プロフィール

相坂一考

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版
14年7月に、難病との戦いを扱った「月の砂漠」を文芸社から出版

このブログは3部構成です。
 1.タイトルへの一言。
 2.独り言コラムで、キーワードから世の動きを捉えようと試みる。
 3.プライベートコーナー
   (2015-06-03に修正) 

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1535 気になる行方

 一体どうなるのかと、やきもきさせている事件、事故、活動が同時進行の形で展開されていて、世界がそれらの行方、結果に注目している。

1.独り言コラム
 ニュージランドの地震での行方不明者捜索、リビアでの反政府デモ、そして菅政権の行方が気がかりである。それらの動きは、はっきりせず、もどかしく、はらはらさせてはいるが、時間だけがどんどんと過ぎて行き、状況が一段と厳しくなって来ている。
 また、日本では、その他にも、鹿児島の新燃岳の噴火も止まる様子もなく、火山灰による地元への影響は甚大だし住民を悩ませている。社会問題の大相撲の八百長事件も底が知れず、すっきりせず、その行方が気掛かりである。
 いずれも持久戦の様相を見せているが、その多くが、人間の命、生活が掛かっているだけに、他人事では済まされない。しかも、石油、株価、為替などの経済の動きに連動していて、世界が一喜一憂の毎日である。
 なお、八百長問題では、昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」で、かつて八百長を告白した元小結、板井さんが再び登場し、その実態を改めて詳述していた。同氏は、最近の相撲はかなり良くなってきていて、しっかりした対応をすれば無くせるのではと発言していた。一案として、同氏を対策の委員に呼び込んで指揮を執らせるのが良いのではという意見も出ていた。冗談でなく、検討に値する案だと思う。
 さて、このところの日常がこういった暗い状況が続いているだけに、気分を変えてくれる意味でも、ちょっとしたヒーローやヒロインの登場に期待したのだったが、そういう意味では今一つの週末だった。それでも、敢えて次の方々の言動、活躍には多少の救いがあった。
 一人は石原慎太郎東京都知事である。朝のフジテレビの「新報道2001」の討論番組に生出演していたが、例によって過激な発言も出ていたが、今の閉塞的な日本を動かすには、必要な人材だと感じさせた。彼のような思いきった行動力を持った政治家の出現が必要だと思う。
 その中の話題の一つとして、同氏は、あの尖閣ビデオを流出させた神戸海上保安庁の一色正春氏の行動を高く評価していた。一色氏は外国人記者クラブの会見に顔を出したり、雑誌「WILL」でも取り上げられるなど、今や憂国の士として貴重なヒーローの一人である。
 ところで、例の流出ビデオに関して、筆者には気掛かりな事がある。当時言われていた話だが、あのビデオには、船長の逮捕に関する部分も記録されているはずと言うことだったが、そのことは、その後は話題にもなっていない。あそこまで撮影していたのだから、その部分がないと言うのは信じ難い。どうなっているのだろうか。関心を持っているのは筆者一人ではないだろう。
 東京マラソンが行なわれた。生番組を終えたばかりの石原都知事の号砲でレースが開始された。五回目を迎えた今年は申し込みが30万人を越えたという。そして、そのレース結果は意外なもので、日本人選手では埼玉県の職員である川内優輝選手が大健闘で3位になって、8月の世界選手権への切符を手にした。シード外の一般参加の選手からのヒーローの誕生で、ちょっとしたスッキリさを与えてくれたニュースだった。川内さんは、まさに大したものである。
 一方、シンガポールで行なわれた女子ゴルフのLPGAの今年度第2戦では、有村智恵さんがとても惜しかった。三日目までトップに立っていたのだが、最終日の昨日、ベテランのカリー・ウエブ選手に一打差で逆転されて優勝を逃し惜しくも2位に終った。宮城・東北高校の先輩の宮里藍選手が「1打と云うのは運でもあるし、実力でもある」というエールを送ったそうだが、なかなかの至言だ。宮里藍選手嫌いな筆者だが、この言葉には感動を覚えた。有村さんにとっては自信を付けたトーナメントだったと思う。彼女の今年度の更なる活躍を期待したい。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時起床。体重、61.5Kg.(2月度平均は61.3Kgで、前月のは61.0Kgより少し上昇)。今日はお天気は雨のようで、欝っとしい一日になりそうだ。
 昨日の雅子は、前日よりは呼び掛けに少しは反応してくれていた。痰も比較的少なく安定していた。しかし、このところ、テレビへの関心は極めて少なくなっている。画面に視線を送ることは殆どない。心配である。

3.連載、難病との闘い(127) 第三部 施設、病院での介護生活(28)
  第二章 入居生活の始まり (その8)

(2)入居直後の雅子の心境(その2)。
 さて、こうして、何とか生活に欠かせない三つの基本の食事、トイレ、睡眠の環境を整えてもらってほっとしている。結果的には、今までの自宅での生活パターンと大きく変わったことはなかったが、こと、トイレに関しては、症状の進行とも関連して、その頻度が増えることになった。それというのは、深夜に一度小用を足すことが必要になったからである。そのため、夜勤の介護に当たって頂く方に、12時頃に起こしてもらって用足しをするのである。もし、自宅で夫にお願いするとしたら、大変な負担になっていたはずである。その点では、介護の方にはご負担をお掛けするのだが、施設に入ってよかったと思っている。
 その他のことでは、お薬、ファイバー製品の服用などは、大きな問題もなく対応頂いており、洗顔、歯磨きも、一考がやってくれていたパターンをアレンジした形で実施してもらっている。いずれも、今のところ大きな問題はない。
 それ以外では、お風呂のことが心配だったが、大部屋で車椅子を使って、二人の介護士さんの介添えでお願いしている。大変な作業だが、丁寧に、細やかな対応には感謝以外の何物でもない。最初のトライアルについて、夫が立ち会ってくれた。部屋が広いので、寒くはないかいと心配してくれたが、事前に暖房がされていて、その心配はない。夫も自分の負担がなくなってほっとしていたようだった。今までのように頻繁に入浴できないが、それは致し方ないことで、そのことに関しては、特に問題はない。
 ところで、夫が、一番心配していたのが、コミニケーションのことだった。手足が自由に動かせないから、部屋に設置されている呼び出しブザーが使えない。入居したその日には、呼び出しブザーの押す部分に、ゴルフボールのようなものをくっつけて下さって、それなら押せるのではと試してもらったが、それでも、残念ながら自分ではどうすることも出来なかった。その上、最近になって、自分の言葉が不鮮明になっていることで、余計にコミニケーションが悪化している。自分では、一生懸命に話しているのだが、どうもうまく伝わっておらず、何回も繰り返して話すことになり、自らも疲れてしまう。
 そんな症状の悪化で、自宅で使っていた無線の音声モニターの機器も、入居前に、折角夫がその機能を試してくれたのだが、話がスムーズに出来ないというそれ以前の問題で、結局は役立たないことが明らかになった。いろんなツールも症状の変化で万能ではないのだ。
 そういう意味では、介護士さんが覗きやすく、立ち寄り易い、ダイニングルームに接した部屋を確保できていたのは幸いだったと言える。阿吽の呼吸での、コミニケーションが唯一の手段になりつつあることに、不安を覚えているが、皆さんに気遣っていただいて、何とか凌いで生きられていることに感謝の毎日である
 そうは言いながらも、その一方で、それまでの遣り残したことなど気掛かりなことは多い。中でも、長男の太郎がまだ独身であることが心配で、早く、良縁に恵まれて欲しいと強く願っている。
 いずれにしても、先行きのことを考えれば、不安は尽きないが、なるようになると自分に言い聞かせて、毎日を一生懸命に生きていこうと思っています。(以下、明日に続く)
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1534 作曲家、都倉俊一さん

 時代を超えて通用する多くのヒット曲を手がけた作曲家だ。しかし、それらのヒット曲は同氏の若い頃の作品だ。才能は一気に開花するものかもしれない。

1.独り言コラム
 先週の日経新聞の夕刊に、都倉俊一氏の活躍ぶりが5回に渡って連載されていた。同氏は筆者よりも7年若いのだが、ある意味で時代を共有したと言える。若くして音楽の世界に頭角を現しただけに、筆者の若い頃を思い出させてくれる興味深い連載だった。
 外交官の息子で海外での生活が同氏の才能を育てたのではなかろうか。学習院大学3年の時に作った中山千夏の「あなたの心に」が大ヒット、作曲家への階段を駆け上がったという。その直後に、その頃は、まだそれほど有名でなかった作詞家の阿久悠さんとの出会いがあって、大爆発のエネルギーをじっくりと育んだようだ。大学卒業を前にして、将来、どうしようと悩んでいる頃に、阿久さんから5千枚もの五線譜の束が送られてきたと言う。しかも、一枚一枚に「都倉俊一」と名前が印刷されていたそうだ。言葉ではなく無言の後ろから背中を押されたと感じだったという。
 そして、案の定、その後に、フィンガー5、山口百恵、ピンクレディ、山本リンダといった方々の多くのヒット曲の量産を生み出したのである。
 どうにもとまらない、ジョニィへの伝言「五番街へのマリーへ」、ペッパー警部、S・O・、S、渚のシンドバッド、ウオンテッド、UFO、サウスポーなど枚挙に暇が無い。これらはいずれもデビュー10年以内に作られた作品だ。
 その後プロデューサーの道を進むが、この頃から女性との話題が週刊誌に取り沙汰され始め、ヒット曲から遠ざかることになったようだ。話題になった女性の一人として、あの「水沢アキ」というグラマーな女性がいたことを思い出す。どうやら、女は、男の才能を育てる場合と壊してしまう場合があるようだ。
 同氏は今62歳である。演劇を学ぶ日本の若者を育てたいと頑張っておられるようだし、JASRACの会長でもある。筆者から見ても、素晴らしい人生を歩まれていると思う。ますますのご健闘を祈念したい。
 さて、才能という面では、もう一つの話題について触れておきたい。それは、昨日の日経新聞の夕刊で知ったのだが、先日、芥川賞を受賞した朝吹真理子さんの話題である。先日、このコラムで、その受賞作「きことわ」というタイトルの命名の仕方の奇抜さに驚いたことを紹介した(1529をご参照)。ところが、昨日の記事では、彼女はとても将棋が好きだという紹介だった。若いのに将棋という古風な世界への趣味の広さにびっくりだった。将棋は、指すよりも見るのが好きだと言うのだが、その辺りは筆者と同じであって大いに共鳴、改めて彼女への関心を深めることになった。
 更に驚いたのは、この4月の上旬に掲載予定の日経新聞主催の王座戦の2次予選決勝の「郷田真隆九段―村山慈明五段」戦の観戦記に、彼女が挑戦するということだ。芥川賞受賞者の将棋観戦記は初めてのことではなかろうか。対局者が筆者のファンの郷田さんだけに、今から大いに楽しみにしている。但し、贔屓の郷田さんが勝たないと面白さも半減以下になってしまうのだが、…。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時起床。体重、61.6Kg.お天気は曇りだという。
 昨日の雅子は、相変わらず、反応が今一つの一日だった。一昨日、昨日と、このところの雅子は、気分がローな日が続いていて少し寂しい。午後には、車椅子での散歩を行なったが、途中で、うっかり車椅子を放置したまま、半時間ぐらいうとうと寝てしまっていた。このところ、一考の疲れも出て来ているようだ。幸い、何事もなかった。

3.連載、難病との闘い(126) 第三部 施設、病院での介護生活(27)
  第二章 入居生活の始まり (その7)

 (2)入居直後の雅子の心境(その1)
 雅子は、この一週間の施設での具体的な生活体験を通して、なんとなくほっとした気持ちを抱いていた。それまでに頭の中であれこれ考えて、不安に思っていたことも、ここでの具体的な生活に触れて、何とか、ここで生活してゆくのに自信と云うほどではないが、何とかなるのではと思うようになっていた。同時に、ここに入居できたことで、それまでの夫の負担を軽減できたことで、自らの心中は穏やかになるのだった。
 新しい生活が始まって、雅子が最も気にしていたのは、生きて行くための基本の三条件を如何にクリヤー出来るかどうかだった。その三条件とは、食事、トイレ、そして睡眠である。これらのバランスが取れて、初めて無難に生きるという日常生活が維持できるからである。
 食事については、幸い、適度な食欲は維持しており、また、食べることも、口の中に運んでもらう介護は不可欠だったが、それでもおいしく食事を楽しむことができた。硬いものは食べ難いが、それ以外は、苦手なものもなく、正常な食欲を意維持していた。また、飲むことも、粘調なものは、スプーンで口に入れて頂き、それ以外はストローで吸い上げて飲むことが可能だった。
 しかし、トイレは問題だった。これは、何もこの施設に移ってから問題になった訳ではない。自宅にいるときから便秘気味で、食物繊維であるファイバー製品を服用することで、何とか数日置きに通じを確保してきていた。しかし、こちらに移って、環境が変わり、生活リズムが変わったことで、どんな影響が出るかで心配していたのだが、幸いなことに、二日目と五日目の昼間に二度の通じがあった。いずれも、ちょうど夫が出向いて来てくれている時のことだった。そういう意味では、まだ、精神的な面で、この場の環境に馴染んでいないという不安があって、早く、こちらの介護士さんの介護で出来るようになりたいと思っている。時間の問題だと思うが、今後、しっかりと努力したいと思うのだった。
 さて、三番目の睡眠については、在宅時と同様で、夜中に目が覚めることが多く、その時に時計がベッドに横になっていても見られる時計がセットされていないことから、何時だかが分からず、不安で熟睡が出来ずに朝を迎えることが何日かあった。
 そのことについては、間もなく、夫がその対応を取ってくれたのだが、身動きできない自分がマッチするようにその時計をセットするのには苦労したようだった。何しろ、新築物件だっただけに壁や柱に傷を付けたりする事が許されない状態だっただけに、それなりの工夫を必要としたようだ。結局、窓ガラスのカーテンレールにある引っ掛け金具を使っての対応になったようだ。ライトアップについては、これも自宅で今まで使っていた特殊な電気スタンドを持ち込み、楽譜たての先端にくっつけて何とか見えるようにセットしてくれた。こうして、この3番目の不安は解消されたのである。入居して六日目のことだった。
 その日、ちょうど、掛け時計のセットが終わった直後に、義姉の久子がNHKの俳句天国に出演しているのを見つけた夫が、事前に家族から知らせてくれなかったことから、水臭いということで不機嫌になっていた。夫から、テレビ画面を指して「久子じゃない?」と聞かれたのだが、その時には、まさかと言うこともあって「似ているけれど、年がちょっと違うのじゃない」と答えたのを覚えている。(以下、明日に続く)

1533 滋賀県の話題(23)

 ニュージランドでの地震による行方不明者捜索、リビアのデモなど心配事は絶えないが、今朝は、話題を一転して、ほぼ一年ぶりの滋賀県の話題を拾ってみた。(前回は1168ご参照)

1.独り言コラム
 今年のNHK大河ドラマの「江、姫たちの戦国」はなかなか面白い。脚本の田淵久美子さんはさすがに見せてくれている。のんびりと楽しめるドラマに仕上がっている。いわゆる、ゆるキャラの「ひこにゃん」も人気沸騰で、どちらかと言えば、今の滋賀県は、湖北が沸いているようだ。
 ところが、昨日の未明に、湖東の守山市で移動動物園の建物が全焼し、虎などの動物300匹が焼け死んだ。命が失われる痛ましさは、たとえ動物であっても胸を打つ。痛ましい事故だった。
 さて、例によって、最近の幾つかの統計データから滋賀県を見てみよう。
 先ずは、国勢調査の結果(速報)で、人口の移動状況が発表されている。それによると5年前に比べて、38道府県で人口が減少、その中の30道府県では、減少率が拡大しているという。その一方で、人口が増加したのは9都府県で、滋賀県は相変わらず増加組に入っていて、その増加率は全国5位で、2.2%だった。因みに、1位は東京の4.7%、以下、神奈川、千葉、沖縄の順だった。関西の大学の分校が移ってきていること、それに大阪、京都へのベッドタウンとしての役割増加の結果が反映されているのだろう。
 一方、日経リサーチから、地域ブランド力の調査結果が発表されている。上記の人口移動とも関連しているが、「住みたい、住み続けたい」という調査結果では、1位が東京、以下、神奈川、京都、兵庫、福岡で大阪は6位、我が滋賀県はトップ10には入っておらず、ランキングは不明(多分、36位?)である。また、「住みたい都道府県」では24位、愛着度では36位と今一つ振るわないが、実際に住んでいる都道府県への愛着度では、一気に全国10位に浮上している。つまり、全国的には知名度は低いが、愛着を感じている地元住民は多いということのようだ。
 ところで、面白い調査結果を見つけた。日経新聞2月15日朝刊(関西版)に紹介されていたのだが、鉄道駅から5キロ以内に住む人口の割合が滋賀県は95%と全国一だという。このことは、鉄道を軸とした街づくりがし易いということであり、県とJR西日本による企画、活動が加速されることになろう。なんでも1位ならいいという訳ではないが、このような面白い調査は大いに歓迎だ。そういうことで、今日一日は気分良く過ごしたいと思う。
 余談だが、気分がいいと言う意味では、LPGAの今年度第2戦のゴルフツアーで、今週は、日本の有村智恵さんが二日目を終って堂々と一位を保持している。今日が胸突き八丁の三日目だが、このまま頑張って米国ツアーでの初優勝を狙ってもらいたい。筆者のファンの宮里美香さんは、今週は低調だが、今日から一気の追い上げを期待している。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時起床。体重、61.5Kg.お天気はまあまあ。
 昨日の雅子は、全体としては落ち着いていたが、呼び掛けへの反応が乏しい一日だった。午後には入浴してさっぱりした顔つきだった。
 なお、筆者の琵琶湖大橋病院への通院回数は、去る21日で1000回を記録し、昨日で1006回に達していた。日数的には一年半少しだが、一日に2回の日が半分近くあるからだ。なお、施設のアクティバ琵琶にも、ほぼ同じ期間の1年半お世話になったのだが、その際の訪問回数は875回で、それを大幅に越えた。どこまで続くのか果てしない旅である。

3.連載、難病との闘い(126) 第三部 施設、病院での介護生活(26)
  第二章 入居生活の始まり (その7)

(1)定着への試行 (その7) 
 入居して初めての日曜日を迎えていた。あっという間の一週間だった。心配していたことも多くあったが、それらには、それなりの無難な答えを出してくれていた。頭の中で、あれやこれやと悩んでいたことが、嘘のような時間の経過であった。
 この日は、すっきりしない曇り空で、寒さがとても厳しい日であった。9時過ぎに雅子の部屋に顔を出すと部屋が寒い。介護士さんに確認すると、エアコンの具合が悪いので、急遽、修理を依頼しているという。故障が長引く場合は、一時凌ぎに、空いている別の部屋に移動することも視野に入れていると言うことだったが、一考としては、なるべく慣れ始めたこの部屋でマネージして頂ける方がいいと伝えた。
 午後になって、実兄夫婦が揃って初めて顔を出してくれた。義姉の香子さんには、この施設への雅子の入居権確保に関しては、一方ならぬ力添えを頂いていたので、改めて御礼を申し上げた。何しろ、このアクティバ琵琶への入居に関しては、雅子の次姉の伸子さんの入居で、矢面に立って尽力されたこともあって、施設の関係者とも強いパイプが構築されていて、雅子の入居に関しても、大きな力となってもらっていたからである。
 いずれにしても、久し振りの兄妹の出会いに、雅子は嬉しかったのか涙していた。そう言えば、最近、雅子は事あるごとに涙が込み上げてくることが多い。こんな厄介な病気になったことで、悔しい一方で、親しい人たちから優しい言葉を掛けてもらうことで、感動してしまうのだろう。
 この最初の一週間は、一考は、このアクティバ琵琶に午前、午後の2往復を繰り返していた。所要時間が15~20分なので、それほど苦ではない。とにかく、ここでの生活リズムに雅子が慣れるまでは、可能な限り傍にいてあげて、彼女の要求を聞いてあげたいと思っている。それでも、今までの自宅での全面介護に比べれば天国と地獄とでも言えるぐらいの容易さ、楽さを覚えている。
 翌日の12月17日から、雅子のこの施設での二週目に入った。一考が9時過ぎに訪ねると、雅子は椅子に座ってテレビを見ていた。ちょうど、食事、お薬の服用、それにトイレが終わって一段落したタイミングだった。心配していたエアコンは正常に動いていた。後で聞いてみると、昨日の夕食後に応急処置が取られたようだった。
 この朝は、一昨日に作り上げた年賀状を見せて、雅子の意見を確認した。差し出し先に何人かの追加要求があったが、他には、これといった注文はなく、そのままでいいということだった。
 年賀状だけではなく、今まで、自分でやっていた全てのことが、突然、何も出来なくなってしまった苦しみは、如何ばかりなものかと一考は、改めて彼女の気の毒さを思うのだった。今まで一人で仕切ってきていた相坂家の家庭で、子供たちも独立したし、これからは、夫婦でのゆったりとした生活に、それなりの期待と夢があったはずだ。それが、無残にも裏切られて、こんな苦しい介護を受ける生活になってしまったのだ。絶望という言葉を懸命に脳裏の外に追いやりながら、必死に生きている雅子の健気さを思うと、一考は居たたまれなさを覚えるのだった。それだけに、少しでも、何か前向きな希望を与えてやりたいとの思いは強く、自らも可能な限り、介護に尽くそうと思うのだった。(以下、明日に続く)

1532 焦点ぼけ

 ニュージランドの地震、リビアでの抗議デモ、菅政権の危機などが、このところのニュースやワイドショーの主役であるが、これらの主役をの焦点ボケになるようなニュースが…。

