プロフィール

相坂一考

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版
14年7月に、難病との戦いを扱った「月の砂漠」を文芸社から出版

このブログは3部構成です。
 1.タイトルへの一言。
 2.独り言コラムで、キーワードから世の動きを捉えようと試みる。
 3.プライベートコーナー
   (2015-06-03に修正) 

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1749 小さな幸せ探し

 ちょっとした出来事に、何かほっとするものを感じることで、小さな幸せを求める今日この頃である。

1、独り言コラム
 イチロー選手が、ほぼ6ヶ月に及ぶ今シーズンの戦いを終えた。注目の安打数は184本で、11年連続の200安打はならなかった。先ずは「ご苦労さん」と申し上げたい。ご本人もさっぱりした表情で、「何故か晴れやかですね。200安打という縛りから追いかけられずに済むのでほっとしている」とコメントしている。
 今年の記録を前年に比べてみると、劣ったのは内野安打の数で20本近い減少だった。走力が落ちたのではとの心配もあるが、盗塁数では40個でほぼ前年(42個)並みだった。その一方で、マルチ安打試合数がほぼ同じ(55試合程度)だったのに対し、無安打試合数が46試合と前年よりも17試合(手元の資料から)も多かったことが、達成できなかった大きな要因と思われる。しかし、それでも、生涯の先頭打者本塁打試合数で、44試合を達成し、福村豊さんの持つ記録を更新した。
 しかし、本人はまだ37歳で闘志も健在だ。まだまだプレイは出来そうで、今後は、通算200安打達成年度数(ピートローズ選手とタイ)、及び生涯安打総数(ピートローズの4256本)の記録更新という大きな目標が見えている。大いに頑張って欲しい。
 なお、昨日のNHKのニュースウオッチ9で、世界に誇れる日本人という今年のランキングを紹介していたが、ここでもイチロー選手が1位で、4連覇中だということだった。
かつては近寄り難い選手だったが、最近はすっかり変わって、同氏のニュースには、なんとなく、ほっとするものを感じる人が多いと思う。
 昨日の参院予算委員会の一部をドライブ中に耳にしたのだが、その時に、野田佳彦総理が答弁で「子供は未来からの留学生である。しっかりと勉強させてあげ、送り返してあげる事が大事だ」といった主旨の話をしていた。顔に似合わない面白い表現で、なんとなく、ほっとするものを覚えていた。
 韓国でのサッカーの試合で、東日本大震災を揶揄する横断幕が張られたニュースは、さすがに韓国内でも叩かれているようだ。竹島での実効支配が強化されていて、頭に乗っている韓国だけに、ここでは厳しく怒りを発することが大事ではなかろうか。とにかく、この種の事件には、日本はもっと怒るべきだろう。しかし、韓国には、このような馬鹿者がいることに、何かほっとするものを感じるのは筆者だけではないだろう。
 サウジアラビアはアラブ諸国の中でも男尊女卑の最も激しい地区だそうだが、先日、車を運転した女性に鞭打ちの刑が言い渡された。しかし、反対運動が高まってきていることを重視して、アブドラ国王はこの刑の宣告を撤回したという。ツイッターやフェイスブックといったツールが民主化に貢献しているようだ。アラブ女性の春も近づいているという。何か、ほっとするものを感じる。
 お笑いのチュートリアルの福田充徳さんが後輪にブレーキのない自転車に乗っていたことで、道交法違反で反則切符が切られていたことが分かった。本人は、前輪にブレーキがついていればいいと勘違いしていたようだ。先の島田紳助氏の黒い付き合いから始まって、芸能界はブレーキが掛かり難くなっているのではなかろうか。大事に至らなくで、ほっとしているファンも多いのではなかろうか。
 阪神は昨夜も負けた。この三連戦は采配ミスが目立ったように思う。望外の連夜の阪神の逆転負けに、アンチ阪神ファンは小さな幸せを喜んでいるのである。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時起床。体重、60.6Kg。(9月度の平均体重は、61.6Kgで8月度と同じ)お天気は、曇り時々雨のようだ。
 昨日の雅子は、見た目はずっと寝たきりだった。10時過ぎには、週一回の軽いリハビリ、1時過ぎからは車椅子椅子ての散歩を2時間あまり行なった。しかし、目を開けてくれたのは、散歩中、及び散歩後のごく短い時間だけだった。

3.連載、なんたるちあ(67)

  10.臨時研究会(2)

 和気藹々の雰囲気の中で、話は盛り上がりつつあった。
 「たった一週間だけですか。短い滞在なのですね。もちろん、大阪には帰られるのでしょう」純が、可愛い顔を作りながら、からかうように声を掛けた。
 「そうです。ジャスト一週間です。大阪には明日にでも帰るつもりですが、あまり歓迎されてないようなのですよ」土屋が、照れで言っているのか、真面目に言っているのかはっきりしない。
 「歓迎されてないって、冗談でしょう? こんな所で無駄な時間をつぶしていてはまずいのではないですか」相田が笑いながらフォローした。
 「ここは、私にはロンドンに次ぐオアシスです。ママには迷惑だと思いますが。」相変わらず、土屋は真剣な顔つきで、隣にいたママに軽く会釈するようにして視線を送った。
 「いずれにしても、あちらでの生活に不満がないということは、羨ましいですわね」ママの真奈美は含みある視線を返しながら、タイミングよく相槌を打った。
 「そうです。敢えて不満があると言えば、この研究会を楽しめないということでしょうか。その意味で、今夜は楽しみにして参りました」土屋はにっこりと笑顔で答えた。今までの三回の研究会でファシリテートしたり、総括表を纏めたりの積極的な取り組みを考えると、それは満更でもないことかも知れなかった。
 そんなやり取りの後、研究会は直ぐに開始された。およそ一年半のブランクがあったことから、前回までのレビューから始まった。土屋は例によって手回し良く、今までの六つの事例を相田の原案に沿って整理した総括表を全員に配布した。四人は改めてこの資料に目を通しながら、今までの具体的な事例を思い出していた。暫くして、相田が皆の様子を窺うようにしながら口を開いた。
 「土屋さんの一時帰国祝いということで、今夜は、私から、本研究に対する一つの考え方を提供させて頂こうと思うのです」相田の突然の話しに、一体、どんな考えを紹介するのだろうと三人は改めて相田に注目した。(以下、明日に続く)
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1748 秘話

