねて来るのも大儀になりつつある。それが証拠に、最近の見舞いの様子を見ると、月に一度の頻度も、なかなか大変そうであることから分かる。それだけに、一層、一考の使命感が増して来ているのだ。
 そんな意識が強くなり始めた4月6日、テレビを見ていて共鳴したことがあった。芸能界の話だが、イケメン俳優の水島ヒロという方が、人気歌手の綾香さんとの結婚を発表した。筆者が殆ど何も知らない二人だったのだが、テレビでの記者会見で、イケメン俳優が話した内容に、どきっとしたのである。
 まだまだ若造と思われたその俳優が「一人の男として守るべきものがあるというのは、ここからも力をくれるんだということを思わせてくれた。彼女を一生守っていきたいと思っています」と答えていた。その発言が、一考をどきりとさせたのである。守ってあげるという使命感からエネルギーをもらうという感覚は、まさに、一考が雅子に対する気持ちそのものであったからである。
 聞くところでは、水島ヒロは、桐蔭高校時代にはサッカー選手で相当な活躍をしたようだが、慶応大学に入って、途中でスカウトされて俳優になったという。そのインパクトある発言は、綾香がバセドージ病であるとの衝撃の告白を聞いて、彼の意思を素直に表現した言葉だったのである。
 そういう意味では、筆者も如何にも単純なので、そんな彼の言葉に共鳴したのである。しかし、一考は思うのである。治る病気であれば、そんな悲痛な思いも一時的なものであって、やがてはその悲痛さから解放されよう。そうだとしても、そのような病気を抱えている綾香さんを、自分の相手として選んだ同氏の純粋さは、とても素晴らしいものだと思う。それに比べて回復の見込みはなく、悪化の一途を辿る雅子の病気を思うと、一考は、自らを厳しくけしかけても、しっかりと雅子を守ってやらなければとの思いを一層強くしたのである。(以下、明日に続く)

898 努力の積み重ね

 今の世は、政治家、アスリート、芸能人達も、頑張れば報われるというような甘い世界ではない。

1.独り言コラム
 今週の男子ゴルフツアーの三菱ダイアモンドカップで、プロ17年目の兼本貴司選手(38歳)がプレイオフの末、涙の初優勝を飾った。長年の努力が報われての栄冠に、他人事ながら嬉しく思う。努力を積み重ねても、なかなか形にすることが容易でない世の中だけに、同氏の込み上げる涙に感動を覚えた。「諦めるのが早い性格ですが、粘って、食らいついた」と本人はインタビューに答えていたが、勝つと負けるでは大違いで、努力して来た人だけに、勝てて良かったと思う。
 間寛平さんのアースマラソンだが、昨日、遂に、ミシシッピー川を渡って、イリノイ州に入った。カリフォルニア州のロングビーチに上陸後、文字通りの努力の積み重ねで、既に3200Km以上を走り、ネバダ、アリゾナ、ニューメキシコ、コロラド、カンサス、ミズリー、アイオアを経ての9つ目の州である。この州には、当初の目標の一つである州都シカゴがある。毎日、平均50Km 以上を走り続ける体力は大したものだと思う。
 イチロー選手のヒットの数も、今朝(試合中で、6時20分の記録)も、既に、ホームランを含む3本のヒットを打っていて、通算67本になった。一本、一本の積み重ねで忍耐、持続力を必要とする大変な毎日だが、目下24試合連続ヒットと自己記録更新まであと1試合と好調を維持している。それでも、残り111試合で133本というのは容易でない。頑張れ、イチローである。
 政治家も大変だと思う。選挙も近くなれば尚更だ。駅前に毎日立って呼びかけている候補者を見かけることもあるが、その努力も並みの努力ではないだろう。これも選挙に勝たねば何にもならない訳で、努力すれば報われるという訳ではないから辛い。
 特に、前回の選挙で落選して注目区である東京1区の与謝野馨財務大臣と争う海江田万里氏や片山さつき氏に敗れた静岡7区の城内実氏などは、今や必死の追い込みを積み重ねているだろう。
 今朝のニュースで竹馬で奥の細道のルートを辿り、2400Kmを歩き抜いて、昨日ゴールの岐阜に到着したという。千葉の元校長先生の飯塚進さんで延べ137日を頑張ったそうだ。これも自らの思いを果たした立派な努力の積み重ねだ。72歳と云うことだが、大したものである。
 このブログも毎日の積み重ねだが、これで何かを目指しているといった代物ではない。毎日、自分を引き締める意味で頑張っているのであって、その引き締めた気合で、妻への介護に点火させているのである。
 いずれにしても、努力の積み重ねは大事だが、必ずしも、それが報われて花が咲くというものでもない。