1.独り言コラム
 上野動物園にパンダが来るというニュースが、先週は大きく扱われていた。「子供に夢を与える」なんていう安っぽい売り込みの言葉が堂々とまかり通り、一時はNHKでもニュースのトップで扱っていた。
 しかも、その中身は、中国を出る時から上海経由で成田空港、そして上野に運ばれる経過を事細かに伝えていたのだが、その扱い方の大きさと扱いの順序に違和感を覚え、幾度も憤りを覚えていた。これは、まんまと中国側の戦術に引っかかってしまっている訳で、日本人としては本当に情けない話しだ。レンタル料だけで、年間に8000万円、今回の輸送費も4900万円、とんでもない高いお金を支払わねばならず、その上、畜舎の改築に9000万円も掛かったというし、毎日の食費にも15000円かかるという。そんなことを考えると、手放しで喜べるニュースではない。このニュースは、日本国民には、対中国への悪感情を和らげようとする焦点ボケを狙った目潰しである。
 大体において、「子供に夢が与える」という売り込み言葉も、今の政治が、他に与える夢を提供できていないと言う無能さを焦点ボケにして誤魔化しているのである。
 一方、芸能界では、市川海老蔵の奥さんの麻央さんが懐妊しているニュースが飛び出し、芸能界も一転しておめでたムードに変わった。このことで、海老蔵さんが犯したダーティーな行為が焦点ボケになりそうである。偶然のタイミングでの懐妊とは言え、この種のラッキーな出来事での焦点ボケは、当人達には歓迎すべきことがらなのだろう。
 そういう意味から言えば、今、海外で起きているニュージランドの大地震やリビアの政変劇は、今の菅内閣にとっては、その苦しさを希釈する意味での焦点ボケになる可能性をもった絶好のニュースだと言える。もし、これらのニュースがなければ、菅内閣の無策な政権の無能さが、もっともっとクローズアップされている訳で、見方によってはラッキーな出来事だと言えるかもしれない。しかし、菅政権の実態は、もうそんな程度の焦点ボケで、逃げ切れるような状況ではなく、まさに今回の地震で一瞬の内に倒壊したキングス・エヂュケーションビル並みの危険度にあると思われる。
 ところで、そのニュージランドの被災地に、昨日から日本からの国際緊急協力隊が入って、未だに消息の掴めてない方々の捜索活動を開始した。その結果、数多くの遺体が発見されているようだが、その方々の国籍すらはっきりしていないという。それだけ、遺体が損傷しているのだろう。心が痛む報告である。
 残念なのは、この種の救助活動で、時々見られる感動的な生還ドラマがまだ出て来ていないことである。そして、生存率が急速に小さくなると言われている事故後の72時間が過ぎようとしている。後は奇跡を祈るのみだ。一人でも多くの方の生還を願っている。そのことが、菅内閣の無能ぶりの焦点ボケになったとしても、大歓迎であることは申すまでもない。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時15分起床。体重、61.1Kg.お天気は春めくという。ほんとかな?
 昨日の雅子は、一考が朝に病院に顔を出した時には、痰が多くあふれ出ていて、少し苦しそうだったが、その後は症状は安定していた。午後には車椅子で散歩、屋上で少し外に出てみたが、早春賦の歌詞のように風が冷たく、慌てて館内に戻った。

3.連載、難病との闘い(125) 第三部 施設、病院での介護生活(26)
  第二章 入居生活の始まり (その6)

 (1)定着への試行 (その6) 
 入居してちょうど一週間目だった。雅子が困っていたのが、夜中に目が覚めた時に、時刻が分からず不安な時間を過ごすことだった。そこで、ベッドに寝ていても見えるような位置に時計を設置してやった。その場合、暗くても文字盤が見えるようにライトアップするために首の曲がる小さな電灯を付設し、何とか、雅子の不安を一つ取り除くことが出来た。
 この日、一考が滞在している時間帯に雅子の「通じ」があった。これが施設に移って2回目の「通じ」なのだが、いずれも、一考が対応することになった。やはり、この種のことには慣れるまでに時間が掛かるのだろうと思いながら、焦ることはないが、なるだけ早く、この新しい環境に慣れて、介護士さんのお世話に慣れるようになって欲しいと思うのだった。
 ところで、この日に、一考にとっては、面白くない出来事があった。お昼前のことだった。 雅子のために時計をセットして一段落した時だった。テレビに目を遣った一考が、見覚えるある顔を捉えた。実によく似ていると思った。姉の久子の顔にである。雅子に確かめると、似てはいるが、久子ではないと言う。見た目に、歳を取り過ぎているというのだ。
 番組は、NHK衛星第二放送の俳句王国である。これは、一考がここ十年来、好んで見る好きな番組である。最近は裏番組に少し関心のある別の番組が出来たので、後半から見ることが多く、この日も、後半からチャネルを移したばかりだった。従って、出席者の紹介などは終わっていて、暫くは番組の進行を見守っていたが、司会の方が、滋賀県のXXさんと呼ぶのを聞いて、それが、まさしく姉の久子であることを確信した。
 一考は、この番組のアシスタントをしている神野紗希さんのファンだった。更に付け加えるなら、その前任者の、大高翔さんのファンでもあった。自分では、俳句は作れないが、他人の創った俳句を鑑賞するのは好きなのだ。この人のアシスタント達が、若さを発揮した、なかなか素敵な俳句を作るので、ずっと、その才能に惹かれていたのである。
 久子は母親の介護の合間をぬって、俳句に時間を割いていた。と云うよりは、母親が俳句をやっているのを見ていて、自分もやって見る気になったのだろう。久子は、定評のある奈良県在住の俳人T先生について勉強していた。そのT先生は、けっこう大胆な発想の俳句がお得意で、かつては、俳句王国の異色の主宰の一人だったが、ここのところお見かけしていない。
 数年前に、久子がそのT先生から、この俳句王国への出演に推薦を受けていて、順番待ちにあるということは耳にしていた。しかし、その話がその後どうなったかは知らなかったが、ちょうど、雅子がこの施設に移る直前に、珍しく夫婦揃って一泊二日の旅行に出掛けたのである。しかし、その目的については全く聞いていなかった。
 この番組を見ながら、その久子夫妻の旅行は、まさしく、NHK松山放送局で行なわれた俳句王国への出演に他ならなかったと一考は思うのだった。それにしても、水臭いと言うのが一考のその時の気持ちだった。
 その日の午後、家に帰って母親に確認すると、実はそうなのだと言う。ならば、どうして、それを教えてくれなかったのかと苦情を呈した。母親が言うには、我々がこのような病気で苦労しているのに、そんなところに出て楽しんでいるとは言えなかったというのだ。この辺りが、一考が嫌う相坂家の余計な誤った気遣いなのだ。こんな大変な生活をしているからこそ、たまにはそんな楽しいお話のお裾分けぐらいしてくれたらいいのではないかと、久子にも強くクレームしたが、話が通じないのは残念だった。そんなことで、その日は、もやもやした気分の面白くない一日となった。(以下、明日に続く) 

1531 次の総理

 行き詰まった菅内閣、打つ手に窮しているが、不思議と次の総理の顔がなかなか見えて来ない。

1.独り言コラム
 ニュージランドのクライストチャーチで起きた地震で、まだ27名の日本人の消息が掴めないまま三日目に入っている。生命の限界といわれている72時間が間もなくに迫る中で、捜索は遅々として進んでいないようだ。
 倒壊したキングスエヂュケーションビルだが、専門家の見る目では、このビルは重心と云うべきポイントが偏心していて、それがねじれを引き起こし、倒壊に繋がったと昨日のNHKの番組で解説していた。今日から日本からの国際緊急援助隊も捜索活動を開始する。とにかく、朗報を待ちたいと思う。
 偏心→ねじれ→倒壊という理屈から言えば、窮地に追い込まれている菅内閣も大いに不安だといえそう。昨夜も衝撃が走った。農水省の松木政務官が辞表を出したのである。同政務官は小沢一郎氏の側近中の側近だ。菅総理は辞表を受領するという。まさに泣き面に蜂だ。ここでも、一歩一歩倒壊に向かっているように思われる。
 そんな状況の中でも、不思議なのが、次の総理候補の顔が見えて来ないことだ。少し前の「たかじんのそこまで言って委員会」で、政治評論家の三宅久之氏が、今の財務相の野田佳彦氏の名前を上げていたことは、既にこの欄で取り上げた。(1507回をご参照)筆者は野田氏には良い印象を持っていない。
 面白かったのは、昨日の関西テレビの夕方のニュース「アンカー」だった。大胆な発言で人気のある青山繁晴氏が、思い切って、この課題について果敢に言及していた。
 それによると、同氏は、この段階での候補者と思しき、亀井静香、仙谷由人、前原誠司、野田佳彦、原口一博、樽床伸二、岡田克也の7人をピックアップし、それぞれの方について今の状況下での適否を論じた後、最終的には野田佳彦氏しか残らないとした。この点では、先の三宅久之氏の見方と同じだったが、青山氏は、ここから更に踏み込んで、最終的には同氏も不適だと決め付けた。官僚依存の代表格で今一つだというのだ。そして、その落し処として、新たな候補を持ち出してきた。何だか、推理小説の犯人捜しのような話の展開で、その人の名は、政調会長の玄葉光一郎氏だった。
 たまたまだったが、筆者もつい数日前に同氏の記事を見ていた際に、この方がなかなかやりそうな男じゃないかと見ていたのを思い出していた。このところメディアへの露出も進んでいてテレビ映りは悪くない。果たして、どうなのだろうか?
 なお、ここに来て気になった話題が、一部の報道だが、石原慎太郎氏が都知事選には出ないことから、再び国政に戻ればどうかというのだ。まさか、と思う一方で、今の状況下では同氏の力に縋りたいという考えも理解できる。なかなか難しい次の総理選びだ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時半起床。体重、61.1Kg.既に雨は上がっていて悪くはなさそうだが、予報では、不安定なお天気だそうだ。
 昨日の雅子は、熱もなく、痰も少なく、大きなトラブルもなく順調だった。午後には車椅子で散歩。屋上で少し外に出てみたが、風が冷たく直ぐに館内に戻った。それでも、春は一歩一歩近づいているようだ。

3.連載、難病との闘い(124) 第三部 施設、病院での介護生活(25)
  第二章 入居生活の始まり (その5)

(1)定着への試行 (その5)
 さて、雅子の入居4日目の12月13日は、初めてのお風呂の日であった。通常は、他の人も一緒に入るので、立会いは許されないのだが、この日は特別の計らいで、一考が立ち会うことができたのである。どんな具合に入れてもらえるのか、一考は一度見ておきたいと思っていたので、その配慮に感謝するのだった。
 お風呂は、同じフロアの4階にもあるが、それは一人風呂である。この日は一階にある大部屋でのお風呂に入ることになった。
 この大風呂の特徴は、車椅子に座ったまま湯船に入れることだ。しかし、そうは言っても、湯量との関係で、中に入ってから、車椅子を降りて、壁に沿って作られている段が長椅子になっていて、そこに腰掛けて座る。その方が、身体がお湯の中に深く浸かることができるからだ。このために、車椅子からの乗り降りが必要となるが、お湯の中での作業なので、アルキメデスの原理で、介護の力仕事は多少は軽減される。しかし、逆に、身体のバランスを保つのに別の注意が必要となるので気遣いは大変だ。
 入浴は午前中の10時頃だった。具体的には、二人の方に介護して頂いたが、一人は、お姉さんタイプの頼りがいのある方、もう一人は、奈良主任(男性)が陣頭でお出まし頂いた。男性の登板に、最初は、「あれっ」と思ったが、安全を期しての対応だろうと受け取った。
 この入浴時に気づいたのだが、雅子のお尻の尾てい骨辺りが少し腫れていた。そういえば、在宅で一考が介護していた際にも、何回か赤くなっていたことがあったことを思い出していた。その時には、座っている時間が長いだけに、どうしてもそれは避けられず、そんなに気にすることはないと単純に受け取っていた。今回も、そういうことで大したことはないだろうと、それほど気にしていなかった。
 しかし、この尾骶骨の傷は只者ではなかった。その後次第に大きくなり、厄介な扱いになるのだが、その辺りのことについては順次紹介してゆこうと思う。
 翌朝、五日目の朝、一考が施設に顔を出すと、雅子がお尻が痛いという。前日、一考が帰った後に、痛くなったので、介護士さんの機転で、ナースに看てもらったようだ。ナースの話では、特に問題はなさそうで、少し、横になる時間を増やす方がいいだろうというサジェスチョンだった。しかし、その部分が今朝になっても少し痛むと言うので、改めて、ナースに見てもらったのだが、結果としては、昼間に横になる時間を増やすことで、様子をみることになった。
 いずれにしても、こういうちょっとした困った場合に、在宅時と違って、直ぐにナースや医者のチェックのサービスを受けられる訳で、一考は、その有難さを実感するのだった。(以下、明日に続く)

1530 内外共に大揺れ

 昨日は、世界、日本を問わず、大揺れの一日だった。大きな地震、激しいデモ、窮地の菅内閣、株価の暴落などで、地球上ではいろんな心配で不安で不透明な状況が続いている。

1.独り言コラム
 ニュージランドの南島、クライストチャーチを中心に大きな地震があって、日本人も多くの方が巻き込まれた。死者も多く出ているようだし、富山県の専門学校の生徒の11人など、日本人24人とまだ連絡が取れていない。
 地震の規模はM6.3でそれほど大きくはなかったが、揺れは酷く阪神大震災並みに、被害はとても大きかったようだ。日本からも70人の国緊急援助隊を現地に送ると言う。菅内閣にしては、珍しく早い決断だ。
 日本では鹿児島県の新燃岳の噴火が続いていて大わらわだったが、地球のその反対側で起きた地震で、地球も全体で怒り狂っているようだ。それにしても、ニュージランドには、実に多くの日本人留学生がいることにびっくりである。
 さて、大揺れと言えばリビアだ。民主化を願うデモは拡大しているが、カダフィ大佐は依然として頑張っていて降伏はしないとの声明を出している。もはや断末魔と見る向きもあるが、なかなか土俵を割るような感じでもない。この騒動で原油が急騰していて、1バレル100ドルを越えたという。先行きがとても心配である。因みに昨日の東証、今朝のニューヨーク株も大暴落である。折角、少しずつ上げて来ていた東証だっただけに、一気の下降でがっかりである。
 さて、日本の政治では、小沢元代表の扱いで、民主党は漸く「裁判での判決が出るまで党員の資格停止」という結論に辿り着いた。それでも、小沢一郎当人は不満だということで納得しておらず、しつこく異議申し立てをすると言う。
 一方、社民党が、今の予算案には納得できないとして、予算関連法案に反対することを決めた。この結果、菅内閣が期待していた衆議院での2/3以上での再可決も不可能となり、いよいよ菅内閣は手の施しようがなくなった。さあ、どうするのだろうか。日本の政治も大揺れだ。
 大相撲の八百長問題は、今週に入って、二つの週刊誌が新たな八百長の事実を暴露したことで、これまた大わらわである。若ノ鵬が実名入りで告白しているようだ。それには大関魁皇の名前もあるという。調査委員会、大相撲協会は、一体どんな落し処を見つけるのだろうか。先行きはまだまだ不透明だ。そういえば、歌舞伎の市川海老蔵さんも、伊藤リオンの裁判が始まったことで、改めて、当時の海老蔵さんのダーティな行為がクローズアップされていて、舞台復帰へのタイミングの落し処が消えてしまった。ここでも大揺れだ。
 私事だが、昨日の夕方、病院からの帰りに買い物をして帰宅したのだが、その際にカードがいっぱい入った財布を紛失していた。そのことに全く気が付かずに寝ようとしていたところ、電話を受けた。親切な方が拾得して下さって、警察に届けてもらっていたのである。連絡を受けてびっくり。事実がわかって背筋がぞっとしたが、ご親切な方に拾って戴いたことで救われた。感謝、感謝で感激の一夜となった。日本は、まだまだ捨てたものではない。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時40分起床。体重、61.2Kg。お天気は今日も良さそう。明日からが怪しくなるという。
 昨日の雅子はよく頑張った。朝から微熱があったが、午後から久し振りに友人がお見舞いに来て下さるということで、嬉しいのか、朝から少し興奮気味だった。お見えになる直前で、熱は更に少し上がったが、お見え頂くとしっかりと目を開けて、感謝の気持ちを伝えていた。いつもには見られないしっかりした対応だった。よほど、嬉しかったのだろう。今までは、お見舞いは血の繋がった家族に限定していたが、症状も漸く落ち着いて来た事から、今後は仲間の方にもお願いしてみようと思う。
 なお、この日は、上述したように、財布紛失という事故があって、筆者にとっても大わらわの一日だった。

3.連載、難病との闘い(123) 第三部 施設、病院での介護生活(24)
  第二章 入居生活の始まり (その4)

 (1)定着への試行 (その4)
 雅子が入居して三日目の一考は、雅子の部屋に付設されているこじんまりした台所の流しを使いやすくするために、その上にちょっとした棚を作りたいと考えていた。自宅で使わずに置いてあった金具の組み立て棚を持ち込んで、それを手早く組み立てた。こうすることで、この狭いスペースを立体的に使うことが出来る。
 組み立て家具に関しては、前にも紹介したが、今では一考の趣味になっていて、この日にこの部屋に持ち込んだキャスター付きの小さな丸いテーブルもその一つである。自宅にも様々な組み立て家具があって大いに活用している。組み直しが利くので扱い易い。もともと東京時代に、狭いマンション生活を有効にそのスペースを活用するために始めたが、それが高じて、投資額もバカにならない額になってしまっている。
 しかし、帰郷した後は、その販売先を見つけるのが容易でなく、唯一扱っていたのが京都の蛸薬師にあるロフトだったが、次第にその販売スペースが縮小され、取り扱い品目もごく限られたものになってしまっているのが心細い。(因みに、この店は今はなくなっているようだ)
 さて、その棚の設置を終えると、一考は京都の武田病院に向かった。障害者手帳の更新に必要な医師の診断書の作成をお願いするためである。心配は、春日先生が超多忙であって、タイミングよく作成願えるかどうかだった。
 その後、再びアクティバ琵琶に戻ったのだが、桜井係長から、この楽裕館の入口のドアロックの時間の件で、朝9時から夕方は6時頃までとの話を頂戴したのである。前夜にバタバタしたことが報告されていたのだろう。速やかな情報の連携に感心するのだった。なお、初めてお会いした時からそうだったが、桜井係長は、知的な魅力に満ちた方で、顔を合わすだけで、年甲斐もなく、妙に緊張する自分がおかしかった。
 この日で、この施設での生活が三日目の雅子だが、幸い、何とか新しい生活スタイルに馴染もうと健気に頑張っているのを見届けて、一考も、ほっとして帰宅するのだった。
 なお、この日は、世間の話題でも意外な展開があった。タレント弁護士の橋下徹氏が大阪府知事選挙に出馬を発表したのである。前日まで、5万パーセントないと否定していただけに、意外な発表だった。
 出馬するかどうかで悩んでいた橋本氏を、決断させたのは、同じテレビ番組の仲間たちからの後押しだったという。特に、関西では 人気の高い、やしきたかじん氏が、「今しかない、行け。番組のことは全て自分が責任を持つ」と言って励ましてくれたと言う台詞が、何故か強く一考の胸を打った。男が自分の意志を決定するに、力強い熱い後押しは心強いものである。何か新しい歴史の始まりを告げるような感触を覚えていた。そういえば、この施設への入居の決断も、雅子のお二人のお姉さんたちの強い薦めがあったことを思い出すのだった。(以下、明日に続く)

1529 謎解けて唖然!

 手品の種明かしで、唖然とするほど感動することもあるが、その一方で、逆に「なあんだ!」とがっかりすることもよく経験することである。

1.独り言コラム
 第144回芥川賞に選ばれた朝吹真理子さんの小説の「きことわ」というタイトル名を聞いた際には、何か新鮮なインパクトを覚えた。筆者が、今までに聞いた事もない言葉だったので、早速辞書で調べたが、そんな言葉は出ていなかった。若いお嬢さんなのに、よくぞこんな言葉を知っておられるのだなあと一目置いたのだった。
 一昨日だった。本屋に立ち寄った際に、西村賢太さんの「苦役列車」と共に、今回の芥川賞の2作品が掲載されている文芸春秋を買った。どんな作品なのか、パラパラとページを繰っていて目に付いたのが、この「きことわ」の意味だった。この作品の冒頭が「永久子は夢をみる。貴子は夢をみない」の書き出しだった。貴子(きこ)と永久(とわ)子の二人の名前を繋げただけの単純な造語だったのだ。
 思いも寄らないタイトルの付け方だった。「なあんだ」というあっけに取られた気分だった。「そんなのないよ」という少し反発したものと、その一方で「なかなか面白い発想だ!」というちょっとしいた新鮮さの二つの相反するものが入り混じった複雑な気持ちになった。ついでに、どんな内容かと、目を通し始めたのだが、少し重苦しいような感じがあって、まだ読み切っていない。
 手品の種明かしのように、謎、クイズ、疑問などに対して、そのからくりや答えが分かってしまうと、「なあんだ」ということでがっかりすることもあるし、「そうだったんだ!」と感動することもある。そういう意味で、この「きことわ」には思わず微笑んでしまったのだった。
 そう言えば、この種の言い方は日常よく使われている。例えば、政治の世界では、内閣を略称したり、揶揄したりする場合に多用されている。先の鳩山由紀夫内閣の場合は、影の実力者の小沢一郎氏との組み合わせで、「小鳩内閣」と呼ばれていたし、今の菅直人内閣も、やはり影の実力者だった仙谷由人官房長官との組み合わせで一時は「千菅大和内閣」なんて呼ばれていた。単に二人の名前を繋げたという意味では、今回の「きことわ」と同類だと言えるだろう。なお、手前味噌だが、筆者がかつて書いた「なんたるちあ」(未発表)という小説のタイトルも「サンタルチア」と「なんたること!」の造語だったが、ブレークすることもなく眠っている。
 一般論として、手品の場合は、その種が明らかになるとがっかりとすることも少なくない。先の選挙で国民に約束したマニフェストの内容も、財源がないということが明らかになって、国民が騙されていたことが分かったのだが、この場合は「がっかり」よりも「怒り」に通じる気持ちである。それでも、約束通り実行をすべきと叫ぶ小沢一郎氏には、ただただ唖然とするばかりだ。
 鳩山内閣が退陣する直前に口にした「抑止力」という言葉について、あれは「方便」だったと言うのも唖然である。尖閣諸島での漁船衝突事件で、当時の仙谷官房長官の執った船長の無条件釈放の対応方針にも、けしからんといった唖然であり、今回の民主党の小沢チルドレン16人の採った造反にも、ばか馬鹿しさで唖然である。
 そんな中で、尖閣ビデオを流出させた神戸海上保安官の一色正春氏が堂々と名乗り出た際には、唖然とした一方で、日本の将来を憂いて敢然と立ち上がった憂国の士ということで、大変な感動を覚えたのも事実である。唖然と同時に感動を覚える時は至福の時でもある。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時起床。体重、60.9KG. 今日も晴天のようだ。
 昨日の雅子は、やはり痰が多かった。それでも、午後に車椅子で散歩している時には、時々目を開けてリラックスしているようだった。

3.連載、難病との闘い(122) 第三部 施設、病院での介護生活(23)
  第二章 入居生活の始まり (その3)