 秘話にもいろいろあって、心温まる秘話は大いに歓迎なのだが、中には、びっくり、どっきり、更にはぞっとするような話もあって、戸惑うことも少なくない。

1.独り言コラム
 関西テレビの昨日の夕方のニュース番組「アンカー」で、独立総合研究所の青山繁晴代表が、野田佳彦総理とオバマ大統領との初めての首脳会談での秘話と言うよりは、裏話を暴露してくれていた。それは、沖縄の普天間に関する部分で、例えば、毎日新聞では「結果求める時期」との見出しで報道されたが、オバマ大統領のこの部分の表現は「at earlier stage」だったという。これは、「早く、やれ!」といったもっと厳しい表現だったと言うのである。
 しかし、野田総理は、その後の記者団との話しで「進展を期待しているという話があった」と語ったという。大きなずれがある。こんな感覚の違いがあって「大丈夫なの?」と思ってしまう。
 先日の全日空機のトラブルで、トイレから戻ってきた機長のために、副操縦士がドアを開けるボタンを押したのだが、間違って別のボタンを押したことで機体が急降下した。この事故の解析結果が判明したが、それによると、機体は、ほとんど背面飛行をしていたという恐ろしい結果だった。旅客機が背面飛行って、とんでもない危険な話しで、一歩でも誤まっていたら、原因が分からない悲惨な大事故になってと思われる。これは秘話って言うよりも、どっきりを超越した途轍もないこわい裏話である。
 これからは、機長は飛行中には、なるべくトイレには行かないようにしてもらいたい、なんて冗談を言っている場合ではないのだが、…。
 大関琴奨菊が正式に誕生した。受諾に当たっての挨拶で使われた四文字熟語は「万里一空」だった。宮本武蔵の五輪書にある言葉だそうで「常に冷静な気持ちを保ってことにあたるというべきだ」という意味だそうだ。琴奨菊は、それに加えて、祖父の「一男」さんの「一」が入っていることへの思いも強いということを披露していた。これは、心温まる秘話である。
 阪神の真弓監督にガードマンがついているという。ここに来て負けが重なり、クライマックスシリーズへの出場も危うくなっていることから、快く思わないファンからの不測の事態に備えているというのだ。今朝のワイドショーで、昨夜の神宮球場を去る際の映像が流されていた。敗軍の将は辛いといった秘話である。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時40分起床。体重、60.8Kg。お天気は、今日も晴れ模様だが、明日は崩れるという。
 昨日の雅子は、症状は落ち着いていた。しかし、相変わらず、呼びかけへの反応は乏しかった。午後の散歩は2時間以上行なったが、途中、付き添いの一考がうとうとしていた。

3.連載、なんたるちあ(66)

   10.臨時研究会(1)

 その後、三ヶ月ほどが何事もなく過ぎた。相田は必死にビジネスの防衛に奔走していた。そんなある日、バー「蘭」のママ、真奈美から土屋が休暇で戻って来たので、臨時の研究会を開きたいと言って来た。時の過ぎるのは早いもので、何と一年半ぶりの研究会である。鬱陶しい梅雨が過ぎ去り本格的な夏の到来を感じさせる暑い日であった。あれ以来、仕事のことで頭が一杯ではあったが、そのことも気にはなっていて、合間合間にはメモなどを取って備えていた。従って、ママの誘いの電話には、満を持していたかのように、相田は、勇躍として出掛けて行ったのである。もちろん、このところ、超多忙であった相田には、それが格好の息抜きの場とも考えたからでもあった。
 八月を目前で、汗が迸リ出るほど暑い厳しい夕方だった。相田がドアを開けて「蘭」に滑り込んだ時には、土屋は既に来ており、立ち上がって両手を上げて迎えてくれた。
 「一年半ぶりですね。お元気そうで何よりです」相田は握手を交わしながらそう挨拶した。部屋の中の明るさでは顔色がはっきりとは見えなかったが、端正な顔は相変わらずで、何となく健康そうな土屋の姿が逞しく、力強く映じていた。
 「お土産にこれを頂きましたので、早速皆で頂くことにしましょう」真奈美ママが嬉しそうに大き目のボトルを抱えて相田に見せてから、その栓を抜いてグラスに小分けして、それぞれに手渡した。
 「ロンドンのいわゆる地酒です。お口に合うかどうかは保証の限りではありません」土屋は多少テレ気味に言って皆の顔を見回した。
 「では、皆さん、先ずは、乾杯をしましょう。いいですか。乾杯!」華やかな赤のワンピースを身に纏った純が音頭を取った。自然な成り行きだった。
 「渋みがあっていけますね」先ずは、相田がコメントするとママも純も同様の感想を発して応じた。久しぶりの和気藹々の集まりで、和やかな中で盛り上がっていた。相田には仕事での苦しさを忘れるに絶好の機会となった。
 「お陰さまで、仕事はそれなりに順調です。また、ロンドンでの生活も快適で、妻が来たがらないのを除けば、全く申し分はありません。二年間の勤務と言われてますが、会社の方はもっと居てもいいよと言ってくれてますので、もう少しいるつもりです。まあ、会社も東京には私をそれほど必要としていないのでしょう。今回は僅か一週間の滞在ですが、久しぶりの日本を改めて味わって見たいと思っています」
 口先だけの表現ではなく、土屋が心からロンドンの生活をエンジョイしていることがその表情から窺われた。(以下、明日に続く)

1747 時代が移る!

