プロフィール

相坂一考

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版
14年7月に、難病との戦いを扱った「月の砂漠」を文芸社から出版

このブログは3部構成です。
 1.タイトルへの一言。
 2.独り言コラムで、キーワードから世の動きを捉えようと試みる。
 3.プライベートコーナー
   (2015-06-03に修正) 

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1688 一人カラオケ奮闘記(その2)

 今日で7月も終る。相変わらず時間の経過は早い。このところの筆者は、発散を兼ねたカラオケに夢中になってしまっている。

1.独り言コラム
 今年の女子ゴルフのメジャー最終戦である全英オープンでは、宮里美香さんと上田桃子さんが粘りのあるゴルフで頑張っている。3日目を終って、美香さんは9位タイ、桃子さんは16位タイの活躍中。筆者の贔屓の宮里美香さんは、今年のメジャーでは全てベスト10入りしているだけに、今夜も頑張って今の地位を死守して欲しいと期待している。
 ところで、筆者は、一人カラオケに嵌ってしまったようである。偶々、インターネット喫茶を探して見つけたのが、妻が入院している病院の直ぐ近くにある「あそび場」だったが(1642をご参照)、そこにカラオケもあって、ちょっと入ったのが、病み付きになってしまったのである。ええ年をしたおっさんが、個室でマイクを握って得意げに歌っている姿は、他人様には見せたくないが、単調な付き添いの毎日の中での発散の場には持ってこいである。他人に迷惑を掛けずに楽しむのは悪くはない。
 特に最近のカラオケは、その機能は充実していて、唄った歌の分析、それに全国平均点が出るので、それを上回ろうと頑張る目標があって、なかなか楽しいのである。
 そんなことで、今年の5月から昼休みを利用して通い始めたのが、今や大変な趣味の一つに昇格し、その通う頻度はぐんぐん上昇していて、この3ヶ月間で28回も通ってしまった。
唄った歌の内訳は、曲目数が117曲(童謡34曲、男性の歌謡曲、43曲、女性の歌謡曲、29曲、ヂュエット曲が6曲、その他が5曲)延べ曲数は348曲、費やした延べ時間が41時間、使った費用が10500円に上っている。
 何でも統計を取るのが趣味の筆者は、それらの結果の全てをエクセルシートに記録している。今朝はそれらのデータの中から、幾つかのエピソードを紹介し、一人カラオケ奮闘記としたい。
 1.三浦洸一さんの「落ち葉しぐれ」、三橋美智也さんの「古城」、それに藤山一郎さんの「長崎の鐘」の3曲は、好きなのでよく歌うが、いずれも全国平均得点と常に接戦で、その日の体調を知る上でのリトマス試験紙の役割をしてくれており、毎回、この中の1曲は必ず歌うことにしている。
 2.好きな歌が高得点ではないケースが多い。会社時代に得意げに歌っていた、八代亜妃さんの「愛の終着駅」や石川さゆりさんの「能登半島」などは、やっとのことで全国平均を上回ったが、安定はしておらず、当時の仲間には踊らされていたことを思い、今になって改めて恥ずかしさを思う。
 3.歌った117曲の中で、未だに全国平均得点を上回らないのが10曲足らずある。その中で、童謡の「里の秋」「浜辺のうた」、歌謡曲の「愛の賛歌」(越路吹雪)、「霧の摩周湖」「港町13番地」「東京午前3時」などは、幾らトライしても、今のところは、負け戦になっていて、何とかしたいと当面の目標になっている。この中で、上手に歌えているつもりの童謡の2曲には、今や、どう歌ったらいいのか、分からなくなってしまっている。もっとも、その2曲の全国平均が不思議なくらい高いのである。いずれ、なんとしても突破したいと頑張り続けつもりである。
 4.最後に、ご参考に、一度でもいいから出た高得点のベスト10を紹介しておこう。
 1位、君が代(89.221)、2位、この道、3位、蛍の光、4位、海(広いな…)、5位、琵琶湖周航の歌、6位、こいのぼり、7位、故郷、8位、七つの子、9位、公園の手品師、10位、君恋し(86.363)、
 5.今後の目標は、曲目数を500曲に、全国平均クリア曲数を400曲という遠大なターゲットを設定している。
 (注、今使っているシステムはDAM(第一興商)の最新の精密採点である)。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時40分起床、体重、62.1Kg.(7月度平均は62.1Kgで、ここ数か月の増加傾向に歯止めが掛かった)お天気は相変わらず不安定との予報、
 昨日の雅子は、まずまずの比較的安定した症状の一日だった。午後には1時間半くらい車椅子で散歩した。特記事項は、なし、である。

3.連載、なんたるちあ(8)

 2 飲み仲間(2)
 この店では、仏の土屋と呼ばれ、いつもその優しさで通っている土屋の返事にしては、奥さんに会わずに戻ってきたという返事が、如何にもあっさりし過ぎていると思いながら、一考は、純が土屋に手渡した新しいグラスにビールを注いだ。二人は軽くグラスを差し上げた仕草を交わし、黙ったまま互いに喉を潤した。少し重苦しい空気が流れた。一息ついた相田が意識的に話題を変えた。
 「ところで、土屋さん、新幹線が二時間半の遅れということですから、特急券代の払い戻しじゃないですか」
 「そうですね。しかし、二時間半も遅れた上にこんなにずぶ濡れになって、たった五千円ちょっとの戻りじゃ割に合わないですよ」
 珍しく土屋が不満げに口を尖らせた。余程、ずぶ濡れになったのが気に入らなかったのだろう。土屋はカウンターの上に置かれたお絞りを取って改めてゆっくりと顔を拭った。
 「珍しく、ご機嫌斜めじゃない? さあ、ぐっと飲んで、ご気分を直してよ」純がカウンターの中から気遣いながら、土屋のグラスにビールを注ぎ足した。
 「そんなに不機嫌に見える? ごめん、ごめん。そういうことではないんだ。さっき相ちゃんに『家に帰った?』って聞かれて、咄嗟に時間が取れなかったと答えたけど、正直言うと急に帰ったのがいけなかったんだけど、妻が外出していて会えなかったんですよ。それが面白くなかったのを思い出したものだから」土屋の意外な告白に、相田と純が思わず顔を見合わせた。
 「急に帰るからですよ。奥さんだって忙しいんだから」純が戸惑いながらそう言ってその場を取り繕った。
 「それは分ってるけどね。まあ、いいや。さあ、飲もうよ」今度は、土屋がビール瓶を取り上げ二人のグラスに注ぎ足した。
 「さっきの払い戻し、五千円の話だけど、とても羨ましい話だわ。二時間半で五千円なら、私達のお手当てよりもずっといいんですもの」純も先ほどからの重苦しい雰囲気を変えようと明るく繕いながら話題の転換を図った。
「そうなのかい。君らの手当てはもっと沢山と違うの?」自分が聞いた奥さんに関する問い掛けが土屋の不愉快さを呼び起こしたことに責任を覚えていた相田が、純の話題の転換をサポートすべく、その手当ての話題に割って入った。
 「相ちゃんも知っての通り、私はアルバイトでしょう。だから、 まだそのレベルにはなってないの」
 「そうなのか。相場というのを弁えていないのでコメントできないが、まあ、頑張ってよ。でもね、君らへのペイが高くなるほど、我々が来に難くなるからほどほどにして置いて欲しいな。ところで、土屋さん、今夜のそのキャンセルフィーのような事例は、土屋さんがおっしゃっておられる我々の研究会の対象には該当しませんよね」相田が、バーに働く女性の給料の話題から、一転して二人の研究会の話に転じた。(以下、明日に続く)
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1687 びっくりの風景

 思いも寄らないような現実、展開、出来事にびっくりすることはよくあることだが、ここ数日は、その種のびっくりニュースが多すぎるように思う。

1.独り言コラム
 昨日の国会で、海江田経済産業大臣が涙を出して泣いていた。びっくりの風景だった。佐賀県の玄海原発再稼動に関する対応で、菅総理から梯子を外されたことで、辞任を示唆しながらも、未だに踏み切れていない点を追及されての悔し泣きだったようだ。筆者も涙もろいが、大臣があんな風に大泣きするのを見たのは初めてで本当にびっくりだった。
 中国の高速鉄道の事故処の一部始終も、びっくり風景の最たるものだ。証拠物件を、人命の確認もしないまま地中に埋めてしまい、批判に慌てて掘り出すと言うとんでもない対応だ。温家宝首相が珍しく現地に赴いて詫びたが、これは共産党への批判の矛先をかわすものだという。驚きもここまで来るとユーモラスである。
 このところのゲリラ豪雨は凄い。一昨日は京都府南部の城陽市や宇治市で一時間に100ミリ以上も降ったようだし、昨日は新潟県の三条市や十日町などでは市内の川が氾濫しそうで大変だった。ゲリラ豪雨とは良く言ったもので、一昨日は、ここ大津市でも、そのおこぼれを頂戴したようで、その激しい降りにびっくりだった。
 電力会社のやらせは底が深いようだ。先の九州電力のローカル放送に続いて、昨日になって中部電力でも原子力保安員の要請があったと言うし、東北電力でも女川原発のプルサーマル原発の説明会で、同様のやらせ的な行為があったと言う。また、今朝の報道では四国電力も同じ穴のむじなだという。真面目そうな説明会がやらせのバッタものだというのだから、電力会社への信頼は幻滅も最たるもので、びっくりを越えたびっくり風景といえよう。
 このブログでの筆者の連載中の小説「なんたるちあ」では、自分達が経験した談合の話を扱っているが、これは1987年に起きた事件だ。それから四半世紀が過ぎようとしているがこの種の談合は減ることもなく、毎年摘発を受け続けている。最近の事例では、昨年の11月に手入れを受けた矢崎総業などケーブル4社は、総額108億円の課徴金の支払いを命じられたし、つい先日の3日前には、ベアリング業界(不二越、日本精工、NTNなど)が摘発されている。談合は麻薬のようで、止められないものかも知れない。日本企業の中に蔓延しているびっくりを越えた厄介な難病だ。考えてみると、談合も広い意味ではやらせの範疇に仕分けてもいいだろう。
 ところで、大阪の御堂筋にあるブロンズ製の彫刻19体が赤い布が撒きつけられている事件が起きた。体型がぴったりで自然な着こなしだという。誰が何のためにやったのか、夏の夜のミステリーだ。びっくりも、この種のユーモアがあるなら、目くじらを立てることもなかろう。
 今週のゴルフトーナメントは、女子は全英オープンが行なわれているが、前週にエイビアンマスターズで優勝した宮里藍さんが、メジャーでの初優勝ということで大いに期待されていたが、初日の出足で5ホール連続でボギーを叩き、その後の頑張りも及ばず予選落ちとなった。ファンにとってはびっくりの風景となったろう。言ってみれば、藍さんは最初の5ホールで終っていたのだ。そういえば、今年の宮里藍さんは、4つのメジャーのうち、3つで予選落ちとなった。その一方で、同じ宮里さんでも美香さんは堅調で、今までの3つで全てベスト10入りをしており、この全英オープンでも、二日目を終って8位タイと頑張っている。上田桃子選手も久し振りに上位に顔を出しているが、美香さんが優勝して、嬉しいびっくりの風景を見せて欲しいものだ。一方、男子の石川遼選手も、国内のサンクロレラクラシックで、初日の大叩きを取り戻せず、これまた予選落ちの憂き目にあった。びっくりの風景のおまけである。
 いずれにしても、嬉しいびっくりは大歓迎だ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床、体重、62.0Kg.お天気は曇り空との予報、
 昨日の雅子は、午前中少し熱があったが、午後には平熱に戻ったので予定通り入浴。痰の頻度がまた通常ペースに戻っていて、少し苦しかったようだ。

3.連載、なんたるちあ(7)

 2 飲み仲間(1)
 暫く続いていた相田と純とのハードで真剣な会話が、突然、大きな鞄を手にした中年の紳士が店に飛び込んで来たことで中断された。鞄も身体もこれまたずぶ濡れである。
 「参った、参った。酷い雨だよ」ずぶ濡れの男が大きな声で喚くように口走った。
 「あら、あら、大変」純が急いで立ち上がってお絞りを数本取り出すと男に駆け寄って、濡れた洋服を拭い始めた。少し前に相田を拭ったのと同じ仕草で優しく応接していた。
 「おお、土屋さん。お久しぶり。お待ちしていましたよ。雨は今でもまだそんなに酷いですか」相田はカウンターの席から振り向いてずぶ濡れの男に声を掛けた。
 「やあ、相田さん、お久しぶり、大変な目に会っちゃった」端正な顔が雨で濡れて光っている。髪もびしょびしょである。
 「ご出張だったんですか?」土屋が手にしていたびしょ濡れの大きな鞄に視線を送りながら相田が確認した。
 「大阪に行っておったんですよ。新幹線が二時間半も遅れましてね。二時前に大阪を発ったのに今頃ですよ。名古屋の安城付近が凄い豪雨で暫くストップしてしまってね」土屋は拭い終わるのを待って、カウンターにいる相田の近くの席に腰を据えた。ほっそりとした体躯は相田のずんぐりとは好対照である。
 「それは大変でしたね。新幹線は意外と雨に弱いんですな。その雨のお陰で、純ちゃんと初めてゆっくりとお話する機会をもらってトークを楽しませて頂きました」相田が今まで二人で会話を楽しんでいたことを正直に告白した。
 「それはよかったですね。雨も満更悪くないということですか」土屋はいつもと同じように快活な受け答えである。
 「まあ、そういうことです。ところで、大阪へのご出張ということは、久しぶりに奥様にもお会いになったのでしょう」同病相憐れむではないが、単身赴任の立場を思い遣っての相田の問い掛けである。
 「そのつもりだったんですが、どうも日程のやり繰りもうまく行かず、結局は顔を出せなかったんですよ」無造作にそう答える土屋の返答は、何のわだかまりもなく淡々としていた。二人は同じ単身赴任ではあるが、相田の場合は、自分の両親の面倒を見てもらっているのに対し、土屋の場合は奥様がご自身のご両親の面倒を見ているとの違いがある。
 「それは、残念でした。相変わらず、お忙しいのですね。奥様も寂しがっておられるでしょうね」相田はそう相槌を打ちながらも、家にも顔を出さないでいて、こんな酷い雨にも関わらず、この店に来ている土屋の心境を推し計りかねていた。
 「いやあ、そうでもないでしょう。清々しているんじゃないですかねえ。ともかく、野暮用が多いのですよ。貧乏暇なしとでもいうのでしょうか。それはそうと、まあ気分直しにビールを頂きますか」土屋はそう言って純に向かった声を掛けた。(以下、明日に続く)

1686 受身一辺倒の日本

 経済的に日本は厳しい攻撃を受けているような状況にある。円高も厳しいが。隣国の攻勢も大いに気掛かりだ。

1.独り言コラム
 パナソニックが合併吸収した三洋電機の白物家電(冷蔵庫、洗濯機など)を中国の家電大手ハイアール社に売却する。三洋電機との統合への重複事業を解消する狙いだと言う。日本人として何だか、心から喜べない対応に思える。当面の敵に塩を送るのは如何なものかと言いたいが、…。
 しかし、日本の産業界ではそんな動きが相次いでいる。レナウンが経営の不振の対応に中国のラオックスに売却された事例、更にはNECも最近中国のレノボ社と合弁会社を発足させている事例があって、いずれも、中国の傘下に組み込まれていく訳で、当面の敵である中国の攻勢が不安である。
 一方、このところの円高は凄い。77円台に突入しているが、政府はこれといった対応も取っていない。一時は80円を割ってくれば大騒ぎしていたが、今では、大変だと言いながら、その流れの中に甘んじている。果たして、日本企業は大丈夫なのだろうか。
 話しは変わるが、韓国政府は日本海の呼称について、国際的な海に特定の国家の名前を付けるのは相応しくないと主張し、「東海」に改称、若しくは、日本海と東海とを併記すべきと主張している。そんなことを言えば、インド洋はどうなるの?
 呼び名ぐらいどうでもいいや、といった考え方もあるかもしれないが、そんなことに拘る韓国の狙いをしっかりと受け止める必要がある。竹島問題も微妙に絡んでいるし、次のエネルギー資源として注目されているメタンハイドレートは日本列島周辺に大量に埋蔵されている。日本海の竹島近くもその一つのようだ。
 とにかく、中国、韓国の隣国は、虎視眈々と日本を狙っているし、円高と云う厳しさも日本を苛めている。日本は、一刻も早く、菅さんに代わるジャンヌダルクの登場を求めている。
 そんな日本に、今朝ロサンゼルスから日本の戦士、大投手だった伊良部秀輝投手の訃報が届いた。どうやら自ら命を断ったようだ。42歳という若さでの波乱の男の短い一生だった。ご冥福をお祈りしたい。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床、体重、61.8Kg.お天気は今日も不安定のようだ。
 昨日の雅子は、特に変わった様子はなかったが、便秘が3日間続いていたので、看護婦さんの処置で解消できてほっとしていた。

3.連載、なんたるちあ(6)

 1. 談合の顛末(6)
 「いずれにしても、談合って認定された以上、ペナルティである罰金の課徴金を支払わねばならず、その額をなるべく少なくするよう公正取引委員会と懸命の折衝を続けて来たんだが、今日その額が確定したという訳で、僕にとっては、今日が敗北記念日ということなんだ。ともかく、長かった戦いに決着がついた。気分的にすっきりしたと云うことなんだ。ちょっと悔しくて辛いけどね」
 空になったグラスに、純がビールを注ぎ足してくれるのを受けながら、相田はそう言って、自らの心境をちょっぴり吐露した。
「それは、本当にお気の毒でした。でも、来られた時には、敗北だなんて、そんな顔には全く見えなかったよ」
 「ここに来るまでに、仲間とも残念会をやって来たからね。気分もほぐれたし、それに、途中の激しい雨が鬱陶しい辛さを洗い流してくれたんだろうね」
 誰も客がいないこともあって、二人の打ち解けた会話は、その内容がハードな割には思いのほか弾んでいた。
  相田がこの憂鬱な事件に巻き込まれる素地となったのは、二年前の昭和六十年の暮れに、およそ五年間勤めた大和マルコポリマーの大阪営業部長から、東京の営業本部に戻って来て、建設事業部長を拝命した時に遡る。その頃、当該事業部の扱う主力製品のシーラントが恒常的な赤字体質にあったことから、その収益性の改善を期して、昨年の四月に値上げを断行したのだったが、その効果が市場に浸透し始めたその年の十一月に公正取引委員会から談合の疑いで思わぬ手入れを受けたのだった。それから半年近い期間に渡って、公正取引委員会との間でその黒白を巡っての論争を繰り広げたが、相田ら業界連中の戦士の頑張りも叶わず、今年の四月に同委員会から「カルテル破棄勧告」を受けた。相田らはその勧告内容に強い不満を持ってはいたが、業界そのものの体質の脆弱さもあって強く戦うことが難しく、その勧告を受託せざるを得なく、無念の敗北に甘んじたのだった。相田らは、その後もペナルティである課徴金の折衝で粘り強い頑張りを見せ、当初の要請額をかなり下回った額で本日の決着へと持ち込んだ。
 この決着までの長期間に及ぶ相田らの懸命の頑張りも、談合という好ましくない事実が認定されたことで、会社が受けたダーティなイメージや諸々のマイナスを帳消にしたり、軽減したりする対象にはなり得ず、延いては相田自身の業績評価の改善に繋がるものでもないところが、相田ら戦士には辛いところであった。いずれにしても、自分の会社人生での一つのけじめとして相田はこの日を「敗北記念日」として捉え、自分の心の中にそれを刻み込むことで区切りをつけようとしていたのだった。(以下、明日に続く)

1685 立候補しなくちゃ始まらない

 選挙や投票を伴う戦いには、立候補がその戦いに参加するための宣言である。自薦、他薦もあるが、先ずは自らの意志をしっかりと訴えることから全てが始まるのだ。

1.独り言コラム
 富士山を文化遺産として世界遺産に登録すべく、静岡県と山梨県が推薦書原案を纏め、文化庁に提出した。この原案を基に国が推薦状を作成し、ユネスコへ提出する。平成13年6月頃の登録を目指すという。かつて、自然遺産として申請を試みたが、ゴミが多いなどの環境の理由で国内選考で落選したことがある。このところ、何でも、世界遺産にといった風潮が安売りされているが、富士山だけは何としても認定して欲しいという日本国民の気持ちは不変だと思う。
 さて、ロンドンオリンピックまであと一年ということで、各地でいろんな催しが行なわれている。先に、東京都は、2016年のオリンピックに立候補したが、残念ながらリオデジャネイロに敗れて無念の涙を飲んだ。しかし、その無念にもめげずに2020年のオリンピックに立候補をした。勇気ある行動だ。如何にも石原都知事らしい前向きのアクションである。戦いはこれからだが、今度こそ、都民、国民からの盛り上がりが大事であり、その動向に注目したい。
 橋下大阪府知事が、大阪都構想実現を目指し、来る11月27日に知事と市長のダブル選挙に踏み切るようだ。果たして、府民、市民はどんな意思を示すのだろうか。今のところ、橋下氏自身が大阪市長選に立候補するのかどうかは、はっきりしていないし、現大阪市長の平松邦夫氏の去就もはっきりしていない。橋下知事としては、誰か大物候補を大阪府知事に立候補させて、自分が大阪市長選に出るのではと見られている。大物候補として、人気者の辛坊治郎氏や中田宏(元横浜市長)などの名前が取り沙汰されているが、…。
 そんな一方で、立候補を予定しながら立候補を諦めた方がいた。先の東京都知事選での松沢成文氏(前神奈川県知事)である。石原都知事の禅譲を受ける予定だったが、事前の世論調査の結果、期待されたほどの支持がなく、このままでは、そのまんま東氏(東国原英夫)に負けることになりそうということで、石原氏の今一度の立候補となったという。その無念の松沢氏が、最近になって吉本興業に入ったという。一時的な充電だというが、果たして、次なる立候補のチャンスは巡ってくるのだろうか?
 菅総理の後継を巡る戦いも注目される。間もなく行われるであろう民主党の代表選には、既に何人かの立候補予定者の名前が上がっている。そんな中で有力候補は野田佳彦財相とされているが、元代表の前原誠司氏はどんな対応に出るのだろうか。
 とにかく、立候補しなければ戦いには参加出来ない。言ってみれば、戦いへの参加宣言であり、ここから、具体的な戦いが始まるのだ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床、体重、61.7Kg.お天気は今日も不安定のようだ。
 昨日の雅子は、どちらかと言えば、珍しいことに痰が少ない日であった。こんな日が続いてくれればと思う。

3.連載、なんたるちあ(5)