 (1)定着への試行 (その3)
 一考は以前から気付いていたことだが、今の社会保障体制は、縦割り行政で運営されているために、幾つかの弊害がある。市役所でも介護保険を扱う介護福祉課と障害者手帳を扱う障害福祉課の二本立てになっていて、原則的には介護保険が優先的に適用されることになっている。今回の場合は、在宅介護の状況から、施設に移ったことで介護保険の適用から外れ、障害者手帳によるサポートの対象に変わったのだが、そのことに対する適格なアドバイスが得られなかったのである。誰かに悪気があった訳といったようなことではなく、その種の総合的な知見が偏在していたことによる社会保障システム上の問題点だと思う。それでも、一考にとっては、ラッキーな展開で、大きな負担をせずに済むことになるのはとても有難いことだった。
 さて、肝心の雅子の施設でのその後であるが、一考が気にしていたのは、前日の入居以来、雅子にまだ一度も通じが来ていなかったことである。もうそろそろではないかと思っていたタイミングで、雅子からトイレの要求を受けた。ケア・マネージャーとの話が終わって部屋に戻って間もなくのことだった。恐らく、やはり夫の顔を見て、精神的に安心した面があったのだろう。その辺りの雅子の意向を汲み取って、とりあえず、介護士さんには言わずに、一考が従来の方法で介護を施した。ここでの生活に早く慣れると言う点では、不適切であったかも知れないが、この施設に来て初めての通じだったので、まずは、それをし易い環境がいいと判断したからである。幸い、順調に通じには成功した。一考はその結果にほっとしていた。
 そして、この日も、雅子が夕食後の段取りを終えて、パジャマに着替えたのを見届けて帰宅しようとしたのだが、時刻は8時を過ぎていた。そのために玄関ドアがロックされていて、そのまま外に出られなかった。生憎、その辺りには従業員の人影もなく、仕方なく、もう一度、4階に戻って、残っておられた介護士さんに下まで来てもらい、鍵を開けてもらって、何とか外に出ることが出来た。結果的には、4階の介護士さんには、余計なご迷惑を掛けることになったのは申し訳なかった。
 とにかく、いろんなことが一通り終るまでは、ここでのしきたりやルールなどが分からないことが多く、その場、その場での試行錯誤は止むを得ない。少なくとも一週間程度の生活を体験すれば、徐々に慣れて、大体のことが見えて来るはずだ。なるべく早く、この施設のルール、慣習などはマスターしなければならない。
 この日で分かったことは、玄関の受付の方が勤務を終えて帰えられるのが午後7時頃で、その時点で入口のドアがロックされるということだ。従って、特別の事情がない限り、自分もなるべくその頃までには帰るようにした方がいいと理解したのだった。(以下、明日に続く)

1528 好感度

 高いに越した事がないのが、給料、身長、それに好感度だろう。好感度と言うのは、自分の意志を大事にする方なら、それほど拘ることないという見方もあるが、人気商売の方には気になる評価である。

1.独り言コラム
 ジャイアントパンダ2頭が、今夜日本に到着する。高いレンタル料(8000万円/年)だが、あの中国嫌いの石原都知事も「それだけ人気があるのだから仕方がない」とぶっきら棒なコメントをしていた。今までの傾向では、パンダが来ると、そのタイミングで中国への好感度が少し上昇するという。果たして、今回はどうだろうか。このところ、ギョーザー事件、著作権無視のパクリ、それに尖閣事件など不愉快な事件が続いただけに、それほど上昇するとは思わない。
 昨夜の日本テレビの番組「おしゃれ」で、日テレを3月末に退職してフリーになる羽鳥慎一アナウンサーが出演していた。ズームインの番組での相棒の西尾由佳里さんもゲスト出演し、そこで同氏のエピソードが紹介されていた。それによると、同氏は視聴者からの好感度を重視していて、それにマイナスにならないように気遣って対応しているということだった。視聴者の目は厳しいだけに大変だったろう。なお、西尾由佳里さんは相変わらず、清潔感があって魅力的だった。高い好感度を得ているに相違ない。
 さて、今や、好感度からはかけ離れた遠い位置にいるのが菅直人総理だ。八方ふさがりで立往生だが、ここ数日は開き直ったように、解散権をちらつかせながら強気に転じたようだ。ロウソクも消える前には少し明るくなるというが、果たしてどうだろう。いずれにしても、今回反乱の狼煙を上げた党内の16人のグループも、ダッチロールする機内の乗客であって、パイロットが危険を押して強行着陸を試みることになれば、生き残って戻って来る可能性が殆どない。菅直人操縦士は、解散権を行使するのだろうか。今朝のニュースでは内閣支持率は20%という低さである。
 一方の小沢一郎元代表も同様に好感度からは程遠い。未だに、財源のことを考えずにマニフェストの実行を念仏のように唱えている。馬鹿じゃなかろうかと筆者は思う。
 少し前の読売新聞にスポーツ界の著名人の好感度調査が出ていた。1位がイチロー、2位が石川遼、以下、浅田真央、斉藤佑樹、本田圭佑、白鵬の順になっていた。しかし、これらの方々も、肝心の勝負に勝てなくなると、その好感度も海の藻屑となってしまう。要するに、好感度と言うのは、自分の姿がそのまま反映されるものなのだ。
 この週末で大きな勝負に勝利したフィギュアの安藤美姫、高橋大輔、女子マラソンの尾崎好美選手などは、大いに好感度を上げたと思われる。この後の世界の舞台での更なる活躍を期待したい。なお、2位に甘んじた浅田真央さんだったが、それまでの苦しいスランプからの脱出が再確認できたことで、それまでの好感度は維持できていると思われる。
 一方、今年のLPGA第1戦では、宮里美香さんがよく健闘したが、上がりの二つのホールでのボギーが痛く、13位タイで終った。それでも日本人選手の中では最上位で、好感度は持続できたと思う。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時起床。体重、61.5Kg。お天気は良さそう。
 昨日の雅子も、午前中は痰で苦しめられて気の毒だった。このところ、体調が安定しない。

3.連載、難病との闘い(121) 第三部 施設、病院での介護生活(22)
  第二章 入居生活の始まり (その2)

(1)定着への試行 (その2)
 雅子がアクティバ琵琶での初めての夜をどのように過ごしたかが心配だったので、翌朝、一考は早目に家を出た。雅子のいる翔裕館に届いたのが8時半過ぎだった。しかし、生憎玄関のドアはまだロックされたままだった。どうやら、9時から開くことになっているようだ。とりあえず、連絡電話でお願いし、ドアを開けてもらった。
 急いで雅子の部屋に向かうと、部屋のドアが開いていて、雅子が車椅子に座っている姿が見えた。ほっとした一考が、声を掛けるといつもと変わらないような様子で挨拶してくれた。昨夜は、さすがに疲れていたことで、熟睡できたようだった。
 頼んでおいた雅子の専用椅子が、予定通り11時頃に到着した。自宅にある電気マッサージチェアほどではないが、クッション性能は充分で、お尻が痛くなり難いタイプを選んでいた。早速、雅子がそれに座って試してみた。幸い、具合は、どうやらまずまずのようだった。
 ところで、ここでの当面の課題は、車椅子のことだった。施設への入居の前日になって分かったことなのだったが、施設に入ることで介護保険が効かなくなり、車椅子のリースも出来ないという。差し当たっては、緊急避難ということで、介護用具の業者の方から、借りてきたもので間に合わせているが、これは、なるべく速やかに返さなくてはならない。新たに購入するにしても、介護保険の適用が出来ないので、かなりの高価なものになってしまう。それでも、仕方がないので、その業者に注文を出していた。そのことで、業者からは、午前中に正式に発注しましたという連絡があった。見積りは、案の定、十数万円するようだ。痛い失費だが、雅子のためには仕方がない。
 しかし、この車椅子の話は、その後、思わぬラッキーな展開を見せることになった。その日の午後、アクティバ琵琶のケアーマネージャーさんと契約関連の話をしていたところ、障害者手帳による福祉サービスが受けられるのではとのアドバイスを受けたのである。世の中には、救いの神もいることに、一考は望外の喜こびでそれにすがることにした。、
 早速、一考は市役所に電話を入れて、その実情を確認した。すると、確かにその可能性があるという、直ちに、介護用品業者に連絡し、少し前に注文した車椅子の正式発注を保留にしてもらうよう申し入れた。
 この車椅子の話は、その後の確認で、障害者手帳でリースも可能であり、また1級の認定があれば、1割負担での購入も可能な事が分かった。この時点での雅子の障害者手帳での認定は、一年ほど前の認定で2級となっていたが、その後の急な症状の悪化があったことから判断し、間違いなく1級扱いになるということから、車椅子の購入手続きと障害者手帳の変更手続きを同時並行的に進めることにした。従って、新しい車椅子が搬入されるまでは、このままリースを適用して賄うことにしたのである。
 世の中、ひょんなことで思わぬラッキーな情報にありつくものだと思う一方で、もし、あのケアマネージャーさんのアドバイスがなければ、大きな負担を被らねばならなかった訳で、大きな不幸の中で小さな幸せを感じていた。(以下、明日に続く)

1527 あの話、どうなっているのかしら?

 一時は大きく騒がれた事件やイベントなども、時間の経過ですっかり忘れ去られている事が多い。中には、それらが、今どうなっているか、知りたいことも少なくない。

1.独り言コラム
 あの残虐な犯罪、オウム事件の被告達はどうなっているかと思っていたが、先月末、この事件の幹部だった土屋正美被告にも死刑が確定した。11人目の死刑確定者だという。それにしても事件が起きて16年目になるが、まだ誰にも死刑は執行されていない。
 それと云うのも、まだ裁判が進行中の被告がいる場合、場合によっては、死刑が確定した被告からの証言が必要になる場合があるからだと云う。そういう意味では、このような大集団の犯罪グループの場合は、結果的には、死刑執行確定者たちは、執行まで長く生き延びる事が出来る仕組みだ。被害者たちのご家族にとっては、堪らない裁判システムだと思っているに違いない。
 一時騒がれた「赤ちゃんポスト」(こうのとりのゆりかご)を思い出す。その後、どうなっているのだろうか。熊本県の慈恵病院が4年まえの2007年4月に設置したポストは、当時は、賛否両論の多くの意見があった。コラムニストの勝谷誠彦氏は、そんなことをすれば、その種の赤ちゃんでいっぱいになってしまうだろうと憂いていたが、今年の初めには新しい病棟ができて、その「ゆりかご」も、その新棟で運営されているようだ。その後の赤ちゃんの数についての報告はないが、この病院が社会的に一定の役割を果たしていることも確かなようだ。
 さて、数年前のことだったと思うが、駐車違反の取締りが随分と強化されたことがあった。田舎の駅前でのことで、筆者が切符の指定券を購入しているほんの僅かの時間だったが、駐車違反の切符を切られそうになったことがあった。あの時は、一時的な対応だったのだろうか。最近は、完全に元に戻っていて、随分とゆるくなってしまっている。痛し痒しである。
 次に住基ネットの件である。全国ネットを作ろうとした動きに、一部の都道府県や都市が、安全が担保されていないということで、全国ネットに参加しないということがあった。そのために、全国ネット網が完成していなかったのだが、その後はどうなっているのだろうか。あの桜井よしこさんは、強力な反対派の一人だった。しかし、最近になって、国民背番号制のためのツールに転用される可能性があると言う話題が出ていた。折角のインフラである。大いに活用して欲しいものだ。
 時々、かつての話題を思い出すのは、年を取った証拠なのだが、悪くはないと思う。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床、体重61.6Kg。お天気は良さそう。
 昨日の雅子は痰が多くて苦しんでいた。それでも、午後には3日ぶりの散歩。途中で一考がうつらうつらと寝てしまい、結果的に、雅子は1時間半以上も、車椅子の上放置されていた。お気の毒に!

3.連載、難病との闘い(120) 第三部 施設、病院での介護生活(21)
  第二章 入居生活の始まり (その1)

 (1)定着への試行(その1)
 介護作業の中で難儀なものと言えば、まずは、トイレ、入浴で、それに続いて食事、洗顔や歯磨きなどがある。
 入居初日の一考の印象は、介護に当たって下さる方々が、皆、優しく、丁寧で、細やかであったという印象が強く安心し覚えがある。同時に、さすがにプロの集団と言えるだけあって、そのハンドリングは手馴れたもので、いずれの作業も、一考が考えていた以上に、スムーズにこなしてもらった。何となく抱いていた掴みどころのない一考の不安は、春の雪のようにあっという間に消えて行ったのだった。
 この日、夕食後のお薬の服用を終えて部屋に戻って来た雅子は、いつもの段取り通り、トイレのサービスを受けた。二人の介護士さんの共同作業で、一人が抱え上げて、もう一人が下着を下げて、二人でバランスを取って便座に座らせる。なるほど、二人でやれば、大分、負担も軽く済みそうだと一考は思って見ていた。
 雅子が食事やトイレの介護を受けている様子を見ながら、一考は複雑な思いに駆られていた。厄介な作業から解放されてほっとする一方で、長く自分が頑張ってやってきていた仕事だけに愛着もあって、それを手放すことへの寂しさもあった。介護をお任せするということは、或る意味では自分の責任を手放すような感覚に通じていて、申し訳ないといった気持ちから抜け切れないものがあった。
 しかし、こうして介護士さんたちにお任せすることで、体力の限界、不整脈などからくる掴みどころのない心配から解放されることになり、精神的な面での解放感は大きい。とにかく、いっぱいいっぱいの状態で闘ってきていただけに、この上ない安堵を得た思いであった。
 トイレを終えた時、今日、主に介護を担当して下さった介護士さんから、今後のことを考えて、この部屋に簡易トイレを用意しておいてはとの提案を頂戴した。緊急時に備えておくに越したことはないと考えて、その設置をお願いした。
 この日の第一日は、トイレを終わってパジャマに着替えた雅子を確認して、一考は帰宅の途についた。雅子も、早朝からの慌しい今日のスケジュールをこなし、心身ともに相当に疲れたろうから、新しいベッドでの睡眠になるが、熟睡できるのではと希望的に捉えていた。外の冷たい空気に触れて、一考には爽快な気分が戻って来ていた。なお、この日は母親への夕食の担当日だったが、当分の間は、久子に代わってもらっていた。
 こうして、二人にとって、それまでになかった新しい人生が始まったのだった。(以下、明日に続く)

1526 幻滅

 ちょっとした一言、振る舞いなどの応接が、それまでのその方への好感度を一気に破壊させて幻滅を感じさせてしまう事がある。今朝は、筆者の記憶に残っている幻滅を覚えた人たちを話題に取り上げてみた。。

1.独り言コラム
 このところの菅総理への印象は、見るも無残で幻滅も甚だしい。野党時代の同氏の果敢な攻めは迫力に満ちたものだった。是非とも一度は政権を取ってもらいたいと多くの国民が期待した政治家だったと思う。それが、どうだろう。総理就任後、決断力が乏しく、先送り、棚上げなどが目立ち、たった8ヶ月で、どうしようもない状況に追い込まれてしまっている。抱いた幻滅も甚だしい。
 菅総理をそのように追い込むことをサポートした一人が、前総理の鳩山由紀夫氏だ。同氏も、とんでもない幻滅を国民に与えた代表だった。同氏の一言、一言が幻滅をばら撒いている今日この頃で、困ったものである。
 ここからは、今までに、筆者の記憶にある幻滅を覚えた著名人を順次紹介しよう。
 まずは、原口一博元総務大臣である。がっかりさせたのは、小沢一郎氏から選挙資金として500万円をもらっていたことである。また郵政改革への対応でも、直ぐに亀井静香氏と歩調を合わせた腰の軽さも気に入らなかった。松下政経塾出身者で歯切れのいい喋りをしていただけに、残念な幻滅だった。ここに来て「日本維新の会」を立ち上げようとしているが、応援する気持ちは、さらさらない。
 いわゆる仕分け会議という舞台で、「2番ではいけないんですか?」と発した質問は、蓮舫氏への幻滅を覚えさせてくれた一言だった。真面目に切り込んでいただけに、その幻滅さは小さくなかった。都知事候補と云々されているが、あの一言が効いていて無理だと思う。
 石原伸晃自民党幹事長にもがっかりしたことがあった。小泉内閣の時に国交大臣を務めたが、その直後に藤井道路公団総裁との激しい論争があったのだが、その時の同氏の稚屈な対応が印象深い。要するに、交渉術のイロハを弁えない対応だった。その時に、「この人は、やはり親の七光りでもっている」と強く思った。まだ、その時の幻滅感は消えていない。
 桜井よしこさんもその一人である。かつて、全国の住基ネットを導入するに際し、安全が保障されていないということで、長野県や神奈川県のネット導入に反対をしたことが極めて不愉快だった。当時、筆者が仕事でITの担当部長を拝命し、グローバルなネットワーク作りをしていたことから、強く幻滅を感じたのだが、その時の怒りは今でも生きている。但し、彼女の知見の広さ、深さには一目置いていることも確かである。大分前の話しなので、複雑な心境だが、幻滅を解除してもいいように思い始めている。
 芸能界では、あの麻木久仁子さんにも、あの不倫で幻滅を覚えた。クイズ番組での知識の深さには一目置いていたが、その好感度、好印象は一気に崩れてしまった。
 ローカルな話題だが、関西テレビの夕方のニュース番組担当の村西利恵アナウンサーもその一人だ。数年前に初めて見た頃は、鄙には稀な利発で美人だと一目ぼれだったが、最近は、軟らかい話題の時に、ちょっと甘えたような裏声で話すのが気に入らず、幻滅を覚えていて、一気にファンから降りてしまった。
 スポーツ界では、宮里藍さんがその一人である。あの自信満々の応接がどうしても気に入らない。最初の頃は応援していたが、直ぐに幻滅を覚えて今はアンチ藍である。その反動で、今では宮里美香さんの大のファンになっている。そういう意味では、筆者もいい加減な男かもしれない。
 今年から楽天の監督に就任した星野仙一さんは好きな監督の一人だったが、あの北京オリンピックでの中日の選手を多用し、銅メダルさえも取れなかった指揮には、大いに幻滅を覚えた。しかし、このことも、もう時効かな、と思っている。それと言うのも、楽天の田中将大投手の頑張りが気に入っていて、結果的には楽天のファンだからである。因みに、今年は日本ハムに入団した斉藤佑樹投手には負けて欲しくないと思っている。
 一般論だが、一度「幻滅」を抱くと、その撤回は極めて困難な場合が多い。それは、筆者の器の問題かもしれない。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 2時半起床。体重、61.6Kg.お天気は良さそう。
 昨日の雅子は、まずまずの様子だった。午後には入浴。特記事項なし。

3.連載、難病との闘い(119) 第三部 施設、病院での介護生活(20)
 第一章 介護付き老人ホームへの誘い(20)

 (2)新たな門出 (その9)
 それから暫くして、介護士の責任者である桜井係長をはじめ、介護を担当して下さる何人かの方々が、歓迎の花を持って挨拶に来られた。知的で美貌の係長の弾んだ声が心地よく響いていた。その挨拶の間も、雅子は、ずっと車椅子での応対だった。それと言うのも、準備していた雅子専用の椅子は、手配が間に合わず、明日の午前中に配達されることになっており、この最初の一日は、お尻の痛くなる車椅子しかなかったからである。
 雅子の二番目の姉の伸子が顔を見せたのは、挨拶に来られた介護士の方々が戻られて直ぐのことだった。こうして、三人の姉妹が、こんな形で一堂に集まった。今年の3月に山科の伸子宅に集まって以来のことで、ほぼ9ヶ月ぶりである。伸子は、既に9月末にアクティバ琵琶の自立棟に移ってきているので先輩だ。ただ、同嬢の性格上口数が少ないので、三人の会話は、それほど弾んだものにはならないが、精神的には高揚したものを共有しているのが分かる。慌しい中でのほっとする穏やかな時間がゆっくりと過ぎて行った。
 3時過ぎになって電気屋さんが大きな荷物を運んで来てくれた。一考の家族が、いつもお世話になっている近所の電気屋さんで、雅子との付き合いも長く、ずっと懇意にして頂いたことから、社長が直々にここまで配送に来て下さったのである。テレビ、冷蔵庫、レンジ、ポットの配達である。これで、漸く、がらんどうだったこの部屋にも格好がつき、命が吹き込まれた様に、部屋全体に活気が漲ってくるように思われた。
 「あれほど、お元気でしたのに。本当にお気の毒です」社長は、運び込んだ荷物を解きながら、雅子に挨拶した。雅子は頷いたものの、返す言葉が出て来ない。
 「可哀そうなのですが、口が思うように動かせなくて、言葉が自由に出て来ないのです。しかし、こちら側からの話は、よく理解はできていますので、大丈夫です」一考が、雅子の症状について説明した。
 「そうですか。お気の毒です。何事も一生懸命真面目にやっておられたのに。町内の運動会などでは、代表で随分頑張っておられたのを思い出しますね。」社長は、かつての元気だった頃の雅子を思い出しながら、ゆっくりと言葉を続けた。この間、雅子の涙は止まることなく流れていた。一考は、傍にあったチッシュペーパーで拭ってやった。
 程なく、電化製品の設置や調整の仕事が終わって、電気屋さんの二人は帰っていった。部屋の中が急に落ち着きを取り戻した。
 霧子姉さんが、雅子の爪が伸びているのを見て切ってくれた。手首が自由に動かず、指も思うように開かないので、爪を切るのも容易でない。何かと不器用な一考には、爪の近くの皮膚を傷つけてしまう不手際も多く、一考はなるだけ避けていた作業だった。  
 そして、夕方になって、二人のお姉さんたちも「さよなら」を告げて部屋を後にした。二人きりになると、急に寂しく感じるようになった。一考は、これから始まるこの部屋での雅子の生活に思いを馳せていた。間もなく、雅子は、新しいこの部屋での第一夜を迎える。恐らく、何となく落ち着かないものを感じているだろうと、一考は忖度していた。
 この日の雅子の夕食は6時頃から大部屋の食堂で始まった。介護をして下さる一人の方が雅子の専属のように付き添って食べさせて頂いた。幸い、雅子の食欲は順調のようだった。丁寧な介護が、食欲を促進させたのだろう。食後のお薬、歯磨き、トイレも、お願いした通りの段取りで、優しくサポート頂いて、雅子も穏やかな表情を見せていた。(以下、明日に続く) 

1525 不安がいっぱい、興味津々

 春を告げるゴルフトーナメントも始まったが、今、政治ドラマが面白い。世界でも、日本でも大変な政治ドラマがクライマックスに差し掛かりつつある。先行きが読めないのが不安だが、興味津々でもある。

1.独り言コラム
 小沢一郎グループの新人16人が介派離脱届けを出した。小沢親分への処分に反発しての対応で、予算関連法案に造反の意思をも覗かせている。この16人は、いずれも衆議院の比例代表で当選してきた人たちで、民主党の人気が凋落してしまった以上は、次の選挙では浮ばれない人たちだ。つまり、彼らも追い込まれた人たちで、じっとしているよりは、ここで何かに打って出るという気持ちは理解できる。
 菅総理にとっては、最後の逃げ道と見られていた社民党との連携も、先の鳩山前総理の「方便」発言で、振り出しに戻るどころか、取り返しのつかない反発を受けていて、今や菅総理は、文字通りの八方塞がりである。まさに、「ここに身体窮まれり」と言ったところまで追い詰められている。この最大のピンチをどう切り抜けてゆくのか、心配を通り越して、この政治ドラマの展開に関心が高い。
 政治ドラマと言うことでは、チュニジア、エジプトで起きた政変が、バーレーン、イエメン、ヨルダンなどに拡大しつつあり、どこまで広がるかが興味深く、この流れからも目が離せない。民主化への大きな流れは、いずれ中国にも飛び火が考えられる。天安門事件が今一度起きないとは言い切れない。コンピューターという武器が大きな役割を果たすことが考えられるからだ。
 その一方で、北朝鮮ではとんでもない動きが起きているようだ。コラムニストの勝谷誠彦氏の昨日のブログでは、既に金正日総書記は亡くなっているという見方がかあるという。しかも、亡くなったのが1月18日であるという情報も入手しておられるようだ。果たして、真実はどうなっているのだろうか。まさに、興味津々である。
 ここに来て、日本の株価も少し戻してきている。まだまだ不安はいっぱいだが、もう少し上がってくれるのではという意味で興味津々である。筆者の持っている株価総額も、漸く今までのMAXを越えたレベルになってきた。もっと、もっと上がって欲しい。
 そんな中で、春を告げる男女の米国ゴルフツアーが始まった。男子はノーザン・トラストオープの第一日が進行中だ。一方の女子はホンダLPGAの第一日を終えている。男子では、12番を終って(今朝4時40分現在)、日本選手では、池田勇太選手が2アンダーで8位タイと頑張っているが、期待の石川遼選手は、3オーバーと大荒れ、今田竜二選手は7オーバーと極めて不出来である。一方の女子では、第一日を終えて、期待の宮里美香選手がー2で11位とまずまずの出足だ。上田桃子選手も同じく-2だが、宮里藍選手は+3で大きく出遅れた。明暗が大きく分かれての出だしで、美香さんファンの筆者はニヤニヤである。言うまでもなく、今後のこのドラマの展開も興味津々である。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時起床。体重、61.2Kg.もう雨は上がっている。午後は晴れそうだ。
 昨日の雅子はまずまずの様子だった。午後には、長男ご夫妻のお見舞いを受けた。久し振りのお見舞いだったので、雅子も嬉しそうに頑張って顔の表情で応接していた。