 時代が移ると言うのはいいことで、新しい息吹、ときめきを覚えさせてくれて、人生を更に豊かにしてくれそうに思う。

1.独り言コラム
 遂に、渡辺明王座が誕生した。昨日行なわれた日経新聞社主催の将棋王座戦第三局で、挑戦者の渡辺明竜王が羽生王座に勝ち、三連勝で王座を奪取し、竜王との二冠となった。20連覇を目指した羽生王座は、夢が叶わず、19連覇でピリオドを打った。それでも、将棋界で19連覇は最多連覇記録で、金字塔だ。
 このシリーズを見て感じたことは、渡辺竜王の懐深い強さである。この対局もそうだったが、羽生王座がかなり思いきって迫るのだが、渡辺竜王がしっかりと残しているといった展開が多かった。昨夜も、終盤は手に汗握る一手争いとなったが、渡辺挑戦者が勝ちきった。
 これで将棋界の七大タイトルは、森内名人を除くと、渡辺明(竜王、王座)、久保利之(王将、棋王)羽生善治(棋聖、王位)の3人が2冠という新しい時代に入った。中でも、早くから羽生に継ぐ天才と言われていた渡辺明が、時間は掛かったが、漸く二冠となり、これから順次将棋界の制覇を目指すのではとの期待がある。しかし、広瀬章人七段、豊島将之、佐藤天彦、稲葉陽、糸谷哲郎各五段、永瀬拓矢四段などの多くの若手の台頭もあって、予断は許さない。差し当たって、渡辺竜王は来月から始まる竜王戦で、丸山忠久九段の挑戦を受け、八連覇を目指すことになる。 
 いずれにしても、将棋界も二十年近く続いた羽生時代から、新しい時代に入ったことは確かなようだ。
 イチロー選手は、今年はあと2試合を残して、183本のヒットを打ったものの、目指した200安打には及ばず、11年連続の200安打はならなかった。ここでも、一つの時代が終ったのではとの見方がある。
 しかし、同氏には、まだまだ大きな目標が残っている。ピートローズ選手の生涯4256本の最多安打である。果たして、それにどこまで迫るかという新たな夢に移る。その目標には、およそ、あと450本の安打が必要だが、あと3年頑張れば、到達できるのではと思われる、しかし、現在38歳で、難敵は年齢だ。しかし、43歳で活躍している金本知憲選手もいる。充分可能性はある訳で、最後の大勝負に賭けて欲しい。
 ところで、その金本選手のいる真弓阪神だが、昨夜、頼みの準エースの榎田大樹投手が、ヤクルトの川端慎吾選手に人生初の満塁本塁打を食らって、勝負あったと感じさせる敗戦だった。この結果、クライマックスシリーズに残るのは難しくなったのでなかろうか。
 政界も野田佳彦総理の時代に入ったが、果たしてこの難局を乗り切れるのだろうか。昨日までの衆議院の予算委員会では、それほど大きな問題もなく、ともかくは、無難だった。自民党は小泉進次郎や斉藤健、河井克之といった若手の新鋭を質問に立たせていた。ここでも、時代が変わっているといった実感がある。河井氏はかなり突っ込んでいたが、期待の小泉氏は、突っ込み方では今一つ迫力が足りなかった。
 女子プロゴルフの古閑美保さんが、今シーズンいっぱいで現役を引退するという。2008年には賞金王になったこともある美人ゴルファーで人気があった。左手首を痛めたのが完治せず、身体的、精神的に限界を覚えたということで引退を決意したという。ここでも、小さな時代の移りが感じられる。
 とにかく、新しい時代に乾杯である。
 
2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時45分起床。体重、61.4Kg。お天気は、今日も晴れの予報。
 昨日の雅子は、少し痰が多くて苦しんだようだった。相変わらず、目を開けるのが大変そうだった。これ以上、悪化が進まないように願っているのだが、…。進行性の病気は何処まで進んでゆくのだろうか。

3.連載、なんたるちあ(65)

   9.株主移動(11)