2.プライベートコーナー
 3時半起床。体重、58.6Kg。お天気は良さそう。なお、5月度の平均体重は、今朝と同じ58.6Kgで前月度より0.4Kg減って、快適レベル(57Kg台)に少し戻している。
 昨日の雅子だが、こちらからの問い掛けに対する返事、対応がほとんど見られなくなった。時々、意識して面白いことを言うと「プッ」と噴出して笑ってくれるのが救いなのだが、不安は深まっている。
 5月度の一考の介護の総括だが、施設への訪問回数は37回(38回)、一緒に傍にいた時間は96.2時間(99.7時間)であった。( )内は4月度実績。

3.連載、難病との闘い(863) 第三部 戦いはまだまだ続く(157)
  第五章 季節は巡る(28)

 1.再び春が…(28)
  (2)不安に怯える(その12)
 4月になって、施設の4Fにある雅子の入居している日吉ユニットの隣のユニットがオープンした。竣工後ずっとクローズされていたのだが、入居希望者が増えてきたことで、この辺りがタイミングという判断なのだろう。かくして、この翔裕館の最後の15室のオープンに踏み切ったのである。当面は、日吉ユニットの介護士さんが兼務するようだ。営業面では拡大で結構なことだろうと思うが、それに伴う介護士さんの増員がないと、今までの入居者が割りを食うことになる。
 そういう事情からか、4月になって介護士さんの大幅な異動があった。雅子を介護頂く介護士さんからも、それまで、軸になって頂いていた二人が転出され、新たに三人の方が配属されて来た。その中には、このお仕事が初めての方もおられる。若返りは結構なことだと思うが、この仕事は、入居者の固有の症状に応じた対応が要求されるだけに、その辺りの引継ぎは綿密に行なって頂きたい。また、移動が頻繁だったり、一度の移動で多くの方が一度に変わると、新しい方の名前を覚えるが大変だ。今回は一度の3人の新しい方が来られたので、一考のような老人には、顔と名前を覚えるのが容易でなく、時々、間違った名前を口走ることがある。
 ところで、介護の仕事は、抱き上げたりする力仕事を必要することもあって、どのユニットにも男性の方が何人か配属されている。このユニットでも、常時一人はあられて、雅子も今までに、3人の男性の介護士さんにお世話になった。特に、トイレの介護が大変で、お世話になることが多いのだが、やはり雅子とて女性であるだけに、気にならない訳はなく、止むを得ないことだと割り切りながら、お世話になっている。この4月の移動では、新しく一人の男性の介護士さんが加わって頂き、二人の男性の介護士さんにお世話になっている。今回来られた方が、雅子には、4人目の男の介護士さんである。
 さて、介護士さんの移動で、一考が前から気にしているのが、お世話になったにも関わらず、お礼の言葉も伝えないまま、代わってしまわれる方がほとんどで、心残りなことである。
 一方で、ユニット内の入居者の移動もある。気が付くと新しい入居者が代わって入っておられることもあるし、中には、お亡くなりになっている方もある。そう言えば、この施設の一階の多目的ホールで葬儀が行われているのを時々目にする。先日も、一考がその葬儀が行なわれていた傍を通ったのだが、後でその時の方が、雅子と同じユニットの方(92歳)だと知って、驚いたことがあった。
 一見、何事もないように静かに進んでいる施設での毎日の生活だが、そんな悲劇も同時に進行していることに、一考は何とも言えないこの世の無常を思うのだった。(以下、明日に続く)

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