3.連載、難病との闘い(118) 第三部 施設、病院での介護生活(19)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(19)

 (2)新たな門出 (その8)
 部屋は、差しあたってはベッドが置いてあるだけのがらんどうだ。入口を入って直ぐ左がトイレ、右が小さなキッチンと洗面所、それに冷蔵庫を置くスペースも用意されている。出来上がったばかりの建物で、壁の白さ、フローリングの床板も無傷で気持ちがいい。広さも25へーべでゆったりしている。窓からの眺めは比良山を背景に、手前の畑を挟んで、ほぼ同形の戸建住宅が二列に数十軒と多く並んでいて、それなりに落ち着いた眺めである。視線を遠くに投げ掛けると、遥か彼方に、琵琶湖大橋の扇形になった橋の輪郭もしっかりと捉えられる。経費の関係で、琵琶湖の見える部屋は断念したが、ベランダの横から琵琶湖も捉えられるようだが、雅子は車椅子だから、残念ながら、その視角を取ることは無理である。
 雅子は、この部屋に入るのは初めてである。神妙な面持ちで車椅子のまま、ゆっくりと部屋全体を眺めていた。そして、この部屋が、これからの雅子の生活空間になるのだとしみじみとしたものを覚えるのだった。ここで、いろんな喜怒哀楽に満ちた舞台が、この部屋の中で展開されるのだろう。そんな思いにしばし陥っていた。どんな出し物になるかは、今は誰も知らない。
 とりあえず、一考は、雅子を車椅子の座らせたまま、車に積み込んで運んできた荷物の搬入を始めた。大小の二つの旅行鞄、それに幾つかの紙袋に詰め込んだ日常生活に必要な衣料品を軸とした小物ばかりである。介護士さんの手助けを得て、二回に分けての搬入だった。
 ところで、荷物を運び込む時に気づいたのだが、この館内では、一階以外のエレベーターは全てロックされていて、暗証番号を入力しないとドアが開かないのだ。従って、エレベーターを使う度に、介護士さんの方にお願いしてインプットしてくれるのを待っていなければならない。「随分と厄介なことだなあ」と言うのが一考の第一印象だった。その訳を聞いてみると、勝手に自分で出て行ってしまう人がいたりするのを防止するためとだという。なるほどと、思いながら一考は改めてこの施設のそういった事情を理解するのだった。
 到着したのが昼前だったことから、間もなく昼食のサポートが始まった。雅子が受ける入居後の最初の介護サービスだった。先の体験訪問時に一度経験していたので、そのこと自体には困った問題もなく、スムーズに終えることが出来た。続いて、お薬の服用、歯磨き、トイレとお願いした順序での段取りをこなした。最初は、心配そうに眺めていた一考だったが、何ら問題もなく、スムーズに全てのメニューが順調に進められて行くのを見て、何も余計な心配はすることもないと、愁眉を開くのだった。今まで、自分が一人で必死にやってきていたのが嘘のように思いながら、有難さを感じ始めていた。
 それらを終えて間もなく、霧子姉さんが到着した。一回り年が違うお姉さんで、雅子を生んで直ぐに亡くなったお母さんの役割も果たしてくれていたと言う。そういうことで、雅子が新しい生活を始めるに当たって、何かと心もとないだろうから、顔を見せてやって欲しいと、一考が頼んでおいたのである。今では、雅子には、霧子姉さんに勝る心強い存在はいない。二人は、顔を見合わせてほっとしているようだった。(以下、明日に続く)

1524 一体、どうなっているの?

 雨が降れば桶屋が儲かるというような現象が散見される。世の中、一体、どうなっているのだろうか、と思うような話題がいっぱいである。

1.独り言コラム
 民主党の鳩山由紀夫前総理の「方便」発言が大きな話題を提供してくれていて、国会論戦、ニュース、ワイドショーの話題の主役を務めている。失格で総理の座を下りた同氏は、一旦は政界を引退すると公言しながら、それを撤回しただけでなく、いろんなところで馬鹿げた発言を繰り返している。さっさと表舞台から降りるべきという声が大きい。同氏の頭の中は、一体、どうなっているのだろうか。北沢俊美防衛相が、この「方便」発言には、人生で驚いたことの1、2番に該当する発言だったと予算委員会で答弁していたが、むべなるかな、である。
 指名手配されている元グラビアアイドルの小向美奈子容疑者が昨日、マニラ空港で搭乗を予定していた飛行機をドタキャンしたらしい。空港での「早くご搭乗を」という繰り返しの呼び出しアナウンスにも姿を見せなかったようだ。このアナウンスで、既に搭乗していた20歳ぐらいの女性が、興奮し、急遽、その飛行機からキャンセルして下りたという。跡から降りた女性は何者で、二人の関係は、一体、どうなっているのだろうか。小向さんは、いくらもがいても、もう逃げられないのに!
 それにしても、覚せい剤の持つ恐ろしさを改めて思う。釈放された時には、もう二度とやらないと真顔で訴えていた美奈子さんだったが、僅か2年少しで、また手を出してしまった。覚せい剤が与える凄い快感は、忘れられないほどに身体に食い込んでいるのだろう。とにかく、その再犯率の高さがその凄さを表している。そうなると、お節介な話しだが、あの酒井法子さんは大丈夫だろうか、と思ってしまう。彼女は、今はどうしているのだろうか。
 エジプト政変が今度はバーレーン、更にはリビアにも飛び火して、大きなデモが起きているる。コンピューター時代の情報革命の貢献が大きいと言う。一方、コーヒー豆、大豆、小麦粉の国際価格が値上がりしていて、日本での関連商品の値上げは避けられないようだ。これが中東の政変と繋がっているという。一体、何がどうなっているのだろうか。
 昨日は、北朝鮮の金正日の69歳の誕生日だったようだ。ピョンヤンではお祝いのセレモニーが行なわれた。しかし、市民は、今年は例年のような食料の配球もないという。それだけ財源が逼迫しているのだろうが、市民は、一体、どうなっているのだろうと、憤懣を抱いているのではなかろうか。ところで、昨日、気付いたのだが、金総書記と筆者は、一つ違いということだ。それが、どうした、と言うことでもないが、…。
 歌舞伎界の大御所、中村福助さん(50歳)の不倫騒動が話題になっている一方で、中村愛之助さん(17歳)はイケメンの代表格で、もてもてだそうで、ここでも女性の話題で賑わっているという。ここに来て、先の市川海老蔵さんの話題が沈静化してきているが、この世界は、いつも何かと話題が豊富である。ところで、海老蔵さんの問題は、その後、どうなっているのだろうか。恐らく、その舞台復帰のタイミングについて、その落しどころを探っているのだろう。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、61.4Kg.お天気は午前中は曇りで、夕方には本降りになるという。
 昨日の雅子は朝から熱があった。それでも、昼間は、目を開けてくれて、よく話を聞いてくれていた。しかし、熱が引かず、午後の車椅子での散歩は取り止めた。

3.連載、難病との闘い(117) 第三部 施設、病院での介護生活(18)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(18)

 (2)新たな門出 (その7)
 雅子は、改めて、しみじみと思うのだった。自分が相坂家に入ったことで、必然的にこの施設に送られてくる運命を授かったのではなかろうか、ということだった。それは、穏やかな流れではあったが、不思議な人生の流れに乗せられて、気が付いたら、この施設に運ばれて来ていた、というのである。そこには、自分でも不思議に思う奇縁という掴みどころのない存在を意識するのだった。
 その奇縁を説明するには、夫の五人の姉妹たちが住んでいる場所について触れなければならない。それは、一言で言えば、彼らの住まい先が、全てこの国道161号線沿いに綺麗に点在しているのである。もっと言えば、彼女らの住まいの最寄のJRの駅が、綺麗にその湖西線の各駅に重複する事無く並んでいるという奇縁である。このたびのアクティバ琵琶への入居が、雅子自らも、その沿線の一人として仲間に加わったことを意味していた。
 つまり、五人いる夫の姉妹達は結婚して、一旦はそれぞれ旦那さんの仕事先に嫁いで行ったのだが、時を経て、一人を除いて全ての家族が、不思議にも、このJR湖西線沿線に舞い戻って来ているのである。ただ一人、四女の美奈子だけが、逆に、この沿線から出て行ったのだが、もとはこの沿線の住民だった。
 具体的に説明してみよう。JR湖西線は、京都―山科から滋賀県に入って、大津京、唐崎、比叡山坂本、雄琴、堅田、小野、和邇の各駅が続いている路線である。一考の姉妹達は、この沿線に散らばっていて、大津京に(元西大津)五女の良美、隣の唐崎駅近辺に、次姉の久子、次の比叡山坂本駅には長女の綾子、そして堅田駅にはかつては4女の美希子がいたが、彼女だけは今は静岡にいる。更に、その先の和邇駅近くには3女の奈津子がいる。こう見ると、ちょうど雄琴駅だけが空席になっていたのだが、そこに、恰も予約されていたように、雅子が入ると言うことになったのだ。それというのも、アクティバ琵琶の最寄駅は雄琴駅なのである。マージャンでいう「間ちゃん待ちに、振り込んだ」ように、自分が飛び込んだ形になり、これで、珍しい一気通貫が完成したのである。実に不思議な奇縁である。神様も、そんなお遊びを考えておられたと思うと、自分でも可笑しくて笑ってしまいそうある。
 (なお、ここからは、先走りになるが、その後、時を経て、雅子は琵琶湖大橋病院に長期入院することになるのだが、その病院は、JR湖西線の堅田駅と小野駅の間にある病院である。かくして、大津京、唐崎、比叡山坂本、雄琴、堅田、小野、和邇という連続7つの駅が連なったのである。とても不思議な奇縁と呼ぶべきものかもしれない。)
 一考は、車を新棟の翔裕館の玄関に着けた。そこからは、迎えに来てくれた介護士さんの手助けを受けて車椅子で、広々とした中央ロビーを抜けてエレベーターで4階に直行した。
 エレベーターを降りると、直ぐ左手は管理室があるが、それを横目に見遣りながら、ネームプレートに「比叡」とある入口の扉から中に入った。そこは、食堂とロビーを兼ねた大広間で、正面に見える琵琶湖が美しく雄大に映えている。部屋の一角には、大型のテレビが置いてあり、数人のお年寄りの方が、三々五々テーブルの椅子やソファーに腰をかけて、それに見入っていた。
 雅子の部屋は403号室である。介護担当者が常時いることの多いダイニングルームに直結している。一考は、ゆっくりとその部屋に車椅子を乗り入れた。近くにいた介護士さん達が寄ってきてくれて、挨拶を交わし、その場に居合わせた他の居住者達に、新しい入居者であることを紹介してくれた。時、恰も、平成19年12月10日、午前10時52分だった。かくして、「殿。御成り」ではないが、雅子の新しい人生がスタートしたのである。(以下、明日に続く)

1523 「二枚」と付く言葉

 連想ゲームではないが、「二枚」と付く言葉を辞書で探して見ると意外に多いのにびっくりである。二枚目、二枚目半、二枚舌、二枚落ち、二枚落とし、二枚貝、二枚重ね、二枚肩、二枚監察、二枚鉋、二枚櫛、二枚蹴り、二枚腰、二枚戸などがある。中には、知らなかった言葉もある。今朝は、その幾つかについて取り上げてみよう。

1.独り言コラム
 エジプトの政変で、アメリカはその対応で戸惑っていたと思われる。長期に渡りムバラク大統領を支持、支援してきていただけに、この政変にはうまい対応が求められていたからである。結果的には、ムバラク大統領の辞任を求めたのだったが、「二枚舌」を使わざるを得なかった。こういうことは、個人の人間関係でも幾度かは経験することである。
 今の菅総理も、マニフェストに関しては「二枚舌」を多用している。それでも、同氏は、もはや崖っぷちである。昨日はやっとのことで、宿敵小沢一郎元代表の扱いで、判決が出るまでの党員の資格停止という結論に辿り着いた。今は、形の上では、岡田克也幹事長と仙谷由人代表代行の「二枚肩」に担がれて頑張っているものの、予算関連法案が通らない限り退陣の危機には変わりない。止むを得ない手段として、社民党に秋波を送っているが、ここでも「二枚舌」もいい処だ。ここまで来ると、幾ら「二枚腰」で頑張ってみても耐えられないであろう
 その「二枚腰」と言えば、その典型が文字通り、公益法人の日本大相撲協会である。麻薬、野球賭博、そして八百長と次から次へととんでもない事件が相次いで発覚し、その対応に大わらわである、今や、その存亡の危機と幾度も言われ続けていて、完全に膿を出すと繰り返しならが、持ち前のいい加減な対応が続いている。これでは、体のいい、臭いものには蓋の繰り返しである。言ってみれば、ここでは「二枚腰」と云うよりも柳腰での受け流しである。この辺りで、「二枚蹴り」のような鮮やかな決め手に期待したいのだが、…。このままでは、国技と自称していたが、酷疑と揶揄されても軽く受け流すのだろう。
 さて、橋下徹大阪府知事が、遂に槙尾川ダムの建設中止を決断した。全国で初めての着工ダムの建設中止宣言である。あの八ツ場ダムもまだ中止の結論は出ていない。万が一、そのために犠牲者が出たら責任は免れないであろう。しかし、彼は「二枚舌」は使わないはずで、その政治的な指導力は、とても勇気があって、大したものだと思う。
 寒さも漸く峠を越したようだが、今朝もまだ、セーターとコートの「二枚重ね」から、早くさよならをしたいと思う。春遠からじであり、今しばらくの我慢が必要である。
 最後に、筆者には縁のなかった「二枚目」、「二枚目半」という言葉で、今朝のこのコーナーを閉じたい。昔よく耳にした言葉だが、筆者はその響きを持て余していた。今の言葉で言えば、イケメンである。もし、将来生まれ変わることがあるとすれば、一度、そんな恩恵を味わってみたい気持ちはある。そんなことを呟く筆者は、器の小さいつまらない男である。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時40分起床。体重、61.6Kg.寒さはそれほど緩んでいない。お天気は良さそう。
 昨日の雅子は、痰は相変わらず多く、血圧はいつもより少し高かった。その一方で、珍しく目を開いてじっと見つめて話を聞いてくれる時間が長かった。左目が赤く充血していたので診てもらったが、特に問題はなく、暫く静観する。また足の指に出来た出来物を、主治医が診に来て下さって、然るべき手当てを受けた。主治医にお会いしたのは久し振りだった。

3.連載、難病との闘い(116) 第三部 施設、病院での介護生活(17)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(17)
 
 (2)新たな門出 (その6)
 雄琴と言えば、湖国随一の規模と歴史を誇る温泉地である。今から1200年前に最澄が開いた湯とも言われている。貴族の今雄宿禰の荘園があって、その館から琴の音が聞こえていたことから、雄琴と呼ばれるようになったという。
 この街の暗部は、関西では神戸の福原と並らぶ屈指の風俗街があることだ。インターネットで調べてみると、40~50軒の店が紹介されているが、全体の傾向としては、衰微傾向にあるという。
 幸か不幸か、一考は、これからは、この道を毎日通うことになる。心配なのは、夜遅くなった場合で、その誘惑に惑わされるのではないか、ということだが、年も年で、もはやその心配がないのが寂しい。
 いずれにしても、この日の朝は、そんな余計なことを考える精神状態ではなかった。二人の新しく始まる人生を思って、緊張した気持ちでハンドルを握りながら、一考はアクセルをそっと踏み込んだ。目指すは、そこからは直ぐである。正面に「アクティバ琵琶」と書いた大きな案内ボードが見えてきた。そこを右折して少し琵琶湖寄りに進むと、薄チョコレート色を基調とした大きな建物が現れた。
 雅子の入る介護付きの新館「翔裕館」は、その建物群を横目に見て、更に琵琶湖よりに進んだところにある。新築がゆえに、見た目はホテルのような感じの良い建物である。一考は、ハンドルを切りながら「さあ、着いたぞ」という気持ちに切り変え、正面玄関の前で車を進めた。いよいよ、二人の人生の新しい舞台の幕開けである。
 アクティバ琵琶は、昭和59年、つまり1984年12月に会社が設立されている。それから3年後の昭和62年(1987年)に営業が始まり、施設の開設が行なわれた。その後、増設が繰り返されて現在の8棟体制と介護専用棟の翔裕館が加わった。現在の規模は、一般居室が300室、介護居室が109室ある。この収容規模は、他の介護付き老人ホームの3倍以上で、圧倒的に群を抜いている。
 雅子は、このアクティバ琵琶が開設された頃のことを、何故かしっかりと記憶している。当時としては、かなり大きな宣伝が打たれていたことがあったためだろうが、雅子も地元の住民の一人として、それなりに強い関心を持っていたのだった。
 ちょうど夫がその2年前の1985年に東京に単身赴任した後で、別居生活も漸く軌道に乗り始めた頃だった。自らが、夫の両親と二人の子供たちの面倒を一手に引き受けて、八面六臂の頑張りの毎日を送っていた頃である。
 或る日、近くのスーパーに買い物に行くと、そのアクティバ琵琶のマイクロバスが横付けされていて、お年寄りの方々が団体で買い物に来ているのを何回か目にしていて、それなりに親しみを覚えていた。
 しかし、まさか、である。その二十年後に、自らが、そこでお世話になるとは、当然ながら微塵も考えていなかった。(以下、明日に続く)

1522 金科玉条の如く戴く憲法

 政治評論家の三宅久之さんが、憲法はある意味では「国民と国家の契約のようなものと考えてもいい」と或る番組で発言されていた。なるほど、権利、義務、自由などの条項内容は、まさにその対象だと思う
 
1.独り言コラム
 日曜日の午後に東京エリア以外で放映されている人気番組の「たかじんのそこまで言って委員会」を一日遅れて、昨日ビデオで見た。今回は憲法改正問題を扱っていて、大変参考になったし、面白かった。
 番組の中で、桜井よしこさんが、披露した話が耳新しく面白かったので紹介しておこう。
 それは、早稲田出身の憲法学者の西修先生が、憲法起草に関わった存命中の米国人、11人を訪ねて、当時のことを確認された話である。西先生が、その憲法についていろいろと訊ねられた際に、彼らのほとんどが、「え! まだそんな憲法を使っているの?」という驚きの答えだったという。つまり、彼らは、日本が落ち着いた暁には、自分達で日本人の考え方に沿った憲法に作り直すものだと考えていたからだそうだ。
 そういう意味では、彼らは、あくまでも、GHQが戦後の統治をやり易くするために暫定的に作った憲法だったのだ。そこで、西先生が、「2/3以上の賛成条項」が容易に改正できなくしていると説明し、何でそんな高い改正障壁を作ったのかと確認されたところ、多くの方が「そんなことがあったかな。よく覚えていない」との答えだったようだ。
 要するに、事ほど左様で、そんな程度の考えで作られた憲法を、未だに金科玉条の如く戴いている日本人の馬鹿馬鹿しさを改めて思うのである。番組では、「先ずはこの2/3条項からの改正に取り組まねば、如何ともし難い」という結論を導いていた。
 それにしても、桜井よしこさんはよく勉強しておられる。その意味では筆者も、今ではファンの一人だが、彼女には一つどうしても納得できない発言があって、その事で100%のファンにはなり切れていない。
 桜井さんの許せない発言とは、住基ネットに関するもので、当時、全国ネットを作るべく、全国の都道府県が導入を図っていたのだが、その時に、これは情報の漏洩を防ぐ対応が不十分ということで、導入を強く反対されたことだった。確か長野県の当時の田中康夫知事は、その発言を重視し、導入しなかった。筆者は、当時、会社でシステム部長を拝命し、業務パッケージソフトの導入プロジェクトに携わっていただけに、システム、コンピューターへの不信を全国に喚起するその発言を、筆者は許せなかったのである。
 結局、その事で住基ネットが骨抜きになってしまっていて、全国ネットが機能していない。(正確な現状は把握していないが)。
 あれから、もう10年以上になる。桜井さんには、情報の漏洩で何か問題がありましたかと、開き直ってお聞きしてみたい、と今でも思っている一方で、そんなことに拘っている自分に、人間としての器が小さすぎるのではとの思いもある。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、61.5Kg.雪は上がっている。幸い、ほとんどが溶けいて積もっていない。
 昨日の雅子は、朝は少し熱があったが、その後は平熱に戻っていた。午後には車椅子で散歩。友人が送ってくれたお花を見せ、手紙を読んであげたし、歌を吹き込んだテープを聞かせてあげた。久し振りのお便りに、目を開けて応えてくれていた。

3.連載、難病との闘い(115) 第三部 施設、病院での介護生活(16)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(16)
 