1. 談合の顛末(5)
 「弱いもの苛めですか?」純は相田の言葉を繰り返し、少し減っていた相田のグラスにビールを継ぎ足した。
 「そう。それが許せない。君に分ってもらうために、少し詳しく話して見よう。多分君も覚えていると思うが、昨年の九月に新しい内閣が誕生したんだが、その頃から建築資材が急激な値上がりを始めていたことから、国会でも『公正取引委員会は一体何をしているんだ』と言った質問が出る状況だった。少し前までは、公取は『噛み付かない番犬』なんて呼ばれていたことがあったのだが、そんな環境下で、公取は、その存在を示すために、自分達のような小さな業界に噛み付いたんだよ。つまり、僕らは、彼らのターゲットにされて、手入れを受けたんだ。各新聞は一斉に一面のトップ扱いでこれを報じた。そのために、世間からは厳しい批判を受け、袋叩きにあって大変な不愉快で堪えがたい苦痛を味わった。しかし、自分達のマーケットは建築資材と言っても、鉄鋼やコンクリートなどの主要な建築資材ではなく、隙間を埋めるシーラントと呼ばれる材料で、いわゆる雑資材の範疇に入る資材であって、その市場規模は、日本全体でも百億円そこそこのちっぽけなマーケットなんだ。しかも、それが長年の恒常的な赤字にあったことから、それを少しでも改善したいとのことで値上げじゃなくて、若干の価格修正をしたんだよ。それなのに、公正取引委員会やマスコミは鬼の首を取ったかのように、でかいポーズで正義の味方を装って、大きく扱ったんだ。その姿勢が気にいらないんだ。他に疑わしい業界は、大きな建築物件、新聞業界やビールなど山ほどあって、それらの規模は比較にならないほどの大きさなんだよ。しかし、彼らの業界は強い政治的な基盤や指導力もあって、なかなか手がつけられないのに対し、自分達の業界は脆弱で狙い易い。公正取引委員会からすれば、我々の業界はそんなでかいポーズを取るには格好の業界だったんだ」
「なるほど。そうだったんだ。要するに、相ちゃん達はスケープゴートにされんだ!」純が鋭くポイントを捉え相田らの立場を要約した。
「今夜の君はなかなかナショナル、いや、シャープだね。」
「何よ。そのナショナルって? それって洒落?」純が怪訝そうに相田の顔を覗き込む。
「まあね」にやっと笑って相田は誤魔化した。
「止して下さいよ。折角真面目に聞いているんだから」
 この種の駄洒落は最近若いものには人気がないのだが、それでも相田はこの店ではその種の駄洒落を頻発していて評判は芳しくなかった。純はそんな相田に慣れていたものの、こんな真剣な話の場で突然飛び出したので、少し慌てたようだった。相田は、少し間合いを取って真面目な顔に戻って話を続けた。(以下、明日に続く)

1684 揺れている

 東北地方は、未だに余震が続いていて揺れっぱなしで、心配は絶えない毎日である。一口に揺れと言っても幅広く、今や、日本はだけでなく、世界にまでいろんな揺れが拡大している。

1.独り言コラム
 高速鉄道事故に対する中国当局の対応は異常だ。原因究明の大事な証拠物件である車両を、直ちに埋めてしまうというとんでもない対応を見せたが、相次ぐネットでの批判に慌てたのか、再び車両を掘り出すと言うびっくり対応を見せた。命の大切さを無視した対応に、中国は大いに揺れている。
 プロ野球の後半戦が昨日から本格的に始まった。巻き返しを誓った巨人軍だったが、昨日も打線が振るわず、横浜に完封されて完敗した。その試合を観戦した渡辺恒雄球団会長は、原辰徳監督の続投について聞かれ「他に居ないよ」と答えたと言う。しかし、御大の胸中は、大いに揺れていたに違いない。
 一方、同じく後半戦に逆転優勝をかける阪神だが、昨夜は、岡山県関西高校出身のプロ入り4年目の森田一成選手が代打で登場し、プロ入り初打席でレフトに値千金の同点の2ランを放ってファンを興奮させた。甲子園は大いに揺れたに違いない。この日、昼間には、高校野球の岡山県の決勝戦が行われ、奇しくも、森田選手の母校が劣勢だった九回裏に3点差を追いついて延長戦に持ち込み、逆転勝利を果たして甲子園出場を決めている。森田選手も、自分の人生で最大の揺れを覚えた嬉しい日になったはずである。
 放射能汚染は、牛肉から腐葉土にまで広がりを見せている。牛肉については、政府は、国が買い上げる方針を決めた。一方、腐葉土については、各都道府県にその使用の自粛を求めている。いずれにしても、原発事故の恐ろしさを、これでもか、これでもか、といった形で見せ付けてくれており、脱原発への動きが加速される中で、日本の産業界は大きな揺れとなっている。
 イチロー選手が所属しているマリナーズが勝てない。昨日まで16連敗という大変な苦しみの中で、苦悩で揺れている。今年は、一時は5割以上の勝率を確保したこともあり、ポストシーズンへの期待も囁かれたが、このところ、一気に坂道を下ってしまった。同時に、イチロー選手の11年間連続200安打の夢も、今のペースでは180本ペースぎりぎりで、同氏の胸中も揺れているはずだ。あと60試合で87本の安打は、さすがのイチロー選手も難しそうだ。
 アメリカの国債が格下げされるとの見方があって、円高がまたまた進んでいる。昨日は一時77円台を付け、経済界の揺れも尋常ではない。
 ずっと揺れ放しの永田町だが、昨日は辞めると発言している菅総理が、解散をする意思はなく、平成13年のダブル選挙が望ましいと発言し、永田町の揺れはさらに大きくなったという。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床、体重、61.6Kg.お天気は今日も不安定で雷雨があるかも知れないと言う。
 昨日の雅子も前日並みで、夕方には、テレビの画面に目を遣るといった仕草や、今にも話し出しそうな顔つきを見せてくれることがあり、贔屓目だが、少し回復して来ているような感じさえ覚えることもあったが、…。所詮、回復は夢なのかしら、と思う今日この頃である。

3.連載、なんたるちあ(4)

 1. 談合の顛末(4)
 純は如何にも中国からの留学生らしく日本語に貪欲で、新しい言葉に触れると必ずと言っていいほど、その都度その意味を確認して来る。相田の意味有りげな「しっくり」という言い回しを機敏に捉えた純はそう質問しながら、一旦、カウンターの中に戻り、適当な乾き物のつまみを取り出して相田の前に並べた。
 「しっくりというのはね、平たく言えば、仲良くってことよ。二人仲良く過ごすということ。それにね、君だから、正直に告白するとね、今日は、僕のサラリーマン人生での面白くない敗北記念日なんだよ。決して、君の言うような楽しいことがたあったのではなくて、今までの長い厳しい戦いが終わったんだ。面白くない結果だったが、気分的にすっきりしたということで、君からは、楽しそうな顔に見えたんだろうね」相田は、今日終った戦いで、敗北したことを純に告白した。
 「それはご愁傷さま。店に入って来られた時から、随分明るく振舞っておられたので、敗北されてすっきりされた顔だとは思いもよらなかったわ。それで、その負けた相手は、一体誰だったんですか?」純は自分の考えの至らなさを詫びながら、相田に敗北を齎した戦いの相手を確認した。
 「純、なかなかいい質問だよ。ちょっと難しい話だけどね。相手は日本政府、いや正確に云うと『公正取引委員会』という役所だ。分るかい?」ホステスとのやり取りだったが、自分がサラリーマン人生をかけて戦って来た真剣な戦いだっただけに、相田は、茶化したり、誤魔化したりせずに真面目に答えた。
 「いわゆる、公取なんでしょう。大体は知ってるわよ。純はね、いま大学で経済を専攻してるの。そのことはつい少し前に学んだよ。あの談合などを取り締まるところでしょう」
 「その通り。談合って言葉まで知ってるのか? なかなかの物知りじゃない」思わぬ純の知識に相田も驚きを隠さなかった。
 「それじゃあ、相ちゃん達は、その談合をやったんですか?」純も自分の理解可能な範囲内の話とあって果敢に相田に迫って行く。
 「君もなかなか言うじゃない。そういうことなんだ。結果的には、自分達は公正取引委員会の勧告を受託して談合を認めたんだから、君の指摘は間違ってない」相田はそこまで言うと一旦間合いを取り、グラスのビールをゆっくりと口に運こび、表情を硬くしながら再び話を継続した。
 「談合したことで、自分達が法を侵したこと自体は反省しなければならない。このことは致し方ないのだが、自分が今でも大いに不満で許せないのは、公正取引委員会が弱いもの苛めをして、かっこよくポーズを作っている姿勢なんだ。法律は、あくまでも公平に万人に適用されるべきなのにそうはなっていない。公正取引委員会にもそのことで随分訴えたけど、残念ながら、結局は理解されなかったんだ」(以下、明日に続く)

1683 アスリートの寿命

 かつて、野村克也選手が、生涯一捕手と自らを鼓舞していた事があったが、悲しいかな、いずれの世界でも、体力には限界がある。

1.独り言コラム
 昨年、西武を自由契約となり、現役復帰を希望している工藤公康さん(48)は、24日、仙台市内で会見し、11月くらいに、米国に渡り、トライアウトを受けられれば、と米国でのプレーを目指すことを明らかにした。びっくりしたが、その闘志には頭が下がる思いだ。まさに、そこまでやるか、である。
 先日、引退を表明した大関魁皇関は39歳だった。入幕後の勝星の数が1047とそれまでの千代の富士の1045勝を更新した直後の引退だった。昭和以降の最高齢力士は、2007年に引退した一の矢充の47歳の記録がある。琉球大学出身で、同氏の最高位は三段目だった。
 上海で行われている2011世界水泳選手権で、ロンドンオリンピックを目指す北島康介選手が、昨日、100メートル平泳ぎ決勝に登場したが、残念ながら4位に終った。同氏は28歳、シドニーで4位、アテネ、北京の両オリンピックで金メダルの同氏にも、どうやら、その限界がきているようだ。
 そう言う意味では、笑顔が素晴らしいスケートの岡崎朋子選手は凄い。1994年のリレハンメル、1998年の長野、2002年のソルトレイクシティ、2006年のトリノ、2010年のバンクーバーの5度のオリンピックに出場して頑張った。そして、2014年のソチオリンピックにも意欲を見せていると言う。不死身の体力の持ち主だ。拍手を送りたい。
 このような凄い頑張りには、体力、気力、それに積み重ねる努力の三つの「力」が必須だろう。
 そういう意味では、政治家の政治生命は比較的長寿な職業と言えるだろう。かつての最高齢総理は、第42代総理の鈴木貫太郎氏の77歳で、同氏は、太平洋戦争の幕引きを努めた総理だった。
 目下、やめろ、コールの中で頑張っている菅直人総理は、現在65歳で、日本では若手の部類に仕分けられよう。意欲はまだまだご健在のようだが、指導力が壊滅していて、パイロットとしては、操縦不能に陥っており、機体はダッチロール状態にある。最新の世論調査では民主党政権で最低の支持率になっているという。誰のための政治を念頭に置いているのだろうか。 長寿にも、賞味期限がある。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時起床、体重、62.1Kg.お天気は不安定で雨があるかもしれないという。
 昨日の雅子は、いつも通り痰には悩まされたが、症状は安定していた。午後には、二日ぶりに1時間ほど車椅子で散歩した。特筆すべきは、夕方、少しの時間だったが、テレビ画面に見入っていたことである。このところは見られなかったシーンで、筆者は、何だかほっとするのだった。

3.連載、なんたるちあ(3)

 1. 談合の顛末(3)
 純は急ぎ足でカウンターの中へグラスを取りに入った。店の規模はそれほど大きくはない。4~6人ぐらい座れるボックスが三つと六~七人座れるカウンターがある。店一杯詰め込んで、二十人程度のスペースだが、そんなことになることは滅多に無い。  「君もグラスを持って来給え。乾杯しよう」相田が純にも飲むように誘った。   「有難う。頂くわ。でも、乾杯って、何の乾杯なの?」
純はビールとグラスを持って戻って来て、相田の隣の席に腰を下ろしながら、その乾杯の主旨を確認した。
「それは、内緒」相田はもったいぶってそう言って、純が相田のグラスに注ぎ終ったビール瓶を受け取り、逆に、純のグラスに注いでやった。
 「内緒ってことはないでしょう」純は可愛く不満の様子を装いながら、会話を楽しむように相田に迫った。    「分った。じゃ、教えて上げよう。君と二人で今夜を過ごせることに乾杯なんだ。どうだ、嬉しいだろう。さあ、乾杯、乾杯」相田はからかうようにその場を盛り上げた。
 「嫌だ。二人きりじゃないよ。ママも間もなく来るし、あの土屋さんも直ぐに来られるよ。さっき電話があった。今、新幹線の中だって言ってたよ。でも、暫くは二人きりだから、取り敢えずの乾杯ね」
純もそれなりの理屈をつけて、相田のグラスに自分のグラスを軽く合わせた。カチンと心地よい音が響いた。   「そうか。あの土屋さんが来るのか。君を独占する訳には行かないんだね。それじゃ、残念の乾杯だったんだ。幾ら常連の土屋さんも、この豪雨の中わざわざ来ることもないのになあ。困った人だよ」
相田は、冗談っぽく不満気な顔でそう呟いた。
 土屋はJR東日本の職員で、年齢的には相田より五、六歳若いが、共に家族を関西に置いての単身赴任だった。そういう共通の家庭事情から、二人は暇と寂しさを紛らわすために、この店に顔を出すことが多く、この店での常連客の二人だった。同時に、ママに対しても共に少なからず関心を持っていて、店への頻度を高める背景になっていることも事実だった。閉店後のママの送りを巡って、幾度か相互にけん制し合ったこともあった。
「まあ、いいや。土屋さんが来るまで、二人でしっくりやりましょうや」  「しっくりってどういう意味なんですか? 今夜の相田さんは、いつもと違うわ。何だか楽しそうよ。何かいいことでもあったの?」(以下、明日に続く)

1682 落し穴

 60年近く続いたテレビのアナログ放送が終った。小型携帯ラジオでテレビの音声を楽しんでいた筆者なのだが、昨日12時を以って受信できなくなった。アナログ対策に、準備万端と思っていた筆者には意外な落し穴だった。代わりの商品を買いに電気屋に走ったが、そんな商品は店には置いてないと言う。あら、まあ、である。

1.独り言コラム
 今週末も大和なでそこが世界の舞台で活躍した。フランスで行われていた米国女子ゴルフツアーのエイビアンマスターズで宮里藍選手が同大会で2年ぶりの2回目の優勝を飾った。三日目でトップに立ってからは、心配だった落し穴に引っかかることもなく、ぶっちぎりの堂々たる勝利だった。これで、彼女は米国ツアーで7勝目で、岡本綾子選手の18勝に一歩近づいた。
 多分、今朝のニュースでは、自信満々の彼女のインタービューが放映されるだろうが、それを見るのがアンチ宮里藍ファンには結構辛い。
 なお、2日目でトップに立った佐伯三貴選手が3位タイ、そして筆者が好きな宮里美香選手も8位タイに入り、ベスト10を3人の大和なでしこが占めた。まさに、大和なでしこ満開といったところである。この勢いで、今週木曜日から行われる、今年最後のメジャー戦の全英オープンでの大和なでしこの、34年ぶりのメジャー制覇に期待が掛かる。
 大相撲名古屋場所は、日馬富士が14勝1敗で2回目の優勝を果たしたが、昨日の千秋楽では、惜しくも稀勢の里に敗れて全勝優勝はならなかった。横綱白鵬を破った翌日だっただけに、日馬富士には思わぬ落し穴だったに違いない。また、その横綱白鵬も史上初の8連覇を目指した場所だったが、落し穴に引っかかったように、千秋楽も大関把瑠都に破れて12勝3敗に終ったのは意外だった。
 この結果、来場所は、日馬富士の綱取りの場所となるし、今場所惜しくもチャンスを逸した琴奨菊、加えて、今場所も10勝を確保して頑張った鶴竜関の二人の関脇の大関取りが掛かる3本立ての注目の場所となる。どんな落し穴が待っているか、興味深い面白い場所になりそうだ。
 ところで、中国での高速鉄道事故、ノルウェーでのテロ事件も、ある意味では、落し穴に引っかかったような大事件であるが、幾つもの落し穴を諸共せず、のらりくらりと逃げている菅直人総理は、なかなかのしぶとい魔術師のようなお方である。この方には落し穴には関係なさそうだ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時10分起床。体重、61.4Kg.お天気は晴れのようだが、一時雨もあるようではっきりしない。
 昨日の雅子は、身体の震えもそこそこで、落ち着いた症状だった。お薬の利き具合で、症状が微妙な日替わり状態になる。

3.連載、なんたるちあ(2)

 1. 談合の顛末(2)
 歩いた距離は僅かであったが、その激しい雨に折り畳み傘ではとてもかなわず、手持ちの鞄、それに洋服はびっしょりと濡れていた。それでも、相田は構わず、そのままそのビルの三階にある「蘭」と表示された店のドアをそっと開け、その中を少し窺うようにして、その小柄だがこぶとりの体を滑り込ませた。どうやら、客はまだ誰も来ていないようだった。
 「あ~ら、相ちゃん。お久しぶり」
 ちょっと舌足らずの甘い声で若いほっそりとした女性が出迎えた。相田はこの店では常連客の一人として扱われていた。出迎えたほっそりとした女性が、相田が最近気に入っている「純チャン」と言う名の中国からのアルバイトホステスだった。ちょっと見ただけでは日本人と区別がつき難く、その若さとほっそりしたスタイルの良さ、愛くるしい顔つきが魅力的だった。この夜もピンクのスーツがよく似合っていた。
 「どうぞ、こちらへ」純は相田を奥のボックスに案内しようとした。
 「いいよ、このカウンターで」持っていたサムソナイトの鞄を預けながら、相田はカウンターの一番奥の席に陣取ろうとした。
 「嫌だ、相ちゃん、びしょ濡れじゃないの。どうしたの?」鞄を受け取ろうとして、相田の濡れ鼠のような様子に気づいた純が、驚いたように大きな声を張り上げた。
  「どうしたも、こうしたもないよ。全く。凄い雨だ。急に降り出したんだよ」
 「そうなの? 気が付かなかったわ。私が来た時にはまだそんなに降っていなかったから」
 純は、急いでお絞りを持って来ると、甲斐甲斐しく相田の濡れている衣服を一生懸命に拭った。その仕草さがとても可愛く、相田はじっと彼女が拭う作業に身を任せていた。中国から留学生として一年前に日本に来て、夜はアルバイトでこの店で働くようになったようだ。一年という短い滞在期間の割には日本語がうまく、その舌足らずのイントネーションが新鮮で、この店の客には受けていた。
 「有難う、もう充分だよ。ところで、今夜は君一人かい」間合いを見計らって相田は純に、今夜の従業員の勤務予定を確認した。
 「綾ちゃんと由夏チャンはお休み。残念でしょう。でも、ママは少し遅れるけど来るって。だから、とりあえずは、純ひとりなの」
 「そうか。よし、それならじっくりと純をいじめてやろうかな。とりあえず、ビールを頂戴。喉が渇いている」
 相田は、そう言って飲み物を所望した。(以下、明日に続く)

1681 意地

 戦いや競争では、負けん気に通じる意味がある。男女問わずに存在するが、女の意地の方が激しいとの見方がある。
 なお、今日から内容が少し衣替えで、3部は、新たに男の意地を描いた「なんたるちあ」の連載が始まります。ご愛読のほど、よろしく、お願いします。

1.独り言コラム
 日馬富士が宿敵横綱白鵬を破って2年ぶりの2度目の優勝を決めた。同氏にとって、14日間全勝を果したのは初めてのことで、このところ、成績が今一つだっただけに、その喜びは如何ばかりか、察するに余りある。まさに、男の意地を見せつけた勝利だった。これで、白鵬の大相撲界史上初の8連覇は夢と消えた。意地と意地とのぶつかり合いだったが、明暗が分かれた。
 昨日は、もう一番男の意地と意地とのぶつかり合いがあった。大関を狙う琴奨菊とかつての大関候補だった若の里との一番だった。前日も格下に敗れた琴奨菊が、この日も大関を意識して振るわず、若の里の投げに脆くも屈して、今場所での大関への夢は消えてしまったようだ。勝った若の里は、この一番で勝ち越しを決めたが、10年ほど前には、自分が大関の最有力候補となりながら果せなかった男の意地があっての渾身の勝利だった。また、2年前には、琴奨菊関に勝った際に骨折し長期休場を余儀なくされ、そのため十両に陥落したという因縁もあった二人である。ここにも意地と意地とのぶつかり合いがあったが、明暗が分かれた。
 中国の高速鉄道で衝突事故が起きた。6両が脱線、4両が転覆、32人が死亡、171人が怪我をしたという。この鉄道は、6月末に開業した上海ー北京間の新幹線とは違うが、その新幹線での予告編ではないかとの見方もある。新幹線に関しては、ぱくりで特許申請をしたという馬鹿げた話があって、許せないといった日本の意地が燃えている最中だけに、笑ってはいけないが、溜飲が下がるような思いもある。
 プロ野球のオールスター戦の2回戦ではパ・リーグが意地を見せて雪辱した。西武の中村剛也の意地の2本のホームランが圧巻だった。セ・リーグでは巨人軍のルーキーの澤村拓一投手が、これまた意地の好投を見せてくれた。
 昨日も取り上げたが、米国女子ゴルフツアー、エイビアンマスターズでは、日本人選手の活躍が目立っているが、昨日の3日目を終えて、遂に宮里藍選手が2打差のトップに立った。2年前に初優勝を果した相性のいいトーナメントで、今年の前半は不振だっただけに、彼女の意地が開花しているようだ。筆者はアンチ宮里藍ファンだが、今週の彼女は好調のようで、どうやら優勝を奪う勢いにあると見ている。前日まで首位だった佐伯三貴さんも2打差、筆者の好きな宮里美香さんも4打差で追っている。女の意地と意地との戦いも熾烈で、最終日の戦いが見ものである。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、61.6Kg.お天気は良さそう。
 昨日の雅子は。まずまずだった。気になっていて身体の震えもそれほどではなかったが、痰は相変わらず多くて苦しんでいた。午後には散歩で気分転換をはかった。

3.連載、なんたるちあ(1)

 タイトル、なんたるちあ(Nanta Lucia)の解説
  イタリア、ナポリ民謡のサンタルチア(Santa Lucia)を捩った新造語。「何と云うことだ!」との怒り、情けなさを心の底から表現する感嘆語。広辞苑には掲載されていない。

1 談合の顛末(1)

 バケツをひっくり返したような激しい雨脚である。初秋には珍しい大降りとなった。相田圭一が大手町の地下街の一杯飲み屋で部下達と別れて一足先に出てきた時には、ぱらついている程度の雨だったが、拾ったタクシーが走り出して直ぐに豪雨へと変わったのだった。
 相田は微妙なタイミングに恵まれたことにほっとし、いつも持っている少し大きめの鞄を膝の上に抱えたまま、その猛烈な雨脚に圧倒されるかのように、じっとその大雨の降り具合に見入っていた。フロントガラスに吹き付ける夥しい雨量を、精一杯のスピードで、懸命になって振り払っているワイパーが「ウオンウオン」と単調な喘ぎ音を発している。車はゆっくりとしたスピードで視界の悪くなった日々谷通りから新橋方向に折れた。
 「凄い降りになったね」一息ついた相田が運転手に声を掛けた。
 「いや、ほんとに凄いですね。お客さん、よかったですね。もう少し遅れていたら、びしょ濡れでしたよ」
 ご尤もと言わんばかりに相田も「全く」と言って頷いた。この日は、朝から今にも降り出しそうな不安定な空模様だったが、案の定、夕方になって本格的な土砂降りに変わったのだった。銀座界隈はまだ宵の内ではあったが、激しい雨で車も人通りも極端に数少なかった。林立するビルに点滅、点灯しているネオンの群れもぼんやりと煙り、いつもの魅力的な生彩を欠いている。小柄でずんぐりむっくりとした相田は、じっと鞄を抱えたまま物思いに耽っていた。そして、タクシーがとあるホテルの前に差し掛かったのを確認すると、明るい声で「ここでいいよ」と云ってタクシーを下りた。激しい雨脚は衰えていなかった。
 相田は、大き目のサムソナイトの鞄を片手に、もう一方の手で精一杯に広げた折り畳み傘をさして、激しい雨の中を急ぎ足で目的地に向けて歩き出した。その辺り一帯はいわゆる銀座ゾーンに辛うじて入ってはいるが、八丁目の一角で新橋駅を直ぐ近くに控えており、正確には新橋界隈と云うべきだった。相田は通いなれた道を歩くように、まばらに行き交う車と人波を縫いながら、近くの六階建ての雑居ビルの中入って行った。ビルの一角の電光時計が不鮮明に八時過ぎを表示していた。(以下、明日に続く)