 暫く、二人は、その後黙ったまま向かい合っていたが、再び、見山が口を開いた。
 「結果的に、新進化学や丸菱商事が、先方の要求を受けたという事実が分ると、うちだってその程度の金なら出せるよと言われるから困りますよね。要するに、最も強い説得力が、他社がやっているという事実なんだから、当社はいつも後追いの形になってしまうんです」担当窓口として、いつも抱いている悩みを素直に訴えた。同氏もその種のことでいつも苦労しているのだ。
 「いずれにしても、市村取締役はいろいろと気を使ってはくれているが、あくまでも友情の世界であり、企業の政治的なパワーの前には限界があるからね。今後の対策を抜本的に考えなくてはいけないね」
 「抜本的って言っても、どうするのですか」戸惑いながら見山は相田の顔を見た。
 「目には目だろうね」当然だろうとの顔つきで相田は言い放った。
 「株を買うということですか」見山は驚いた顔つきで相田の顔を見返した。
 「他に名案があればいいんだが」
 相田はそう言うと「さあ出よう」と言って立ち上がった。穏やかな秋の陽光が二人の姿の長い影を路上に投影していた。その二つの影はスピードを速めて駅の構内に消えた。
 会社に戻った相田は、早速その日に二人のキーマンを通じて得た情報について宮田常務に報告した。帰りがけに市村取締役からもらった心遣いのメモの現物を見せて、少しでも同氏の不安の減少に努めた。
 「前にも言ったが、何億も投資した企業が何も見返りを要求しないことはないだろう。いずれ、その動きは出て来るはずだ。充分注意をしてウオッチして置く必要がある。いくら市村取締役がサポートしていてくれても限界があるだろうからな」相田の報告を聞きながら、宮田常務はさすがに冷静な見方を披露した。それは相田が予期した返答だったので、ここを先途と自説を展開した。
 「おっしゃる通りだと思います。出来るだけ早く、我々も彼らと同等のパワーを確保する必要があると思います。タイミングを見た積極策を取ることを提案したいと思います」相田は得たりや応と自分の考えである株の取得を匂わせた。
 「言うのは簡単だが、親会社への説得力を持ち得るかどうかだね。スピーディなデシジョンと同様にそんな易しいことではないね」案の定、相田の提案に、宮田は一転して言葉を濁して、いわゆる玉虫色のコメントでその場を繕った。(以下、明日に続く)

1746 薮の中

 広辞苑には、「(芥川龍之介の同名の小説から)関係者の言うことが食い違っていて、真相が分からないこと」とある。

1.独り言コラム
 注目の衆議院予算委員会が始まった。昨日は、残念ながら、最後の稲田朋美さんの質問の最後の部分を聞いただけだったが、野田総理の答弁は、質問にはまともに答えず、聞いていていらいらしたやり取りだった。いつもそうなのだが、この種の応酬では、どうして、聞かれたことにまともに答えないのだろうか。禅問答では国民には理解できない。
 この日の午後になって、陸山会の土地購入に関する不正事件での判決が東京地裁で行われ、三人の被告に有罪が言い渡された。いずれも執行猶予付きの禁固刑で、大久保隆規被告に3年、石川知裕被告に2年、池田光智被告に1年である。ポイントは、一審での検察の供述調書を採用せずに、事実関係からの推認で誘導した判決であることだ。その中で、土地購入に要した4億円について、小沢一郎氏の説明も明快でないことを指摘している。筆者は、この裁判官らは、よくぞ思い切った判決を出したと思う。立派な判決だ。三人の被告は直ちに上告することを決めた。闘いは第二ラウンドの高裁の場に持ち込まれるが、真相は、まだ「薮の中」かもしれない。
 さて、2年前の外務次官だった薮中三十二氏がオバマ大統領の初来日を前に、大統領の被爆地訪問は時期尚早と伝えていたことが、内部告発サイト(ウィキリークス)で明るみに出た。びっくりである。同氏が何故、そんなことをアメリカサイドに伝えていたのか、理解できない。訪問することで、何か不測のリスクを心配していたのだろうか。その真相は、藪中氏の名前の通り、まさに「薮の中」で、駄洒落もいいとこだ。
 この話、むしろ大統領サイドがそう言うのなら、分からないことはないのだが、日本人サイドからそんなことを言い出す理由は何処にあるのだろうか。同氏がアメリカサイドに媚を売ったとしか思えない。
 ところで、あれだけの大きな被害を出し、その事故補償で追い詰められている東電が倒産しないのが不思議である。政府がその肩代わりをしてサポートして行く対応なら、国営企業にすべき対象だろう。いろんな思惑が交錯しているのだろうが、その真相はやはり「薮の中」だ。
 この一件で、筆者が許せないのは、社員や役員たちは、依然として従来通りの高給をもらっており、その穴埋めの一部に、復興増税に絡んで、所得税の増税と云う形で国民に付けを回す訳だ。とんでもない話である。
 もう一つ、東電に関しては、エリート女子社員の殺人事件が未解決があって、最近になって現場から新たな体液が見つかり、真犯人説が浮上して来ているが、この事件の真相は、やはり「薮の中」だ。当時の役員、幹部の名前も捜査対象に上がった経緯もあったようで、東電という企業には、大企業の資格はなく、許せないことが多い。
 とにかく、世の中、肝心なことは「薮の中」のことが多すぎる。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時起床。体重、60.9Kg。お天気は、今日は晴れのようだ。
 昨日の雅子も、症状は安定していたが、なかなか目は開けなかったが、午後の散歩の後に少し開けるといった状態だった。長男が来た時には、頑張って開けていたということなのだろうか。

3.連載、なんたるちあ(64)

  9.株主移動(10)