 (2)新たな門出 (その5)
 滋賀県は国宝の数は日本の都道府県でも5位の地位を占めている。近江は歴史的には、天知天皇の大津京に始まり、信長、光秀などの武将の拠点だったことを考えると、大変な大役を果たして来ていた。それだけに、その史跡、旧跡、名勝といった類のものが、この辺りにも幾つか点在している。先ほどの唐崎の松もその一つだし、やがて、目に飛び込んで来る琵琶湖の中に立っている赤い鳥居もそうである。
 その鳥居は、七本柳の鳥居とも呼ばれているようだが、琵琶湖の中に立っているこの赤い鳥居の姿を見ていると、少し大袈裟だが、世界遺産の厳島神社の鳥居を思い出させる。さすがにそれは言い過ぎだとしても、同じ琵琶湖の北にある白髭神社のイメージを重ねてみたくなる。対岸の中央に形よく座っている近江富士(三上山)がうまくコラボレーションしていて、その眺望は味のあるものになっている。じっくり見るとなかなかの景観で印象に残る。
 さて、この鳥居だが、これは全国に3800余りある分霊社、日吉神社、日枝神社の総本宮である日吉大社の出先の一つでもある。毎年、四月に行なわれる山王祭のメインイベントで、「船渡御」と呼ばれる七つの神輿を船で唐崎神社に運こび出す際の基地となる。
 大津の住民として恥ずかしい話だが、一考は、ごく最近までこの鳥居が何ものであるかを知らずに行き来していた。いずれはその日吉大社の「船渡御」を一度見てみたいと思っている。
 その七本柳の隣が、北大津湖岸緑地で、その緑地の一角には、明智光秀の銅像が立っている。どうやら、この辺りが、1572年に光秀が造った坂本城があった処のようで、国道沿いには坂本城址と掘った石碑が建っていて、車からも、それを見ることが出来る。また、その少し先に、センサーや自動制御機器で知られる一部上場会社のキーエンス社の研修所があるが、その入口に坂本城本丸の説明碑がある。
 なお、ものの本に寄れば、坂本城は、織田信長の安土城につぐ豪壮な城で、場内に琵琶湖の水を引き入れた水城形式だったという。
 助手席の雅子は、最初はじっと前を見つめているようだったが、どうしても首が下向きになってくるので、俯いたまま何か考えに耽っているようだった。
 車は、間もなく急な坂道を上って下ったところの下阪本六丁目の交差点を通過した。その手前の右側に、近江おこし本舗がある。因みに、そこを左折して進めば、日吉大社に通じている。そのまま国道を真っ直ぐ北に進むと、大手企業のカネカの工場が姿を見せる。そこを突っ切って走ると、やがて、右手に比較的大きな下水道処理場がある。この辺りはもう雄琴の界隈に入ってきているのだ。苗鹿(のうか)三丁目の信号の右手前に「近江おこし本舗」がある。そこを突っ切り、その次の信号を過ぎると、湖岸の方に怪しげな風俗街の建物が視界に入って来る。そこを抜けると、雄琴の中心街で、旅館、ホテルが幾つか並んでいて、目的のアクティバ琵琶は直ぐそこである。(以下、明日に続く)

1521 若手人材の重要さ

 有力な若手がどんどん活躍する世界は伸びている。スポーツ界でその傾向が顕著だが、それは何もスポーツに限ったことではない。

1.独り言コラム
 プロ野球のキャンプも佳境に入って来ている。昨日からは、紅白戦、練習試合、それにオープン戦も始まった。今年は例年以上に、新人選手や移籍した新加入の選手への関心が高いようだ。
 注目の日本ハムの斉藤佑樹選手が、昨日韓国のサムソンとの練習試合に2番手で登板し、2番から始まる相手の中心打線を3人で抑えて、無難なデビューを飾った。梨田監督を始め、関係者もほっとしていることだろう。
 若手の人材では2年目の中田翔選手も2本の本塁打を放って気を吐いたし、漸く大物の本領を見せ始めた。巨人にドラフト1位で入った大物新人の澤村拓一投手も、昨日の紅白戦では、なかなかの出来栄えだったようだ。他にも、西武の大西達也投手も順調な仕上がりのようで、大きな期待が集まっている。一時はサッカーに人気を奪われた野球だが、期待の人材が多く加わることで、その人気の回復が出来ているようだ。
 そのサッカーもこのところ、有力人材の輩出が目立っている。長友佑都、本田圭佑、川島永嗣、香川真司、長谷場誠などなど、今や世界で活躍している選手が多い。ロンドンオリンピックを目指すU-21の選手たちも頑張っていて、第一戦はクウエートを破って順調だ。
 ゴルフも然りである。数年前にデビューした石川遼選手に代表されるように、毎年、新しい顔が登場して来ている。特に女子では、最近では、有村智恵、飯島茜選手などの美人ゴルファーが数多く出て来て人気を高めている。
 ボクシングでも、一昨日、21歳の新チャンピオン、井岡一翔が誕生した。デビュー後7戦での世界チャンピオンの誕生は最速の新記録だそうだ。
 女子の卓球では高校生の全日本チャンピオンが誕生した。石川佳純選手だ。彼女は、イングランドオープンのU-21では金メダルを奪っている。
 日本のフィギュアスケートの世界は、男女とも人材豊富だ。若手の村上佳菜子、羽生結弦の二人の若手の活躍は、浅田真央、安藤美姫、高橋大輔、織田信成、小塚宗彦などの強豪にも、大きな刺激となっている。
 将棋も、羽生名人以降の若手が顔を出し始めた。広瀬章人王位を始め、豊島将之六段、戸田誠六段、糸谷哲郎五段、佐藤天彦五段などの若手の活躍が目覚しい。佐藤天彦五段は目下17連勝中だし、糸谷五段は、昨日放映されたNHK杯トーナメントで、筆者の好きな郷田真隆九段を破ってベスト4に進出している。
 文壇でも毎年芥川賞、直木賞で新人が定期的に登場する。今年も4人が選ばれたが、中でも、若手の朝吹真理子さんが「きことわ」という耳慣れない言葉のタイトルで受賞したのが目立っている。
 芸能界も新人のデビューは盛んだ。ちょっと見ぬ間に名前を知らないかわいい新人がテレビの画面に顔を出している。NHKの大河ドラマでも、横山樹里さんの「江」の活躍はまずまずである。
 その反面、人気失墜しているのが大相撲だ。八百長の話が更に不人気を煽っているが、日本人力士の若手がなかなか出て来ないのが問題だ。目下その存亡を掛けて八百長対策に腐心中だが、古い体質の活性化が遅れている象徴的な世界である。
 そう言う意味では、政治も同様だ。民主党に政権が変わって1年半になるが、新しい有能な人材が出て来ると期待したのだが、その無力、無能さが目立つばかりで、国民は裏切られた感じである。政界全体が活性化しないのは、やはり、これといった若手の政治家の登場が乏しいからではないか。
 今朝のニュースでは、読売系の世論調査で、菅内閣の支持率が22%台という数字が報道されている。これは、あまりにも低く過ぎる。小沢ガールスといった若手が当選しても、力のある新人が出て来なければどうしようもない。新人の小泉進次郎氏が、やけに目立つようでは、その人材の層の薄さを見せてくれているようで、先行きが心配である。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 2時半起床。体重、61.6Kg.寒い。天気予報は午前中曇りで午後には崩れるという。
 昨日の雅子は、前日並みで比較的穏やかだったが、時々纏めて痰が出る。看護婦さんたちが少なくて多忙そうなので、午後の散歩は見合わせた。左目が赤くなっていたので、検診をお願いした。午後は、比較的目は開けてくれていた。

3.連載、難病との闘い(114) 第三部 施設、病院での介護生活(15)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(15)
 
 (2)新たな門出 (その4)
 車はいつものように、自宅から近江神宮の参道に出て、柳ヶ崎の交差点を左折して国道161号線に入った。 そこからは、湖岸に沿って北上する。月曜日の午前中だったが、幸い、道は空いていて車は快適に走った。雄琴にあるアクティバ琵琶の施設までおよそ9キロの距離で、夫の安全運転でも20分程度のドライブである。
 ハンドルを握りながら、一考は、妙に心が高ぶっている自分を意識していた。雅子への複雑な思いを反映していることは確かだった。何しろ、自分が尽くして来た介護を手放すことへの不安と安堵、同時に、人任せにする無責任さへの忸怩たる思いが絡まった複雑なものだった。中でも、これから始まる新しい環境での新しい生活に、雅子はうまくやっていけるのだろうか、といった心配が一考の心を苛むのだった。とにかく、今までは自分が傍にいて、それなりに気を利かして何かとやってきていたが、これからは、そのような細かいサービスを期待するのは難しいのではないか。特に、言葉が不十分な上、あらゆるリモコン類、スイッチが押せない。従って、緊急の呼び出しブザーも押せない。幾ら、ヘルパーさんのいる近い部屋だといっても、四六時中見ていてくれる訳ではない。うまく、コミニケーションを取ってもらえるのだろうか、それが一番の心配だった。持ち込んだあの赤ちゃんの声をモニターする機器は、アクティバ琵琶としては、当面は使わないとのことだった。
 さて、車は柳ヶ崎を左折、そのコーナーにある大津競輪場を左に見て真っ直ぐ北に進むと、すぐ右手には自衛隊の大津駐屯地が続く。昭和59年の開設で、もう50年近くの実績を残している。陸上自衛隊の中部方面の教育を預かっているという。どの程度の部隊が駐屯しているかは定かではないが、よく仮免許練習中と書いた札を付けた大型の車を見かける。教育の一環として見習い運転をしているのだろう。
 アクティバ琵琶までのこの沿線には大きな企業は数少ない。自衛隊駐屯地から直ぐの琵琶湖マリーナを過ぎると大塚製薬の研究所がある。この辺りは、琵琶湖からつかず離れずを繰り返す道路で、建物の切れ目からちらちらと琵琶湖が姿を見せてくれる。好天なので、琵琶湖も格調高く映えて美しい。今までに数え切れないほど眺めてきた琵琶湖だが、今日は何故か神々しく、雅子には映っているだろうと一考は思った。 
 間もなく、右手に一時話題になったKKRのホテル見える。ここでは、雅子は友人達と幾度か昼食会を持ったところだそうだ。そこを過ぎれば唐崎一丁目の交差点だ。。ここから少し湖岸寄りに入り込むと、琵琶湖に突き出る形で唐崎神社があって、そこには、近江八景でお馴染みの「唐崎の松」がある。今ある松は、三代目の「松」だそうで、樹齢150~200年といわれている。よく手入れされた松の美しい姿が観光客の心を捉える名勝の一つだ。(以下、明日に続く)

1520 ちらほら

 桜がちらほらという表現は、まだ時期尚早のようだが、世界でも日本でも、春めいた変化の証として、新しい話題が「ちらほら」と見え始めて来ている。恰も、桜前線がゆっくりと北上するように、である

1.独り言コラム
 今年の冬は雪が多かっただけに、その分春の訪れが待ち遠しい。そろそろ、ちらほらと春の話題が出て来そうなので楽しみである。
 さて、その待ちに待っていた春がエジプトのカイロには、一足早く訪れている。民衆の偉大な力が30年続いたムバラク政権を倒したのである。しかし、心配なのは、その政権の受け皿が見えないことだ。IAEAの第4代事務局長のエルバラダイ氏やスレイマン副大統領などの名前が「ちらほら」だが、どうなるのであろうか。ここで、躓いて元も子も失くしては一大事だ。新しい力強い後継者の登場を世界が待っている。
 後継者と云うことでは、東京都知事選の話題が、ここに来てやっと「ちらほら」出始めている。前宮崎県知事だった東国原英夫氏、ワタミのCEOである渡辺美樹氏、共産党の小池晃氏などの名前が出てきたが、まだ肝心の大物の名前が見えない。舛添要一氏や蓮舫氏なども様子見のようだ。キーマンは、やはり現職の石原慎太郎氏だろう。同氏がその動向をはっきりさせていないので、やきもきしている方々が多いのではなかろうか。果たして4選はあるのだろうか。お得意の後出しじゃんけんに勝負を賭けようとしているのだろうか。興味深いことが多い。  その一方では、長男の石原伸晃自民党幹事長から、出馬の要請が出ていて、親子の談合? といった穿った見方もないではない。いずれにしても、この石原氏の動きが軸となりそうだ。なお、都民は、東国原氏を選ぶことはないだろう、というのが、筆者の独断的な直感である。
 日本テレビの朝の看板番組のズームイン・スーパーがこの春の番組改編で消えると言う話が「ちらほら」出ていたが、この話は、どうやら、本当らしい。MCの一人の羽鳥慎一氏が3月末で日テレを退社し、独立するというタイミングでの決断のようだ。その背景には、フジテレビの「めざましテレビ」の後塵を拝したことが大きいようだ。33年間続いた長寿番組だけに、ファンもなかなか受け入れるのに時間が掛かるのではなかろうか。西尾由佳里ファンの筆者も少し残念な気がしている。
 ちらほら、でなく週刊誌にスクープされたNHKのお天気お姉さんの半井小絵さんも、4月からは全国ネットからは姿を消すという。一転して、関東地区の夜の8時45分からの担当に変わるらしい。これは、いわゆる左遷であって、ファンは寂しい、悔しい話題である。
 ムバラクだけでなく、長く続くことには、良いことも多いが、その反面、悪い側面も出て来る訳で、適切なタイミングでの転換は、大事なマネージメントの一つだと思う。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時40分起床。体重、61.5Kg。今朝も寒い。予報では晴れということだが、…。
 昨日の雅子は、症状的には安定していた。しかし、反応は相変わらず今一つだった。午後には、車椅子で散歩して気分転換をはかった。

3.連載、難病との闘い(113) 第三部 施設、病院での介護生活(14)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(14)
 
(2)新たな門出 (その3)
 姑は、この日の雅子の旅立ちを独特の古い感覚で捉えていたようだ。とにかく、まだそんなに若い年で老人ホームに入居すること自体に、この上ない気の毒さを思い、心からの同情が先行していて、雅子と顔を合わせるだけで涙するような気持ちの高ぶりの日々が続いていた。
 いつもは、昼前に起きて、朝食と昼食を兼ねた食事をするのが日課なのだが、この日は、雅子の旅立ちに備えて、いつもよりも早起きして雅子が挨拶に来るのを待っていた。その雅子が挨拶に訪れた時には、ちょうどその朝食と昼食の兼ねた食事に手をつけた直後だった。
 雅子は、昨夜から考えていたことを話そうとしたのだが、案の定、言葉が思うように出て来なかった。一考が、その辺りを忖度して、代わりに「ただ今から参ります」という簡単な挨拶をしてくれた。姑はいつもの口癖の「自分が何もしてやれなくて申し訳ない」と言いながら、雅子の手をとって「身体に気をつけてね。科学の進歩は目覚しいから、近いうちに新しいお薬が出て来ると思うので、粘り強く頑張ってね」とエールを送ってくれた。ただ、九十五歳になる姑の口から、たとえそれが口癖であるにせよ「何もしてやれなくて…」と幾度も聞くのは、雅子にも苦痛に響くのだった。昔の人間は、老人ホームに入ること自体が、ある種の姨捨山的な考えとして捉える傾向があっただけに、気の毒だという考えが先行していたのだろう。
 堅苦しい挨拶を済ませて、いよいよ車に乗り移る。いつものように、夫が、車椅子から抱えるようにして車の助手席に運びあげてくれる。助手席に腰を下ろしながら、夫の今日のこの力仕事が、新しい生活の始まりを告げてくれていると思うと、何故か心が痛むのだった。 
 車の後部座席は、既に、幾つかの荷物で一杯になっていた。後ろに車椅子を乗せると満杯になる。ちょっとした旅行に出掛けるといった感じにも思えるが、時々戻ってくることはあっても、本格的には戻ることのない旅だと思うと何だか寂しく、悲しい気持ちになる。気を遣った夫が、年末にはまだ戻って来るよと、意識的に大きな声で言ってくれたのだが、それが却って気持ちを重くするのだった。
 それにしても、本当に絵に描いたような冬晴れの気持ちいい天候だった。旅立ちに相応しい好天である。いたずら好きの神も、この日だけはサービスしてくれているようだった。大きな不幸の中で、そんな他愛もないことに、雅子は小さな幸せを意識するのだった。その一方で、一考のハンドル裁きが、いつもよりも、少しぎこちないように感じられた。妻の今日の旅立ちに、複雑な思いが胸中に去来しているのだろうと雅子は考えていた。(以下、明日に続く)

1519 拡がる安堵感

 ほっとすることは健康にいいのではないだろうか。エジプトでも日本でも、それぞれ注目されていた心配な動きに、ほっとした安堵感が得られた金曜日だった。

1.独り言コラム
 心配されていた天皇陛下の心臓の周りの血管の精密検査が東大附属病院で行なわれた。冠動脈の一部に動脈硬化が見られるが、日常生活には支障がないという。差し当たっては、お薬による治療が行なわれるようだ。若しかしたら、筆者が使っているワーファリンと同種のお薬を服用されるのではなかろうか。陛下は今日退院されるようだ。いずれにしても、国民の間にはほっとした安堵感が拡がった。
 遂に、国民が待望していたエジプト情勢に大きな動きがあった。スレイマン副大統領がムバラク大統領が辞任することを決断したと発表したのである。大統領の家族はカイロを出て、シナイ半島の保養地、シャルムエルシェイクに到着したと伝えている。(これには別の情報もあるようだ。)しかし、権限は軍に委譲したとしていて、何時、辞任するかは分かっていない。
 同国では、金曜日の夜の礼拝後に、大きなデモが繰り返されて来ていた。2月4日には「追放の金曜日」、昨夜は「殉教の金曜日」と称されて、デモは一段と大きなの流れになって来ていたのである。そして、その直前の昨日の朝には、一時、ムバラク大統領が即時辞任するという情報が世界を駆け巡ったが、その直後の放送で、大統領は任期いっぱい務めるという発表をしたことで、市民、国民の失望でカイロはどよめいた。
 そのことは、日本でも、昨日の朝のニュースやワイドショーで解説者やコメンテーターの発言を戸惑わせていた。読売テレビの「す・またん」という番組の6時前のコーナーで、「間もなくムバラク大統領が辞任すると言う放送が流れるはずだよ」と解説者の辛坊治郎氏が得意げな顔でコメントしていたが、その直後に、そうではないと言う放送があったことで、突然、その口調はトーンダウンしていた。
 しかし、現地では、市民が猛反発し、昨夜は、それまでの最大級のデモに発展していた。それだけに、今朝のスレイマン副大統領の発表は、市民の中に安堵が拡がっているようだ。米英仏を含めて、世界もこの動きを歓迎している。
 一方、ロシアのラブロフ外相と会談した前原誠司外相は、厳しい環境下であったが、良く頑張って日本の主張を訴えたようだ。会談は予定を延長してほぼ2時間近く行なわれたようだ。期待の領土問題では、双方がそれぞれの主張を行なった形で平行線に終ったが、日本の主張が堂々と繰り返されたことの意味は大きい。結果的には、具体的な進展はなかったが、菅総理の「許せない暴挙」という発言がロシア政府の大きな反発を買って、大ブーイングを受けての訪問だっただけに、同氏の頑張りは大いに多とすべきであろう。多くの日本の国民が安堵感を覚えたに相違ない。
 不安と安堵は、幾度も繰り返されるものだが、とにかく、不安がなくなる事が先決だろう。そのためには、政治の役割が大きいということは確かである。

2今朝の一考、昨日の雅子
 3時45分起床。体重、61.7Kg.雪もある曇り空との予報だが、このローカル予報は、このところ、ほとんど当たっていない。
 昨日の雅子は比較的落ち着いていた。一考の話にも、時々目を開けて聞いてくれていた。午前中は口腔クリーニング、午後には入浴を受けた。

3.連載、難病との闘い(112) 第三部 施設、病院での介護生活(13)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(13)
 
 (2)新たな門出 (その2)
 夫は、自分の朝食を手早く済ませると、いつもの朝の手順に沿って、着替え、朝食、トイレ、洗顔などを、いつもよりは手早いペースで終えてくれた。
 そして、出発準備の段取りに取り掛かってくれたのは、9時過ぎだった。前夜までに、新居となるアクティバ琵琶に持ち込むべきものを纏め、大小二つの旅行鞄と幾つかの紙袋に入れて、差し当たっての準備は終えてあった。夫は、先ずは、それらを車に運び込んだ。車が小さいので、数度に分けて運ばねばならないかと心配していたようだが、幸い、すんなりと全部が収まったようで、夫もほっとしているようだった。
 続いて、夫は、私の衣装変えに取り掛かってくれた。昨夜、希望を聞いてくれて準備しておいた衣装に着替えさせてくれるのである。何も、わざわざそんな別な衣装に着替えることをしなくてもという気持ちもあるが、自分の新しい旅立ちでもある。それなりに自分の気持ちを整えておきたいとの思いでの着替えなのだ。この着替えも、身体が不自由だから結構手間が掛かる。夫は慣れた手つきでそれを終えると、今度は、外出前のいつもの手順で口紅を薄く塗ってくれた。これで、自分なりに気持ちの切り替えも出来て、旅立のセレモニーを終えた気分になっていた。
 大体の準備が終わったところで、車椅子に座り直して、母親のところに挨拶に連れて行ってくれた。何か、娘が嫁に行く日の朝のようで、雅子は、必要以上に緊張している自分を意識した。
 そう言えば、あの嫁ぐ日のことが、雅子の脳裏に甦って来るのだった。もう四十年近い前のことだったが、意外に鮮明にその時のことが思い出される。確か、あの日も秋晴れの好天だった。お見合いという古風な形で結ばれたことで、愛だの、恋だのといったちゃらちゃらしたものとは無関係だった。その時の雅子の正直な気持ちは「まあ、いいか」といった軽い気持ちで決意した結婚だった。母親の「そろそろ決めないと売れ残りますよ」との繰り返しの脅しが決断を後押したのは確かである。それなのに、その朝、両親に挨拶に伺うと、悲しくもないのに、何故か涙が溢れてくるのが不思議だった。「しっかりと尽くすのですよ」と、それまで育ててくれた時と同じトーンの厳しい激励の言葉をもらったのを、今でも忘れていない。その言葉に「どんなことがあっても、戻って来ることは許しませんよ」という強いメッセージだったと受け取っていた。そこには、雅子を生んで急死した前妻の後に嫁いできて、五人の子供たちを育て上げた継母としての、責任を全うしたという自負が滲み出ていたからである。従って、その時の雅子の気持ちは、そんな継母への感謝と同時に、その期待に沿って、明るくて楽しい家庭を築いていきたいという単純明解な希望に満ちたものだった。
 しかしながら、今朝の旅立ちは、それとは全く対照的なものだった。夢のない片道切符を手に、先行きのはっきりしない旅立ちに、雅子は、まさに天と地の違いを感じていた。換言すれば、今日の旅立ちは、恰も立ち込める霧の中に向かうような心許ないもので、それを口にすることさえ憚られる重苦さを感じていた。それでも、そんな思いは出来るだけ顔に出さないように務めながら、淡々とした気持ちで、義母のいる母屋に挨拶に出向いたのである。(以下、明日に続く)

1518 物別れ

 話が進展しないとか、纏まらずに物別れになる話題、ニュースが続いている。「物別れ」そのものが戦いの一つの戦術である。どちらが、どんな形で物別れを演出するかが、その後の対応の主導権を左右する鍵になることが多い。