1680 「インタビュー」から「あと2日間」

 今朝が2回目の話題のしりとりである。(前回は1608回)幾つかのスポーツの話題で「しりとって」みた。

1.独り言コラム
 W杯に優勝した「なでしこジャパン」の凱旋の余韻がまだまだ残っていて、彼女らに関する話題は多いが、気になるのは彼女らを追うマスコミのあり方である。キャプテンの沢穂希さんを追いかけて「結婚は?」なんて、嫌がるような質問を繰り返すのは、聞いていても気分は良くない。インタビュアーの見識が問われている。
 インタビューといえば、昨日のプロ野球のオールスター戦で、登板指名を受けてブルペンからマウンドに向かう直前の斉藤佑樹や藤川球児投手に直撃インタビューをしていたが、さあ、これからゆくぞ、という気合を入れた段階でのインタビューは如何なものかと思う。幾ら、オールスターゲームがお祭りであると言っても…。
 そのオールスターゲームの中継に二人の解説者が起用されていたが、妙にバランスの取れたトークになっていて、聞いていて違和感はなく楽しかった。大先輩の野村克也さんを相手に、遠慮することなく、滔滔(とうとう)と自説を披露していた桑田真澄氏の話術もなかなかのものだった。ゲームは、珍しくセ・リーグが大量点を挙げて逆転勝ちをした。中でも1イニングに4本のホームランが飛び出したのは、オールスター新記録だそうだ。
 新記録といえば、今週の米国女子ゴルフツアーは、フランスのエイビアンで行われているが、この大会に、日本から「何と、17人」の多くの選手が参加している。外国のツアーにこれだけ多くの日本人選手が参加したのは、恐らく、初めての記録じゃなかろうか。そうは言っても、韓国人選手の参加者はもっと多く、26人を数えていて、アメリカツアーもアジア勢に圧倒されているといえよう。
 ところで、肝心の成績だが、二日目を終って、佐伯美貴選手が-9でトップ、宮里藍が-8で2位タイ、宮里美香が-5で12位タイ、不動祐理、上原彩子も-4で18位タイということで、日本人選手はすばらしい頑張りである。この大会では、一昨年に宮里藍選手が、米国ツアーで初優勝した実績があり、今年も今の勢いが続けば、日本人の優勝も充分に期待できる。残されたあと2日間で、日本人選手の頑張りを期待している。
 あと二日間の頑張りといえば、大関をかけて頑張っている関脇の琴将菊関だ。昨日は無念にも格下の隠岐海に苦杯を喫したので、今日からの残された二日間を勝ちきる事が大関への条件のようだ。力は備わってきているので大丈夫だと思うが、…。何しろ魁皇関が引退したことで、横綱、大関に日本人力士が一人もいないと言うのは戴けない。何とか、琴奨菊の大関昇進を願っている。あと2勝だ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時半起床。体重、61.5Kg.。今日は晴れて暑い日が戻るという。
 昨日の雅子は、午後になって震えが目立つ一日だった。お薬の効き具合の微妙なバランスが崩れたのではなかろうか。目を開けて見つめてくれる時には、何かを喋り出しそうな気がするくらいの表情だ。しかし、残念ながら、発声が出来なくて言葉にはならない。辛そうだ。

3.連載、難病との闘い(265) 

  あとがき

 進行性の病気、という言葉は、雅子が指に違和感を覚えた2年半後の2003年の秋頃に、病名が難病のパーキンソン関連病と判明した時点で教えられた言葉だった。その時点では、この病気は段々悪くなってゆく病気なんだなあ、といった程度に単純に捉えていた。そして、初期の頃はその進行のスピードが遅かったこともあって、大したことではないのだろうと高を括っていたのだった。
 それが、2006年に入ってから、悪化のスピードがアップし、目に見える形でその悪化具合を捉えられるようになった。病魔が牙をむき出したかのように、雅子のあらゆる機能を犯し始めたのである。指から手足へ、そして次第に全身に機能悪化が進んでゆき、あらゆる体の部分が思うように動かし難くなり、その結果、先ずは歩行が出来ななり、車椅子の生活に入って行った。そして、その後も悪化は更に進み、自分で体を動かす事が出来なくなり、寝たきりの生活に、最後には言葉さえも話す事が出来なくなってしまったのである。
 進行性の病気の悪化がこんな具合にどんどんと進行していくのを見ていると、神様という頼りにしていた最後の心の支えもなくなり、雅子の気の毒さに、どうしてやることも出来ない自分に苛立たしさを覚え、無力感に支配される毎日に苛まれるのだった。
 まさに、自分達二人は、抜け道のない迷路に追い込んでしまったような辛い毎日を闘うことになってしまったのである。
 この原稿を書いている最中に、2010年には地球の裏のチリで地震による落盤事故で、地下深くに33人もの作業員が閉じ込められるという大事故が起きた。そこから始まった国を挙げての世紀の救出大作戦で、69日後には、全員が感動的な生還を果たしたのだった。その素晴らしい生還のニュースに拍手を送った一方で、自分達が閉じ込められている迷路には、そんな救出の手立てが存在しないという厳しい現実を、改めて思ったのである。言ってみれば、自分達は、広い沙漠を、永遠にとぼとぼと歩いてゆく駱駝のような大変厳しい運命を背負っているのである。今後もエンドレスにこの厳しい闘いは続いて行くが、我々二人には、もうこれ以上恐れるものは何もなく、ただただひたすらに前に向かって歩き続けるだけである。神様への最後のお願いとしては、雅子への苦痛だけは、可能な限り小さく、少なくして頂くように、ご配慮をお願いしたいと願っている。
 ともかくも、筆者としては、妻の雅子の厳しい闘いの様子を、毎日のブログに書き続ける事が自分の使命との勝手な思い込みで綴って来ましたが、雅子の症状もかなりの部分で、行き着くところまで来てしまったと言うような状況に鑑み、ここで一先ずピリオドを打つことにしました。長い間、お読み頂いた方々には厚く御礼を申し上げます。
 同時に、この内容が、同様な病気で苦しんでおられる方々に少しでもお役に立ち、ご参考になれば幸いであります。 
  平成23年7月23日
 
 (なお、明日からは、筆者の未発表小説「なんたるちあ」を連載予定です。)

1679 面子

広辞苑には、面目、体面とある。通常は、掛けたり、保ったりするものだが、筆者は、既にどこかに置いてきてしまったようで、今はもう持っていない。

1.独り言コラム
 中国新幹線のアニメが、日本で10年以上も前に創られていた内容とほぼ同じものであるということで、またしてパクリの疑惑ありということで話題になっている。新幹線技術を特許申請したという馬鹿げた話しもあって、パクリもそこまでゆくと、馬鹿らしくなって来るのだが、いい加減にしてもらいたい。4000年と云う長い歴史を持つ大国には面子といったものがないのだろうか。
 その中国の漁船船長に強制起訴が決まった。昨年に東シナ海尖閣諸島近くで起こした衝突事件で、この船長は、逮捕、拘留後に釈放されている。今回の強制起訴は、あくまでも日本の面子を示した決定だといえるが、実際には、船長を呼び戻すことは不可能で、裁判そのものは行われないようだ。
 スペースシャトル、アトランティスが無事最後の帰還をした。30年の長くに渡る宇宙開発の夢をを実現したアメリカの面子は立派に果されたと思う。この間、350人の宇宙飛行士が乗り込み、それぞれの役割を果たした。その中に7人の日本人が入っている。アメリカは、新たな宇宙計画を企図していて、今度のターゲットは火星だという。もう、筆者には見届けられない夢の世界だが、アメリカの面子は、しっかりと次の計画にバトンタッチされてゆくのだ。
 東京電力に勤務していた女性が殺害された事件で、遺留物から別人のDNAが検出された。この事件は今から14年前に東京の渋谷で起きた事件で、ネパール国籍のマイナリ容疑者が、既に強盗殺人罪による無期懲役が確定して服役中である。しかし、マイナリ容疑者は一貫して犯行を否認し続け、東京高裁に再審請求をしていたものである。
 この事件は、エリートOL殺人事件として話題になり、作家の久間十義氏はこの事件を題材に「ダブルフェイス」という小説を書いている。(1574ご参照)、同作品で、久間氏は、被害者のOLが残したメモには東電の役員や政界の大物の名前もあったとされていたのだが、あっさりとネパール人を犯人に仕立てたのではという疑問を指摘している。そんな背景があった事件だけに、真相はまだ埋もれたままの可能性があり、今度の新たな事実の発見が、どんな展開を見せるのか興味深い。マイナリ容疑者にしてみれば、無実を獲得し、ネパールの面子を保ちたいと言う気持ちは強いだろう。
 大阪では知事と市長のダブル選挙が決まった。橋本都構想を巡る戦いが大きな山場を迎えるのだが、橋下徹、平松邦夫の二人の面子をかけた大決戦だ、大阪府民、市民はどんな結論を選ぶのだろうか。
 面子を保つと言うことは悪いことではない。そういう意味では、今の菅総理にはその面子も見られないような裸の王様状態である。なでしこチームの凱旋訪問を受けて、「あなたがたのように諦めずに頑張る」と言ったそうだが、昨日の読売新聞だったと思うが、なでしこチームを見習うなら、早く次の方にパスすることだと書いていた。なかなかうまい表現だと納得だった。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、61.8Kg.。今日は晴れるという。
 昨日の雅子は、まずまずの様子で、目を開けてじっと、見つめてくれる時間が多かった。午後には、実兄夫妻のお見舞いを受けて、嬉しそうだった。

3.連載、難病との闘い(264) 

エピローグ(4)
 一考が溜飲を下げた月の沙漠について書かれた解説内容は次のようなものだった。
 「これは無国籍の不思議な歌である。エキゾティックでロマンティック、誰にでも像が浮び易い描写である。むずかしいことは何もない。しかし、この王様とお姫様は何者で、どこへ、何しにいくのか、みたいなことはいっさいわからないから幻想的である。
 確かに聞く者をして心打たれる何かがあるが、その正体が曖昧としている。明るいのではないが、暗くもない。どことなく、物寂しい雰囲気もあるが、悲しい歌ではない。ただ、この歌には安堵感、安心感がある。」
 一考は「なるほど」と思いながら、改めてその歌詞を読み直すのだった。そして、深い思いに耽りながら、何もない沙漠を旅する心細さ、駱駝はとぼとぼと歩く情景を思い浮かべる。そこには、王子様とお姫様は固い絆で結ばれ、そこに深い信頼関係があることが暗示されている。 
 一考の頭の中では、おぼろ月だけが照っている広い広い沙漠とは、難病で闘っている一考と雅子の二人の人生の舞台であり、そこには無援の困難さを示していると捉えることが出来た。王子様とお姫様の二人が紐で結ばれているように、自分達二人も、互いに支えあって人生を生きていこうとしている姿勢に繋がっている。
 これは「まさに、自分達の今の境遇にぴったりではないか!」そんな風に考えてみることで、改めて、それまで以上の愛着を強く意識するようになったのだった。
 何処まで続くか知れない遠く長い沙漠をひたすらに歩き続けるというイメージは、まさしく、果てしなく難病との闘いを続けている二人にぴったりである。特に、最後の二行の「砂丘を越えてゆきました。黙って越えてゆきました」は、何か暗い、重い気分にさせてくれる悲しい響きではあるが、それが、いつわりのない信じあった自分達二人のこれからの姿を映していると解釈できるのである。これからも、訪れるであろう幾つかの丘を、二人で命ある限り歩いてゆきたいと思う。しかし、そこには、もうオアシスなんて存在しないのだ。(完。明日はあとがきを記載します)

1678 阪神、借金完済ならず

 借金はないに越したことはない。不幸にして、借金を背負ってしまった場合には、一刻も早く返したいと言うのが当事者達の願いだろう。

1.独り言コラム
 プロ野球では、オールスター戦を控えての前半戦の最終戦が、昨夜各地で行われた。関西にフランチャイズを持つ阪神とオリックスは、借金を背負っての戦いだったが、共に悔しい敗戦で、すっきりしないまま前半を終えることになった。
 先ずは、このところ好調の阪神だが、この試合に勝って、一時は11もあった借金の完済を期して試合に臨んだが、球運に恵まれず、広島のエース前田健太投手に抑えられて、悔しい逆転負けを喫した。まあ「そうは問屋が下ろさなかった」ということだろう。それにしても、真弓監督の采配が株主総会で云々されるといったピンチだった阪神が、見違えるように甦ったのは、筆者には意外な展開だった。このところ、ブラゼル、マートンの打撃陣、メッセンジャー、スタンリッジといった投手陣の外人選手の頑張りが大きく貢献しているようだ。筆者は外人頼みの阪神は好きでない。いずれにしても、後半戦はその勢いが保てるかどうかは、その外人の活躍が鍵であろう。
 一方のオリックスは、交流戦で勢いをつけて、一時は借金を一気に返済して、貯金をも創っていたのだが、ここに来て急に負けが込み始め、昨日も4点差をひっくり返されて、あっけなく負けるなど、またもや借金苦で大変な状況にある。
 今年の各チームは好不調の波が大きく、気が付くとあっという間に順位が大きく変わるといった具合である。そんな中で、ヤクルト、ソフトバンク、日本ハムが貯金もしっかりで、安定した戦いを演じている。各チームとも、とにかく借金は早く完済したいと必死であることは間違いない。
 借金といえば、国の財政が心配だが、今回の東日本大震災で、ますますその対応が懸念されている。景気が冷え込む中で消費税率アップも、思うようにいかないと言った状況下にあるが、何と言っても、今の民主党政権下では、あまりにも無策で期待は出来ない。とにかく、プライマリーバランスをプラスにしなければ、借金は増える一方だ。このまま菅総理が居座るようでは光が見えない。
 このかってない国難を救うには、指導力のある大物政治家の出現が待たれるのだが、そんな期待できる政治家はいるのだろうか。
 国の財政といえば、日本だけではない。欧州ではギリシャだけでなく、イタリアやなど多くの国でも大変心配される状況にあり、それが世界の経済に大きな波及を及ぼすことは必至であるだけに、日本はどんな荒波を受けるのか、今や、四面楚歌の苦境にあると言える。
  
2.今朝の一考、昨日の雅子
 5時起床。体重、61.9Kg.。お天気は回復する方向だが、台風一過の快晴とはならず、曇り空のようだ。
 昨日の雅子は、まずまずの様子。しかし、前日のように目を開けることは少なく、目を瞑った時間が殆どだった。午後には散歩、それに専門家によるリハビリを受けた。

3.連載、難病との闘い(263) 

 エピローグ(3)
 長い人生では、本当に偶発的に偶々という形で、貴重な体験をすることはよくあることである。少し強引かもしれないが、筆者は、人生そのものが、偶々の連続ではないか、とさえ思うことがある。
 ところで、そのたまたまの一例なのだが、多くの童謡を口ずさむ中で、一考の胸中にしんみりとした形の共鳴を与えてくれた歌詞に出くわした。それは、恰も、自分と雅子との二人の将来の人生の暗示する言葉としてぴったりの歌詞であった。一つは「みかんの花咲く丘」であり、今一つは「月の沙漠」である。
軽やかなメロディーの「みかんの花咲く丘」であるが、その2番の歌詞が何となく気に入ったのである。
「黒い煙をはきながら、お舟はどこへ行くのでしょう。波に揺られて島の影、汽笛がぼっと鳴りました」
 これは、まさに、二人の苦しい生活を意味するという解釈が可能で、何となく、世間から離れた島影で孤独に静かに暮らすと言ったイメージだ。
もう一つの「月の沙漠」は、加藤まさをさんの作詞だが、その4番の歌詞がぴったりなのだ。
 「広い砂丘を一筋に/二人はどこにゆくのでしょう
  朧にけぶる月の夜を/対の駱駝はとぼとぼと
  沙丘を越えてゆきました/黙って越えてゆきました」
後日、この作品の解説を見て知ったのだが、この歌詞では「砂漠」ではなく「沙漠」と書くところがミソだそうだ。これは、加藤さんが千葉県の御宿海岸の砂浜をモチーフにしたということのようで、水分を含んだ砂のイメージを表現しているというのである。
 最初は、この歌はどんなイメージで書かれたのか、これといったイメージが定まらず、一体、何処の沙漠なのだろうか、とか、二人は何処へ何しに行こうとしているのか、といったことに、考えれば考えるほど、頭がこんがらがって来たのである。
 とにかく、歌詞の面づらだけを見れば、これは二人のロマンスを歌ったものなのか、或いは逆に、どこかへ夜逃げのように逃げ出そうとしているのだろうか、とさえ考えてしまう。また場合によっては、二人が死を求めた旅なのかもしれない。しかし、お揃いの白い上着ていたというから、お目出度い意味も感じられる。
 要するに全体の歌の情景が、分かるようで、その真意がはっきりと把握できない作品であった。しかし、その後に、インターネットで調べたところ、はからずも、一考は一気に溜飲が下がる素晴らしい解説を発見したのだった。(以下、明日に続く)

1677 お疲れ様

 戦い終えて、ほっとする。長い人生で感じる貴重な心豊かな時である。じっくりと味わうのもいいと思う。

1.独り言コラム
 なでしこジャパンのご一行様が昨日の朝に凱旋した。世界の頂上を極めての金メダルを獲得しての凱旋だった。沢穂希、海堀あゆみ、宮間あや、川澄奈保美、丸山佳里奈、熊谷紗希、岩清水梓といったところが、筆者が覚えた名前である。それ以外の方々を含めた20名の選手、それを統率した佐々木則夫監督の皆様に、おめでとう、お疲れ様でしたと申し上げたい。PK戦に入る前に選手を集めて話している時の佐々木監督の笑顔が印象的だった。
 大相撲では、大関魁皇が昨日琴欧州に敗れて引退を表明した。数々の記録を残しての立派な引退で、ご本人やその周辺の方々は、ほっとしておられるのではなかろうか。全国のファンが注目した入幕後の勝星の数は1047でピリオドを打った。その1047の勝ち星の相手は安美錦だった。とにかく、お疲れ様でしたと申し上げたい。今後は、後進の指導に期待したい。
 福島原発の冷却が、漸く自動注水循環冷却システムで安定性の確保に成功したようだ。一時は、冷却の汚染水を保管するスペースがなくなり、その対応が心配されたが、試行錯誤の繰り返しの結果、漸く差し当たっての目的地に辿り着いたという。これで、いわゆる原発対応の工程表の第一ステップが完了したようだ。関係者の皆様、お疲れ様でした。
 個性派俳優の原田芳雄さんが昨日午前に上行直腸癌で亡くなられた。存在感のある俳優で、筆者も、同氏が出演している多くのテレビドラマを楽しませて頂いた。お疲れ様でした。ご冥福をお祈りします。
 テレビのアナログ放送が、今日を含めていよいよあと5日で終了する。およそ60年の長きに渡るテレビ時代の誕生から、今に至るまでを支えた技術であった。ご苦労様と云うのは、少し表現が違うかも知れないが、新しい技術にバトンタッチするということで、とにかく、お疲れ様でしたと申し上げておこう。
 最後は、やはり菅総理の話しに回帰するが、一刻も早く辞めるべきなのに、今尚、しつこく粘り腰で頑張っておられる。ここまで頑張られると、多くの国民は、お疲れ様と云うよりも、唖然とするばかりである。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時40分起床。体重、61.8Kg.。台風の進路が大きく東に折れたようで、お天気は回復するのではなかろうか?
 昨日の雅子は、比較的落ち着いていたが、所用で、いつもよりも早目に(PM3時過ぎ)病院を出ようとしたら、大きく目を開けてじっと見つめてくれていた。恰も、行かないでと訴えるような目つきに思われて、暫し、躊躇したのだった。

3.連載、難病との闘い(262) 

 エピローグ(2)
 本を買って、最初に本格的に覚えようとした歌が「朧月夜」だった。その頃のテレビのコマーシャルで、2番の部分を使っているのをよく耳にしていて、その何とも言えない郷愁が気に入っていたからである。筆者が惹かれたその2番の歌詞を引用する。
 「里わの火影も/森の色も/田中の小路を/たどる人も/蛙のなくねも./鐘の音も/さながら霞める/朧月夜」
 この中で「里わ」とか「さながら」といった軟らかい表現が、何となく一考の心に沁みるのだった。
 その後、車椅子での散歩を続ける中で、一考は少しずつレパートリーを増やしていった。2010年9月末ばまでにマスターした曲は「朧月夜」を始め「早春賦」「冬景色」「海」「みかんの花咲く丘」「紅葉」「故郷」「里の秋」「港」「仰げば尊し」「花」「浜辺の歌」「月の砂漠」「若者たち」などの多くに及んでいる。
 一考は、自分で言うのも何なのだが、涙もろい性格である。琴線を揺するような歌詞やメドディーに触れると、時として込み上げてくるものを感じるという単純な男である。
それだけに、改めて口ずさむ歌詞の中に、日本語の素晴らしさや凄く惹かれた歌詞に幾つか出会って感動したことが幾度かあった。中でも、日常の口語調とは違って文語調の表現法に惹かれることが少なくなかった。
 例えば、「早春賦」での2番の2行目の「さては時ぞと/思うあやにく」の「思うあやにく」という表現は、最初は意味が分からなかったのだが、調べてみてなかなか面白い表現だと感心した。同様に、3番でも、「春と知らねば/知らでありしを」の「知らでありしを」という言い方も、なるほどと感心したのである。
 また、「仰げば尊し」の2番の、「別るる後にも/やよ忘るな」「身を立て、名を挙げ/やよ励めよ この二箇所にある「やよ」という言葉遣いも印象的だ。とても覚えやすい。これからも、雅子の付き添いに「やよ、頑張ろう」と思うのである。
 その他にも、「海」の2番の「島山闇に/著きあたり」の「著き」といった表現、浜辺の歌の2番での「夕べ浜辺をもとおれば」の「もとおれば」という言い方などは、この歌で初めて知ったという恥ずかしい話である。
 このように、童謡は改めて筆者に多くのことを教えてくれた。(以下、明日に続く)

1676 一度ならず、二度までも

 粘り、頑張りが素晴らしい金メダルに繋がった。しかし、菅総理の場合は、それとは対照的に、それが泥沼に繋がっているのは悲しい現実である。

1.独り言コラム
 良く耐えて、良く粘って、良く頑張った。昨日未明に行なわれた女子のワールドカップの決勝戦は、稀に見る熾烈な大熱戦となった。前半から攻めまくられて防戦一方の戦いとなった「なでしこジャパン」だったが、何とか凌いで0-0で前半を終えたものの、後半24分に遂に失点し、厳しい追う立場となった。しかし、それにもめげずの頑張りが闇を切り開いた、終了の9分前に、ゴール前の混戦から、こぼれ球を宮間あや選手がうまく押し込んで同点に追いつき、延長戦に持ち込んだ。 
 しかし、延長の前半で再びリードを許す厳しい戦いとなったが、延長の後半12分に、沢穂希選手が起死回生のミラクルキックを決めて、再び追いついたのである。一度ならず、二度までも追いついたなでしこジャパンは、まさに柳腰の神業の連続だった。
 素晴らしい120分間の大熱戦だったが、次の三つの場面が、筆者が感動したベスト3である。
 1)延長前半で失点した際、筆者は「ああ、これまでか!」と思ったのだったが、その時、沢選手は、大きく手を叩きながら、皆を鼓舞させていた場面である。苦しい時に見せた前向きの闘志は大したもので、込み上げる感動を覚えた。
 2)延長で同点に追いつき、残り時間があと1分程度の時点で、岩清水選手が日本のペナルティエリアの直ぐ手前でファウルを取られレッドカードで退場させられて、アメリカがフリーキックを得た場面である。さすがに、「これは参ったか」といった気持ちに追い込まれたが、よくぞこのピンチを凌いだと思う。若し、岩清水選手のファウルがなかったら、どうなっていたかを思うと、実に微妙な、貴重なファウルだったように思う。
 3)PK合戦で2本のシュートを止めた海堀あゆみ選手の足技、手わざなどの俊敏な体ワザは、まさに天下一品だった。とにかく、アメリカの最初のキッカーのボールをブロックしたあの足技はお見事で、それが勝利を呼び込んだと思う。今でもその場面の映像が頭の中に残っている。
 余談だが、その海堀選手が、昨夜のNHKの7時のニュースで正装してインタビューを受けいたのだが、その姿は、なかなかのスラットしたなでしこ美人だった。
 とにかく、朝から、日本中を興奮させた素晴らしい決勝戦で、ドラマでも作れないドラマを見せてもらったようで、ハイな気分で一日を送れたのは幸せだった。そのなでしこ軍団が、今朝、間もなく成田空港に凱旋する。おめでとう。
 そんな素晴らしさと好対照なのが民主党政権だ。鳩山由紀夫、菅直人が一度ならず、二度までも、とんでもない失態続きで、政権交代に期待した多くの国民の期待を裏切った。しかも、今の菅内閣は、辞めると言いながら、粘り腰で頑張っている。同じ「粘り、頑張り」でも、こんなに質の違う「粘り、頑張り」はいい加減にして欲しいものだ。 