 ずっと無言で歩いていた二人だったが、恰も示し合わせたように、駅の近くにあった喫茶店に滑り込んだのである。二人は空いていたテーブルを見つけると、そこに席を取って、ウエイトレスの来るのを待った。やがて、注文を終えると、一息ついた相田が、おもむろにポケットからメモを取り出し、それに鋭い視線を走らせるのだった。
 「何が書いてあるんですか?」見山が沈黙を破って口を開いた。内容そのものは七~八行の簡単なものだったが、驚いたことに、それは販売部長から購買部長に出された社内文章のコピーであった。
 「これは大変な内容だよ。要するに、販売部の意向を確認せずに、勝手に購買部で製品の採用を決めたり、変更したりしないように販売部門の立場を購買部門に、この機会に改めて書状で確認しているものだね。その理由の一つに、この製品がプライベートブランドであることを付記している辺りがポイントだね。まあ、要するに、我々の立場に配慮してくれている内容だよ。自分が、早々に家にまで電話をするなど心配していたことに対して、彼なりの気持ちを伝えてくれたんだなあ。有難いことだ。持つべきものは友人だ」相田はしみじみとその有難い配慮に感謝するのだった。
 「やはり市村取締役部長の頭の中には、あれほど密度の濃い付き合いをしながら、この大事な情報を部長に事前にインプット出来なかった申し訳なさといったものがあったのでしょうね」見山課長がしみじみとした口調でそう言った。いつも相田の傍にいて、市村取締役との関係をつぶさに見て来ているだけに、その観察は当たっていると相田は思った。肝心な時に役に立てなかったという忸怩たる市村の気持ちを相田は察していた。
 「この扱いは慎重にしなくては。君も、うかつなことは言わないように」相田はそう言って見山に注意を喚起した。
 「勿論、承知しています。ところで、話は変わりますが、外山取締役部長の指摘した合弁会社であるが故のスピードに欠ける点については、何とかしなくてはなりませんね。実際、我々が事前に打診を受けていたらどうだったでしょうか」見山のこの疑問は、相田の疑問でもあった。
 「そこだがね。多分、お断りをしていたのではと思うね。投資金額があれだけの高額であると親会社は簡単にはOKしないと思う。トメタイト社の将来をどう評価するかがポイントだろうけどね」相田はトメタイト社の評価は分かれるだろうとの見方を抱いており、それだけに了解を取り付けるのは難しいのではないかとの懸念を披露した。(以下、明日に続く)

1745 秋本番

 一昨日、富士山に初冠雪があったという。大相撲も秋場所が終った。今年も早くも秋本番を迎える。そんな中で、今朝はちょっと富士に拘ってみた。

1.独り言コラム
 エベレストなどヒマラヤの山々を眺望する遊覧飛行を行っているブッダ航空の小型飛行機が観光を終えてカトマンズに戻る途中でその近郊に墜落、乗客、乗員を含む19人が全員死亡した。その犠牲者の中に東京世田谷区の男性がいたと言う。世界一の山の眺望を楽しんだのがせめてもの慰みか、と云うには、あまりにも気の毒過ぎる。
 世界一ではないが日本一の富士山が、鎌倉と共に、2年後の世界遺産の承認を受けるべく申請するという。富士山についてはかつてゴミが多くて断念した経緯があったと承知しているが、その点では良くなったということなのだろうか。
 単に高さが日本一であるだけでなく、富士山はその美しさ、雄大さでも日本一の山で、日本の各地に近江富士や岩木富士と言ったように数多くの○○富士が存在するのはその証である。また、その富士が見えるということで、富士見坂と呼ばれる坂も日本には数多くある。東京23区内にも12箇所の富士見坂がある。かつて、筆者も坂道に関心を持っていたので、これらの12箇所を歩いた思い出が今では懐かしい。しかし、環境も変わって、そこから実際に今でも富士が見えるのは、荒川区西日暮里にある富士見坂の一箇所にしか過ぎない。
 また、富士と言う名前の偉大さから相撲の力士の四股名に使われた事例も数多い。歴代横綱の中にも、東富士、北の富士、千代の富士、旭富士といった横綱がいた。
 そして、昨日終った秋場所では、大関日馬富士が5人目の富士の付いた横綱に挑戦したのだが、意の如くならず、前半で夢に終ったのは気の毒だった。しかも、その日馬富士が、千秋楽の結びの一番で横綱白鵬に敗れて、白鵬の20回目の優勝を許した。もし、その一番で日馬富士が勝ってくれていたら、琴奨菊、稀勢の里の三人のプレイオフになって盛り上がっていたのだが、これまた夢に終ったのは残念だった。
 夢に終って残念だったのは、男女のゴルフツアーで、前日までトップだった丸山大輔選手と不動祐理選手たちである。二人はいずれも逆転負けで、丸山選手は最初からボギー先行で自滅し4位タイ、不動選手はバーディー先行で一時は引き離してトップを維持していたが、優勝を意識した中盤から3つもボギーを叩いて、中国のファンシャンジャン選手に逆転負けを喫したのは痛かった。不動選手にとって、51勝目は近いようで遠い。
 夢でなく、凄い記録が出たのがマラソンだ。昨日のベルリンマラソンで、ケニアのマカウ選手が、2時間3分38秒の世界記録を出した。それまでのエチオピアのゲブレシラシエ選手の記録を21秒更新したのである。いよいよ2時間の記録が見えて来たように思えるのだが、専門家は2時間2分台が限界だと見ているようだ。この種の夢を語るのは楽しい。
 もう一つ夢でないびっくりするニュースがあった。町長選挙で、原発推進派が意外な勝利をしたのである。中国電力の上関原発の建設を進める山口県の上関町で任期満了に伴う町長選挙でのことである。昨日行なわれた投開票の結果、推進派の柏原重海氏が大差で3選を果した。今の日本の世論の中では意外な結果である。この結果は、原発反対の強い流れの中で微妙な一石を投じたことになる。つまり、お金の魅力がリスクを上回ったのだ(野田)。野田総理には神風になる有難い流れかもしれない。 

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時45分起床。体重、61.9Kg。お天気は、曇りのようだ。
 昨日の雅子は、症状は安定していたが、目を開けることが極めて少なく寝たままの状態がほとんどだった。少し、心配である。