1、独り言コラム
 強制起訴された小沢元代表の扱いについて、管総理とご本人の小沢一郎氏との直接会談が昨日の午後に首相官邸で行われた。50分に渡る話し合いだったが、結果は、事前の予想通り、物別れに終った。管総理が小沢氏に「自発的に党を離れてくれないか」と要請したのに対し、小沢氏がきっぱりと断ったのである。民主党としては、来週に党の役員会、常任幹事会でその扱いを最終決定するという。ともかくも、二人が一緒になって民主党を作り、政権奪取を果たした間柄であり、総理の方が遠慮しているように見受けられる。相撲で言えば、元幹事長が、上手捻りで管総理を投げた、といった感じである。
 8日から板門店で行われていた南北会談は、9日になって北朝鮮が一方的に退場したために次の会談日程も決まらないまま、物別れに終わった。韓国が哨戒艇沈没事件と延坪島砲撃事件の議題を取り上げようとしたのに対し、北朝鮮が合意できないとして席を立ったのだそうだ。北朝鮮のいつものスタイルで、自分たちの都合が悪くなると、そんな態度をとって逃げようとするのだ。けしからんだけでなく、許し難い対応だ。
 エジプトでも、民主化を期すグループのムバラク大統領の即時退任要求をしていたが、それにムバラク大統領は頑として応じず、ずっと物別れ状態が続いていた。しかし、デモが改めて大がかりになって来ており、余談は許さない状況となっていた。そして、今朝になって(日本時間)一転し、ムバラク大統領の即時辞任という動きが出始めているという。どうやら、民主化の強い流れは止まっていないようだ。
 ローカルな話題だが、大阪都の話題で盛り上がっている。府市自治構想で、橋下徹知事が主張する府市自治構想を巡って、平松邦夫大阪市長の話し合いでは平行線が続いている。このところの二人は、この件に関しては、会話の中身も乏しく物別れに終わっている。今度の選挙で、橋下知事が立ち上げている維新の会の結果如何で動きが決まって来るのだろう。
 スポーツでは、楽天の岩隈久志投手の話しである。昨年のシーズン終了後に、大リーグ入りを希望した同氏の意向を汲んで、ポスティングシステムに応募していたのだが、交渉権を得たアスレティックスとの間で、具体的な交渉が進展せずに物別れに終った。この結果、岩隈投手は、今シーズンは楽天でプレイするが、星野新監督は、ほくほく顔だろう。
 さて、先日の北方領土の日の式典で、ロシアのメドベージェフ大統領の国後島訪問を「許し難い暴挙」だとした菅総理の珍しい強気の発言で、ロシアが強い反発に出ている。そんな厳しい環境下のロシアに向けて、昨夜、前原外相が出発した。ラブロフ外相との会談に臨むためだが、渦中の栗を拾うような厳しい会談になる可能性が心配されている。出発に先立ち、前原外相は、ロシアが如何なる発言や対応をしようが、国際条約的には、北方領土は日本領土であるという事実は微動だにしないと強気のコメントをしていた。果たして、どんな会談になるのだろうか。会談が物別れにならず、実のあるものになるよう願いたいし、そのために前原外相の手腕に期待したい。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時半起床。体重、61.7Kg.予報は雪だが、…。まだ降っていない。
 昨日の雅子も、まずまずの様子だった。午後には散歩を予定していたが、介護士さんの手不足で見送った。雅子は、話は聞いてくれているようだが、今日はなかなか目を開けてくれなかった。

3.連載、難病との闘い(111) 第三部 施設、病院での介護生活(12)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(12)
 
 (2)新たな門出 (その1)
 左手の人差し指に違和感を覚えてから七年、一考の本格的な介護が始まって二年近く経過した。在宅での一考の懸命な介護で、何とか乗り切ってきていた生活にも、遂にピリオドを打たねばならなくなったのである。正直言えば、一考は、まだ暫くは頑張る余力は残しているのだが、肉体的な限界が近づいて来ていたことも確かである。同時に、将来のための介護付き老人ホームへの入居権を獲得しておく必要性を重んじてアクティバ琵琶と契約に踏み切ったことが、施設への入居を肩押ししたのだった。
 12月10日、いよいよ今日からだと云う少し緊張した気分で、雅子は、いつもよりも随分早くから目覚めていた。と云うよりも、あまり熟睡が出来ないまま朝を迎えていた。
 移動日については、大安の日にして欲しいという自分の希望が受け入れられて、この日にしてもらったのだが、そんなことの拘る自分に、何か藁にでも縋る思いがあったことは確かである。それだけに、いつもにない緊張で迎えた朝だった。部屋の空気も少しぴりっとしているようで、雅子は、これからの自分の将来のことを頭に浮かべながら、夫が起きるタイミングをじっと待っていた。
 壁に掛けてある時計が5時を少し過ぎて程なく、夫が思い切って布団を蹴ってベッドから降りるのが分かった。雅子は待ってましたとばかりに、自分から声を掛けた。
 「おはよう」意外にはっきりとした発音ができて、自分でも少し驚くくらいだった。起きたてはいつもそうだが、今朝はいつも以上に、言葉に力強さが感じられる発音だった。気合が入っているというよりも、それだけ緊張しているのだろうと雅子は思った。老人ホームという、雅子には、今までは、お伽噺に過ぎなかった施設での生活に移るのだ。自分を待っている新しい人生に潜在する掴みどころのない不安を打ち消すように、半ば開き直った気持ちで受け止めようとしていたが、精神的な高揚は隠し様もなかったのだ。
 「おはよう。もう起きていたんだね。今朝の言葉は凄いよ。いつもよりも、格段にはっきりしているよ」そう言って挨拶してくれる夫の声も、いつもよりも張があって、雅子は力強く感じていた。
 さあ、今日からは、第三者の方々のサポートを頂戴しての生活に換わる。雅子は、改めて自分にそう言い聞かせるのだった。最近では、言葉にも障害が出て来ていて、言いたいことがスムーズに伝えられない状況にあるだけにとても心細く、まさに見知らぬ世界に飛び込んで行くようで、何とも言えない不安が募って来るのだった。
 しかし、そんな気持ちではいけないと、入居日が決まった頃から、それを断ち切るように、雅子は自ら叱咤激励し、意識改革を試みながら、それまで拡がっていた不安を心の隅に追いやっていたのである。そして、迎えたのがこの日のスタートの日であった。(以下、明日に続く)

1517 心配と安心

 毎日の日常生活は、心配と安心が織り成すベールを被っているようにものである。心配事が消えて、安心がいっぱいの毎日であって欲しい、と誰もが願っている。

1.独り言コラム
 天皇陛下の心機能に異常が認められるという。今後精密検査が行なわれるようだが、少し心配である。
 トヨタ車の安全が確認された。昨年、米国で800万台のリコール車を出した問題で、米国運輸省のラフード長官が会見し、電子制御装置には欠陥がないことを発表した。問題はあくまでも、アクセルペダルの問題だったようだ。これでトヨタ車の不安は解消され、安全、安心は回復できそうだ。
 なお、この会見で、如何にもアメリカらしいと思ったのは、ラフード長官が、娘がトヨタの車を買いたいと言って来たので、安全な車なのでとOKしたという話を織り込んでいた。馬鹿馬鹿しいようでも、ちょっとしたかわいさがある。あのギョーザ事件で、一人の犯人をでっち上げて、事実関係をうやむやにした中国の対応を思い出すが、さすがはアメリカ、であると思う。
 菅内閣になって初めての党首討論が行なわれた。消費税を上げると言うのは、明らかなマニフェスト違反だから「先ずはマニフェストの見直しから始めるべきでしょう」と谷垣総裁が打って出たのに対し、菅総理が税体系の見直し案を作るので「与野党協議に乗って欲しい」とお願した。面白かったのは、「かど番に追い込まれた内閣からの、そんな八百長協議のようなものには乗れないよ」と谷垣総裁が反発して笑いを誘っていたやり取りだった。それにしても、総理が野党代表にお願いする形は、福田康夫内閣の時に見られたが、みっとも良いものではなく、如何にも菅総理が窮地にいることを自ら認めているようだった。菅内閣の今後がますます心配である。
 コメンテーターと呼ばれる方々が、大変重要な情報を提供してくれている。勝谷誠彦氏が、数日前の自らのブログで、金正日総書記が死亡しているのではないかという情報を、また、青山繁晴氏が、昨日の関西テレビの夕方のニュース番組で拉致被害者の横田めぐみさんが生存しているのではという情報である。いずれも、世界がびっくりするような超一級の内容だが、その信憑性が今一つなのだ。他のメディアでは全く取り上げていない点で、まゆつばだが、心配と安心の入り混じった複雑な情報だ。
 NHKの夕方7時のニュースでお天気予報を担当している半井小絵さんが、プロ野球の建山義紀投手と不倫と云うスクープ記事が週刊誌に出た。夕方7時28分の女性と言われていて、そのカメラ目線が何とも悩ましいのがチャーミングポイントのようだ。そのことで、彼女の今後の扱いが心配だったが、どうやら、3月末の番組改編で彼女は降板するらしい。なお、彼女の気になるその仕草については、一年ほど前のこの欄で取り上げていた。(1137回ご参照)知的な美女も、おんなであることには変わりないということである。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時起床。体重、61.5Kg.午前中は晴れるという予報だが、…。明日は雪だと言う。
 昨日の雅子はまずまずの様子だった。午後には、久し振りに車椅子での散歩。反応は今一つだったが、症状は安定していた。

3.連載、難病との闘い(110) 第三部 施設、病院での介護生活(11)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(11)
 
 (1)その切っ掛け(その11)
 施設への仮契約は、11月18日に結んだ。その際、正式な契約日は区切りのよい12月1日にすることにした。実質的に費用の起算が始まるのは、入居日からになるというから、その点では何ら拘ることはなかった。
 他に特に問題になるようなことはなかったが、身元引受人の設定が必要ということで、長男の太郎に頼むことにした。木田さんは、姉の伸子の契約時に身元引受人だった雅子の兄に頼まれてはと示唆してくれた。近くにいるので手続きが容易だと言うことだった。恐らく、与信のことを念頭に置いた木田さんの提案だと一考は捉えていた。
 しかし、雅子のことは、あくまでも一考自身の家族でカバーするのが常識だと考えていたので、この点に関しては、一考は自分の考えを押し通した。この契約に必要な書類、住民票、印鑑証明、顔写真などの必要な書類は、別途、取り揃えて木田さんに届けることにした。なお、雅子の顔写真については、近く美容院へ行く予定なので、その後に撮影してインターネットで送信することで了解を得た。少しでも見栄えのいい写真を送って上げたかったからである。そして、最後に、手付け金を支払って、大まかな契約手続きは無事終了した。かくして、強く望んでいた「介護付き有料老人ホームへの入居権確保」の具体的に手続きが、漸くほぼ完了できたことで、一考は一息つくのだった。
 この日の夜、一考は千葉にいる長男の太郎に電話し、身元引受人の要請し、それに必要な印鑑証明書、並びに契約書へのサイン、押印などの必要なアクションを依頼した。太郎はまだ印鑑登録をしていなかったが、この機会にそれをも行なうことで、一考の要請を快諾してくれた。
 多分、太郎は、父からの突然の要請に、改めて、自分の母親の大変さを思ったに違いない。同時に、今日まであまり意識していなかった「長男」としての自覚を、強く意識することになったと思われる。阿吽の呼吸で、一考の要請をすんなりと引き受けた太郎に、一考は、自分の息子の成長を心強く感じていた。
 一考にとって幸いだったのは、資金面でのやりくりが、思いのほか順調に進んだことだった。売りに出していた東京のマンションがタイミングよく売却でき、その売却金をこの投資にすんなりと運用できたのは有り難かった。こうして、月末を控えた11月28日に、事前に纏めておいた地元のS銀行の預金から所定の振込先への振り込み手続きを行なった。窓口を通じての振込みで、雅子名義の預金が大半を占めていたが、M銀行で経験した厄介なトラブルも全くなく、スムーズに入金手続きを終えることが出来た。
 なお、入居日は、当初は契約日の12月1日を念頭に置いていたが、武田病院への通院が12月6日に予定されていたことから、それを終えた12月7日に行なおうと一旦は決めたのである。しかし、その翌日になって、雅子が出来たら入居日は「大安」の日にして欲しいと言い出した。雅子にして見れば、これからの人生の大半を過ごすことになる訳だから、やはり、門出となるべきその日にも拘ったのであろう。そういうことで、最終的には、大安である12月10日を入居日に決定したのである。こうして、雅子の新しい門出の日が決まったのだった。(以下、明日に続く)

1516 二つの国技

 八百長で話題の大相撲に対し、将棋もルーツは違うが、日本特有のルールでやっているから、国技と呼媚態のだが、こちらは、いつもガチンコである。

1.独り言コラム
 将棋の起源はインドだと言われている。そして、いろんなパターンの将棋が世界各国に存在しているようだが、日本の将棋は、日本以外では行なわれていない。そう言う意味で、将棋も日本国の国技と言っていいのではなかろうか。
 そこで、今朝は、相撲と将棋の二つの団体を比較してみようと思う。相撲が「公益法人、日本相撲協会」に対し、将棋は「社団法人、日本将棋連盟」である。この「公益法人」と「社団法人」の区別については不勉強で承知していないが、国に納める税金の税率に違いがあるのだろうか?
 先ずは、プロと呼ばれている人たちの人数を比較すると、大相撲では、関取と呼ばれる十両以上の力士が70人で給料をもらっているのに対し、将棋は、いわゆるプロ棋士が160人(女子は除く)ほどいる。
 その関取やプロ棋士以外にも、相撲では幕下以下、序の口まで600人ほどの力士がいて、僅かだが、お手当てをもらっている。将棋では、奨励会と云う下部組織があって、そこに、160人ぐらいの棋士の卵たちがいる。奨励会は、あくまでもプロ棋士の養成機関で給料もお手当てもない。まあ、ざっくり言って、相撲協会の方が、その規模が大きいといえる。
 相撲も将棋も二人が一対一で戦う競技だが、相撲が力と技での肉体的な戦いに対し、将棋は知性と技とで戦う知能ゲームである。将棋では、途中で投げる対局もままあるが、いわゆる八百長と呼ばれる対局は聞いた事がないし、存在しないと信じている。
 どちらの方が国民の関心が高いかを比べてみると、ここではNHKの存在が大きな鍵を握っている。大相撲は年6場所を生中継している。一方の将棋も二つのタイトル戦(名人戦と竜王戦)は部分的に生中継されているし、その他にも毎週将棋の時間があって、そこではNHK杯トーナメントもあるので、力の入れ方はどっこい、どっこいのようだ。しかし、二つのイベントが重なった場合は、相撲を優先して中継しているので、公平に見て大相撲の方が、国民の関心度はかなり上にあると思われる。
 最近の問題点は、大相撲はモンゴルなどの外国人力士に上位を占拠されていて、日本人力士が横綱、三役に少ないことだろう。ここに来て稀勢の里や琴奨菊などの期待できる力士が育ってきていて、彼らが大関、横綱になれば、もっと人気が出るのではと思われる。ただ、若手が育って来ていないのが頭が痛いところだ。それよりも、今の八百長問題を解決しなければ、どうにもならない訳で、元大関魁傑の解決への手腕に期待したい。
 一方、将棋の場合は、幸か不幸か、今のところ外人はいない。つい最近、中国の方が一人奨励会に入会したことが話題になったが、こう言う方が強くなって出て来ると、将棋界も変わって来るだろう。因みに、囲碁の世界は、今や、韓国、中国、台湾の棋士たちが軸になっていて面白くない。しかし、井山裕太名人の台頭で、日本人棋士の活躍も広がってきているようだ。
 一方の将棋界は、ここに来て世代交代の時期を迎えている。この20年ぐらい、羽生善治(41歳)時代が続いていたが、ここに来て、渡辺明竜王(27歳)が竜王戦に7連覇して力をつけて来ているし、そのあとの若手たちに胎動が見られる。
 昨年の夏には、広瀬章人王位(24歳)が誕生した。また、今日から王将戦第三局が始まるが、若手の豊島6段(21歳)が挑戦している。他にも、糸谷哲郎(23歳)、佐藤天彦(23歳)、稲葉陽(23歳)などの有力な若手が着実に力をつけて来ていて、各棋戦で大活躍しており、いよいよ群雄割拠の面白い時代になりそうだ。
 差し当たっては、4月から始まる名人戦の七番勝負での羽生名人への挑戦者に渡辺明竜王が登場して来るかどうかが見どころで、そうなれば、新名人誕生となる可能性が高いと見ている。ファンにとっては興味深い楽しい動きが始まっている。そんな中で、筆者は相変わらず、地味だが、郷田真隆九段のファンである。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 5時起床。体重、61.4Kg. 雨はほぼ上がっていて、日中はお天気になりそうだ。
 昨日の雅子も熱があって少し苦しそうだったが、午後になって下がり始め、夕方はご機嫌な様子に戻ってくれていた。そういう場合は、じっと見つめてくれる時間が長くなり、何となくほっとするのである。

3.連載、難病との闘い(109) 第三部 施設、病院での介護生活(10)
 第一章 介護付き老人ホームへの誘い(10)
 
(1)その切っ掛け(その10)
 そして、雅子の半日訪問の日の11月12日を迎えた。この日には、奇しくも天皇、皇后両陛下が13年ぶりに滋賀県下を訪れていた。「第27回全国豊かな海作り大会、びわこ大会」にご参加のために前日からの来県だった。この話を、半日訪問で雅子を連れて訪れていたアクティバ琵琶で耳にした。両陛下は、この朝は、近くにある特別養護老人ホーム「ケアタウンからさき」を訪れて、障害者達を励まされたということだった。この話しに、便乗ではないが、一考は、雅子も間接的だが、同様に励まされたような感覚を抱いたのである。
 この日、雅子は、何人かの介護士さんに面談し、症状の具合を見てもらうという形で、受け入れの確認を頂くことになっていた。到着したのは11時半頃で、取り敢えずは昼食を取ることからスタートした。いつものように、一考が少量ずつを口に運んで食べさせた。その後は、お薬の服用、そして、トイレでの実情を披露した。立ち会って頂いたヘルパーの方には、一考が行なう介護方法を見て頂いた。特に、これはというようなコメントもなかったことで、雅子の受け入れには支障ないものと一考は解釈し、ほっとするのだった。
 その後、一ヶ月ほど前に入居していた雅子の姉の伸子さんが雅子に会いに来た。伸子は身障者ではなく、高齢になったことで最近うっかりが多くなって来ていたことから、兄夫婦や姉の勧めで、この老人ホームに入ったのである。従って、雅子が対象としている介護つきではなく、自立棟への入居である。最初は慣れなくて、直ぐに家に戻ったりしていたようだが、漸く友人も出来たようで、落ち着いてきているらしい。
 二人は、久し振りに顔あわせたが、お互いに感じるところがあって、何故か二人揃って涙していた。人生の終盤を迎えての、老人ホームでの再会に、込み上げる何かがあったのだろう。
 ところで、この段階での一考の気掛かりは、雅子と看護士間のコミニケーションの問題だった。雅子が手足を使えず、呼び出しボタンも押せないだけに、その時点で、自宅で使っていた赤ちゃん用の音声モニター機器の、このアクティバ琵琶の環境下での使用可否を確認しておきたかった。何も無いよりはいいのじゃないかといいことで、最悪の場合を想定しての確認だった。
 この日の時点で、雅子には二つの部屋が候補として用意されていた。ヘルパーさんの詰め所に近くで、ダイニングルームに直結している部屋と、もう少し離れた部屋である。いずれも、山側に向いた部屋だが、ヘルパーから遠い部屋は、ベランダから首を出すと、琵琶湖が少し眺められる。
 アクティバ琵琶の営業の方の手助けを得て、その機能を確認した結果は、二つの部屋ともに音声モニターは聞き取りが可能だった。実際に、この機器が採用されるかどうかは分からないが、とにかく、コミニケーション手段が確保できたことで、一考はほっとしたのである。それならば、琵琶湖が少しでも見える部屋が良いのではと、一考は考えていた。
 しかし、その事を雅子に話すと、何かにつけて介護士さんのおられる部屋に近い方がいいと思うということだった。「琵琶湖は、たまに見るから感動するのじゃないかしら」というニュアンスだった。そういうことで、雅子の部屋は、介護室さんの部屋に近い部屋とすることにした。(以下、明日に続く)

1515 その気持ちはよく分かるよ。…

 今更、とか、なんで今頃、といったことがあるにせよ「その気持ちは何となく理解できる」と言うような話題は少なくない。

1.独り言コラム
 今回の大相撲の八百長事件で、何人かの疑惑の力士(?)が携帯を壊したり、新しいものに替えたという。消したメールからその内容が復元されることが分かり、恐ろしくなったのだろう。その気持ちは分かるが、…。参考に、こういう人たちのリストを出してみたらどうだろう。
 しかし、その一方で、自白したり、告白したものだけを対象に行なわれた過去の処罰の対応が、事実を隠したいと考えるようになるのも、むべなるかな、である。進んで告白した正直な勇気ある人たちには、何かそれなりの配慮が必要ではなかろうか。
 昨日は北方領土の日であった。筆者も今までは、そんな日の存在を知らなかった。領土意識を植え付けるには、この日の存在をもっとPRするのがいいとと思う。昨日の式典で菅総理は、先日国後島を訪れたメドベージェフ大統領を「許し難い暴挙」ということで激しく非難したようだ。なぜ、その直後に言わずに、今更、という気がしないでもないが、言わないよりはいいだろう。
 政治と金の問題で注目されている陸山会事件の初公判が始まった。小沢一郎氏の石川知裕ら3人の元秘書らが裁かれることになった。彼らは、それまでの証言は検事に誘導されたものだと否定し、無罪を主張することから始まった。しかし、一旦、自白しているのである。改めて親分を守ろうとする気持ちは分からないことはないが、この辺りを、裁判官がどう認定するかがポイントになるだろう。とにかく、裁判は筋書き通りの出しだが、本当の攻防はこれからである。
 数日前のテレビで「希少難病」の問題を取り上げていた。6日に国立京都国際開館でフォーラムがあったようだ。その種の厄介な難病は、5000種にも及ぶと言われているが、一つ一つの事例が少ないことから、難病扱いになっておらず、従って、社会保障の対象なっていない。そのため、患者達はその対応に大変苦労している。筆者も難病の妻を抱えているのでその苦労、お気持ちはよく理解できるだけに、せめて、社会保障の対象になるような対応が執られることを願っている。そんな中で、繊維筋痛症(このコラムの52をご参照)で苦しんでいる中岡亜希さん(32歳)がNPOで患者会を立ち上げたようだ。今の政権には期待できないが、政治のバックアップが必要だと思う。頑張って欲しい。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、61.1Kg.今日はお天気は下り坂で夕方には雨だという。
 昨日の雅子は、朝から微熱があったので、午後の散歩を取り止めた。いつも、何かが雅子を苦しめていて、本当に可哀そうである。時々、目を開けて見つめてくれるのを見ると、抱きしめてやりたくなるほど愛しい。しかし、最近は、テレビに視線を送ることもほとんどなくなって来ている。まだ、病気の悪化が進んでいるのだろうか。どこまで続くぬかるみぞ、である。

3.連載、難病との闘い(108) 第三部 施設、病院での介護生活(9)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(9)
 