2.今朝の一考、昨日の雅子
 2時半起床。入浴。体重、62.2Kg.。今日は大荒れの一日ようだ。台風の進路が気掛かりである。
 昨日の雅子は、まずまずの様子で、前日ほどは目を開けてはくれなかった。夕方には、久し振りに体の震えと右腕の発汗があった。毎日ではないが、この症状が時々見られる。

3.連載、難病との闘い(261) 

  エピローグ(1)
 褥瘡の完治宣言を受けて、雅子の車椅子での散歩を復活させたのは、6月半ばからだった。散歩といっても、1時間程度をリクライニング付き車椅子で、主として病院館内をうろうろと巡り歩く単調な散歩である。この散歩の狙いは、ベッド上では折れ曲がった状態になっている雅子の脚を真っ直ぐに伸ばしてあげる貴重な機会であることにウエイトを置いていた。もちろん、同時に病室内のよどんだ空気、環境を変えての気分転換も兼ねていることは申すまでもない。
 当初から、車椅子を押しながらの行為は極めて限られていて、いろいろと世の中のこと、家族のこと、スポーツのことなどなどを、一方的に話して聞かせてあげるのが主体だった。しかし、何が切っ掛けだったかは定かではないが、そのうちに歌を口ずさんで聞かせてやる事が始まった。
 元々、音楽に関しては、一考は音痴の系列に仕分けられるタイプで、小中学校では、人前で歌を唄ったというような記憶はない。図工や書道と共に、音楽は好きな教科でなかったことは確かだった。それでも、社会人になってからは、仕事の関係でお客さんとのお付き合い、或いは、仲間との付き合いの中で、飲み屋さんやスナックなどでは、好むと好まざるに関わらず、カラオケなどで鍛えられる機会が多くあって、それとなく、十八番といえばおこがましいが、曲がりなりにも、いざと云うときの自分の持ち歌を確保できるようになっていた。必要に迫られての柔軟な一面があったのだろう。
 とにかく、車椅子を押しながらの散歩は退屈である。そんな退屈さを紛らわすために、歌を口ずさみ始めたのである。自然な成り行きとして、童謡、唱歌の類から始めたのである。その後は、歌謡曲の分野にも拡大して行くが、まさに、初めは処女の如くで、幼い頃に聞き覚えた歌が、車椅子の散歩には相応しい楽曲だった。
 たまたまだったが、その頃には、隣のビルの広いスペースが空いていて、誰も人がいないこともあって、他人には迷惑を及ぼさないことから、比較的大きな声を出しながら歌い始めたのである。(しかし、ビルが改築されて、今はこのスペースはなくなってしまっている)
 ところで、唄い始めて自分でも驚いたのは、まともに唄い切れる楽曲の数少なさだった。とにかく、それらの歌の正確な歌詞が思い出せず、少し覚えている部分を、壊れたテープレコーダーがエンドレスに回っているように、繰り返して唄っていた。いい加減な記憶だったことから、2番や3番の歌詞が入り乱れて出て来るようなお粗末さもあって、まともに最後まで唄える歌はほとんどなかったのである。そこで、或る日、本屋に行った際に、童謡、唱歌の本を買い求めた。それには、200曲ほどの童謡・唱歌が収録されていた。ざっと見てみると、完全に唄えないものは、わりと少なく、およそ7割程度の歌は口ずさむことが出来た。幼い頃は、意外に歌を聞く環境にいたようだった。
 改めて思うに、一考は、この種の幼い頃に唄った歌が、理屈抜きにとても気に入っていた、独特の郷愁があり、温かみ、懐かしさなどが、昔のことを思い出させ、一考の心を揺するのだった。そして、それらを歌い始めてゆくに連れて、次第に唄うことが一考を虜にし始めていったのである。
 正直な話し、つい最近に古希を迎えたのだが、一考は、童謡、唱歌の良さを再認識することになろうとは思ってもいないことだった。こうして、一考は、気に入った歌の歌詞を、この際しっかりと覚え直してみようと思うのだった。かくして、車椅子を押しながら、本格的に童謡・唱歌を歌い始めたことは、一考にはとても素敵な時間を過ごせるということで楽しいことだった。
 問題は、それを聞かされる雅子の気持ちだった。雅子がどんな気持ちでいるかについては、正直言って、よく分からなかった。何事も良い方に解釈しておこうということで、独断的に雅子もそんな歌を聞いて、かつての良き頃を思い出してくれるのではと思うのだった。実際、散歩の途中で、何回か雅子の様子を確認してみるのだが、止めてくれといったような顔ではないと決め付けていた。そして、時には、自分が感じていると同様に込み上げてくる郷愁を同様に感じてくれているのではと独断的に解釈するのだった。(以下、明日に続く)

1675 8連続

 連続記録と言っても多種多彩であるが、神がかり的な形で凄い記録が誕生する場合には、驚きと感動が共存して、思わず興奮してしまうことが多い。

1.独り言コラム
 今週の女子ゴルフツアーのスタンレー・レディースでは、有村智恵選手のワンマンショーのような大活躍で、初日には、日本の女子ゴルフ史上初めての、1ラウンドで、アルバトロスとホールイン・ワンといったミラクルプレイを決めてトップに立ち、二日目にも16メートのイーグルを、三日目には、5連続バーディもあって、そのまま今期初めての優勝を決めた。そんな中で、昨日は、諸見里しのぶ選手が、インコースの出足から8つ連続バーディ、イーグルを続け、ハーフ27の日本でのハーフの最少スコアーを記録した。何とも、凄い記録である。後半ではペースダウンしたものの、二日目を終っての27位タイから、一気に3位に食い込んだのはあっぱれだった。
 最少スコアといえば、昨年、石川遼選手が中日クラウンズで見せた1ラウンド58という世界記録があるが、その際にはハーフ28だった。とにかく、8連続バーディ・イーグルは、まさに神がかりともいうべき記録である。
 8連続といえば、つい先日、巨人軍がヤクルトに今期8連敗して、54年振りの屈辱の記録をつくった。今年の巨人軍の脆さを露呈した記録といえよう。野球で8連続といえば、投手部門では、オールスターで見せた江夏豊投手の9連続奪三振の記録に次ぐ、8連続奪三振を見せた江川卓投手の記録がある。今から、30年前の記録だそうだが、当時、江川氏は、密かに10連続三振を狙っていたという。つまり、一人を振り逃げで出塁させて、もう一つ三進を奪うと言う、とんでもない狙いだった。一方打撃部門のホームラン記録では、日本には、王選手とバース選手が7試合連続本塁打を記録しているが、8試合連続本塁打はない。しかし、アメリカには、1993年に、シンシナティイ・レッズのケン・グリフィー・ジュニア選手が記録している。
 さて、目下、凄い8連続の記録が生まれつつある。それは大相撲の横綱白鵬が、今場所優勝すれば、史上初の8場所連続優勝となる。昨日現在、ちょうど8連勝でトップタイであるのも、今朝のブログのタイトルにぴったりで、大いに貢献してくれている。今までの連続場所優勝記録は、朝青龍の7場所連続優勝が記録である。果たして、白鵬はこの朝青龍の記録を塗り換えられるか、興味津々である。
 さて、W杯女子サッカー決勝戦は息詰まる大接戦で、アメリカの猛攻は、8連続をはるかに超える激しい波状攻撃を受け、何とかそれを凌いで堪えていたが、遂に後半の24分に失点し、なでしこの頑張りもそこまでかと思われたが、後半36分宮間が起死回生の同点に持み、そのまま延長戦にもつれ込んだ。凄い試合である。それにしても、よくぞ追いついたと思う。どちらに勝利の女神が微笑むのだろうか。
 
2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床。体重、62.0Kg.。どうやら、今日は雨の一日ようだ。台風の動きが鍵である。
 昨日の雅子は、やはり、痰がは多かったが、症状は安定しているようだった。大きく愛くるしい目を開けて、じっと見つめてくれる時間がいつになく多かった。見た目では、随分と回復して来ているように思われるくらいだった。

3.連載、難病との闘い(260) 第三部 施設、病院での介護生活(161)
  第七章 しつこい敵(23)

 (3)施設アクティバの解約(6)
 荷物の搬送に関しては、マッサージつき電気椅子などの大きなものの運びにはまた例の電気屋さんのお世話になり、手の掛かったものもあったが、とにかく、期限までには、持ち込んだ荷物を運び出し終えた。ほっとしていたところ、アクティバから連絡があって、医薬品関係が残っているという。駆けつけてみると、雅子の栄養剤が3ケース、72個分、それに、注入用の注射器などの消耗品が購入済みということで引き取ることになった。そんなに注文をしているとは全く知らなかったことで、それらの処置について、少し悩んだが、栄養剤については、琵琶湖大橋病院で使ってもらうことで話がついた。しかし、注射器については、今でも、玄関脇の二人の部屋に山積されたままである。
 一考が、今一つ悩んでいるのは、持ち帰った雅子の衣装等の衣料品の整理で、いまだにすっきりとは片付いていない。しかし、今の雅子の病状からは、もう着ることもない衣装が多く残っていて、その処置が気掛かりな今日この頃である。衣装も着てもらって初めて輝くもので、クロークやタンスの中にハンガーで吊るしてあるのを見ていると、何とも気の毒な雅子を思ってしまう。これらは、どうすればいいのだろうか。今もって答えは出ていない。
 さて、有料施設、アクティバとの解約の手続きが終った以降の一考の心配は、雅子に何時退院のタイミングが巡って来るかであった。引き受け手としてお願いしている特養のケアタウンKには、その辺りの事情を話してあるとはいえ、また入居の待機順位が上がって来ているとは言え、まだ、正式に入居OKの確約を頂戴したわけではない。あくまも、待機状態にあって、雅子の症状を勘案しながら必要なタイミングを捉えて、正式な入居のお願いを申し入れることから始まるのだ。従って、うまく、タイミングが合って、入居許可が頂けるかどうかは、一考には心もとないことだった。そういう意味では、ケアタウンKとは逐次連携を保持しておく事が大事だった。
 ところが、解約から一ヶ月ほど経過した5月の下旬に入って間もなくのことだった。思わぬ言葉を、看護主任のYさんから聞いたのである。彼女からは、大変だった臀部の祷瘡が完治したということから「そろそろ、退院の日程について検討する必要が出てきましたね」というお言葉を頂戴したのである。唐突のこの言葉に、一考は、ドッキリして主任の顔を見たのだった。
 それまでの一考の気持ちとしては、このままずっと病院暮らしが出来れば、それはそれで良しとしていた。それだけに、いろいろと不安はあったものの、有料施設、アクティバの解約に思い切って踏み切ったのだったが、その直後のこの「退院」の示唆は、まだまだ入院が続きそうで、ノンビリと構えていた一考には、まさに虚を突かれた寝耳に水の話だった。自分の読みに、大きな蹉跌があったことに、一考は思わず、Y看護主任に「ええ!!」と声を発すると同時に、「えらいことになった」という焦りを覚えたのである。
 しかし、一考の判断では、雅子の症状は不安定で、今直ぐは退院に堪えられる状況にあるとは言い難いと見ていた。一考は、ともかく、今暫くは、雅子の症状の様子をみる必要があろうとY主任には訴えた。
 その後の雅子の症状は、まさに一進一退だった。安定したかと思うとまた炎症が発生するといった繰り返しの症状が続いている。そういう意味では、幸か不幸か、直ぐには退院は無理で、病院を離れられないといった状況が続くのだった。そう言う意味では、雅子のリアリティのある退院は何時になるのか、一考にもはっきりしない月日が過ぎて行った。
 いずれにしても、一考は、果てしない二人の旅に身を委ねるしかなかった。神様が、どんな配慮をしてくれるのか、ただただ、それに従う覚悟を決めていた。(本章は、今日で終ります。明日からは、エピローグの連載です)

1674 闘志は健在

 本当に良く頑張っている方々を見ると、勇気付けられることが多い。健全な闘志は、良識と勇気に支えられたものでなければならない。

1.独り言コラム
 全英オープン三日目は天候が悪く、優勝争いをする上位のスコアーは伸びなかった。アイルランドのダデン・クラークがー5でトップ、アメリカのダスティン・ジョンソンが1打差で続いていて明日の決戦が面白そうだ。日本人選手でただ一人決勝ラウンドに進んだ池田勇太選手は、よく頑張ったものの、ボギーが先行しスコアを悪くし5オーバーでホールアウトし、順位を19位から33位タイに下げて最終日を迎える。ホールアウト後のインタビューを聞いていると、まだまだ闘志は健在のようだ。もう一頑張りを期待したい。
 2020年の夏季オリンピックに、もう一度東京が立候補することを、昨日のJOCの創立100周年記念式典で正式に表明した。今一つ都民の関心が盛り上がらないようだが、石原都知事の闘志はご健在のようだ。現在78歳で、2020年には87歳になられるのだが、大した闘志である。2013年の秋に開催地が決定されるが、世界は何処を選ぶのだろうか。ローマやマドリードが既に立候補を表明、加えて、トルコのイスタンブールやカタールのドーハも立候補するとも言われている。東北大震災、原発事故が、選考にどんな影響を与えるだろうか。その成り行きを見守りたい。
 大関魁皇が昨日も勝って、勝ち星の数を1047にまで伸ばした。相撲ぶりを見る限り、ご本人の闘志は健在のようだ。今場所はあと3つぐらい勝星を積重ねるのではなかろうか。来場所も出場して、1055ぐらいまで到達しそうだ。あと一頑張りだ。ご健闘を祈る。
 さて、明日のこの時間では、なでしこジャパンが、アメリカと決勝戦を戦っているはずだ。世界が見るなでしこジャパンの評価はかなり上向いていると言う。闘志健在の「なでしこ」が、大和魂を見せてくれるだろう。改めて大したチームだと思う。
 阪神のロートル組が頑張っている。今年43歳の金本知憲選手は、昨日の横浜戦で大いに吼えた。久し振りに4打席とも出塁するという大活躍だった。相変わらず、闘志は健在だが、未だに金本さんに頼るようだと、阪神の明日も今一つということになる。そういえば、41歳の桧山進次郎選手も、まだまだ闘志健在で、先日もお立ち台にいた。しかし、もう一人の42歳の下柳剛投手は、今一つ球運に恵まれていないようだ。
 そんな中で、低迷し今一つ盛り上がらないのが菅内閣だ。脱原発を宣言したものの、直ぐに、あれは自分個人の考え方などと言い直すのは何たることか。いち早く舞台から去ると云う英断が待たれる。今の粘り強い頑張りは、闘志健在と云うのではなく、決断不在、良識不在の何者でもない。聞くところでは、奥さんの伸子さんが裏で操縦しているという話しもある。あのストレステストは奥さんからの発案だったとか。だとすれば、菅総理の真の闘志の健在さを確認するために、先ずはご本人へのストレステストが必要なのではなかろうか。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時起床。体重、62.2Kg.。今日もお天気は大丈夫そうだが、台風の接近が気に掛かる。
 昨日の雅子は、症状は安定しているように見えたが、血圧が低く、時々声を発するような苦しみ(?)が見られた。また、眠ってしまっているような時間が長かった。午後には散歩を行なったが、ほとんど目を開けることがなかった。少し心配。

3.連載、難病との闘い(259) 第三部 施設、病院での介護生活(160)
  第七章 しつこい敵(22)

 (3)施設アクティバの解約(5)
 ところで、解約交渉を進めるに当たっては、一考には一つの腹案があった。それは、熟慮の結果、今直ぐに、全ての解約を申し出るのではなく、暫くは様子見のステップを置くという考え方だった。雅子が急な退院のケースの受け入れ場所の一つの候補として、このアクティバ琵琶を温存しておこうというのがその主旨で、その意味では、一考に都合のいい願望的な一面を含んでいるが、受け取り方によっては、両者のいわゆるWin-Winの関係に考え方であったとも言える。
 腹案の具体的な内容は、次のようなものだった。
 1.今回のことで、契約金の返還は行なわない代わりに、雅子の部屋の使用権利は残しておく。
 2.雅子の入院中は、その部屋は、アクティバ琵琶が自由に使用が出来て、誰かに貸し与えるのも結構である。 
 3.雅子が退院する時点で、雅子の入居できる部屋を用意する
 4.但し、入院中に支払い続けている毎月の管理費は、退院して適当な部屋に入居できるまでは支払わない。
 つまり、こうすることで、アクティバサイドは、契約金の返却をしなくて済む。更に、雅子の部屋の活用で新たな営業益を確保できるのに対し、一考は、入院中は、経費を支払わないで済むが、解約金の返還を受けない。その間、その契約金は生きたままの状態とし、退院した際に再入居するのに、新たに契約金は支払わずに済むというバーターなのだ。まあ、まあ、双方にそれなりのメリットがあると一考は考えての提案だった。
 しかし、アクティバサイドは、この提案にほとんど関心を示さなかった。持ち帰って上司と相談するというようなこともなく、ばっさりと切り捨てた。その理由としては、その時点でのアクティバには、もはや部屋には余裕がなく、待機者も沢山いるので、雅子の退院時にすんなりと部屋を用意するのは難しいというのだった。しかし、一考は、新しくオープンしたユニットもあって、部屋が空いていることは承知していたが、それ以上は、その腹案には固執することは止めにしたのである。こうして 解約手続きを進めることになり、すんなりと了承され、月末退去ということで、2010年4月15日に解約手続きは滞りなく完了した。
 雅子の終の棲家だと思って入居したのだったが、2年半という、あっという間の短い滞在で終った。 解約が確定した以上、、4月30日までには部屋を明け渡さねばならない。翌日から、一考は、少しずつだったが、部屋にある荷物の運び出しを始めた。2年半の滞在と言っても、その内、病院に10ヵ月ほどいた訳で、実際にアクティバで雅子が生活したのは1年8ヶ月ほどである。こんなに短い期間で退居することになるとは、全く想定外のことだった。(以下、明日に続く)

1673 記録あれこれ

 記録は意識して狙って作る場合もあるが、偶然にラッキーが幸いして誕生する場合もある。

1.独り言コラム
 第140回を数える歴史と伝統ある全英オープンでは、期待の石川遼選手だったが大きく崩れて脆くも予選落ちしてしまったのは残念である。トータルスコアは何と、14オーバーで、二日目だけで10オーバーというのは、石川遼選手には戴けない記録である。これだけ悪いと、無念を越えた結果で、全く歯が立たなかったということで、却ってさばさばした気持ちになるのではなかろうか。因みに、日本から出場した6人の選手の中では、ただ一人、池田勇太選手だけがよく頑張って決勝に進んだ。女子サッカーのなでしこの頑張りとは雲泥の差だ。なお、この中継を担当したテレビ朝日は、一昨日(金曜日)には、夕方の7時から通算8時間も生中継していたが、この中継時間の長さも、一つのスポーツ中継では記録的なものだと思う。それにしても、テレビ朝日は、少し、気合の入れ過ぎだったように思うのだが、…。
 一方、昨日から始まった日本の女子ゴルフトーナメントのスタンレー・レディスでは、有村智恵さんが、彼女自身2度目のアルバトロスを出したのに加え、ホールイン・ワンをも出すというミラクルな離れ業をやってのけた。日本女子プロゴルフ協会44年の歴史の中で、初めての快挙である。
 巨人軍がヤクルトに8連敗した。これは54年ぶりの記録だそうだ。半世紀以上も前の記録が話題になるのも、今年の巨人の弱さの証かもしれない。
 その巨人軍のラミネス選手の連続試合出場記録が985試合で途切れた。昨日のヤクルト戦に出場の機会がなかったのである。この記録は、外国人選手としては珍しい記録ではなかろうか。ご本人は「始まりがあれば、終りがある」と語っていたという。
 なお、ラミネス選手が務めていた巨人軍の四番打者に、長野久義選手が起用された。同氏が第75代目の巨人軍の4番打者だという。因みに、初代は永沢富士雄と云う方で、筆者は全く知らない。馴染みの名前では3代目が中島治康、6代目が水原茂、7代目が川上哲治、8代目が青田昇さんらのそうそうたる方たちで、プロ野球の初期の歴史を作った方々だ。
 さて、75代目と聞いて、第75代総理が我が滋賀県出身の宇野宗祐さんだったことを思い出して懐かしく思った。同時に、人の噂も75日という、という格言も頭に浮かんだ。長野選手に限っては、そんな格言とは無縁だろうと思うのだが、…。
 米国のプロ野球は、オールスター戦も終って後半戦が始まった。期待のイチロー選手は、再開後の最初の試合でもヒットは生まれず、未だに101安打止まりである。このペースは年間で178本弱である。200安打を達成するには、残りの70試合で、99安打を打たねばならない計算で、どうやら、今年は無理だろうと見るのが妥当だ。天才、イチローもやはり人間だった、と言えるのではなかろうか。
 魁皇の勝ち星記録だが、昨日は足踏みだった。何処まで記録を伸ばすかだが、場合によっては、今場所で引退することも考えられる。その場合だと、あと3勝ぐらいがせいぜいで、その場合には、1049勝ということになる。しかし、もう一場所頑張ると大関在位記録も千代大海の記録を追い抜くことになるので、そこまで頑張れば、さらに5勝くらいは加わることも考えられ、その場合は1054勝まで到達する。余計なお世話だが、果たして、どの辺りまでは頑張ってくれるのだろうか、大いに楽しみである。
 綺麗ごとになるが、記録に拘るのではなく、何事も精いっぱい戦うことが前提で、記録はその結果であるという。しかし、実際には記録を意識して頑張ることは多い。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時50分起床。体重、62.1Kg.。今日もお天気は良さそうだが、台風の接近が気に掛かる。
 昨日の雅子は、先週は肺炎と診断されたことで、急遽、入浴が取り止められたため、2週間ぶりに入浴サービスを受けた。この日は、夕方の栄養剤の注入時には、早目に寝入っていたので、このところ見られるその時間帯でのちょっとした震えや右腕の発汗などは全く見られなかった。お薬の調整効果、つまり、目を開け易くなるが、震えが出易い、という効果を、改めて確認できたと言える。

3.連載、難病との闘い(258) 第三部 施設、病院での介護生活(159)
  第七章 しつこい敵(21)