3.連載、なんたるちあ(63)

  9.株主移動(9)

 少し、間を置いた外山取締役だったが、やおら、ゆっくりとした口調で話し始めた。
 「新進さんね。相田さんもなかなか考えますね。しかし、それは私達の知る必要のないことですし、実際に裏にどのような事情があったかは承知していません」外山取締役は、そう言って軽くいなしてその踏み込みをかわした。
 「その通りですね。余計なことまで申し上げ、失礼しました」相田も笑ってごまかしながら、その場でのそれ以上の踏み込み諦めることにした。それでも、相田はこの点についての外山取締役からのそれなりの感触を得ただけでも充分であった。
 この日の二人の取締役との面談を終えた相田は、今回の増資に関して、次のように内容のメモを自分の手帳に残した。

 1.本増資のプロジェクトに関しては、外山取締役部長は何らかの関与をしていたようだが、市村取締役部長はあまり深く関わっていなかったようだ。
 2.今回の増資は、安定株主を確保することが狙いのようで、主要取引先のモニカへの引き受け要請を軸に行われ、概ね、快く受け入れられたようだ。しかし、モニカからの経営への参画はなさそうである。
 3.当社に申し入れがなかったのは、合弁会社でスピーディな対応が無理と判断されたためである。
 4.当面の商売に直ぐには影響はないとの市村取締役からの見解が示されたが、当然、見返りを要求する丸菱商事の動きには注意が必要である。なお、丸菱商事の裏で新進化学が画策したかどうかについてははっきりしないが要注意であることには変わりない。

 相田と見山が外山取締役との面談を終えてロビーに戻って来た時に、頃合を見計らったかのように市村取締役部長が姿を現し、相田に声をかけて近づいて来た。それはあたかもタイミングを見計らって、相田らの帰り際を待ち構えていたようにも思われた。
 「もう終わったの? これ参考に差し上げておくわ。後で目を通しておいて!」市村取締役はメモのようなものを相田に素早く手渡しながら、それだけを小声で言うとそそくさとそのまま立ち去って行った。人目を避けたような市村の仕草に、二人はいささか緊張を覚えて立ち尽くしていた。
 「どうも、恐縮です」相田は咄嗟に小声でそう言って、メモの中身を見ないまま洋服の内ポケットに収めた。何か秘密めいたものを察知した二人は、そのまま速やかにトメタイト本社ビルを出た。二人はそれほど人通りの多くない道を黙ったまま真っ直ぐ駅に向かって歩いた。何だか妙な気分だった。(以下、明日に続く)

1744 王手!

 将棋では、「王手は追う手」という格言があって、何の策もなく闇雲に王手を掛けても、相手の王様を安全地帯に逃すことになってはいけない」という。王手を掛けた状態でも、勝ち切るには、しっかりとした抜けのない詰めは欠かせない。

1.独り言コラム
 大相撲では、昨日の14日目の土俵で、関脇、琴奨菊が大関、日馬富士を破って12勝目を挙げた。これで三場所の勝数が33勝となって、大関昇進への合格ラインに達した。昨日の一番は、まさに、大関に「王手!」を掛けた大一番だった。こうなると今場所の優勝も夢ではない。同氏の強さから見て横綱の力は充分に備えており、今日から、その横綱を目指して欲しい。なお、日本人力士の大関昇進は、四年前の琴光喜以来の快挙である。
 四年ぶりと言えば、ロシアでは、来年にメドベージェフ大統領が辞任し、その後任にプーチン首相が復帰するという。2008年以来の復権になるが、この4年間も実質的には権力を握っていた訳だから、実質的には大きな変化はないという見方も出来る。
 一方、パレスチナが国連加盟に申請する。現在の加盟国192カ国の中で120カ国以上が賛成の意向で、流れは一見、「王手」といったところだが、イスラエルの立場をサポートするアメリカの反対で却下されることになるという。
 将棋界では、渡辺竜王が、将棋王座戦で羽生王座に2連勝して、同氏をかど番に追い込んでいる。王座奪取にあと一勝と「王手!」を掛けた有利な状況だ。奪取すれば渡辺竜王は初めて2冠となる。一方、羽生はこの棋戦では、目下19連覇中であるだけに、何とか、逆転で20連覇を果したいだろう。注目の第三局は週明けに行われる
 垣内悠希さんが国際指揮者フェスティバルで優勝を果たした。かつては小沢征爾さんもこの大会で優勝し、世界のトップレベルの指揮者に登りつめた。そう言う意味では垣内さんも、世界トップレベルに「王手!」を掛けたと言えるのではなかろうか。期待は大きい。
 ところで、今週の男女のゴルフでは、今日の最終日を残して、男子が丸山大輔さん、女子では不動祐理さんの二人のベテランが単独トップで「王手!」を掛けている。
 数日前に「丸ちゃんが頑張っている」の蘭(1741)で、丸山大輔さんのことを、今はベテランの一人として活躍していると書いたが、まさにその通りのことをやってくれている。しかも、戦いの場であるゴルフ場が、近くの琵琶湖カントリーというので、余計に親しみを覚える。このまま丸山さんが優勝すると、ツアー3度目の優勝だそうだ。一方、女子の不動さんが勝てば、なんと51勝目となる。今日は楽しみな一日になりそうだ。
 中日がヤクルトをぐっと追い上げてきた。落合監督の更迭の発表後の追い上げ急というのは、如何にも皮肉な結果だ。しかし、まだ1.5ゲーム差があって、逆転優勝に王手を掛けた訳ではない。最後まで縺れることは必至のようだ。
 とにかく、勝負は、「王手!」を掛けた後の戦いが大事で、それをそのまま勝ち切るのは、それほど容易ではない。皆さんのご健闘を祈る、とでも言っておこう。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、61.5Kg。お天気は、晴れを期待したが、曇りのようだ。
 昨日の雅子も、まずまずの様子で症状は安定していた。(痰が少なく、熱もない)小旅行に出ていた長男が、千葉への帰りにもう一度母親の見舞いをしてくれた。その帰り際に、珍しく雅子が声を出した。言葉にはなっていないが、多分、「ありがとう」という言葉を発したかったのだろう。