 (1)その切っ掛け(その9)
 一考が持論を述べたのに対して、木田さんが直ぐに反応した。 
 「そうですね。それは構いませんが、こちらとしては、あまり長く、空室のままで置くのは避けて頂ければと思います」木田さんは少し遠慮気味だが、それは困るというニュアンスは充分に感じられた。
 「分かりました。それなら、例えば、11月15日、或いは12月1日といった区切りのいいところで入居するということにしたいと思います。それで、当面は、自宅との間を行ったり来たりで、こちらでも面倒見ながら、お世話になることにしようかと思いますが」一考は、自分の体力、そして木田さんの立場などを考慮した妥協案を申し述べた。
 「そうですね。タイミングとしては、そのあたりで、決めて頂ければ結構だと思います。そうすれば、行ったり来たりは、それはそれで問題はないと思います」木田さんは、一考の申し出を概ね了解した。
 その後、雅子の受け入れに関し、介護のテクニカルな立場から症状の確認をしてもらう必要があろうと思いから、一考は、体験入居の機会を設けてもらう検討をお願いした。木田さんは、同意して下さって、直ぐにアクティバ琵琶の看護部と打ち合わせるということで、その日は別れた。
 一人になった一考は、入居が了解されたという事実にほっとしたのと同時に、急に訪問して来られて、OKの返事を頂いたと言う一連の流れを頭に浮かべながら、若しかしたら、木田さんは、この家を見に来られたのではないかと思うのだった。年金生活者の与信に心配があったと考えるのは当然で、自らの目でその辺りの不動産などを見ておく必要があったのかも知れない。営業の責任者としては、確認しておかねばならないことである。そう言う意味では、なかなかしっかりした主任さんだと思うのだった。
 その後は、木田さんが目の病気で急に入院されるといったアクシデントもあって、体験入居の話しは棚上げになっていた。しかし、その一方で、介護主任の方から、雅子のケアーマネージャーさんに、雅子の最近の症状の確認があったようだし、一考にも武田病院の主治医の診断書のコピーなどがあれば、送付して欲しいと言う要求もあって、受け入れサイドの技術的な確認作業は、水面下での書類のやり取りを通じてそれなりに進んでいるようだった。
 木田さんが出勤されたのは、10月の下旬になってからだった。そのため体験入居は時間的に無理となり、雅子が半日訪問して、介護士さんに面談するといった形で埋め合わせることになった。
 一考は少し不満を覚えたが、相手は介護のプロ集団である。要介護5の方も入居しておられる訳で、雅子ぐらいの症状なら、そんなに深刻に受け取る必要がないのではないか、と考えたりしていた。加えて、アクティバ琵琶には彼らなりの介護のノウハウもあって、それに従って雅子も介護されることになるのだろう。何も、一考が今苦労してやっている介護のやり方が、そのまま引き継がれる訳ではない。一考は、そう考えてこの辺りの対応は相手に任せることにした。やがて、その雅子の半日訪問の日程が11月12日と決まった。(以下、明日に続く)

1514 動かぬ証拠

 大相撲の今回の八百長事件、それに小沢一郎元代表の強制起訴の二つの事件で、動かぬ証拠の有無、それを補完する民意の力の大きさについて考えてみたい。

1.独り言コラム
 大相撲春場所の中止が決定した。不祥事で場所が中止になるのは、角界では初めての事件だそうだ。相撲界での八百長問題は、これまでも、幾度も話題になって来ていたが、動かぬ証拠がなかったという判断で、裁判でも無罪判決が出て、その存在が否定され続けていた。元小結の板井圭介氏や週刊現代が、幾度も告白、告発しているにも関わらず、であった。
 しかし、今度は違う。携帯と言う電子機器に、消却されたはずのメールという動かぬ証拠が残っていて、それが復元されたのである。もう逃げられない相撲協会はやっと重い腰を挙げたが、完全に膿を出し切れるか、どうかに、決して大袈裟ではなく、相撲協会の存亡がかかっている。
 筆者が恐ろしいと思うのは、今回もメールの復元がなかったら、知らん顔して今まで通りの興行が行なわれていたということである。それに気になっているのは、今までの一連の事件では、率先して自白したり、告白した人だけが、厳しい処分を受けたという対応の仕方にも納得がいかない。今度こそは、納得のゆく解決を多くの国民、それにファンは期待し、注視している。相撲協会の最後の出直し、死きり直しだとの覚悟で事に当たって欲しい。
 証拠が不十分ということで検察が不起訴とした小沢一郎元代表の政治と金の問題は、民意の決断が強制起訴を成立させた。「やましいことはない」と言い張る同氏にも、決定的な証拠がなければ、無罪という展開になる可能性もある。4億円という大金を転がして、土地投資を繰り返す政治家には、胡散臭さがいっぱいだ。逮捕されている3人の秘書たちは、小沢氏を無罪にせんものと画策している悪質なグルであり、そんな人たちの嘘の証言がまかり通るというのはどうしても納得できないのである。
 しかし、物は考え方で、強制起訴されたという事実で、小沢氏は、最早政治生命を失ったと同じであるという考え方もある。多くの奥民が、もはや同氏をまともな政治家として認めないだろうと思う。因みに、そ3人の秘書たちの公判が今日から始まる。「出でよ! 動かぬ証拠」と叫びたい。
 上述したように、動かぬ証拠がなくても、前向きに動かせる力が存在する。それが民意である。強制起訴を決めた検察審査会もその一つであり、昨日の愛知県や名古屋市でのトリプル選挙でも、民意が強く反映されている。多くの県民、市民が大村秀章知事、河村たかし市長を支持した訳で、この民意の力が、頑固な古い政治を動かしてゆくことになる。大阪の橋下徹知事の勇気ある行動力と共に、改革、正義を求める多くの国民の代表として、日本を動かす原動力になって欲しいものである。いずれにしても、日本は、まだまだ捨てたものじゃない、と思う。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床。体重、61.4Kg.昼間は曇り空の予報だが、…。
 昨日の雅子は、朝方に熱があって、クーリングを受けていたが、午後には平熱に戻り、夕方には目を開けてじっと見てくれる時間が増えていた。そんなことで、車椅子での散歩は中止。熱や痰は出たり、出なかったりの繰り返しである。ところで、最近の筆者は疲れを感じることが多く、この日も午後は2時間ぐらいうとうとしていた。

3.連載、難病との闘い(107) 第三部 施設、病院での介護生活(8)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(8)
 
 (1)その切っ掛け(その8)
指名をずっと待っていた一考が、やっと起用されてバッターボックスに入ったと思ったら、いきなり直球のストライクを二つ取られて、バッターインザホールに追い込まれた感じだった。とにかく、待ち焦がれていたOKの返事を、少し前にあっけなく頂戴し、ほっとした直後の、「ところで、何時入居する?」とその時期を確認されただけに、戸惑いも止むを得なかった。
 「そうですね。時期は早い方がいいのでしょう?」それでも、一考は木田さんの気持ちを忖度してそう言って、ボールを投げ返してみた。
 「そうですね。あまり長く空けておくのもどうかと思いますが」木田さんの話は、はやり、一考の解釈通りのニュアンスだった。もたもたして、折角の決定を取り消されたら大変だとの思いが一考の頭の中にあった。
 「分かりました。折角ご許可を頂いたのですから、なるべく早く入居する方向で検討します。それで、正式な契約手続きや支払いなどは、どんな具合になるのでしょうか?」一考が、気になっていたその辺りの事務的な手続きについて確認した。そう言えば、まだ、正式な申し込みもしていなかった。
 「それは、入居のタイミングに合わせて、併行してやらせて頂きますので、ご心配なく」木田さんは、そのような事務的なことは、自分に任せてくれということだった。
 「なるほど。それじゃ、とにかくは、何時入居するかを決めるのが先なんですね」一考は投げられたボール少しファンブルしたような感じだった。急な状況の大きな変化について戸惑っていたからである。
 恐らく、木田さんにしてみれば、この朗報を一刻も早く一考に伝えようと、多忙な中を貴重な時間を割いて、拙宅に立ち寄って伝えてくれたのだろう、と一考は素直に解釈していたのである。だとすれば、その誠意に一考は答えなければならないというプレッシャーを感じていたが、さりとて、「さあ、何時から」と急に迫られると、その答えに躊躇するのだった。
 「前にも、申し上げたと思いますが、自分としては、体力が続く限り、なるべく、自宅で面倒を見てやりたいという気持ちには変わりありません。今回の申し入れは、急に入居しなければならなくなった時のことを考えての権利の確保なのです。今回OKを頂いたことで、安心して雅子の介護に注力できる環境が整いました。ですから、正直言えば、雅子の入居のタイミングは、私の立場からは急ぐ必要はないのです。しかし、それではまずいと思われますから、当面は行ったり来たりの形を頭に描いています。そんな具合で如何でしょうか」一考は、予てからの自分の持論を遠慮なく披露した。(以下、明日に続く)

1513 春は何時来る?

 今年は降雪も多く、平年よりも寒い冬だった。ここ数日はその寒さが少し緩んでいるが、このまま春が訪れると言うことではなさそう。本格的な春は、何時くるのだろうか。世界で、多くの人が、それを待っている。

1.独り言コラム。
 春はセンパツからと云うが、今年も3月23日から第83回センパツ高校野球が開幕する。既に、32校の出場校が決まっているが、近畿地区からは、唯一我が滋賀県だけが今年も一校も選ばれなかった。春から置いてきぼりを食いそうな感じである。
 プロ野球は今月から一斉にキャンプ・インである。日本ハムの斉藤佑樹投手や巨人軍の沢村拓一投手などのドラフト1位の有力新人選手には、連日ファンがいっぱい集まり、既に春以上のホットな話題になっている。
 ゴルフでは、石川遼選手もアメリカツアーに出場するために昨日日本を離れた。今年こそは春を掴むか、ファンは大いに期待している。
 冬季アジア大会に出場している女子フィギュアの村上佳菜子選手は、前日のSPに続いてフリーでも好演技で圧勝し、堂々の金メダルを、また、今井遥選手も、銀メダルを獲得し、女子フィギュア界は、早くも春をエンジョイしている。。
 今年の桜前線の長期予報が出ているが、大体は昨年並みという。西日本の一部では少し早まるところもありそうだ。
 そして、来月5日からは新青森―東京に「はやぶさ」が、12日からは、鹿児島―大阪間に「さくら」「みずほ」が走る。春の到来を告げる開通である。1964年に東海道新幹線が東京ー大阪時に初めて走って、47年にして、鹿児島―新青森間が開通したことになる。北海道までの開通は何時なのだろうか。春は直ぐそこまで来ているといえよう。
 その一方で、株価、企業業績などは、一部にちらほらつぼみがあるようだが、全体としては未だ早春賦の仲間であって、すっきりしない。
 問題は大相撲だ。今回の八百長問題は動かぬ証拠物件があって逃げようがない。このままでは春場所は中止の可能性が相当に高そうだ。今日、協会の理事会が開かれるが、どのようにして、この苦境を切り抜けるか、角界は、その存亡を掛けて、懸命の対応が続くことになる。
 そう言えば、政界も日本は混迷を極めていて、菅政権の行方が心配である。ここでも、どちらを向いても春は見えない。
 ところで、民主化を求めて連日のデモが続いているエジプトだが、ムバラク大統領が与党の代表を辞任と言う報道が一部に流れたが、それは誤報だったようで、依然として混迷が続いている。格言の「待てば、海路に日和あり」じゃなくて「(ムバラク)待てどカイロに日和なし」で、春は見えていない。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時40分起床。体重、61.0Kg.お天気はまずまずの模様。
 昨日の雅子は、表情は穏やかに回復し、目を開けてくれる回数も増えていた。いつもより少し血圧が高かったことによるのではと思う。午後は車椅子での散歩。一喜一憂の毎日の繰り返しである。

3.連載、難病との闘い(106) 第三部 施設、病院での介護生活(7)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(7)
 
 (1)その切っ掛け(その7)
 今から思うと、アクティバ琵琶の木田主任さんは、なかなかしっかりした営業マン(?)だったと思う。一考は、その手のひらの上で、うまく踊らされていて、この時点では、ひたすら、入居権利の確保が叶うようにお願いしていたのである。木田さんは、一枚も、二枚も上手で、ご希望が叶うように、上司に伝えて努力すると答えながら、この施設での入居条件の一つの65歳以上が前提であることから、雅子がまだそれに満たないのが気掛かりだと心配して下さり、一考の不安な思いをそれなりに刺激するのだった。その分、一考はよりひたすらにお願いを続けることになった訳で、木田さんの駆け引きに、一考は翻弄されていたと言える。
 その後、月日は早足で過ぎて行き、OKの正式な返事がないまま、8月末には、新棟の翔裕館のオープニングセレモニーが行なわれた。そして、その後も、確たる進展の連絡もないまま、9月も終りを迎えようとしていた。一考の頭の中では、入居条件で雅子の年齢のことや自分達への与信のことが、検討段階でその決定の結論を長引かせているのではと、不安な日々を過ごしていた。
 そんな時だった。何の前触れもなく、木田さんと部下の方が揃って一考の家を訪ねて来られた。9月28日のことだった。
 「近くに用事があったので、立ち寄ったのですよ」木田さんは、そう言って明るく挨拶してくれた。そして、入口の門扉のところでの立ち話となったが、何気ない世間話を交わした後、一転して話が本論に移った。
 「雅子さんの件は、まず大丈夫だと思います」木田さんは、いきなり、懸案のことについて、明るい表情でそう切り出した。
 「そうですか。それは、有難う御座います。いろんな厄介な問題については、ご了解が頂けたのですね」一考は、ほっとして笑顔でお礼を言った。長く、曖昧であっただけに、一気に溜飲が下りる思いだった。
 「それで、相坂さん、何時頃からの入居を考えておられます?」木田さんは、一転、いきなり入居の段取りの話に踏み込んで来た。(以下、明日に続く)

1512 流れでお願いします

 早くも、今年度の流行語大賞候補が出てきた。清瀬海が春日錦に送ったメールに「立会いは強く当たって、流れでお願いします」と書かれていた。流行語は考えて捻り出すものではなく、このような自然なやり取りの中で生まれる言葉が多いようだ。

1.独り言コラム
 消却したはずの携帯の交信メールの内容が復元されるとは考えていなかったのだろう。警視庁が押収した携帯電話の中から、とんでもないやり取りが発覚した。それが、角界を揺るがす疑惑の暗部を露呈させてた。先端をゆく電子機器の技術が、闇の世界を抉り(えぐり)出したのである。
 さて、復元されたこのメールの「流れでお願いします」は、単純で、和気藹々としたやり取りの一端で、その時の成り行きでうまくやってくれ、といった軽い意味であり、使い道の多い表現である。
 ところで、この「流れ」と言う言葉は、いい意味にも。悪い意味にも使われている味な言葉である。ごく自然な使い方は、水の流れ、雲の流れ、流れ星と言った自然界の現象を捉える際に多く見られる。その具体例は、ヒットした歌謡曲の歌詞にも多くの事例がある。
 代表的なものとしては、古くは、中曽根美樹の「川は流れる」で「病葉を、今日も浮かべて 街の谷 川は流れる …」とか、五木ひろしの「千曲川」で「水の流れに、花びらを …」、更には、美空ひばりの晩年の曲の「川のながれのように」と言った大ヒット曲で歌われている。最近、筆者が口ずさむ、三浦洸一の「落ち葉しぐれ」でも「流れ果て無い ギター弾き …」は人生の哀愁を謳っている。これらの「流れ」は、多くのファンの記憶の中で、今でも生きていると思う。
 しかし、その一方で、普賢岳で起きた火砕流のような危険な流れ、或いは、流れ者、流れ弾、質流れのような人生の裏街道を現す表現も少なくない。また、幸田文の小説「流れる」は、花柳界の置屋の世界を描いた名作がある。つまり、「流れ」という言葉は、裏の世界にもしっかりと広がっているのだ。
 さて、元に戻って、この「流れでお願いします」は あくまでも、他人任せの対応である。「適当にやってくれよ」といった軽い言葉で、平和な世の中では便利で問題のない言い方だ。しかし、今の世の中は、そんな甘いやり方、対応の仕方では、如何ともし難い、厄介なことが多過ぎる。
 身近な事例では、菅内閣の行政能力の問題がある、今や、先延ばしや棚上げで、「流れ」が止まってしまい、身動きが出来ないような苦境に陥っている。このままでは、肝心の予算関連法案の成立は覚束ない。自らが、積極的に新たな「流れ」を作る働きかけが必要である。小沢元代表の強制起訴の扱いも然(しかり)で、「流れ」に任せていては埒が明かない。菅総理は、強いリーダーシップを発揮して、前向きの「流れ」を作り出す指導力を発揮してもらわねばならない。
 海外では、今はエジプトが大変だ。反ムバラク派のデモは、4日をターゲットとして大動員を掛けていて、今や、ムバラク大統領支持派とにらみ合った状況にあるようだ。一触即発の状況で、何かの切っ掛けで、とんでもない「流れ」が起きそうな膠着状況にあるという。そうかといって、ムバラク大統領が、即時退任と言うのはなさそうで、世界は固唾を飲んで、この緊迫した「流れ」の行方を見守っている。どうなってゆくのだろうか。
 いずれにしても、自然界でのいろんな「流れ」は静かに見守るのを良しとしても、戦いの中での「流れ」は、やはり仕掛けることで、新たな「流れ」を作り出し、有利な形に持ち込むべきだと思うが、どうだろうか。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時40分起床。体重、61.1Kg.今日もお天気は良さそう。
 昨日の雅子は血圧が低く、動きは低調、なかなか目を開けてはくれなかった。午後には入浴。顔色は良くなっていたが、依然として目を瞑ったままだった。

3.連載、難病との闘い(105) 第三部 施設、病院での介護生活(6)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(6)
 
(1)その切っ掛け(その6)
 さて、この段階での一考の気掛かりは、やはり必要な経費のことだった。ある程度は覚悟をしているとは言え、具体的な内容を確認しておく必要があった。幸い、見学が終った時点で、営業の木田主任とじっくりと話す機会があった。
 それによると、民間のこの種の老人ホームは何処も同じだと思うと前置きしながら、彼女が話してくれた内容は、入居金と呼ばれる一時金と毎月の管理費からなっていて、月々の管理費を支払えば、その方が亡くなるまでは部屋の使用権利が保障されているのだということだった。
 そこで、念のために、一考がお墓の貸与の場合と同じと考えていいのか、と確認すと、そうじゃなくて、この物件そのものはあくまでも事業者のもので、その方の一代に限っての貸与だという。つまり、お墓の場合のように、永代貸与じゃないと言うのである。
 彼女の説明では、「介護つきのホテルを一生分、前払いで予約して頂くとお考え下さい。その前払い分が入居契約一時金で、それで、一生分の使用権利を確保できる訳で、それに毎月の介護を含めた管理費を支払って頂ければ、死ぬまで面倒は看てもらえるというシステムです」と云うことだった。その点では、老人向けマンションとは根本的に違うものだというのである。
 一考は、なるほどと思う一方で、高額な投資を伴ないながら、自分の資産を増やすことにはならないところに、この施設への投資の空しさを覚えたのである。念のために途中での解約について確認したところ、償却期間内ならば、その期間に応じた返還は可能だと言う。しかし、その償却期間も、それまでの10年から、この翔裕館の物件からは5年に短縮されると言うのだった。因みに、一時金の額は、2000万円で、毎月の管理費も、介護の程度で変わってくるが、雅子のように完全介護の場合は、30万円近くの覚悟が必要ということだった。
この話しに、強気だった一考の頭の中には、瞬間的だったが「参ったなあ」といった弱気を意識したことは確かだった。
 それと言うのも、この額は、正直言って、年金暮らしの一考には、並大抵な額ではなかった。差し当たっての一時金については、東京に持っているマンションを手放すことを念頭に置いていたが、毎月の経費については、大変厳しい額で、どう頑張っても月々のプライマリバランスはマイナスになることは明らかで、自分の生活を切り詰めたり、蓄えを切り崩すことで、何とか繋いでいこうと大雑把に考えたのである。その辺りが、一考にしては、珍しく大変甘い考え方だったことを、後になって、気づくのだが、この時点での一考の考えは、先ずは権利を確保しておこうという考えが優先していた訳で、木田主任には、何とか了解が得られるようにしきりに、前向きのお願いを続けていた。木田さんにしてみれば、一考が積極的について来てくれたことで、ほっとしておられるのでは、と思っている。(以下、明日に続く)

1511 いったいどうなるんだろう?

 毎日、毎日、いろんな話題が数多く誕生している。その都度、少しでも早く、どんな結論になるかを知りたいのだが、先延ばし、棚上げなどの多さにうんざりである。。

1.独り言コラム
 大相撲の八百長疑惑は、疑惑で無くなった。14人の疑惑の力士の中で、既に、恵那司、千代白鵬、元春日錦の三人の力士が自白している。今までは証拠がないということで、うやむやにされてきたこの八百長問題が、ここに来て大きな展開を見せようとしている。今のところ、十両力士が対象にされているが、どう見ても、その範囲に止まっている問題とは思われない。
 放駒会長が、事件の発覚と同時に、これは過去の問題とは違うと強い口調で発言していたことが、改めて、その問題の深刻さを現していたと思う。要するに、問題をその部分(十両)だけに矮小化して処分の対象とし、何とか協会を守ろうとする考え方が見え隠れしている。
 今回の事件の背景には、地位の差による格差の大きさが関与しているのではないかとの見方がある。特に、幕下以下と十両以上との格差は、その扱いにおいて天国と地獄だそうだ。力士も人間である。そこには互いを思い遣る人情もある。同時に、一旦、天国を味わった力士にとっては、それを守ろうとする考え方が出て来るのは、自然な流れであるとも言えそうだ。
 それにしても、今回の八百長事件は、今までの野球賭博事件などとは比べようも無いくらい深刻だ。場合によっては、公益法人の取り消しに及ぶ可能性もあり、大相撲の存続を懸念する見方もある。大相撲協会自身、或いは管轄する文部省は、どんな結論を導き出すのかに関心が高い。
 一方、小沢一郎氏が強制起訴されて、被告扱いになったことへの処分で、民主党は大きく揺れている。昨日、役員会が開かれたが、結論は持ち越された。今更、処分もないだろうといった小沢支持派の意見などが抑えられなかったようだ。ここでも、菅総裁の得意技の先送りとなったのである。どんな結論になるのだろうか、と言いたいところだが、心配なのは、最早、このことへの国民の関心が薄れてきていることだ。
 エジプトでの民主化へのデモも、大統領支持派のデモが出てきたことでの混迷が続いている。ムバラク大統領の最後のあがきかもしれないが、まだ先行きが見えて来ていない。どんな結末が用意されているのだろうか。
 そんな厄介な問題とは違って、さっさと爽やかな結論を出している話題もある。一つは、プロ野球のキャンプが始まって3日目に、日本ハムの梨田監督が、4月の開幕投手にダルビッシュ・有を指名した。一方、まだどれだけの活躍をするかが全く見えていない斉藤佑樹投手が相変わらず大きな人気を集めているようだ。果たして、彼は、どんな活躍を見せてくれるのだろうか。
 大阪駅の北ヤードに愛称が着いた。「うめきた」だという。すっきりしたようで、今一つインパクトがないのが筆者の実感だ。
 新日鉄と住友金属が合併する話が伝えられている。合併で世界第2位の鉄鋼会社が出来ると言う。とにかく、もやもやした話題が多い今の日本では、すっきりした話題がもっと欲しい今日この頃だ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時50分起床。体重、61.4Kg. 今日もお天気は良さそう。
 昨日の雅子の症状は、あまり変わりが映えしない一日だった。体重測定があり、このところ3ヶ月連続で減少結果だった。要注意か?