 (3)施設アクティバの解約(4)
 次に一考が考えたのは、何時のタイミングで、アクティバ施設の解約を申し入れるかだった。差し当たっては、その解約時での一時金の返還金が幾らぐらいになるかを知っておく必要がある。アクティバ琵琶の窓口で確認すると、一時金の払い戻しは、2年半経過した条件で、つまり、今直ぐ解約すると、まだ然るべき額が戻る事が分かった。そうなると、さしあたっては、一考の腹は決まった。
 そこで、ご夫婦揃ってお見舞いに来られた実兄ご夫婦に、その考えを話して、義兄の理解を求めた。
 義兄は、一考の話しに特に反対といった意向も示さず、単に「そうか、そうか」といった淡々とした返事だった。まあ、ここまで来れば、雅子の旦那に任しておこうと思われたのだろう。3月末のことだった。
 そんな経過を経て、アクティバ解約に対して、事前に必要な対応をほぼ済ませてはいたが、一考には、もう一つ大事なステップが残されていた。それは、雅子の主治医に、その辺りの事情をそれとなく伝えておくことだった。医師にしてみれば、一考サイドのその種の事情を聞いたからといって、特にどうこういうことはないはずである。しかし、その事を知って頂いておくことは、大事であると一考は考えていた。
 4月に入って間もなくの或る日、偶々、K先生と出合った際に、そのことを、それとなく話したのである。K主治医は、その瞬間、少し不機嫌そうな顔をされたように思えた。それと言うのも、一考の言わんとする含みは分かるにしても、長期の入院を希望している患者側に、主治医として「はい、分かりました」とは言える訳はない。それは当然な反応だろうと一考は思うのだった。要するに、一考としては、そんな考え方を持っていることがK先生に伝わってくれれば、それでよかったのである。
 かくして、施設のアクティバ琵琶解約を断行するに当たって、事前に必要と思われる事柄に手を打ち終えた一考は、意を決して、正式にアクティバ琵琶に対し、その交渉を開始した。
 思えば、3年前のことだった。この施設を雅子の姉達から紹介を受け、何とか入居させて欲しいと幾度もお願いを繰り返して、懸命に申し入れを行なった。その願いが漸く叶えられて入居させてもらったのが、ほぼ2年半前の07年12月のことだった。その時点では、ここが、雅子の終の棲家になるかもしれないと考えていた。しかし、人生は皮肉なもので、1年ほどして、経費があまりにも高すぎることから、一考の企業年金が大幅にカットされる75歳になる前までには、もう少し安い国が運営している特養に変わる必要があろうと思い始め、その入居申請を行なったのだった。
 それにしても、契約して2年半での解約は一考にも想定外であった。人生の先行ってものは分からないものだと一考はつくづく思うのだった。(以下、明日に続く)

1672 なでしこ、魁皇は頑張ったが、…

 昨日は、朝夕、すっきり、昼間は、もったり、夜は、がっかりの一日だった。肝心の政治、経済がちんたらとしていては、折角の快挙も打ち消されそうだ。

1.独り言コラム
 昨日は、何となく気分の良い一日だった。未明に行われた女子サッカーのワールドカップ準決勝で、なでしこジャパンがスウェーデンに見事な逆転劇で快勝し、史上初の決勝進出を決めたという朗報が効いていたのだろう。
 このニュースに関連して、少し不思議に思ったのが、試合が終った直後に、いつも見ている番組の読売テレビの「す・またん」という番組に切り替えたのだが、なでしこが勝ったという大ニュースには全く触れずに、相変わらず、馬鹿話をしながら番組を進めていた。どうして、話題に取り上げないのだろうかと、がっかりしていたのだが、今朝になって、その裏事情が分かった。そこには、「話題に取り上げないように」というディレクターからの指示があったというのだ。話題にすれば、サッカーのあることを忘れていた視聴者が、チャンネルを切り替えるのを恐れたからだと云う。何と言う情けない話じゃないの。筆者などは、この「す・またん」のレギュラー陣、辛坊治郎さん、森たけしさんや虎谷温子さん達が、どんなコメントをするのかを聞きたかったのだが、そんなつまらない理由で、話題にしなかったということに失望を覚えたのである。視聴率に過剰に反応している証だ。
 快挙の明るい話しは夕方にも生まれた。大相撲で、大関魁皇関が、前日に続いて勝ち星を挙げて遂に1046勝という新記録を樹立した。この日の相撲ぶりは、今場所初めての堂々とした勝ちっぷりで、旭天鵬を圧倒しての見事な白星だった。敗れた旭天鵬関の名前も歴史に刻まれることになろう。
 しかし、その一方で、 昼間は、衆議院本会議が開かれ、再生エネルギー特別法案が審議入りした。この法案を含めた三つの法案が通らないと総理を辞めないとダダを捏ねている菅総理なのだが、そんな条件をつけて国会審議にプレッシャーをかけているのは、一種の脅迫であって、異例な国会運営だと思う。メドがついたら辞めると言うのは、メドがつかねば辞めないということになり、そんな我が儘を許すような国会を許せない、と思うのだが、どうなんだろう。
 また、日本時間夕方からは、第140回を数える歴史ある全英オープンゴルフが始まったが、日本期待の石川遼選手は出だしからの乱調で、ボギーの連発、またダボも一つあって大荒れだった。後半に入って頑張ったものの、4オーバーでホールアウトし、107位タイと大きく出遅れ、情けない結果に終わり、ファンをがっかりさせた。今日はよほど頑張らないと予選落ちの憂き目に遭いそうだ。そんな中で、池田勇太選手はー1で18位タイ、高山忠宏選手がイーブンパーで36位タイと健闘している。やはり、生身の人間が戦う勝負事は、なかなか思うようにはいかない。そういう意味では、なでしこたちは、実に立派である。
 いずれにしても、朝夕のスポーツの素晴らしい快挙の朗報も、今の日本の政治のだらしなさ、世界の経済の不安定さなどの動きに、かき消されたしまいそうなのが残念である。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時50分起床。体重、61.6Kg.。今日もお天気は良さそうだ。
 昨日の雅子は、いつも通りで、症状は落ち着いていて目を開けてくれることも多いが、相変わらず、痰も多い。また、夕方に、少し震えが目立つのが気になる。目をあけるのと震えが起きるというのが、お薬の調整した結果で、先生の予告通しだが、…。午後には、車椅子での散歩。この辺りの時間帯では、震えはまだ出ていない。4時過ぎ辺りから目立つのである。その際に、右腕にかなりの汗をかくのも特徴だ。

3.連載、難病との闘い(257) 第三部 施設、病院での介護生活(158)
  第七章 しつこい敵(20)

 (3)施設アクティバの解約(3)
 Tさんとのお話の中で、一考は、一つ厄介な事情があることを知った。それは、この施設では、夜間には、看護士さんがおられないと言うのである。従って、痰の吸入などの医療行為を夜間に必要とする場合が対応できないというのである。しかも、50室あるこの施設で、雅子のような吸引が必要で、胃ろうを使っている患者を扱える部屋は、3室しかないという事情だった。それは困ったことだと思いながら、その日はTさんと別れた。そういう意味では、入居を申請した時点と現在の時点では、雅子の症状が大きく悪化しており、対象となる部屋が数少ない部屋に変わっていることを知った。そのことで、それまでランクが上昇していたという話しは、対象の部屋が違うことで、ご破算になっていたのである。
 その一方で、 その後間もなくのことだった。吸引などの医療行為に関して、幸いにも法律が変わって、この4月からは、訓練を積めば介護士さんでもその行為がOKということになったというのである。実に、タイミングのよい朗報だった。後に、電話でTさんにも確認すると、そういう方向にあることは事実だが、まだ具体的に対応できるような体制にはなっていないと言う説明だった。
 さて、一考の究極の心配は、退院が急に決まって、直ぐに病院を出なければならない場合の対応だった。Tさんの話でも、部屋が空くまでの繋ぎの時間が必要になる。差し当たっては、それまでの期間、退院を延ばしてもらうお願いをすることになろう。病院も出てゆくところの決まっていない患者をむげに追い出すようなこともしないのではないかというTさんの話しに、一考も楽観的に捉えるようにしていた。
 しかし、そうは言いながらも、最悪の対応は考えて置くことも必要だろうということで、少々頭を悩ましたが、その場合は、自宅に連れ戻り、在宅介護を頼んで繋ぐことをせざるを得ないと考えた。かつて、在宅時にお世話になった担当のケアマネージャーにその可能性を確認してみた。すると、彼女は、それは何とか対応可能だろうと返事をくれたのである。
 まあ、そんなことにはならないだろうと思いながらも、若しかのことを考えて、せめて、部屋の準備はしておかねばならない考え、狭い一階のスペースになんとかベッドを置くレイアウトに頭を悩ませるのだった。その結果、今まで、使っていた部屋を整理して対応するしか適当な案はなかった。早速、そこにあった雅子の鏡台や応接セットを2階へ運んで、部屋の模様替えに取り掛かった。気が早すぎるが、思い立つとじっとしていられなかったからである。
 しかし、若い時ならどってことのない模様替えも、この年になると容易ではない大変疲れる作業だった。特に、荷物運びが思っていた以上に骨が折れたが、何とか、最悪の事態に備える準備は出来た。(以下、明日に続く)

1671 杞憂

 得てして、人間は余計な心配をしがちである。結果的に、幸いにも、杞憂であったことに、ほっとした小さな幸せを覚えることがある。

1.独り言コラム
 なでしこジャパンとスウェーデンとの試合がちょうど始まった。その中継放送を聞きながら、また、時々画面で確認しながら、今朝はこのブログを書いている。あの評判のタコ占いでは、日本の負けを予想したようだ。しかし、このタコ占いは既に二度の間違いがあった様で、当てにはならない。
 そして、たった今、前半10分に痛い1点を奪われたところだ。始まったばかりだが、なかなか重い1点に思われる。さあ、ここからが勝負だ。
 さて、昨日は、大関魁皇がやっと1勝を上げて千代の富士が持っていた入幕後の通算勝数の1045勝に並んだ。昨日のこの欄では、それまでの3日間の戦いぶりから、若しかしたら、魁皇関はもう勝てないのではといった心配をしていたが、それが杞憂に終ったのは幸いだった。ほっとした魁皇関は、今日から、いよいよ、20年ぶりの新記録の達成を期して、自らの大相撲人生のエンディングをしるすことになる。大いに楽しみである。
 ここまで書いたところで、なでしこジャパンの川澄選手のヘッドが見事にゴールネットを揺らした。前半、19分の見事な同点劇だ。なかなかやるじゃないと言うのが、日本人ファンの気持ちだろう。ずるずると押され放しになるのが、杞憂だっただけに、ほっとである。
 ところで、一度は更迭が心配された阪神の真弓明信監督だったが、ここに来て、強さを取り戻して来ていて、昨日も巨人軍にさよなら勝をして、借金を2として追い上げて来た。その一方で、巨人軍の不振が目立っていて、昨夜も押さえに先発のエース東野投手を登板させるといった変則な起用も功を奏さず、原辰徳采配が怪しくなっている。このままの不振が続くと、原監督更迭の心配も…。巨人ファンには杞憂であって欲しいことだろう。
 昨夕、菅総理が記者会見を行った。病院からの帰りに車を運転しながら聞いていたのだが、突然の記者会見ということで、若しかしたら、辞任でも口にするのではと思ったが、粘りの菅総理だけに、そんなことは有得ないと思い直した。案の定、引き続き頑張ってやるということだった。但し、発表した原発に関する基本方針、脱原発(時間をかけて原発のウエイトを減らしてゆき、将来は原発に頼らないエネルギー戦略)については、その主旨には筆者も納得である。心配は、一度引退を口にした菅総理が、今後も必要以上に粘り腰で、総理の椅子に長居することなのだが、それが杞憂であって欲しいと思う今日この頃だ。
 昨日のこのコラムで、米国の株価がかなりの巾で下がったことで、東証もそれなりに下がるだろうと書いたが、確かに、寄付きではかなりの下げがあったものの、その後、持ち直し、筆者の懸念が杞憂に終ったのは幸いだった。
 さて、続いている「なでしこの戦い」は、この時点で前半を終った。最初に失点したものの、直ぐに取り返したあたりは、さすがだと思う。流れは、なでしこにある、と言えるだろう。
 そうこうしている内に、後半が始まった。流れは、依然として、なでしこペースに思われるが、果たして、どうなるのだろうか? と思っていたら、後半15分、ゴール前の混戦から、エース沢のヘッディングが決まって、なでしこが遂にリードを奪った。大健闘のなでしこジャパンである。
 しかし、身長の差があるスウェーデンだけに、この後の巻き返しが心配だったが、そんなことを思う間もなく、後半の19分に、またもや川澄選手がロングシュートを決めて3-1と大きくリードした。お見事以外の何者でもない。 こうなれば、スウェーデンも必死の反撃を見せて来るだろうが、何とか、このまま逃げ切って、史上初の決勝に進んでもらいたい。もうあと少し守り切れば、決勝は目の前だ。とりあえず、この段階でこのブログを配信する。(AM5時14分) 

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床。体重、62.0Kg.。今日のお天気も良さそうだ。
 昨日の雅子は、炎症も治ったようで、終日、比較的安定していた。午後には、6日ぶりに車椅子で散歩を行なった。実姉の霧子さんも久し振りにお見舞いに顔を見せてくれたので、雅子も、ほっとしていたようだ。嬉しかったのだろう。

3.連載、難病との闘い(256) 第三部 施設、病院での介護生活(157)
  第七章 しつこい敵(19)

 (3)施設アクティバの解約(2)
 一考が、霧子さんが解約に反対しなかったということに、正直言って、ちょっとした意外さを思うのだった。それというのも、元々は、彼女がアクティバ琵琶への入居を、積極的に勧めてくれた一人だったからである。実際には、実兄のお嫁さんの香子さんと二人が、雅子の次姉がそこの独立棟に入居することになったことから、二人が一緒であれば何かと融通が利いて都合がいいと考えての勧めだった。それに、霧子さんにしてみれば、今の不憫さを思い、今後のことを慮り、せめてこれからの人生で、落ち着いた生活環境を希望されての勧めであったのは当然な考え方だった。それだけに、そこを解約ということには、強く反対されると思っていただけに、一考は、拍子抜けするような感じであったが、一方で、我が意を得たりであって、ほっとするのだった。
 さて、施設を解約するに当たって、一考が考えておかねばならなかったことが幾つかあった。その一つは、解約後に、雅子が退院することになった場合の対応である。それについては、一考には既に腹案があった。それは、将来のことを考えて、アクティバ琵琶に入居した翌年の夏に、国が経営する特別養護老人ホーム、つまり、特養に入居申請しておいたのである。それが、昨年末になって、そこから連絡があり、その待機順位が大分上がってきているという報告を受けていたのだった。従って、そこへの入居が、うまく繋がってくれればという期待を持っていた。
 つまり、それは、いずれは、自分が75歳になるまでには、経済面での事情を勘案し、アクティバ琵琶の解約をしなければならないと考えていた。そういう意味では、そのタイミングを早めることになったと解釈できるのである。
 そういう事情の変化もあって、一考はタイミングを見計らって、その特養の窓口になって頂いているTさんを訪ねた。とにかく、最新の待機順位やその施設のことについてのお話を伺うのが目的だった。
 さて、その特養だが、施設名は「ケアタウンK」という。前年には、天皇皇后両陛下が来県された折に、お見舞いに立ち寄られたことで話題になった施設でもある。西大津バイパスのインターから出て、国道161号線に向かう途中にある。JR駅では大津京駅と唐崎駅の中間あたりで、一考の自宅からは車で5分程度と近いところであって、場所的には極めて便利なところである。若し、この施設に入居できれば、一考の毎日の通いも、アクティバ琵琶までが15分、琵琶湖大橋病院までが30分弱というのに比べれば、ずっと楽になるのが大きな魅力だった。
 特養、ケアタウンKの窓口のTさんはまだ30代の若く見える明るいしっかりした女性だった、Tさんには、以前、在宅時に、雅子の施設でのショートステイをトライしようと検討した際に、家にまで来て頂いて事前打ち合わせをしたことがあり、幸いにも既に面識があった。
 数日後に、その施設を訪ねてTさんに面談した一考は、ストレートに、近々アクティバ琵琶を解約したいと考えていることを打ち明けた。そして、雅子のこのところの症状を説明し、退院のタイミングが来た時点で、うまく入居が可能な対応をお願いしたのである。
それに対し、彼女は、直ぐにOKだとは言えないが、その時の状況を見た上で判断したいということだった。 いずれにしても、全体の感触では、そういうニーズが生じた際には、多少の待ち時間を考慮すれば、かなり脈がありそうだと一考は受け取った。(以下、明日に続く)

1670 ずるずる

 「鼻水をずるずるすする」といった擬音を表すこともあるが、一般的には「自らの意志通りに進まず、長びいたり、後退したり、引きずられたりするさま」と広辞苑には記載されている。

1、独り言コラム
 大相撲名古屋場所が、今年の初場所以来、半年ぶりに正式な場所として復活して開催中である。テレビ中継を見ている限り、観客の入りは今一つである。ところで、ファンのお目当ての一つである大関魁皇の入幕後の勝ち星数の新記録達成が、初日から3日間もずるずると3連敗して、今日以降に持ち越され、ファンはやきもきしている。昨日の鶴龍との一番では、腰から脆くも崩れて落ちている。この戦いぶりからすると、あと一勝の難しさが心配される。何しろ、先の技量検査場所の千秋楽で、横綱白鵬を堂々と破って獲得した1044勝目だっただけに、今の魁皇の弱体ぶりが嘘のようだ。
 筆者の見た目では、これは、大心配である。このままずるずると行くと、今場所は、下手すると一勝も出来ずに、途中休場を強いられることも考えられるし、来場所が大関のかど番となると、直ぐにでも達成されそうだった1045勝のタイ記録、1046勝の新記録は、未達のままで終ってしまうかもしれない、と言った悪夢が脳裏を過ぎる。このままずるずる行かずに、何とか、今日辺りで、渾身の一勝を挙げて、念願の思いを晴らして欲しい。
 ずるずるといえば、菅内閣の延命である。このところの世論調査では、何と、16パーセント台といった低い支持率が出ている。これは、もういい加減に引退すべきだろうとの多くの国民の怒りが出ているのだ。しかし、本人は、矢折れ、刀尽きるまで頑張ると言っているのだから、いやはや打つ手がないようだ。こんな状況下では、災害復興も思うようにはいかないだろう。ずるずると居座るのではなく、一刻も早く辞めて欲しい。
 今朝の新聞の広告蘭に、週刊誌の文春の「雅子さまの治療が、7年もかけて治っていない」と精神分析学会会長が猛批判しているという特集が掲載されている。しかし、先日の災害地のお見舞いぶりなどを見ていても、雅子さんの何処が悪いのかが良く分からないだけに、この話しにしっくりしないものを覚える。本人にしてみれば、ずるずると7年間も治療を受けていたとすると、もういい加減にして欲しいと思っていることだろう。良く分からない話である。
 広島に3連勝した巨人軍だったが、昨日は、宿敵の阪神に逆転負けを食らってまた借金を8つに戻してしまった。ずるずると借金を増やす巨人軍は、いったい、どうなっているのだろうとファンは心配しているに違いない。何とかしたいということで、急遽入団させた外人選手のフィールズ選手だったが、初めてスタメン出場した昨日の試合では全く振るわず、肝心の土壇場の逆転のチャンスにも、不甲斐ない見逃し三振でゲームセットとなった。この調子だと、巨人軍は、これからも、ずるずると借金を増やしてゆくのではと心配である。
 久し振りに1万円台を回復した東証の株価だったが、直ぐに、あっさりとその大台を割ってしまった。また、ずるずる下がってゆくのではないかとの心配である。景気は戻って来ているとの専門家の見方もあるのだが、今朝の米国のダウは、引き際に大きく下げてしまっている。従って、今日の東証も上がる見通しは少ないと思われる。
 言うまでもないことだが、「ずるずる」という表現は好ましい場合には使わない。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時半起床。体重、62.0Kg.。今日のお天気も良さそうだ。
 昨日の雅子だが、炎症治療に引き続き抗生剤の投与が行なわれている。症状そのものは落ち着いているものの、相変わらず痰が多いのが辛そうだ。午後には、久し振りにヘアカットをしてもらって、見かけはさっぱりしていた。

3.連載、難病との闘い(255) 第三部 施設、病院での介護生活(156)
  第七章 しつこい敵(18)

 (3)施設アクティバの解約(1)
 雅子が8月(2009年)に再入院したまま年を越して暫くした頃だった。一考の頭の中に、そのままになっている介護付き有料施設のことが気になり始めていた。そのまま放置しておくことへの疑問が芽生え始めていたのである。契約とは言いながら、使ってもいない施設に、毎月の管理費の支払が馬鹿馬鹿しく思えてきたからである。入居時に比べると、食事代と介護費用はカットされているが、それでも、年金生活者にはきつい20万円/月なのだ。それに比べて入院費は社会保険の恩恵もあって数万円である。
 その上、雅子の症状から、退院と云う2文字が遥か彼方に行ってしまっていることもあって、いつ施設に戻れるかの見通しが立っていなかったことも一考の判断を大きく揺さぶった。同時に、雅子には気の毒だが、こうして、ずっと病院でお世話になっているのも悪くないと思う考えも頭の片隅に潜在していた。体調が悪くなれば、直ぐに適切な処置を取ってもらえる訳で、安心してお世話になっていられるという精神面での安心感が大きかった。
 その上、一考が将来気にしている経済的な面での心配に対しても、解決への手掛かりが得られるからでもあった。つまり、このままずっと施設のアクティバで継続してお世話になるとしたら、一考が75才になった際に企業年金が激減することで、経済的にはプライマリーバランスが大きく崩れ、毎月、大きな持ちだしになってしまうという難題があったからである。
 それが、この病院で、ずっとお世話になれば、病院代だけで済ませることが出来て、その場合には特定疾患患者としての対応を受けられて、経費の大きさは大幅に縮小されるのである。
 そんなことを考え始めた時だった。それは、確か、年が明けた2月(2010年)の中頃に、雅子の実姉の霧子さんが、お見舞いに来られた時だったと思う。一考が、予てから考えていた「アクティバ琵琶を解約する」ことについて、それとなくと呟いたところ、霧子さんからも、想定外だったが、その考えに賛意を示してくれたのである。霧子さんも、こうして、病院でお世話になっている方が安心できるからとの判断だったようだ。そのことを切っ掛けに、一考は、施設アクティバ琵琶の解約の話を前向きに考えることになったのである。(以下、明日に続く)

1669 女の意地

 半世紀ほど前の往年のヒット曲の中に、西田佐知子さんが唄った、このタイトルのヒット曲がある。この言葉からは、何となく秘められた闘いの雰囲気が感じられる。

1、独り言コラム
 西田佐知子さんと関口宏さんとの結婚に関しては、彼の父親の佐野周二さんは大反対だったという。しかし、強い関口宏氏の愛で二人は結ばれた訳だが、外から見る限り素晴らしい結婚生活を送っておられるように思う。これといったスキャンダルもなく、彼女自身が表に姿を見せない控えめな対応で、大変好感が持てる。これも静かな女の意地なのだろうか。
 注目された全米女子オープンだったが、雷雨で度々プレイが中断された結果、予定の4日間で終えられず、一日延長となったのだが、その5日目の最終日で大きなどんでん返しがあった。そこには、素晴らしい女の意地のぶつかり合いがあった。
 優勝は、韓国人二人の戦いになった。一日早くホールアウトして待っていたソ・リヨン選手だったが、この日、追い上げて来たユ・ソエヨ選手が土壇場の18番で劇的なバーディを奪って、3ホールのプレイオフに持ち込んだのである。ソヨン選手は、その勢いで、そのプレイオフを制しての劇的な逆転優勝を果たしたのである。韓国人同士の二人の女の戦いは、まさに、意地と意地のぶつかり合いだったが、勢いが勝った結果となった。
 この日、もう一つの女の意地のぶつかり合いがあった。それは、二人の宮里選手の間で激しくぶつかり合っていたと思う。テレビで見る限りそんな激しい雰囲気は目には見えなかったが、二人の心の中では、ここまで来た以上、せめて自分が上に立ちたいという強い気持ちがあったと思う。結果的には、筆者の好きな宮里美香選手が単独5位になり、先輩の宮里藍選手の6位タイを上回ったのだが、この結果は、美香選手には、大きな自信に繋がったに違いない。
 ところで、女の意地のぶつかり合いの事例は、他の世界でも、いくつか見る事が出来る。その一つは、先月行われた将棋界での女流王位戦だった。戦いは5番勝負で行われたが、タイトルの再奪取を狙うベテランの挑戦者、清水市代六段が、出だしの2連敗後に2連勝を果たし、最終局に持ち込むという女の意地を見せたのである。それに対し、甲斐智美王位も、追い込まれた最終局で、見事な意地を見せて、その勝負に勝って、王位のタイトルの防衛を果した。これまた、見事な女の意地の勝利だった。
 政界では、いわゆる小泉チルドレンだった片山さつきさんと佐藤ゆかりさんが、先週の参議院予算委員会で質問に立ち、菅内閣に激しく迫っていた。二人がそれぞれ、その存在を見せてくれていた。同じ自民党だが、味の違う二人の女の意地の闘いが面白かった。もう一人の猪口邦子さんも、その出番を見ることは出来なかったが、3人のチルドレン達は、依然として健在である。
 その他の事例では、浅田真央とキムヨナ、浅田真央と安藤美姫の女子フィギュアーのライバルたち間の女の意地のぶつかり合いも、いつみてもファンには堪らない楽しみな戦いで、氷上を熱くしてくれる。
 忘れてはならないのが、なでしこジャパンの大変な女の意地である。ここまでくれば、次のスエーデン戦にも勝って、是非、最後の頂上攻撃に立ってもらいたい。彼女らの意地は鉄をも貫く強さがあるように思える。
素晴らしい女の意地のぶつかり合いは、見る者を大いにエキサイトさせてくれる。意地は、活力につながり、いい意味でのエネルギー源であり、その結果が新しい歴史の誕生に結びつくこともある。。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 5時過ぎ起床。少し寝過ごした。体重、61.7Kg.。今日のお天気も良さそうだ。
 昨日の雅子は、症状は落ち着いていたが、痰が多くて苦しそうだった。とにかく、看護婦さんの痰の吸引が命綱のような感じがするくらいだ。暫くは、雅子はこの闘いに勝たねばならない。ここでも、健気な女の意地を見せてくれている。頑張れ、雅子、である。