3.連載、なんたるちあ(62)

   9.株主移動(8)

 最初に会った市村取締役部長は、いつもの明解な口調ではなく、相田の電話に答えたと同様に「現行商売には直ぐにどうこう言うことはないはずだ。プライベートブランドの場合には、一般の商品の場合ように、二社購入は簡単ではない。何もそんなに心配することはない」との内容を繰り返した。同氏の相田に心配を掛けまいとする配慮は充分に伝わったが、何故かいつもの自信に満ちた豪快な姿勢が見られなかったことが相田には気がかりだった。 加えて、この件に関して、相田の突っ込んだ質問を避けているようにも感じられ、核心について踏み込むことが出来なかった。それに対し、その後に会った外山購買部長は、いつもと変わらない対応振りで、相田の質問にもそれなりに応じてくれた。
 「主要な取引先に増資分の引き受けを打診されたということだそうですが、残念ながら、弊方には増資の引き受けの打診が頂けませんでした。何か具合の悪いことでもあったのでしょうか?」
 出合った時の感触から、どうやら、外山取締役は、この戦略的プロジェクトに関与していたと思われたので、相田はストレートにボールを投げて様子を見ることにした。同氏は、若干躊躇した素振りを見せながらも、いつものように薄くなった艶のある額に手をやりながら、その背景を話してくれた。
 「今回の増資の狙いはあくまでも安定株主の確保です。相田さんもご承知の通り、昨年は思いも寄らない株主の移動もありましたものですから。お宅様に声をお掛けしなかったのは、端的に言えば、今回の我々のアクションには、スピーディな返答を必要としたからです。お宅のところは合弁会社ですから、両親会社の了解を必要とされるでしょうし、そのためデシジョンに時間がかかり、その上、受けて頂く可能性が低いと失礼ながら手前どもで判断したものですから、今回は遠慮させて頂いたのです。額もかなりの額になりますからね。特別な他意はありません」
 外山取締役は悪びれる様子もなく、相田の顔を直視して明解に説明した。同席していた同氏の部下の担当課長もその通りと言わんばかりに頷いて見せていた。相田は、同氏の明解な説明を聞きながら、自分達の会社のこのところの実情を重ね合わせ、それなりに納得できるものを感じていた。特にグローバル化が急速に進むにつれて、同氏が指摘した親会社の了解を必要とする傾向は強化されて来ており、特に高額な投資についてはその最たる対象となっていた。しかし、相田は、将来同様な事態の再発を避けるため、改めて、最近の会社の方針を説明し、更に気になっている核心部分にストレートに踏み込んで説明した。
 「なるほど、ご事情は良く分りました。合弁会社の場合、確かにご指摘頂いたような事情にないとは申しません。しかし、弊社の場合は、両親会社とも顧客最優先との方針では一致しており、ご期待に沿える体制になっております。従って、今後、もし同様のケースがありました場合には、弊社にも是非お声を掛けて頂けます様お願い申し上げて置きたいと思います。ところで、外山さん。もう一つ、丸菱商事さんのことについて教えて頂きたいのですが。新進化学さんが実質面でバックアップしているということはないのでしょうか」相田のこの質問に、外山取締役の表情が少し歪んだように見えた。(以下、明日に続く)

1743 使用済みの困ったおまけ

 使命を果し終えた設備、機器などの処分がアンコントロール状態になって、被害を及ぼすことになるのは困ったものだ。この種の現象は何も機械だけでなく、退任した元政治家などの元権力者などにも見られる。困ったものだ。

1.独り言コラム
 二十年前に打ち上げられた人工衛星UARSの破片が地球に落下してくるという。大半は大気中で燃え尽きるが、その燃え残りの分のおよそ500Kg分が26個の破片となって落ちてくるようだ。
 今朝の最新情報(24日4時半現在)では、今日中(24日)に、落下するというが、その場所については、まだ不明だという。人間に当たる確率が1/3200ということで、日本に落下する可能性も否定されてはいない。言うまでもないことだが、まともに当たれば死亡する可能性は高く、心配なことには変わりない。科学技術の成果のおまけだということになる。
 そう言う意味では原発の事故や廃炉に関しても同じようなことが言えるのだが、この場合はリスクの点で雲泥の差があって比較するには妥当ではない。仮に人に与える影響についての確率を数字で表せば、数桁違いの高いものになろう。そういう意味では、科学技術のおまけといったようなマイルドな言葉で表すのは妥当ではない。
 そんな原発に対し、菅直人前総理は廃止(脱原発)を明言していたが、野田総理は国連の演説の中で、安全性を世界一のレベルにして今後も存続させると表明した。この考え方は、国内での議論を充分に詰めた訳でもなく、またしても独断的な踏み込み過ぎの演説内容だったと思う。
 球団から契約期限切れということで更迭を言い渡された落合博満中日監督だが、チームはその後2連勝とヤクルトを追い上げている。優勝の目も残されていて意気盛んだ。使用済み監督でも、選手たちは監督を盛り上げている。事実、落合監督の8年間は終始Aクラスを保ち好成績を残した。よくやったと思う。それだけに、使用済みでも、同氏の場合は、何処か拾う神が出て来るのではなかろうか。
 ところで、使用済みといえば失礼かもしれないが、鳩山由紀夫元総理の言動は、在任中はもちろんのこと、退任後でも不適切極まりない発言が氾濫している。確かに、歴代総理の中にも、宇野宗祐、羽田孜総理のように、在任中に何もやらなかった総理もいたが、退任後にまで悪影響を与えるようなことはなかった。それだけに、鳩山元総理には、もういい加減にして欲しいと思う国民は多いのではなかろうか。おまけでは済まされない使用済み総理の寝言である。
 