3.連載、難病との闘い(104) 第三部 施設、病院での介護生活(5)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(5)
 
(1)その切っ掛け(その5)
 そんな一考の考え方は、アティバ琵琶の営業にとっては、格好のカモ的な顧客として捉えられたのではなかろうか。何よりも、姉の伸子の保証人は実兄で、街医者を開業していたから、与信の心配がなく、その妹の雅子という関係から、彼らは本格的に、口説く対象として大事な顧客として捉え始めていたと思われる。
 そんな風に考えると、結果的には、一考はまんまとアクティバ琵琶のうまい営業の誘い戦術に乗せられていたと言えそうだった。たまたま営業の責任者の木田主任が女性であったことで、一考も心構えが少し甘くなっていたのかもしれない。入居の話を始めた段階で、新しく出来る翔裕館の80人分のスペースの配分について、新たに入居できる人数は、そんなに多くないというちょっとした辛口の説明が、逆に一考の関心を惹く、うまい誘いとなったのもその一つの落とし穴だったかもしれない。
 木田主任の説明は、半分の40室は、既に他のケアタウンから移ってくる人が入居することで決まっており、その他に、このアクティバ琵琶の旧舘からの移動者が20人ほどあるという。それに、この種のホームのしきたりで、常に空室を4~5室は確保して置くことが決まっていて、新たな入居は極めて限られているということだった。
 加えて、入居対象者は65歳以上が前提で、雅子のようにそれより若い場合は、例外的な了解を必要とするとの説明もあった。つまり、うかうかしていると、その新築の施設には入居できないかもしれないという不安を植え付けられ、楽観できないという気持ちに誘導されていたように思う。そういうことで、それまでの差し迫った必要性を感じていなかった一考ののんびりした考え方が、早い段階から、その入居権利確保のために、積極的な購買意欲を持つことになり、それが最初から頭を下げるお願いの形での折衝になっていたと言える。
 差し当たって、雅子の入居対象となる新館の部屋の様子を見ておきたい考えた一考は、ほぼ出来上がっていた新棟の翔裕館への見学を申し入れた。他の施設からの移住や移動などが重なって、随分と込み合った日程だったが、それでも、オープニングセレモニーを2週間後に控えた8月11日に設定して頂いた。車椅子の雅子と一緒に参加したのだが、その時点では、未だ一部で内装工事が行なわれていた。それでも、ほぼ、全体のイメージを把握するには充分だった。4階建ての建物で、一階には、大きなエントランスホール、多目的ホール、それに厨房、美容室、浴室や特殊浴室などが設置されている。入居できる対象の部屋は、2階が20室、3階と4階のそれぞれ30室の80室で、そのほかに、臨時の一時介護室が数室設置されていた。総じて、雅子の終の住処には、まずまずのものだろうと一考は捉えていた。
 翔裕館の見学を終えた後、ついでに、ちょうど入居したばかりの次姉の伸子さんの部屋を見せてもらった。本館の2階の部屋で、残念ながら、山側に向いた部屋なので琵琶湖は見えなかったが、1DKのござっぱりした部屋だった。新館の翔裕館とは歩いて数分の目と鼻の先にあって、二人が連携をとるには好都合な位置関係にあることを改めて実感していた。(以下、明日に続く)

1510 行き掛けの駄賃

 広辞苑には、問屋へ駄馬を引いてゆくついでに、荷物をつけて運び、運賃を自分の所得にすることから、事のついでに他のことをすることのたとえ、とある。

1.独り言コラム
 また、大相撲でのとんでもない事件だ。八百長の話しである。かつては、元小結の板井さんが、週刊誌に幾度も暴露し、法廷でも争われたが、今までは何とか相撲協会の面子を保つ形でうやむやにされてきた。
 しかし、今度は、違う。力士間の具体的なやり取りの内容が明らかになったのである。これは、警視庁が野球賭博事件の捜査の際に応酬した携帯電話のメールに、その種のやり取りが残っていたという。捜査に当たった警視庁の立場からは、いわゆる、行き掛けの駄賃であり、思わぬ事件の発覚にびっくりしていたに違いない。明らかになった力士は、今のところ十両に多いが、事件はそんな枠では収まらないだろう。今のところ判明している関係者である力士、親方は13人いるという。
 昨日のNHKのニュースでは、メモに残されていたやり取りに相当する相撲がビデオで紹介されていた。「立ち上がりは強く当たり…。その後は、流れでお願いします。少し頑張りますが、…」といった取り口の確認通りの展開で。思わず、笑ってしまった。これは相撲の戦いではなく、二人の力士の下手な演技だったのである。
 せっかく、人の噂も75日で、相撲界も少しずつ人気も戻って来ていたが、今回の八百長発覚は、ちゃぶ台をひっくり返すような事件発覚である。ここに来て、元小結、板井さんも漸く面目を回復する場が生まれつつあるのが、なんとも言えない名誉の回復である。
 さあ、相撲協会は、今度はどんな解決方法を見つけ出すのだろうか。NHKの春場所の中継はどうなるのであろうか。ワイドショーには、とてもおいしい話題の乱入で、ほくほくしているであろう。
 さて、昨日一日は、このブログで書いたように、将棋のA級リーグ戦のラス前決選(8回戦)の5局が行われ、その熱戦に堪能した。朝10時から始まった対局が全部終わったのが、今朝の午前2時前で、さすがに筆者も寝てしまっていたが、なかなかの激しい好勝負の数々に興奮していた。
 結果は、筆者の予感が大筋当たっていた。筆者のひいきの郷田真隆九段がよく頑張って、挑戦権争いのトップを走っていた森内俊之九段に完勝、ゲーム差1で追っていた渡辺明竜王が、谷川九段に接戦を勝ち切、二人がトップに並んだ。その結果、挑戦権争いは、この二人のどちらかに絞られた。
 ところで、行き掛けの駄賃ではないが、郷田九段はこの勝利で、4勝4敗となり、A級リーグ残留が確定した。注目の降級争いは、依然として熾烈で、3勝5敗の藤井猛九段、木村一棋八段、丸山忠久九段、それに昨年の挑戦者だった三浦弘之八段の4人の中から2人が貧乏くじを引くことになる。3月の最終決戦が、今から楽しみである。
 中近東の動きからは目が離せない。押し寄せる民主化の動きは大きな流れになりつつある。行き掛けの駄賃ではなく、今や、中近東はドミノ倒し現象の中にある。当面の焦点は、エジプトのムバラク大統領の決断だが、9月までの任期いっぱい頑張るとしていて、民衆のデモは治まっておらず、先行きが心配である。アルジェリアに端を発した民主化運動は、エジプトから、ヨルダン、イエメン、サウジアラビアにも飛び火している。インターネット時代での情報の活発化がこの種の動きを加速している。それにしても、またもガソリンが値上がりする訳で、庶民には堪らない。行き掛けの駄賃をむさぼるのは誰なのだろうか?

2.今朝の一考、昨日の雅子
 5時40分起床。(寝過した)。体重、61.1Kg.お天気は良さそう。
 昨日の雅子は午前中は気分はローな状態だったが、午後の散歩をして少し良くなったようで、目を開けて話を聞いてくれていた。最近は、このような形で、一方的に話すのだが、その時間が楽しく、ちょっとした幸せを感じるほっとする時間である。

3.連載、難病との闘い(103) 第三部 施設、病院での介護生活(4)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(4)
 
 (1)その切っ掛け(その4)
 ここで、今一度、雅子を施設に入居させることに関しての、この時点での一考の考え方を確認しておこう。
 自らの高齢化、更には持病の不整脈の発覚などから、いずれ将来は、雅子は介護施設でお世話にならねばならないとは考えていたことは確かだったが、そのタイミングについては、そんな切羽詰まった考え方はしていなかった。まだまだ、自分のサポートで賄えられると考えていたからである。従って、この段階では、あくまでも、次姉の伸子さんが施設を探していると言うことから、軽い気持ちで、施設への関心を持ち始めていたのだった。
 ところが、その施設の情報や入居状況を調べている内に、いわゆる国が管理している特養への入居は、その必要性を感じた時点で申し込んでも、数年は掛かるという待機状況にあり、民間の有料施設でも、やはり待機者がいて、申請、即入居と言うのが、なかなか難しい状況にあるのを知った。
 そういう知見を得たことで、一考の考え方も、それまでとは変わって来ていたのである。つまり、少し早い目の段階で、入居の権利だけでも確保して置く必要があろうという考えが一考の頭の中で芽生えて来ていた。そこに、次姉の伸子の入居の話が急速に進展し、雅子の姉達が、同じ施設の便利さを訴えたことが、一考の考え方をプロモートする形となって、次第に一考の頭の中には、アクティバ琵琶への入居が、次第に現実味を帯びて来るのだった。一考が惹かれたその魅力は、姉達のリコメンドは別としても、何と言っても新築の介護専用棟であることだった。そこで、出来るならば、一部屋の権利を確保して置くのは悪くは無いだろうと思い始めたのである。
 もちろん、かなりの厳しい経済的な負担を覚悟しなければならないが、雅子のためであるという大見得を切った形で前向きに話しに乗るようになっていた。加えて、今までは、雅子の症状の悪化に伴い、一考が執った対応策がタイミング的に、ぎりぎりの滑り込みセーフといったことだった実態を踏まえ、少しは先を見た対応も大事だろうと考えるのだった。その辺りは、介護施設への投資に関し、自分を納得させるための都合のいい論理だった。(明日に続く)

1509 ラス前決戦

 ラスト前決戦の略で、最終決戦を控えての一つ前の決戦のことで、最終決戦への位置取りを有利に導くための大事な決戦のことである。セミファイナルとは少し違う。

1.独り言コラム
 この時期になると将棋ファンの筆者はそわそわしてくる。将棋の世界は、国の予算と一緒の年度制で、3月には各クラスでの最終決戦が予定されている。中でも、A級リーグ戦では、4月から始まる恒例の名人戦の挑戦者を決める戦いと同時に、A級から降格する二人を決める戦いが熾烈を極める。A級だけで無く、その他のクラスも、棋士の基本給を決めるクラスの入れ替えがあって、棋士達にとっては、3月の最終決戦は生活が掛かった戦いの月である。
 それに対し、2月はラス前決戦と呼ばれていて、この世界の「通」には、この戦いが最も面白いと言われている。それと言うのも、この戦いが最終の勝負の行方を大きく支配することになるからである。
 さて今日が、そのA級順位戦のラス前決戦の5局が、午前10時から、東西の将棋会館で同時併行で行なわれる。ファンにとっては堪らない一日なのである。見所は、挑戦者争いと同時に、降級枠二人に誰が貧乏くじを引くかの戦いにある。
 今年度は、挑戦者争いでは、森内俊之九段が6勝1敗でトップを走り、渡辺明竜王が5勝2敗でゲーム差1で追っている。また、3位の谷川浩二九段と久保利明2冠が4勝3敗で、上位二人の勝敗如何では、挑戦者争いの圏内にある 
 それに対し、降級枠争いは、上位二人を除く8人全員にその怖い可能性が残っていて、互いの星の潰し合いで決まる仕組みだ。筆者が気に入っている郷田真隆九段は、前期挑戦者だった三浦弘行八段、それに、高橋道雄九段、丸山茂久九段らと並んで、3勝4敗で降級争いの危機の輪の中にいる。他に、木村一棋八段、藤井猛九段が星一つの差で、降級争いの先端にいて、その戦いは熾烈である。降級の場合は、同じ成績の場合は、順位で決まるので、順位が7位の郷田九段は極めて危険な位置にいる。A級に留まるには、残り2連勝しないと貧乏くじを引くことになりかねない。それ故、今夜は絶対に負けられないのだ。
 今日、若し森内九段が郷田九段を倒し、渡辺竜王が谷川九段に苦杯を喫すると、森内九段が挑戦者に決まり、同時に郷田九段の降級の可能性が大きくなってしまう。
 逆に、若し、郷田九段が勝てば、筆者の予感だが、渡辺竜王がプレイオフに持ち込んで、逆転で挑戦権を奪い、羽生名人との初めての名人戦が実現し、その勢いで、渡辺竜王が名人位も奪取して、新しい渡辺明時代を作り上げるような気がしている。そのためにも郷田九段は、今日は森内九段に勝ってもらわねばならない。筆者は、今日はその長い一日に付き合うことになる。
 なお、最終局は一ヵ月後の3月2日に、同様に5局一斉におこなわれるが、この時には、NHKが衛星放送で「将棋界の一番長い日」と云うタイトルで生中継される。これまた、筆者には楽しみな一日になる。
 将棋界以外でも、ラス前決戦的な戦いが幾つか展開中だ。一つは、エジプトのムバラク大統領のぎりぎりの戦いだ。タハリール広場では、日本時間の今朝未明(4時現在)100万人規模と称する大きなデモが続いていて、ムバラク大統領の退陣を迫っている。軍もデモ隊には手を出さないとしており、ここに来て退陣をかけたラス前決戦の行方を世界が見つめている。最新のニュースでは、同氏は、次の大統領選挙に出馬しない方向にあるという。何しろ、30年間のムバラク支配はあまりにも長すぎたといえる。
 日本の政界も揺れている。小沢一郎被告も同様な厳しい状況に追い込まれている。今回の起訴で、司法との戦いをラスト決戦とするなら、今、国会で取り沙汰されている証人喚問は、まさに、ラス前の決戦と位置づけできるだろう。いずれにしても、豪腕の政治生命もラス前決戦を控えており、国民はその成り行きを注視している。同時に、菅総理も小沢氏への処分は、予算成立を控えてのラス前決戦に対峙していると言えよう。
 そんな中で、プロ野球は昨日から12球団が一斉にキャンプに入った。日本ハムに入団した斉藤佑樹投手の人気は相変わらず大変である。開幕時に一軍メンバーに選ばれるという差し当たっての戦いが始まった訳で、ここでは、ラス前決戦ではなく、開幕前の決戦が始まったといえる。果たして、結果がついて来るのか、ファンの熱烈な注視が続く。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床。体重、61.2Kg.寒さは少し緩んでいる。雲は多そうだが、晴れそうだという。
 昨日の雅子は、また以前の雅子に戻っていて、なかなか目を開けてくれなかった。熱はなかったが、痰が少し多いようだった。この日は、午前中に熱いタオルで身体を拭いてもらう日だったので、少しはすっきりしたようだった。車椅子での散歩は、看護婦さんたちが多忙で、見合わせた。

3.連載、難病との闘い(102) 第三部 施設、病院での介護生活(3)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(3)
 
 (1)その切っ掛け(その3)
 その手始めとして、雅子の担当のケアマネージャーに来て頂いて、差し当たっての一般的な知見を伺うと同時に、インターネットを通じての調査を行なった。その結果、この世界もなかなか複雑多様で、いろんなタイプの老人ホームが存在していることを知った。一考が理解したこの世界の実態の大要は、次の通りである。
 老人ホームは、数多く存在する高齢者入所施設の総称で、その中に、国の管理下にある介護保険施設が三つある。その一つが、いわゆる特養と呼ばれる特別養護老人ホームである。この特養施設は、全国に5300施設あるという。二つ目が、リハビリ病院のような老人保健施設で、これは全国に3100施設、三つ目が、継続的な医療サービスを受けながら長期療養が出来る療養医療施設で、全国に3770施設ある。施設の数だけ見ると、大変な規模に見えるが、実態は、それぞれ待機者が数百人ずついて、申請しても、入居には数年以上は掛かるということのようだ。
 一方、有料老人ホームには、介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、健康型有料老人ホームの三種がある。姉の伸子が対象としているのが、住宅型有料老人ホームであり、雅子がお世話になるであろう対象は、介護付き有料老人ホームである。
 施設には、その他にも、養護老人ホーム、軽費老人ホーム(ケアホームなど3種)、グループホーム(全国に6400施設)のほか、高齢者ケア付き住宅、老人短期入所施設、生活支援ハウスなどと多士済々だが、いずれも、全体としての需給の実情は、供給が追いつかない状態であるという。
 そこで、滋賀県、大津市での施設情報だが、いわゆる、特養は56施設あり、その内、大津市には8施設があるが、ケアマネージャーの話しでは、全国並みに待機者が数百人ずついる状況だと言う。
 一方、有料老人ホームは、滋賀県には10施設ほどあるが、介護付き有料老人ホームに限ると4施設で、その内の3施設が大津市内にある。それらの三つの施設の中では、その規模では圧倒的にアクティバ琵琶が大きく、収容人数も300人以上で、しかも、目下、増設中の介護専用棟が出来上がれば、新たに80室が増えるという。
 従って、雅子が速やかに入居出来る可能性を考えると、明らかに、アクティバ琵琶が最も有力な対象ということになる。次姉の伸子さんが自立型の部屋に入居しようとしていること、また、家からも一番近い距離にあることなどを勘案すると、経済的な面を除けば、雅子の受け入れ先としては、アクティバ琵琶が、最適ではないかという結論に向かうのだった。(以下、明日に続く)

1508 溜飲が下がる思い

 ほっとする気持ちを味わうのは健康に良いことだと思う。不満タラタラの日常生活では疲れも溜まって来て、堪ったものではない。溜飲が下がるような思いを味わうのは、良薬を飲む以上の効果がある。

1.独り言コラム
 昨日の3時前だった。妻の雅子を車椅子に乗せて院内を散歩中だった。たまたま、その前を通りかかったのだが、院内の玄関ロビーにあるテレビが、小沢一郎元民主党代表が強制起訴されたことを伝えていた。まさに、溜飲が下りた気持ちになった。それと言うのも、2週間ほど前から話題になっていたのだが、その具体的な手続きが遅れていたので気になっていたからでもある。
 これで小沢氏の肩書きも小沢被告ということになる。しかしながら、本人は夕方、記者らに対しコメントを読み上げ、いつものように「やましいことはない」と辞任も離党もせず、これまで通り、民主党員として頑張るとしている。これに対し、菅総理や岡田幹事長たちも、今のところ、強い対応には出ておらず、なんだか、しっくり来ないのが実感である。このままでは、ルール違反のずる休みのような気がするのだが、…。
 アジアカップで見事な優勝を果たしたザックジャパンの面々が成田空港と関西空港に分かれて凱旋帰国した。みんな然るべき顔で喜びを表していた。中でも、決勝戦の延長で、見事なボレーシュートを決めた李忠成選手の表情は明るかった。同氏が、国籍に関してインタビューを受けた際に、自分はサッカー人間であると答えたということだが、なかなかの名答であると思う。いずれにしても、凱旋ヒーローたちを見ていると、改めて溜飲が下がる思いだった。
 一丸になれた、と言うのが優勝を奪う大きな要因だったと、多くのヒーローたちが口にしていたが、確かにその通りで、控えにいた選手たちが、ピッチで凄い仕事をした事が目についたシリーズだった。伊野波雅諺選手、細貝萌選手、それに李忠成選手らの日替わりヒーロー達は、はやる闘志を抑えて控えにいた訳だったが、与えられた貴重なチャンスに、見事に期待に応えた凄い仕事をやってのけたのだ。こうなると、監督の采配の見事さを讃えずには済まされない。就任後、負け知らずのザッケローニ監督万歳! である。
 先週土曜日の毎日新聞夕刊の社会面のトップに「視覚障害者代筆ノー、銀行員ら窓口で」という記事が出ていた。その内容は、まさに筆者が、かつて何回も「みずほ銀行大津支店」の窓口で大喧嘩した内容に通じるものがあり、溜飲を下げた思いだった。要するに、自社の内規や銀行協会の取り決めを、身障者にも杓子定規に適用しようとする対応に、一石を投げた苦情が増えているというのだ。金融庁は監督指針を改正する方針のようだ。どのように改められるのか、フォローしてみたいと思っている。
 さて、民主党ににしては、どうしようもない厄介な国会だが、昨日の午後、漸く野党も出席して、予算委員会も始まった。かくなる上は、単に政局を意識するのではなく、国民生活を守ると言った観点から、溜飲の下がるようなまともな議論を展開して欲しいものだ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、60.7Kg(1月度の平均体重は61.0Kg).寒さも相変わらずだが、お天気は良さそう。
 昨日の雅子は、気分がよかったのか、久し振りに、髄分を長く、何回も何回も目を開けて話を聞いてくれていた。珍しいことだ。なんだか、とても嬉しく、まさに、溜飲を下ろした感じだった。
 なお、前月末での参考データだが、病院訪問回数41(48)、病院にいた時間が183.5時間(172)車の走行距離が1409Km(1573)だった。(  )内は、前月12月度の実績である。なお、これで、この病院への通算の訪問回数は969回となった。

3.連載、難病との闘い(101) 第三部 施設、病院での介護生活(2)
  第一章 介護付き老人ホームへの誘い(2)
 
 (1)その切っ掛け(その2)
 具体的な切っ掛けは、2006年3月の中頃に、雅子の実姉の霧子さんに頼まれて、西大津駅近くで建設中の老人用のマンションのモデルルームを見に行ったことだった。一考には、その種のマンションを見るのは、その時が初めてだった。
 しかし、この話は、間もなく立ち消えになった。それというのも、その後間もなく、新聞の折りたたみ広告に、介護付き有料老人ホームのアクティバ琵琶の広告あり、霧子さんがその物件に強い関心を持ったからである。結果的に見れば、その新聞広告のちらしが、アクティバ琵琶との出会いを作ってくれることになったのだった。
 雅子の次姉の伸子さんの老後の住まいとして、このアクティバ琵琶の話がとんとん拍子に進んで行った。その背景には、兄や姉には、伸子の老化がかなりのスピードで進んでいたことから、一日も早い伸子の転居が良いと考えていたからである。幸いなことに、親からの遺産の大部分を伸子さんが受けていたことから、経済的な面での心配がなかったことも、その話を強力に押し進める追い風になっていた。
 その後、霧子さんたちが得た情報で、そのアクティバ琵琶で、介護つきの専用棟の新築が進行中で、8月にはオープンするということが分かった。長姉の霧子さんや長男の嫁の桂子さんから、雅子にちょうどいいのではという勧めもあって、一考は5月の連休明けに、試しにアクティバ琵琶を訪ねたのである。アポなしの訪問だったが、居合わせた営業の窓口の木田主任から、新館の概要を聞き、本館の一部を見せてもらった。
 この見学では、姉たちのリコメンドする介護付きの部屋の様子を重点的に見せてもらったが、その時点での一考の入居に対する考えは、まだ漠然としたもので、いずれは雅子もお世話になるかもしれないが、この時点では真剣に入居を考えるといった状況にはなっていなかった。それと言うのも、悪化が進んでいるとは言え、その時点での雅子は一考の然るべきサポートがあれば、まだ何とか日常生活をこなすことが出来ていたからである。
 その一方で、伸子の自立棟への入居の話は、順調に進んでいて、具体的な契約の話しに入っていた。姉達の頭の中では、伸子が入居すれば、雅子もそこに入れば、二人が連携も取れるだろうから、何かと便宜が図れるだろうといった考えから、一考にも、このアクティバ琵琶を積極的に勧めるようになって来ていた。
 彼女らのリコメンドの趣旨は分かるとしても、一考は、その時点ではまだ冷めた状態だった。それというのも、正直な話し、いわゆる介護施設についての一般的な知見などは、ほとんど何も持ち合わせていなかったからでもあった。そこで、泥縄式ではあったが、一考は、介護の世界の俄か勉強を始めたのである。(以下、明日に続く)

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