3.連載、難病との闘い(254) 第三部 施設、病院での介護生活(155)
  第七章 しつこい敵(17)

(2).再入院(10)―褥瘡治療②―
 それからも、暫くは慎重な治療が続けられた。そして、遂に5月19日には、M先生から一考に、「完治した」という言葉を頂戴することになった。めでたし、めでたしであった。この治療中は、病室外で待機することが多かった一考も、早速、その状況を確認させてもらったのだが、その傷口の回復振りを見て、それはまぎれもなく感動的な治癒だと思うのだった。大きかった傷口は塞いでおり、後は、周辺の部分の肉が、もう少し盛り上がってくれば、それこそ、本当のゴールだと思うのだった。
 M先生が本格的にこの治療に取り組んで頂いてから、ほぼ半年が経過していた。長い旅路の果ての完治を、漸く勝ち得たことを嬉しく思いながら、M先生の粘り強い治療に改めて感謝するのだった。
その後、車椅子に使う適切なクッションなどの選定などにも圧力計を駆使して、患部に加わる圧力を確認するなどして、具体的なサービスを頂戴した。丁寧な粘り強い先生の治療には、感謝、感謝だった。
 長い入院生活になっていただけに、一刻でも早く、寝たきり生活に終止符を打ってあげたいというのが一考の偽らない気持ちであった。自分で身体を動かせないなら、差し当たっては、介護するサイドから手助けして、変化を提供してあげようというのが一考の思いだった。
 そこで、改めて、車椅子で散歩する機会を作ろうということで、先生に相談した。ポイントは、治ったばかりの臀部の褥瘡のあった部分に加わる圧力をなるだけ少なくする配慮である。基本はクッションを使うのだが、雅子の傷口に適したクッションを探し出すことが必要になる。
 「完治したよ」とのお言葉を頂戴して数日後、M先生は幾つかの特殊なクッションのサンプルを病室内に持ち込んで来られて、実際にそれらを使った場合について、傷口に掛かる圧力の測定をして頂いたのである。幾つかのバージョンを設定し、それぞれのケースに雅子を寝かせて、その際の圧力を測定するという作業が繰り返された。その結果、適したクッションの組み合わせで、加わる圧力を半分程度にすることが出来るということが実証された。
 そこで、先生がもって来られたのと同じタイプのクッションの手当をすることにした。一考が、かつて在宅介護でお世話になった業者の方に改めてその種の製品の紹介をお願いをしたのである。6月に入って間もなくのことだった。数日後、その主旨に基づいたサンプルが入手できたので、改めて先生にその実物を使っての評価を頂いた。結果は、先のサンプルでの場合とほぼ同様なもので、圧力の半減が可能な組み合わせを見出し、その該当製品を発注した。
 
かくして、難関だった褥瘡治療を成功里に突破することが出来て、リクライニング付きの車椅子での散歩を復活する事ができたのである。(以下、明日に続く)

1668 やまとなでしこ、世界の舞台で頑張る

 昨日からやまとなでしこたちが、世界を舞台に頑張っている、今朝は、筆者の頭の中に浮んだ現代のやまとなでしこたちを拾ってみた。

1、独り言コラム
 目下、アメリカのコロラド州、コロラドスプリングでメジャーツアートーナメントの全米女子オープンゴルフの最終ラウンドが始まっている。雷雨順延などで日程が延びて、この日は朝早くから3ラウンド目が行われた。しかし、この日の宮里美香さんは、全く不調で、それまでのプレーが嘘のような乱れ方で、折角の貯金を全て使い切ってしまい、順位を大きく下げてしまった。
 そういうことで、一旦は、メジャー初優勝というでっかい夢が遠ざかってしまったように思われたが、救いは16番でのバーディで、「今一度の御幸待たなん」の僅かの希望を残してのホールアウトとなった。二人の宮里選手の乱れで、首位争いは大混戦となって、最終ラウンドに入ったが、一体誰が栄冠を握るのだろうか。
 女の戦いといえば、昨日未明のW杯女子サッカー準々決勝で、なでしこジャパンが、延長戦の末、丸山桂里奈選手の乾坤一擲の鮮やかなシュートで2連覇中のドイツを倒してベストフォーに勝ち進んだ。日本女子サッカー史上素晴らしい快挙である。
 延長に入って、両チームの選手共に疲れがピークに達していたが、必死の頑張りで戦いが続いていた。そして、日本がリードしてからの最後の十数分は、逆転を狙うドイツの攻撃は熾烈だった。幾度もピンチに見舞われたが、その都度それらを守り抜いての素晴らしい感動的な勝利だった。特に、ゴールキーパーの福元美穂選手の素晴らしい反応での得点阻止は実に感動的だった。さあ、次なる相手は、スエーデンと決まった。据え膳(スェーデン)食わぬは男の恥と言うが、やまとなでしこだけに、…。いずれにしても、あと2番勝てば頂点に達するのだが、ドイツ戦を見ていた感じでは、充分に勢いがあるので、チャンスはあると思いたい。頑張れ、やまとなでしこ、である。
 それ以外の世界を舞台に頑張る現代の「やまとなでしこ」を筆者流に拾ってみた。スポーツでは、卓球の石川佳純さん、福原愛さん、目下、ジャパンオープンで二人は頑張っている。フィギュアの浅田真央さん、安藤美姫さん、村上佳奈子さん達3人で、浅田さんは、先日男子の小塚さんとペアでの演技を披露してくれていた。陸上短距離の福島千里さんも、これからは世界を目指す一人だ。ほっそりとしたスタイルはなかなかのものだ。中学生でオリンピックに出場したスキーの高木美帆さんもこれからの一人だろう。また、オリンピックでは人気のあるカーリングで、本橋麻里さんの名前が浮ぶ。
 それ以外では、日本人で二人目の宇宙飛行士、山崎直子さんもその一人だろう。さっぱりした感じの方で、このほど、最後のスペースシャトルの打ち上げに現地からレポートしてくれた。
 さて、再び全米女子オープンの話題に戻るが、今回は、最終ラウンドでも組み合わせの変更が行われないため、二人の宮里選手は同じ最終組でのラウンドになる。3ラウンドで乱れた宮里美香さんだったが、それでもトップに1打差に止まったのは幸いだった。さあ、あと5時間後には優勝者は決まっているだろう。宮里美香選手の逆転優勝に期待している。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 1時過ぎに目覚める。体重は62.3Kg。今日のお天気も良さそうだ。
 昨日の雅子は、比較的症状は落ち着いていた。熱は下がっていたが、血圧が少し高めだった。帰り際には、帰るよ、と声を掛けると、目を開けて愛苦しい目でじっと見てくれるので、そのいとおしさで思わず帰りを遅らせることになった。恰も「もう少し、居て欲しい」と言ってくれているようだったからである。

3.連載、難病との闘い(253) 第三部 施設、病院での介護生活(154)
  第七章 しつこい敵(16)

(2).再入院(9)―褥瘡治療②―
 年が明けると、M先生から新たな指示が出た。それまで使っていたベッドの上に敷いていたタオルの使用を禁止した。このタオルは、ベッドのシーツの汚れを防止するだけではなく、看護婦さんや看護士さんたちが、患者の身体を持ち上げてその位置を移動させる際に使っていた。しかし、その持ち上げる際に、タオルが傷を圧して、悪さをしていることが危惧されるということでの使用禁止だった。
 年明けから、そんなこんなの工夫と細かい配慮が積み重ねられ、地道な努力が続けられた。特に、ベッド上での身体の置く角度について、引き続き細かな管理が続けられた。その結果、雅子はそれから2ヶ月ほどの間は、ほとんど左向きの姿勢を取った形で過ごすことになった。患部の褥瘡が臀部の右側にあるから、そこを押さえつけない応接が大事だというのであった。どうやら、それが功を奏したようで、傷口がよくなり始めたのである。要は、傷口に余計な負荷が掛からないようにとの配慮が、褥瘡の傷口の治りを促進する形となってきているというのった。
 しかし、事はなかなかすんなりとは進まない。今度は、そのために身体の反対側にうっ血症状が見られ始めたのである。そこで、3月に入ると、やはり、左右の体位の変化を取ることで元に戻したのだが、その場合も傷口へのプレッシャーを軽減する配慮で、仰臥姿勢だけは避けることが徹底された。
 こうした苦労の積み重ねの末、傷口は徐々に小さくなり始めたのである。それは、看護婦さんたちに言わせると感動的な治癒だという回復振りを見せるのだった。何事も、我慢を積み重ねた不断の努力が大事であると一考は改めてM先生の丁寧な治療振りに感謝するのだった。
 この治療がかなり良好な方向に動き始めていた頃、M先生からは、もう一つの前向きなアクションを行なった。それは、リハビリの採用だった。全く運動することも出来ず、じっとベッドに横たわっているのは身体に良くないのは当然である。4月半ばになってからの対応で、土日を除く殆ど毎日、20分程度だったが、専門の方による対応だった。折からのゴールデンウイーク期間も、ほぼカバーして頂くという熱の入れ方であった。リハビリを受けている間の雅子の表情は、最初は顔をしかめることもあったが、そのうちに穏やかな表情に変わっていったのである。
 リハビリの具体的な内容は、そんな複雑な運動ではなく、ベッドに寝たままの姿勢で、手足をゆっくりと伸ばしたり、縮めたりする単純な運動だった。じっとベッドの上で、窮屈な姿勢での毎日の生活と闘っている雅子には、オアシス以上の貴重な時間であったに違いない。一考はそんな思いで、その毎日の貴重な20分のリハビリを捉えていたのである。
 その後の褥瘡の回復振りは急ピッチだった。2センチぐらいの褥瘡の大きな傷口は、ぐっと小さくなって行き、やがては小指の頭ぐらいにまで小さくなり、そして、次第にくっ付いていったのである。(以下、明日に続く)

1667 良きライバルたち

 何時の時代にも、何処の世界にも、好敵手と呼ばれる二人がいて、切磋琢磨した戦いが繰り広げられ、時代を創って来た。今朝は、筆者が気にしている、最近の良きライバルたちの幾つかの事例を取り上げてみた。

1.独り言コラム
 二人の宮里選手が、全米女子オープンと言う大きな舞台で、凄い頑張りを見せてくれている。三日前から始まったツアーだったが、雷雨でスケジュールが遅れていて、今現在(10日午前3時半)は、二日目の残りのプレイが進行しているのだが、何と、二人の宮里選手が大活躍で、メジャーツアーでは、史上初めて日本人二人がベスト3内に入っているのだ。特に、今日の宮里美香さんは絶好調のようで、このラウンドで4アンダーと(15番を終って)2位以下に2打差をつけてトップに立っている。びっくりでもあり、嬉しくもあり、少々興奮している。
 二人の宮里選手は共に沖縄県出身だが、姻戚関係はないようだ。言ってみれば、今や同姓の良きライバルとして、互いに切磋琢磨している関係にあるといったところだろう。
 今期の宮里美香選手の安定感は抜群で、既に行われた二つのメジャーで、共にベスト10内に入る好成績だった。一方の宮里藍選手は、その二つのメジャーには共に予選落ちの憂き目にあったが、このツアーでは調子を戻しており、明日に掛けての二人の戦いを世界が注目することになろう。なお、今日は、この二日目のラウンドが終り次第、続いて、決勝ラウンドの3日目の戦いが行われることになっているはずで、好調の二人の宮里選手にはラッキーな日程だとも言えよう。
 若し、このまま宮里美香選手が頑張って優勝することになると、1977年の樋口久子選手の全米女子プロ選手権以来34年ぶりの日本人選手のメジャーツアーの優勝者の誕生となるのだが、…。しかし、まだ先が長い。好事魔多しというが、どんな落し穴が待っているか、誰も分からない。とにかく、快挙を期待している。
 今年のプロ野球では、高校時代からの良きライバルであった日本ハムの斉藤佑樹と楽天の田中将大の二人の投手の頑張りが、大いに注目されているのだが、大学を行かずに直ぐにプロ入りした田中投手の方が、今現在は一歩も二歩もリードしている。最終的にプロ生活での二人の戦いは、どんな結果を残すのだろうか。
 政界では、ちょっと見回してもこれと言った良きライバルは見出せいが、路上キスや女性スキャンダルで話題となった民主党の細川豪志氏と毛並みがいいと云われている後藤田正純氏の二人の今後の政治家としての将来に注目したい。細川氏は既に表舞台に復活し、原発担当大臣として頑張っている。一方、水野真紀という美人の奥さんを持ちながら、高級クラブのホステスのお持ち帰りをやってしまった後藤田氏はどんな形で復活するのか。とにかく、二人はまだ若くて将来のある政治家だ。奮起して、日本のために頑張ってもらいたい。
 もう一つローカルな話題だが、読売テレビの同期入社の二人の女性アナウンサー、青森出身の虎谷温子さんと和歌山出身の川田裕美さんの二人も良きライバルだと思う。共に朝のワイドショーのアシスタントとして曜日を分けて出演する一方で、全国ネットの番組にも、それぞれ顔を出している。虎谷さんは、土曜日の朝の「ウエークアップ・ぷらす」で辛坊治郎氏をアシスト、川田さんは午後のワードショーの「ミヤネヤ」で、宮根誠司氏のアシスタントとして、共に頑張っている。ファンとしては、なかなかの良きライバルだと思うのだが、筆者は、川田裕美さんが、何となく気に入っている。かつて仲人をさせてもらった後輩のT氏の奥さんに似ているからかも知れない。そのT氏は、出世して、今や常務取締役として大いに頑張っているのを見て、大したものだと思っている今日この頃だ。
 思い起こせば、筆者の若い時代には、角界では、栃若時代、将棋界では、大山・升田時代、政界では、田中角栄・成田知巳といった良きライバルたちが頑張って、大いに楽しませてもらった。良きライバルは、それぞれの世界で、一つの時代を創ることは確かである。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 2時前に目覚める。というよりは、全米女子オープンの進行が気になっていて、時々、コンピューターでのスコアー経過を見て興奮していたのである。体重は62.5Kg。今日のお天気も良さそうだ。
 昨日の雅子は、またしても始まった炎症との戦いで、健気に、懸命に頑張っていた。この日は体温も平熱に下がっていて、見た目には、穏やかな顔つきをしていた。とにかく、頑張るのみである。

3.連載、難病との闘い(252) 第三部 施設、病院での介護生活(153)
  第七章 しつこい敵(15)

(2).再入院(8)―褥瘡治療①―
 一考の記憶では、雅子の臀部の尾てい骨付近に出来物、いわゆる褥瘡が目立って来たのは、介護付き有料老人ホームのアクティバに入居して暫く経った頃からだっと思う。具体的には2008年の前半と思われ、初期の頃は、雅子の尾てい骨がかなり飛び出した形になっていて、その反動(?)で凹んだところに出来物が出来たのが切っ掛けだったと思う。
 従って、それから1年以上も経過した09年6月21日に、琵琶湖大橋病院に緊急入院した時点では、その部分の傷は目立っていて、入院直後から外用薬を塗ってもらっていた。その後、胆嚢切除の手術のために、武田病院に転院した際も、そこの看護婦さんたちも気付いていて、それなりにお薬を塗布するような治療をしてくれていた。
 しかし、その傷(出来物)は一向に治る気配はなく、ますます大きくなっていった。そして、この病院に二回目の入院をしてからも、メインの炎症治療に集中する結果、差し当たっては、ついでに面倒を見てもらっているような対応が続いていた。
 10月に入って間もなく、炎症の治療も一段落したのを機に、それまで殆ど寝たきりの生活だった雅子に、リクライニング付きの車椅子での散歩の許可が出た。それが、幸いにも、一つのきっかけとなった。と言うのが、その散歩で、臀部の褥瘡の具合が悪化したのである。
 そういうことで、本格的にこの治療にウエイトを置いて取り組んで頂くようになったのは、その11月(2009年)に入って間もなくの頃だったと思う。K先生とは別に、M先生がこの褥瘡の主治医となって本格的な治療が開始されることになった。
 当初は、傷の状態を綿密にチェックし、こまかな試行錯誤の治療から開始され、ベッド上に身体を置く角度を考慮したり、傷口が直接に患部に当たらないような姿勢を取る対応などがが施された。
 それでも、傷の様子は一向に良くならず、却って大きくなり始め、それがコブのように育って来るのだった。どうやら、車椅子での散歩が良くなかったようで、12月に入ると、先生からは、その散歩を見合わせる指示が出た。その結果、傷は、少しは良くなり始めたが、暫くして、褥瘡の傷口に出来始めた瘡蓋が取れた時点で、再び傷が元に戻ってしまうのだった。そんな繰り返しが続いて、この年の年末の頃には、残念ながら、振り出しに戻った形で、また元の木阿弥になってしまっていた。(以下、明日に続く)

1666 連打

 これは、浴びせる場合と浴びる場合で、天と地の大変な違いである。浴びせるのは快感だが、浴びるのは、悔しくてとても辛い。

1.独り言コラム
 昨夜の巨人軍は久し振りに長短混えての5連打を浴びせて、久し振りに見事な逆転劇を見せてくれた。このところ巨人軍は4連敗と精彩なく、原辰徳監督の采配にも疑問符が付き始めていた。この日も5回までは、広島の若きエースの前田健太投手に抑えられ、0-3と3点ビハインドの劣勢で迎えた6回裏だった。この回の先頭打者、長野、続いてラミネスが、その後も阿部、高橋、そして小笠原が続いて5連打を浴びせ、一気に同点に追いつき、その後も、ツーアウトになってから坂本選手に適時打が出て4-3と逆転、その後の継投もうまく行って広島を抑えきり、連敗に終止符を打った。5連打の鮮やかな逆転劇にファンも、久し振りに溜飲を下ろしたのではなかろうか。
 しかし、海の向こうではイチロー選手が大変な苦労を強いられている。昨日も無安打に終り、88試合を終って98安打と低迷している。このペースは、年間に換算すると180安打ペースで、このままでは11年連続の200安打到達は至難の業になって来ている。つまり、残り、74試合で102安打が必要という途轍もないハイペースが求められている。まさに、連打、連打のヒットが必要になっているのである。気になるのは、今年は今までの88試合で30試合というほぼ1/3が無安打試合ということで、そのペースだと、これからも24試合が無安打という計算になり、そうなれば、残り50試合で102本のヒットが必要ということになる。つまり、1試合2本というハイペースが求められるのだ。それだけに、起死回生の連打、連打を期待しなければならない。果たして不死鳥イチローはどんな結果を残すのだろうか?
 話を政界に移してみよう。今やレイムダックに等しい菅直人総理だが、あの東日本大震災前後から、厳しい問題の連打を浴び続けていて、ボクシングでいう、いわゆるクリンチ状態に追い込まれている。
 具体的に連打の中身を上げてみると、震災直前に外国人からの政治資金の受領か発覚、そして、大震災直後には、勇躍として福島原発へ乗り込んでみたものの、これが結果的には大失態というお粗末な対応だった。その後、福島原発事故に関しては真実の隠蔽を図り、その上、事態収拾への指導力も欠如、更には、最近では松本復興大臣の辞任劇、原発の安全性に関してのタイミングの悪いストレステスト実施宣言、これによって海江田経済産業相や内閣メンバーとの不信感の助長、加えて、拉致事件の犯人の親族がいる団体への多額の資金提供と言った具合に、どうしようもない厄介な課題の連打、連打を浴びている状況にある。もう、まさに青息吐息であって、何処まで頑張るのだろうかという国民の苛立ちが大きくなって来ている。
 男が一旦辞めると言った以上は、潔さが求められている菅総理の今日この頃だ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 2時前に目覚める。体重、62.7Kg.お陰で、二日前の心配だった腹痛は治ったようだ。今日のお天気は、昨日の梅雨明け宣言を受けて、暫くは晴れが続くようだ。
 昨日の雅子は、朝から高熱(38度3分)で、クーリングをしてもらっていたが、その後の検査の結果、肺炎と診断された。急転、症状悪化である。元々肺炎から始まった雅子の入院生活は、痰石、尿路感染を経て、何回かの炎症があって、また肺炎に戻った。まさに、いろんな炎症の連打を受けている。

3.連載、難病との闘い(251) 第三部 施設、病院での介護生活(152)
  第七章 しつこい敵(14)

(2).再入院(8)
 年が変わって2010年の3月初め、この日は、久し振りに実姉の霧子さんが見舞いに来てくれた日だった。帰宅する霧子さんを最寄の駅まで送って戻って来て、雅子の様子を窺うと、少し首がねじれているように思われたので、直してあげようと首を持ち上げた時だった。一考の指先に雅子の頭の部分に、少しコブが出来ているような感触があった。驚いて、その部分を覗き込んでよく見ると、なんとそこにかなりの領域に渡って脱毛が起きていた。いわゆる円形脱毛症で、その部分が少し腫れていたのである。その頃から、ずっと長引いている臀部の傷の治療が本格的に始まっていて、そのために、雅子の姿勢が少し片寄った変形姿勢になっていたこともあって、そんな症状が出てきたのではと思うのだった。
 そういえば、少し前にも、頭のてっぺん辺りに円形脱毛症が出来た事があったことを思い出し調べてみると、それはもう2年前のことで、ちょうど施設に入った直後のお正月過ぎだと分かった。その時は、多分、自宅から施設という大きな環境の変化で、それなりの気苦労があったからなのだろうと思うのだった。
 直ぐに、看護婦さんに実情を報告し、適切な対応をお願いした。婦長さんもお見えになり、さし当たっては、軟らかい手ぬぐいをかませて対応することになったが、その後、先生からの指示もあって、とりあえず、体位の制限を一旦、元に戻してもらうことになった。
 しかし、そのことで、今度は、肝心の臀部の傷、褥瘡が、再び悪化を見せ始めたのである。いろんな厄介な敵が、これでもか、これでもかと雅子を攻めて来るのだった。
 幸い、その後は、次第にその脱毛症は治癒して行ったのだが、4月の半ばになって三たび、今度は、二回目の時と同じくらいの大きさのものが、その近くに出来ていた。神経性の理由によるものと思われるが、それだけ、雅子がこの長い入院生活で苦しんでいるからなんだろうと、一考は改めて気の毒に思うのだった。(以下、明日に続く)

1665 ストレステスト

 一般の方には耳新しい言葉だろうが、筆者には懐かしく響く言葉である。要は、通常の環境でのテストではなく、過剰な厳しい条件下で行うテストである。

1.独り言コラム
 佐賀県の玄海原発の定修後の運転再稼動を巡って、菅総理と担当相である海江田経産相との間で考え方の齟齬が発覚した。昨日の参議院予算委員会で、片山さつきさんなどの野党の追及に対し、海江田大臣は、この問題の混乱収拾後には、責任を取って辞任することを示唆した。
 この問題は、原発の安全が確認されたとして、海江田大臣が地元の玄海町を訪ねて再稼動の了解を求めたのに対し、岸本英雄玄海町長の勇気ある了解があって、後は古川康佐賀県知事の了解待ちになっていたのだが、そのタイミングで、菅総理が、持ち出したのがストレステストの実施である。
 つまり、問題の形から言えば、海江田大臣が菅総理の了解なく勝手に先走っていたということになるのだ。しかし、実際には、そんなことはなく、数日前には、菅総理は海江田大臣の考え方と同じだとコメントしていたのだったが、…。
 菅総理が持ち出した「ストレステスト」は、福島原発事故以降に欧州などで行われている安全確認テストである。そういう意味では、菅総理のいうストレステストを行なうこと自体は理に叶った考え方で、その事自体には問題はない。しかし、問題はそのタイミングで、海江田大臣が玄海町長の了解を得る前に行なうべきテストであった。
 このことで、さすがに、岸本英雄玄海町長は、怒り心頭で、自分が梯子を外されたことに、我慢の限界(げんかい)を越えて、一旦行った了解の発言を取り消すことを明らかにした。いやはや、とんでもない展開になってしまった訳で、海江田大臣が辞任を示唆するのも止むを得ない対応のようだ。
 ところで、その肝心の「ストレステスト」だが、筆者はかつて、自分が勤務していた会社で、最後の仕事となったコンピューターシステムに、新しい業務統括パッケージソフトをグローバルに導入するプロジェクトを担当したが、その中で、導入した新しいソフトの稼動を行うに際して、幾つかの事前の確認テストを行ったのだが、その最後の確認テストが、この「ストレステスト」であった。そのことことを思い出して、その言葉に懐かしさを覚えたのである。
 筆者らのシステムに新しいソフトを導入したりする場合のテストには、三つのステップの確認テストがあった。一つは、それぞれの部品(機能)ごとに行う「ユニットテスト」、そして、それらの各部品(機能)を連結しておこなう「一気通貫テスト」、そして、最後に行うのが、通常よりも厳しい環境下で行う「ストレステスト」である。具体的なストレステストの中身だが、、例えば、通常よりも2倍も3倍もの受注があった場合など、普段では考えられないような条件を設定して行う確認テストで、この種のリスクの大きいシステムのソフトの交換などの場合では、ルーチン化している安全確認方法である。
 原発の場合には、具体的にどんな内容のストレステストを行うかは明確にされていないので、その重要性が今一つはっきりしないが、その主旨からすれば、菅総理のいうこの新たな安全テストを行うことは、論理的には正しいのだが、…。
 厄介なのは、この玄海原発に再稼動に関しては、もう一つ「やらせ」の問題も明らかになり、問題を更にこじらせている。九州電力が仕掛けたやらせで、ローカルなインターネット放送で、再稼動に際して安全には問題がないことを県民に訴えようとした悪のりで、そこにやらせメールを使ったという。とんでもない話である。
 これも、それも、菅総理の「ぶれ」「指導力のなさ」が問題の根源にある。ここまで来た以上、菅総理は早くお辞めになった方がいいと思う。
 なお、今後は、新しい内閣を作る時には、ユニットテスト(身体検査)、一気通貫テスト(内閣の意見不一致不在確認)、更には、この種のストレステスト(大きな課題への挑戦に堪えられるかどうかなどの確認)などを実施することをお勧めしたい。また、個人の結婚などを考える場合も、そんな三つのステップのテストは有効のように思うのだが、…。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 2時半起床。体重、62.6Kg.お天気は曇り時々晴れのようだ。一昨夜に起きた腹部の激痛は、服用した鎮痛剤のお陰で、どうやら治癒したように思われる。大事に至らなかったことでほっとしている。
 昨日の雅子は、通常の様子に戻っていた。熱はなく、痰もそこそこで、午後には散歩で時間を過ごした。この日も目を開けてくれる時間は、それなりにあったが、夕方頃には、震えが少し多いようにも思われた。お薬の調整の結果と思われる。なお、この日体重測定があり、このところ、ずっと減少傾向にある。少し心配。

3.連載、難病との闘い(250) 第三部 施設、病院での介護生活(151)
  第七章 しつこい敵(13)

(2).再入院(7)
 雅子のこの病院への2回目の入院生活も、10月に入って、早くも50日を過ぎた。この間、いろんな必要な対処が行なわれ、全体として快方に向かっていると言うことだった。
 具体的には、痰の中から新たにMRSM菌が検出されたので、それ用の抗生剤で対応してもらった結果、数日後には無くなり、10月前半で完治。今後は体力の回復を図るために、点滴から栄養剤の注入に切り替えた。気になっていた下痢もほぼ無くなった。
 ところが、10月半ばになって事態は一転した。尿路感染が再発。おしっこも汚れている、という。また、頭のCT検査も行なられたが異常は認められなかった。また、熱の再発は、カテーテル発熱ではと考えられていたが、カテーテルを抜いても変わらず、関係はなかったことが分かった。その後、10月20日頃には、炎症は治っていると判断された。また、下痢も治ったようだった。後は熱ということで、もう少し様子を見ることになった。
 その後、11月に入って、雅子に38度台の高熱が続いていたし、11日の夜には39.3度(最高体温)を記録していた。これについては、先生は、三度目の炎症が起きていて、抗生剤で対応しているという。しかし、その前に続いていた38度台の熱の原因は不明で、パーキンソン病に関与しているのかも知れないという。かくして、依然として、迷路を抜ける手立ては見つかっていない。
 そんな11月の或る日、いつものように、夜の9時頃の一考が寝る前に、母屋のお仏壇の扉を閉めに仏間に行くと、母親が待ち構えていて、自分の部屋から、何やら手に持って出て来て、「これを作ったので、雅子の病室に掛けてやって欲しい」と言って、いきなり、それを手渡してくれた。ずっしりとした重みがあった。一考は何事かとびっくりして、受け取ったものをよく見ると、綺麗に作られた千羽鶴だった。細かくきちんと丁寧に折って作り上げた立派な作品である。
 母親の介護をしてくれている次姉の久子から、もう年だから、余計なことをしないように厳しく言われていて、勝手なことが出来ない母親だったが、その厳しい監視をかい潜って少しずつ作って、やっとのことで仕上げたのだろう。
 元気だといっても、97歳の母親で、ちょっと無理をすると熱が出たり、腰を痛めたりするので、面倒を見ている久子に、そんな処を見つけられたらきつく叱られるというので、本当にこっそりと作ってきていたようだ。
 とにかく、母親は、生来心優しい性格である。今度の雅子の病気に関しても、息子が気の毒だという思いで、一生懸命になって作ってくれていたのであろう。その作品を眺めながら、一考は、この年で良くもこんなに細かい仕事をしたものだと感心する一方で、もうそんな無理はしないようにと諭すのだった。
 そういえば、施設のアクティバに入居した際にも、次姉の久子が一つ持ち込んでくれて、枕元に吊るしてあったが、その効果があったようなことは何も起きていない。とにかく、この病気は、そんなことで願いが届くようなやわな病気ではないのである。しかし、気は心でもあることも確かである。(以下、明日に続く)

1664 「痛~い」一発

 戦いでは時には「痛~い」一撃、一発を食らって、不覚の「痛~い」敗戦を喫することはよくあることである。

1.独り言コラム
 昨夜、寝入り端だった。夢の中で激しい腹痛に襲われているような妙な痛さで目が覚めたが、その激痛は本物で、左の腹部が激しく痛んでいた。何か、食べ物にでも当たったのではという不安だったが、とにかく、暫くはトイレでその痛みに堪えていたのだが治らず、段々酷くなるようで、救急車でも呼ばねばならないかと思って不安になった。差し当たっては、手元にあった鎮痛剤を飲んで様子を見ることにした。不安は去らなかったが、その内に眠りに落ちたようだった。
 改めて目覚めたのは3時半頃だった。左の腹部には、少し違和感が残っていたが、「痛~い」襲撃は消えていた。本質的に治ったのかどうかは不明だが、どうやら、1660回以上続いているこのブログを途切らすことなく、今朝も配信できることにほっとしている。
 「痛~い」一発は、スポーツや政界では枚挙に暇が無いくらい多い日常茶飯事である。昨夜のプロ野球でも、阪神―中日戦で、中日の小池選手の満塁逆転本塁打を放ったが、阪神には悔やみきれない「痛~い」一発だった。このところ、勢いに乗っていた阪神が鬼門の名古屋ドームで食らった「痛~い」連敗だった。
 松本龍復興大臣の辞任劇は、菅内閣には「痛~い」筋書きにないドラマだった。昨日の国会でそのことを追及された菅総理は、しどろもどろになりながらも相変わらずの粘り腰で最後まで頑張ると答弁していたが痛々しかった。
 ところで、その後任として平田達男氏が指名されたが、この方に関して、昨日の夕方の関西テレビの「アンカー」というニュース番組で、コメンテーターとして出演していた青山繁晴氏が、震災後、自分が初めて福島原発に踏み込んで吉田所長に会見した際に、当時、復興担当副大臣だった同氏から、勝手に原発現場に入ったことに名指しでクレームをつけて来た張本人であったことを暴露していた。大臣就任会見や昨日の予算委員会での答弁でのソフトさとは別の激しい、怖い恫喝だったという。人間は多面性を持っているのが普通だが、この方ももそんな怖い一面を持っている人物だというのコメントであった。菅内閣で、再び「痛~い」人事になっていないことを願いたい。
 また、玄海原発の再稼動に関連して、ストレステストという新たな確認ステップを実施するという正論が飛び出してきた。昨日になってやらせが発覚した玄海原発の再稼動OKの話しだったが、それに菅総理が待ったをかけた訳で、菅総理と海江田経産大臣との意思疎通の不備という「痛~い」失態がクローズアップされている。大きな齟齬にならねばいいと思うが、…。それにしても、この内閣は、いったいどうなっているのかと言った混乱が露呈されている。
 羽生棋聖・王座の2冠が、昨夜行われた今期の竜王戦の挑戦者を決める決勝トーナメント予選で、最近好調の橋本崇載七段と対戦したが、最終盤で「痛~い」逆転劇を食らって、今期の挑戦者争いから姿を消した。この対局は、後半は羽生2冠が優勢な戦いを進めていたのだが、終局の数手前に「痛~い」敗着があった様で、さすがの羽生2冠もがっくりしていたようだった。来期の捲土重来を期待しよう。
 そういえば、一昨夜のサッカーのなでしこ日本もイングランドに「痛~い」2発を食らい、予選リーグ2位となって、決勝トーナメントでは主催国の強豪ドイツと戦うことになった。
 「痛~い」一発も、時には良き薬になることも多いが、筆者の昨夜の「痛~い」腹痛は、どうなるのだろうか。この後、鎮痛剤が切れた後が心配である。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床。体重、62.4Kg.お天気は一日中雨のようだ。昨夜、筆者を襲った寝入り端の腹痛は、鎮痛剤の効果(?)で痛さが、今のところ治まっている。本質的に治っているのか、どうかは不明で不安である。
 昨日の雅子は、この朝も痰が溢れていたが、手ぬぐいのブロックが効いてパジャマなどは汚されずに済んだのは幸いだった。痰の量は依然として多い。その一方で、目を開けてじっと物言いたげに見つめてくれる時間が多くなって来ているのは嬉しいことである。

3.連載、難病との闘い(249) 第三部 施設、病院での介護生活(150)
  第七章 しつこい敵(12)

(2).再入院(6)
 雅子の症状に関しては、今や迷路に入り込んでしまった感じである。熱と痰が思うように治まらないのだ。
入院前から38度台の熱があったのだが、入院後も、37度以上を記録することが多く続いた。たまに、36度台になることもあるが、その時間帯は極めて短く、また直ぐに37度台になってしまうのだ。
 先にも紹介したように、10月度(2009年)のパーキンソン病の定期診断時で、武田病院の春日先生は、パーキンソン病が関与していることも考えられるということだった。つまり、ドーパミンの不足が体温のコントロールを乱していることもあるというのだ。
 そこで、改めて過去のデータを見直してみた。最初に、この病院に入院した頃のデータを見ると、当初から、今とほぼ同じ37度台が90%近くを占めていて、たまに36度台と38度台がある。その傾向は武田病院に転院して胆嚢切除手術の後も、やはり同じような結果だったことが、日記を見直してみて確認できた。
 つまり、6月の後半(2009年)以降は、肺炎、胆嚢結石、そして今回の尿路感染といった具合に病気の変遷はあったものの、高い体温は常に付いて回っていたのである。従って、これは、春日先生がおっしゃるようにパーキンソン病からくるもので、切り離して考えるのがいいのではないだろうか、と素人ながらに思うのだった。
 一方の厄介な痰であるが、これが初めて問題になったのは、呼吸が困難になり酸素指数が急低下した6月19日早朝の緊急入院の切っ掛けになった時で、それ以降、ずっと継続していて今日に至っている。つまり、痰についても、最初の入院以降、殆ど変わらない状況にある。
 そうなると、どうも、今回の再入院で、この熱と痰を治癒することは、パーキンソン病が治らない限り、不可能だということになる。それは、まさに迷路に入ってしまったと同様で、深い森の路の中で、苦しみながらも、森の動物達と一緒になって暮らしてゆく方法を自らが見つけてゆかねばならないのであろう。果てしない旅の行方を思うとき、毎日の体温の測定結果や痰の出具合に一喜一憂していることが愚かに見えてきてしまうのである。(以下、明日に続く)

1663 さよならがいっぱい

 この言葉の響きからは、まずは寂しさを覚えるものだが、立場によっては、歓喜が、悔しさが、或いは悲しさを覚える場合もあって、その意味するところは巾が広い。

1.独り言コラム
 昨夜のプロ野球は6試合中、1点差試合が4試合となかなかの熱戦が多かったが、その中で3試合が「さよなら」という手に汗握る好ゲームを見せてくれた。主催者側の地元のファンは大感激の嬉しい勝利に沸いていただろう。
 試合が終った順からレビューすると、先ずは京セラドームでのオリックスが、1-0でリードされて迎えた9回裏で、T-岡田の2塁打で同点にしたあと、代打の赤田将吾選手がレフト前に快打しての2-1でのさよならだった。これで、オリックスは「球団史上初の3試合連続さよなら勝ち」で4連勝を果たした。一方、名古屋ドームでの中日―阪神戦は、0-0で迎えた9回裏、この日3番手に登板した小林宏投手から、途中から出場したベテラン捕手の小田幸平選手がレフト線を破るヒットで2塁ランナーを迎え入れての1-0のさよならだった。阪神ファンはギャフン、であったろう。そして、もう一試合は、静岡で行われたヤクルトー巨人戦だった。4-4に追いついたヤクルトが9回裏に、巨人の抑えの山口鉄也投手から、バレンティンがレフトにサヨナラ打を放っての5-4で接戦を制した試合だった。どうも、このところの巨人軍はすっきりしない。いずれにしても、各地で面白い試合が見られた一夜だった。
 ところで、さよならは野球だけではない。就任したばかりの松本龍復興大臣が、自らの不適切な発言などであっさり辞表を出した。僅か3日間の大臣にさよならしたのである。この方は、どういう方なのだろうと言う疑問を残してのさよならで、菅総理の任命責任は避けられないだろう。
 イチロー選手が、10年連続出場していたオールスターゲームに今年は出場が叶わず、無念のさよならとなった。今年は調子が今一つで、念願の200安打もこのままでは赤信号で、そんな状況をファンはよく知っているのだ。頑張れ、イチローと申し上げておこう。
 スペースシャトルも明後日に予定されているアトランティスが、さよならのラストフライトを行う。30年間に渡って宇宙開発に果した貢献は実に大きい。アメリカは、改めて新たな宇宙開発に着手するという。このさよならが、新しい宇宙への夢に繋がるスタートだと言うことで、大いに期待したいと思う。
 他方、昨日、沖縄本島沖で訓練していた自衛隊のF15戦闘機4機の内の1機が行方不明となっている。どうやら事故に巻き込まれたようで、事故直前にパイロットから「訓練中止」を連絡してきていた模様だ。操縦していたのは川久保裕二三等空佐(37歳)だったが、どうやら、無念の悲しい人生へのさよならとなったようだ。
 明るい、さよならでは、日テレの西尾由佳里アナが8月いっぱいで日テレを退社する。今後は枠にとらわれない活躍が期待される訳で、このさよならは、明日に繋がる明るいさよならだ。
 もう一つ明るいさよならがある、プロゴルファーの不動祐理さんが独身生活にさよならするという。今秋に東京の住宅関連会社の役員との結婚が決まったようだ。結婚後も競技は続けるという。おめでとう。
 そんな明るい話とは対照的で、絵にならないのが菅総理のさよならだが、本人が決意しないため、政治の停滞に繋がっているのは戴けない。一日も早い「さよなら宣言」を待っている国民が多いことを悟るべきだろう。粘り腰の菅さん、もうそろそろ決断しては如何でしょうか。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 1時半に目を覚ます。この後一寝入りのつもり。体重、62.5Kg.お天気は今日は大丈夫のようだが、明日は雨模様のようだ。
 昨日の雅子は、比較的落ち着いていた。目を開けてくれる頻度、時間もかなり改善している。朝、口内クリーニングをして下さった歯科担当の看護士も、作業がしやすかったという報告をしてくれた。

3.連載、難病との闘い(248) 第三部 施設、病院での介護生活(149)
  第七章 しつこい敵(11)

(2).再入院(6)
 とにかく、二回目のこの琵琶湖大橋病院への通いが始まって、早くもほぼ3週間が過ぎたが、ここに来て、一考の生活リズムも定着し始めていた。朝の8時前後と午後2時頃から夕方に掛けての2回の病院通いが定番になっていた。
 朝の通院では、夜勤を務めてくれた看護婦さんから、その夜の状況を確認するのが目的の一つで、もう一つは、朝の9時過ぎに顔を出されるその日の日勤の担当看護婦さんに挨拶して、最初の体温測定や血圧などの結果を確認することである。そして、一旦、自宅、若しくは施設のアクティバに戻るのである。午後は2時から3時頃に再び顔を出し、雅子の様子を確認し、夜勤の看護婦さんが来られるのを待ち、挨拶をして戻るというパターンが当面続くのである。
 ところで、看護婦さんや介護士さんの仕事も、他の仕事の方々の場合と本質的には変わらない部分があると思う。その日に与えられた医師からの指示書や引継ぎ内容に沿って、その責務をきちんと果たしてゆくのが、仕事の基本だろう。
 その上で、心身ともに多少なりともゆとりがある場合には、やってあげたら患者さんが喜ぶなり、患者さんのためになるような細かい仕事にも踏み込んだサービスをすることになる。それらのプラスアルファの仕事の大半は、その必要性に気付いていても忙しくて、なかなか手が出せていないようなサービスの類である。言ってみれば、給料とは無関係なボランティア的な仕事だ。
 実際に、一考が、雅子のベッドの傍にいて、彼や彼女てらがしてくれるそのようなプラスアルファ的なサービスを受けるのを目にすると、本当に嬉しく、彼や彼女らに心からの感謝の気持ちでいっぱいになる。少し大袈裟かも知れないが、そこまでやってくれるといった嬉しい気持ちだ。淡々としたルーチン的な仕事も大事でそれが基本であることには間違いないが、心のこもったその種の踏み込んだサービスには、本当に感謝、感激、嬉しさは、百倍、千倍にも感じるのである。
 例えば、洗髪、お口洗い、爪きり、ちょっとした傷口手当てなどがその一例だ。多分、その日の担当業務として、そこまで細かくは指示されていないと思われる範囲まで、その日の看護婦さんや介護士さんの裁量で踏み込んでやってくれる。そういう現場を目にすると、本当に頭が下がる思いになってしまう。
 爪きりも雅子の場合は、爪の生え具合が特殊なのか、切り難く、大変苦労する厄介なサービスである。パーキンソン病で右手が曲がっていたり、指の自由度も失われていることもあって、下手すると皮膚を切ってしまうこともしばしばである。まだ在宅であった頃や、施設に居た頃に、一考も何度か試みたが、殆どの場合にバンドエイドのお世話になってしまっていた。笑い事ではなく、本人は結構痛かったに違いない。看護婦さんにとっても、やはり同様のようで、結構、てこずっていることが多いようだ。それだけに、ボランティア精神に富んだ、仕事のうまいベテランの看護婦さんでないと、なかなかやってくれない。ここにきて、爪、そのものが少し白くなって剥がれそうになって来ている指もあって、今後の症状の悪化も心配である。
 心のこもり方は、例えば、痰を取ってもらう場合なんかにはっきり現れることが多い。その取り方を丁寧にやって頂ける場合と、とりあえずは、「取りましたよ」といったおざなりな場合などで、その対応の仕方に随分と差を感じることがままある。
 また、当初はお風呂に入れなかった雅子だったので、一定期間ごとに身体を拭いてもらうのだが、これもマニュアルで決められたインターバルで行なわれているようだが、それでも、そのタイミングには、プラスアルファ的なジャッジもあるようだ。いずれにしても、積極的に踏み込んだサービスを頂戴する場合は、心から感謝という事になる。
 もともと、仕事柄、ボランティア精神の高い方々が多く、そのような素晴らしい気持ちを持った看護婦さんや介護士さんがほとんどだが、やはり、その日の体調や気分で、更にはその方の生活によって、ばらつきも出て来るのは止むを得ないことなのだが、
 ところで、それ以外のサービスで、口内のクリーニングも、同様に厄介なサービスの一つである。如何せん、雅子がなかなか口を開いてくれないので、思うようなクリーニングが出来ないのである。最近では、歯科の専門の方に週一の割合でお願いしている。その場合も、雅子がなかなか口を開けないので、専門家でも大変苦労されている。
 もう一つ、ヘアカットは、施設のアクティバに居る時と同様で、外部の業者の方に病院に来てもらって、作業をお願いする仕組みになっている。(以下、明日に続く)

1662 色とりどりの主役がぞろり

 思わぬ主役が話題になっている。期待される主役もあるが、歓迎すべからざる主役もいる。このところ、話題はいっぱい、主役もいっぱい、である。

1、独り言コラム
 任命されたばかりの松本龍復興担当大臣が、「知恵を出した者は助けるが、そうでない者は助けない」といったような不適切な発言を連発するなど、いろいろと物議を醸し出している。今まで、あまり顔を見た事がなかった方だが、大役をうまくこなせるのか、少し心配である。
 東大の研究チームが、レアアースが太平洋海底に大量に存在する事を見つけた。目下、その89%を中国に頼っている日本にとっては朗報だ。果たして、日本の排他的水域内にも存在するのか、期待は大きい。但し、新エネルギーとして期待されているメタンハイドレートの場合もそうだが、海底からどのように採集するかが、次なる課題であろう。
 玄海原発の再稼動を容認した玄海町長、岸本英雄氏の勇気ある発言が話題になっている。果たして佐賀県知事の古川康氏が、どんな最終決断をするのだろうか。その場合、菅総理は、どんな考え方を示すのだろうか。この場合の本当の主役は、誰なのであろうか。
 中型機ボーイング787が日本に姿を見せた。機体を軽量化するための炭素繊維など日本の部材が多く(35%)使用されており、準国産とさえ言われているだけに、今後の各航空会社での採用拡大に期待したい。
 英国人リンゼイさんを殺害した市橋達也の裁判員裁判が始まった。開廷冒頭に市橋被告は土下座して両親に謝った上で、殺意はなかったと証言した。今更、である。それにしても、2年7ヶ月の逃亡は長すぎた。事件を裁くのは、裁判官3人と、一般人から選ばれた6人の裁判員で、6人は全員男性だそうだが、どんな判断を下すのだろうか。このニュースの主役は誰なのであろうか。市橋被告、裁判員裁判官達、それともリンレイさん、はたまたそのご両親?
 プロ野球では、不振の巨人軍に外国人の強力助っ人、フィールズが緊急入団した。ロッキーズ傘下の3Aの選手だ。果たして主役、救世主になれるのだろうか。
 西武の涌井投手の結婚相手がフジテレビの年上の杉崎美香アナウンサーだという。開幕前に巨人軍のドラフト1位入団の澤村拓一投手が、日テレと森麻季アナとの交際を明らかにしたが、やはり森さんが年上だった。かつてのイチロー、松坂大輔などなど年上のアナウンサーとの結婚は、枚挙に暇が無い。若いプロ野球選手は、年上の女子アナに弱い。
 体長1メートルのヘビが新幹線の座席に鎮座ましましていた。中南米産の「ホンジュラスミルクヘビ」と判明したそうだが、びっくりである。どうやら、誰かのペットが逃げ出したようだが、この種の動物のペット持ち主には、困ったものである。幸い、その車両には乗客は一人だったようだが、新幹線はそのために、米原駅で運転を打ち切ったという。この問題は、そんなに軽くないですよ、ヘビー級だ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床。体重、62.4Kg.お天気は回復に向かうようだ。
 昨日の雅子は、朝病院に顔を出すと、痰が溢れていて、首筋から肩口に流れ、パジャマがびっしょりだった。急いで痰の吸引を頼み、パジャマを着替えさせた。このところ、痰の量が多くて、気の毒だ。但し、その反面、目を開けてくれる時間が増えているのには、ほっとするものを覚える。

3.連載、難病との闘い(247) 第三部 施設、病院での介護生活(148)
  第七章 しつこい敵(10)

(2).再入院(5)
 そして、待望の3日後の翌週の火曜日を迎えた。胃カメラで胃ろうの状態を検診して、場合によっては胃ろうの交換手術を行なって頂く日である。一考は、この停滞していた雅子の治療に大きな転機を与えてくれるのではとの期待があって、この朝は勇躍として、早めに病院に出向いていた。
 何時に行われるかは事前に聞いておらず、成り行きを見守っていた。午後の3時を少し過ぎた時点で、待望の呼び出しを受けた。二人の看護婦さんがストレッチャーに雅子を移し、1階のX線室に運んでくれた。どうやら、手術はその部屋で行なわれるようだった。間もなく、K先生が顔を出し、直ちに手術が始まったようだった。時刻は3時15分だった。一考は、緊張してその部屋の付近にある椅子に腰掛けて成り行きを待っていた。
 ほんの15分ぐらい経過した頃だった。部屋のドワが開いて、K先生が姿を現した。その手には、チューブの付いた球状のものが握られていた。先生は、一考の座っている椅子の隣に腰を下ろすと、その手にしたものを見せながら説明を始めた。
 「これが、今、取り出した胃ろうです。こういう具合に少し曲がった形で入っていましてね。それに、その位置が、十二指腸に近い位置で、それが下痢の原因になっているかもしれません」雅子のお腹から取り出したばかりというピンポン玉サイズの球状のものに、チューブが繋がっている現物を披露してくれた。
 「ええ、こんな大きなものなんですか。びっくりしました」一考は率直な感想を述べた。それよりもこんなに手早く抜き出せるのにもびっくりしていた。
 「もちろん、このふくらみはあとで膨らしたものですが、身体の中ではこんな形で納まっているのです。それで、同じチューブのサイズのものと入れ替えました。タイプは最新式のボタン式になっています。取り敢えずは、これで様子を見ることにしましょう」
 手品のような先生の早業に、一考はあっけにとられて、直ぐには言葉が出て来なかった。
 最近の医学、医術の進歩は目覚しい。特に、開腹手術をせずに内視鏡による手術が可能になったの大きな進歩だった。一考は驚きと感心が一緒になったような気持ちで思わず口走った。
 「ええ! もう新しい胃ろうと取り替えて下さったのですか!」
 「そうですよ」先生は特にどうと云うことのない顔で、一考に頷いて見せた。
 「凄い早業ですね。まるで、手品を見せてもらっているような気がします」手術室に入って、僅か15分程度でのこの見事な処置に、一考は心底からびっくりしていた。そのびっくりの背景には、先生が手にしている胃ろうの先の膨らんだ部分が意外に大きかったからでもある。
 「指し当たっては、栄養剤の量を調整したり、滴下スピードを変えて最適条件を探してみましょう。それで、下痢の症状が出なければ、良しということになりますが、以前と同じように下痢が続くようであれば、その時には、胃ろうの位置を変える手術をしなくてはなりません。」K先生の顔は、任せてくださいといった自信有り気だった。
 「なるべく、このままでうまくいってくれれば幸いなのですが。更なる手術というと、また大変だと思いますので。とにかく、宜しく、お願いします」一考はそう言ってはみたが、胃ろうの位置を変える手術が、どの程度大変なのかについては、その時点では何ら知見を持っていなかった。
 「じゃ、そういうことで処置しておきます」K先生はそういうと、再びその手術室に姿を消した。雅子がストレッチャーでその部屋を出て、自分の部屋に戻って来たのは、4時にはまだ10分程度のゆとりがあった。(以下、明日に続く)

1661 決壊

 作家、平野啓一郎氏の作品のタイトル名である。相変わらずの力作、大作だが、そのタイトルの意図するところが、筆者の理解度を越えているようだ。

1.独り言コラム。
 このところの筆者の読書時間は、病院で妻の付き添いをしている時間帯が主体である。対象作品は、何人かの好きな作家の作品に絞って読む事にしている。ここ数年では、村山由佳、高樹のぶ子、小池真理子などの女流作家にウエイトを置いて来た。知的な彼女らが描く男女の絡みの表現に強い関心を持っている。そういう意味では、村山由佳さんの「ダブルファンタジー」、高樹のぶ子さんの「甘苦上海」、小池真理子さんの「虹の彼方」それに「無花果の森」などは、それぞれが持ち前の表現力で筆者を満足させてくれて、なかなか面白かった。なお、今年になって、初めて宮部みゆきさんの作品を取り上げ「模倣犯」を読んだが、長編の大作だったが、どうやら筆者の好みの範疇外だった。
 ところで、平野啓一郎さんは、同氏が京大の学生時代に「日蝕」で衝撃的なデビューした時からのファンである。その作品の格調の高さに、あの三島由紀夫の再来を思わせるものがあり、三島ファンだった筆者は、直ぐに平野ファンに転身、変心、変身し、次なる作品に期待していた。同氏は、その後「葬送」という超大作を書いているが、筆者は、不幸にして、それはまだ読んでいない。
 一年半ほど前に、久し振りの同氏の作品「ドーン」を読んだ。火星を往復する宇宙船の中での不倫行為を描いた興味深い内容で、そのスケールの大きさ、未来の世界を描いた科学と人間の姿がなかなか面白かった。相変わらずの重厚な作品は、筆者を大いに満足させてくれた。(1101回をご参照)
 そして、つい数日前に読み終えたのが「決壊」だった。インターネットの世界を通じて起きる悪魔の殺人事件を扱ったものだ。タイトルの「決壊」というのが今一つピント来ないが、どうやら、この事件で家族のみならず、人間の世界が大混乱を引き起こすと言った意味なのだろうか、と解釈するのだが、…。
 偶然だったが、この作品を読む前に、たまたま読んだ雫井脩介氏の「殺人小説家」が、やはりインターネットの自殺サイトの世界を扱っていた作品だったので、そのテーマの偶然性に驚きながら、昔の作家が対象と出来なかった世界に、多くの作家が食い込んで来ている事に興味を持った次第である。題材は時代と共に拡大しているのだ。
 とにかく、筆者は、平野氏の文章が気に入っている、その重厚さ、格調の高さ、そしてその哲学的な論理披露などなど、読んでいて随分と勉強になる。そこには、他の作家からは得られない特異な感動を覚えるのである。
 さて、相変わらず、最後は話が主題からそれるのだが、東北三県は、今も依然として気の毒な決壊状況にあるが、政治を司る菅内閣は、未だに決壊せずに持続している。このままでは、日本国が決壊するのではとの心配がある。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、62.5Kg.お天気はお昼前から雨のようだ。やはり、まだ梅雨の真っ只中ということのようだ。
 昨日の雅子は、痰が多いが、症状全体としては、比較的安定していた。このところ、目を開けている時間が多くなっているように思う。一ヵ月半ほど前からお薬の内容を微調整したこうかなのだろうか?

3.連載、難病との闘い(246) 第三部 施設、病院での介護生活(147)
  第七章 しつこい敵(9)

 2.再入院(4)
 さて、その後の雅子の経過だが、やはり下痢は止らず、 その頃になって、痰の様子が少し違ってきていた。見かけ上、吸引してもらう頻度が減ったのである。これには、快方に向かっているのではという期待を抱かせたのだが、よく観察すると、雅子が自分の口の中に痰を溜めるようになっていて、我慢するスタイルに変わってきていたのである。つまり、看護婦さんが定期的に吸引すると、今までよりも多い量を取り出すようになっていたのだ。恐らく、自分で緊急の呼び出しボタンを押せないという事情から、自己防衛的なスタイルになって来ていたと思われる。
 入院してちょうど1週間目の夕方に、一考はK先生から雅子の病状の最新状況を聞くことが出来た。その大要は次のようなものだった。
 1)二次性の肺炎が見られるので、引き続き抗生剤で対応している。
 2)熱は、誤飲と尿路感染によるものと思われる。
 3)下痢については、胃ろうへの投与の条件を変えて、それが起き難い条件を探しているが、まだ結論は見出していない。胃ろうの付け根付近からの漏れが依然として顕著であり、そのことを勘案すると、若しかしたら、胃ろう自体の設置が適切でなかった可能性も考えられるという。
 胃ろう設置手術が適切ではなかったのではとのK先生の示唆に、一考は少なからず驚きを覚えたが、全体としては、雅子の治療が順調に進められていると報告に、ともかくも、ほっとした気持ちになっていた。
 その日、K先生との話が終わって別れる間際だった。先生から、少し遠慮気味だったが「来週は出張で1週間病院には来られない」と告げられた。「1週間も」ということで、一考は少し不安を覚えたが、先生は「もちろん、その間は代わりの先生が看てくれますので心配はありません」と補足された。雅子に関しては、治療が緒に着いたばかりで、さあ、これからだという大事な段階での主治医の不在は、致し方ないとは言え、ちょっとした不安を覚えたのである。
 主治医不在の1週間は不安で心配だったが、大きなトラブルもなく過ぎて言った。K先生とは次の土曜日の朝だった。単純な者で、先生の顔を見ると、その間の不安、不満は雲散霧消し、一考は何かほっとしたものを覚えたのである。
 先生は、その間のデータによる雅子の症状を解析し、今後の対応について話して下さった。その内容は、おおよそ次のようなものだった。
 1.一旦、下がっていた炎症の度合いを表す数値が下がり切っていないこと。
 2.痰から厄介な菌(MRSA)が検出されたことで、これには、抗生剤を変えての対応を行なう。
 3.胃ろうについては、週明けの火曜日に、胃カメラを使って詳しい状況を確認し、その際に、ちょうどサイズが合うチューブがあれば、思い切って胃ろうの交換手術を行なう。
 再入院して3週間目を迎えるこの段階で、新たな展開が期待できそうということで、一考の愁眉を開くのだった。(以下、明日に続く)

1660 危険格差

 大都市には原発はない、しかるにその恩恵に浴している。また、首都圏、大都市では、東京の横田基地は別としても、沖縄のような危険な軍事基地も少ない。ローカルな貧しい県との危険格差は随分と大きいと思う。

1.独り言コラム
 二日前の7月1日が、「びわ湖の日」の30周年だった。綺麗なびわ湖を目指して、窒素、リンの排出規制を定めた琵琶湖富栄養化防止条例の施行一周年を記念して、滋賀県が定めたのが「びわ湖の日」だった。それから30年が経過した。県民の努力の積み重ねのお陰で、びわ湖は甦った。今年は、例年以上に、いろんな記念事業やイベントが行われたようだ。 
 そして、今朝は、県下一斉にびわ湖の清掃を行なう日である。貴重な資源であるびわ湖を大切にするという考え方、心掛けは、今や県民の大事な財産である。とにかく、県民が力を合わせて頑張り続けたことで、汚染という厄介な敵をやっつけることが出来た訳で、改めて滋賀県民の誠実な行動力の立派さを思う。
 しかし、今回の福島原発事故で、びわ湖には新たな恐怖が浮き彫りになって来ている。それは放射能汚染である。何しろ、隣県の福井県は原発銀座と呼ばれるだけあって、日本全体で54機ある原発のうちの13機が集中して存在している。中でも、敦賀原発は、滋賀県とは山を隔てただけで、距離にして30Km圏内に、びわ湖の北部が存在しているのだ。敦賀の原発「もんじゅ」に何かがあれば、びわ湖もあっという間に汚染されてしまうだろう。筆者の住んでいる大津市も敦賀から80Km の距離だ。最早、「もんじゅの智恵」なんて、冗談を言っている場合ではない。
 嘉田由紀子滋賀県知事も、この問題に関して、新たな対策を検討し始めているようだが、何が起きるか分からない世の中だ。今直ぐには無理としても、やはり先行きは、原発廃止を考えて貰らわねばならないだろう。
 それにしても、福井県が原発を受け入れた際には、隣県の滋賀県にそれなりの挨拶はなかったのだろうか。隣の住人が物騒な物を沢山もっているとなると、困ったものだと言った程度で済ます訳にはいかない。
 ところで、大阪の橋下徹知事が、先日、石原都知事を会談して、大阪副都心という考え方で合意したという。しかし、常に東京の後塵を拝するということには、今一つ違和感がないではない。いずれにしても、若い知事だが、なかなか行動力のある男であることは確かだ。中央政界にも、これくらいの動ける政治家が必要だと思うが、それらしき姿が見えないのが寂しい。
 そんな原発アレルギーが拡大する中で、古川佐賀県知事が玄海原発の再稼動に関して、前向きな姿勢を見せている。勇気ある姿勢だと思う。危険が払拭された訳ではなかろうが、経済面とのバランスを見ての苦渋の判断だろう。果たして、県民は本当にどう考えているのだろうか。
 最近のこのような事情から、改めて地元の危険と云う意味から考えると、沖縄県民の米軍基地を抱える不安な気持ちは良く分かる。結局は、貧しいローカルな自治体が、東京や大阪といった大都市を支える形になっているのが現状だ。彼らは、自らを危険なゾーンから離れたところに身を置いて、常に美味しいフルーツを楽しんでいる。犠牲になっている地方が割りを食い、納得できないこの格差がある。これはまさしく「危険格差」とでも言うべきもので、精神的な圧迫の強い格差である。困ったことだ。割を食うのは、常に弱いローカルである。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時起床。体重、63.1Kg.お天気は曇り空のようだ。遅くには雨も降るとの予報。
 昨日の雅子は、比較的安定していた。いつもよりは、しっかり目を開けて見つめてくれる事が多かった。何だか、少しよくなったような気がするほどのいい感じだった。前月からのお薬の微調整の効きが出て来ているのだろうか。

3.連載、難病との闘い(245) 第三部 施設、病院での介護生活(146)
  第七章 しつこい敵(9)

 2.再入院(4)
 入院と云うのは、本人も付き添いも大変なことなので、なるべく避けたいものだが、今回の場合は、看護婦さんの適格な判断への感謝、そしてK先生への絶大な信頼感があったことで、一考の気持ちは、思いの外爽やかだった。
 看護婦さんへの感謝について一言すれば、痰、熱、下痢の悪化、特に熱が38度を越す頻度が増えたのを捉えての的確な判断への感謝である。それによって、新たな炎症である腸炎、若しくは尿路感染が見つけられたもので、若し、彼女のアドバイスがなかったり、遅れていたら、症状はもっと悪化していたかも知れなかった。
 その看護婦さんから最初に武田病院ではと示唆された際に、そこが適切でないと判断した一考だったが、そこで思い浮かんだのが、K先生への絶大な信頼だった。前回の入院時で、雅子のことをある程度理解して頂いているという点で心強かったし、その際の対応でも胆石に気付き、その切除手術に転院を進めて頂いた英断などが、一考の同氏への信頼を絶大なるものにしていたからである。
 入院が決まる前の診察段階で、部屋が空いていないということで心配したが、結果的に4人部屋の窓側の部屋が確保できたのも、K先生の配慮が大きかったのではと一考は思うのだった。
 さて、入院後、早速、必要な対応が始まった。炎症の原因である菌を叩くための抗生剤の投与が開始された一方で、アクティバで続けられていた栄養剤の投与を一旦中断して、点滴で対応することになった。また心配な下痢については、胃ろうの働きとも絡んでいそうなので、別の課題として取り組んでもらうことになったのである。
 そして、入院4日後の検査データでは、炎症の指標(CRT)が、ほぼ通常レベルに戻ったことで、一旦中断していた栄養剤の投与も近く再開されることが決まった。先ずは順調な滑り出しだった。しかし、雅子の現実の症状は、痰と熱は依然として執拗に続いていて、まだまだ苦しさから脱却できるような気配は見えて来ていないのが気掛かりだった。
 そして、再入院して6日目の8月26日の朝からは、中断していた栄養剤の投与が再開された。しかし、この日の雅子は熱が38度もあって、苦しそうな表情をしていた。その結果、案の定と言うべきか、3時間も経たない10時頃には、懸念していた下痢が起きた。その後も下痢が続いたことで、2日後からは、その対策として、下痢止め剤としての整腸剤の併用となった。しかし、その効果も今一つのようで、翌朝に一考が部屋に入ると、雅子のベッド脇には、それまでよりもかなり多い洗濯物が置かれていて、下痢が治まっていないことを物語っていた。また、熱も相変わらずで、上がり下がりを繰り返していた。この間、 X線とコンピューターを使っての腹部と骨盤の撮影があった。検査と治療は、てきぱきと進められていたのだが、…。(以下、明日に続く)



1659 閉塞菅(感)打破に期待

 大震災後の日本は、舵取りの菅総理の動きが今一つで、閉塞菅(感)でいっぱいだ。その一方で、総理が交代しても、その閉塞感が打ち払われる保障がある訳ではない。

1、独り言コラム
 なでしこジャパンがメキシコに4-0で快勝し、決勝トーナメントへの進出を決めた。この試合で、日本の沢選手がハットトリックの大活躍だった。日本の沈滞ムード、閉塞感の打破に繋がることは確かだ。
 東大が入学の時期を秋にすると言う検討を始めている。国際化を加速する狙いだそうだ。日本では、国家予算がそうであるように、年度制が主流になっている事柄が多い。教育はまさにその代表的な一つで、それに連動して入学、卒業、就職、採用などと言った一連の人生の重要なステップが足並みを揃えている、それだけに、秋入学となれば、その辺りの調整が必要になってくる。新しい発想を生む切っ掛けになることは確かで、閉塞感の打破に貢献することになるのではなかろうか。今後の展開が注目される。
 閉塞感打破になるかどうかは分からないが、日銀に一言申し上げたい。筆者が時々母親の要請で、5000円札の新札に両替を頼む事があるのだが、交換は最大4枚が限度で、それも月の半ばになると在庫がないから交換してもらえない事が多い。これはローカルな大津の銀行だけかどうかはわからないが、…。
 かつて、2000円札が殆ど使用されていないので印刷を控えていることは聞いていたが、5000円札はニーズもあるのに、どうして印刷を制限しているのだろうか。窓口の女性に聞いたのだが、日銀からの制約があるからだという。とにかく、5000円札は、ちょっとした慶弔の際に便利な額で、母親の要求は理解できるのだが、いつも、この交換制約に引っかかって、母親の期待に沿えないことが多い。こんなことで閉塞感を煽っても仕方ないだろう。日銀さん、善処をお願いしたい。
 このところの巨人軍は弱すぎる。昨日も土壇場で中日に逆転負けを喫した。この試合で、中日は押さえに出したエースの岩瀬仁紀投手を、土壇場で浅尾拓也投手に代えて勝ち切ったのに対し、巨人は、押さえのロメロ投手を久保投手に切り替えたのだが、二死後の土壇場で、堂上剛裕選手に打たれて痛い負けを喫した。こう見ると、結果論だが、両監督の采配が勝負を分けた。落合監督の岩瀬投手を代えるという決断は、勇気がいることだし、閉塞感を打ち破る果敢な挑戦だった。
 いずれにしても、最近の巨人の弱さには、アンチ巨人ファンの筆者もちょっとびっくりだ。あれだけ巨額な資金を使って人集めをしていながら、このところの戦いぶりは全くもってぴりっとしない。少し前には、株主総会で名指しで揶揄されて、更迭の危機にあった阪神の真弓監督が、このところ勝を重ねていて、差し当たってのピンチを脱したようだが、こんな状態だと、巨人の原辰徳監督の首が話題になってくるのではなかろうか。プロ野球でも閉塞感が滲み出て来ているように思う。
 イチロー選手が、全日程のハーフを終えて打ったヒット数が92本だった。後、半分の81試合で、108本を打たねばならないのは、さすがに厳しそうだ。さあ、どんな戦いぶりを見せてくれるのだろうか。閉塞感の打破を大いに期待したい。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時50分起床。体重、62.6Kg.お天気は全般には曇り空のようだ。暑さが戻ると言う。
 昨日の雅子は、午前中は微熱があったが、お昼過ぎには平熱に戻っていた、痰が多くて辛い一日のようだった。熱と痰に悩まされる一日が、またもやパターン化して来ているようだ。

3.連載、難病との闘い(244) 第三部 施設、病院での介護生活(145)
  第七章 しつこい敵(8)

 2.再入院(3)
 雅子に宛がわれた部屋は3階の4人部屋で、有難いことに奥の窓際だった。一ヶ月半ほど前に入院していた2階の部屋よりは少し国道よりの部屋で、1階分上にあるだけ眺めにもちょっとしたゆとりが感じられる。
 じっくりと外に目を遣ると、水量はさほどでもない真野川を挟んで、正面に中華レストラン、それにくっつくようにして比較的大きいゴルフの打ちっぱなし場、その後ろには、もう使用していない大観覧車がオブジェのようにその存在を誇示している。その更に後方の左側には緩やかな弧を描いた琵琶湖大橋が豊かな姿を見せている。そして、その中央辺りのはるか向こうに近江富士と呼ばれる三上山の美しく、つつましい姿を眺望できる。他方、右サイドには、国道に沿った前方左側には大きなスーパーがあり、更にその先は、この辺りでは高層ビルと呼んでもいいぐらいの建物が連なっている繁華街である。要するに、眺望はなかなか優れていて気分のいい部屋である。
 前回の入院時では、6人部屋だったことから、今回は、その眺めも格段とランクアップされていて、居心地は素晴らしい。ベッドの置かれている傍には、小さなクロークと備え付けの小型の棚や引き出しのついたタンスのようなものがあるが、それは、前回の2階の時と同じサイズのものであったが、スペースが広い分、その周辺がゆったりとしている点で使い易く、大袈裟に言えば、気分的におおらかさを味わえる感じである。紙オムツ、パット、タオルや衣類なども、そのクロークや小型のタンスに充分に保管することが出来て便利である。
 ところで、雅子の入院も立て続けに3回目を数える。もうすっかり慣れているはずの一考なのだが、それでも、いざ、入院ともなると、それなりの準備には、結構ばたばたするものだ。準備するものは、パジャマ、タオルケット、毛布、タオル、それに紙おむつ、幾つかのクッションなどがさし当たっての必需品である。アクティバ琵琶の介護士さん達のサポートもあって、その日のうちにある程度は格好がついた。
 こうして、好むと好まざるに関わらず、雅子の三度目の入院生活が開始されることになったのである。一考には全くの想定外の展開だったが、こんどこそ、三度目の正直であって欲しいと願うのだった。(以下、明日に続く)

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