2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時50分起床。体重、61.3Kg。お天気は、晴れたり曇ったりのようだ。
 昨日の雅子は、まずまずの様子で症状は安定していた。いつもと特に変わったこともなく、午後には1時間ぐらい散歩をした。

3.連載、なんたるちあ(61)

   9.株主移動(7)

 事実、大和マルコポリマー株式会社は、株数は少ないが、トメタイト社の株主の末席を占めている。また、同社との取引額についても、トメタイト社の取引会社の中でもかなりの上位に属している。それなのに、何故、今回の増資に関して声を掛けてくれなかったのか。トメタイトの担当部長である相田には大いに不満と疑問の残るところである。一方、ビジネスに関しては、該社の販売担当部長からは「心配することはない」とは言ってくれてはいるが、常務が指摘するように、このように企業のトップ戦略に関わる場合は、政治的なパワーが通常の商売の関係を超越することになることは自明で、新進化学が丸菱商事と組んで、その見返りを求めて来ることは当然考えられることである。
 相田が特に引っかかったのは、丸菱商事がトメタイトにそれだけの投資をする狙い、背景が良く分らないことだった。今の商売の関係を見る限りでは、相田の理解を越えていた。いろいろ思考を巡らした相田は、もしかしたら、新進化学がその見返りを狙って裏で動いたのではないかとも考えられた。大和マルコポリマー株式会社(DMPC)がシーラントビジネスで百パーセントの商売をしている以上、新進化学が増資の割り当てを受ける資格がない。その意味で、新進が裏で動いて丸菱商事に働きかけたことは充分に理解できることだった。つまり、その投資額は新進化学が代わりに支払っているのではなかろうか。この点を、早急に調査する必要があると相田は思った。 そして、いくつかの常務の指摘の中でも、相田の胸にぐさっと刺さったのは「今が大事な時期だろう」との最後の部分で、サラリーマンの最も気になるところを突かれたことだった。かくして、大変重苦しい週末を、相田は物思いに悩みながら過ごさざるを得なかった。
 週明けの月曜日は、相田は覚悟をしていたが、文字通り、慌しくおおわらわの一日となった。週末の重苦しさは吹っ飛んでいた。先ずは、朝一番に部下の見山課長らと基本的な打合せをした後、宮田常務に会って「早急に今回の増資の背景を確認し、現行商売を守るための必要なアクションを取ること。また、どうして自分達にその増資の引き受け要請がなかったのかを調査する。更には、丸菱商事がトメタイトの関係でこれだけの投資をする理由が考えられず、その裏には新進化学の後押しがあったのではとの自分の考えを披露し、それについて、その事実関係を早急に調査すること」などを伝えた。宮田常務は今までにない厳しい顔つきでで話を聞いていたが、この時点での特別の指示はなかった。
 昼食を早めに終えた相田は、相棒の見山課長を連れて、目黒にあるトメタイト本社に向かった。言うまでもなく、市村販売担当部長と外山購買担当部長の両氏に面談をするためだった。先にも触れたが、相田は大阪時代から市村取締役部長とは極めて懇意な関係にあったが、購買の外山取締役部長とは東京に戻ってからの付き合いで、まだそれほど親しい関係でもなく、通常のビジネスの売り手と買い手の関係であった。この日は、それぞれに込み入った話をする必要があることから、面談は二人別々に行うようにアポイントを取っていた。(以下、明日に続く)

1742 何が起きるか分からない

 経済だけでなくスポーツの世界も大揺れだ。心配、不安、ちょっとした期待などが渾然一体である。

1.独り言コラム
 今朝の米国の株価は400ドル近い大幅な下げとなった。前日に280ドルも下げていて、二日間で700ドル近い下げは尋常ではない。やはり、ギリシャ、欧州の財務問題に見通しが立たないからだろう。幸か不幸か、日本市場は、今日はお休みなので、一日のクッションがあって、直ぐにはリアクションは出ない。アメリカの今夜の動きで、来週月曜日の日本の反応は変わってくる。しかし、為替の動きと共に何が起きるか分からない経済界で、大変心配である。何が起きるか分からない。
 横綱白鵬が豪快に横転した。背中にしっかりと土が着いていた。関脇、稀勢の里の快勝だった。この二人の対戦に限り、白鵬には苦手意識が、稀勢の里には自信が滲み出て来たように思う。これで、この一年間の二人の対戦は3勝3敗となった訳で、今や稀勢の里の実力は横綱クラスと言えるのではなかろうか。もう一人の大関候補の琴奨菊と二人の同時大関昇進を期待しているが、…。
 落合博満中日監督の解任が発表された。目下2位で優勝争いをしている最中なのに、びっくりすべきタイミングでの発表だった。同監督は8年目で、この7年間で、日本一が一回、リーグ優勝を3回も果たしていて素晴らしい実績を残しているのだが、球団社長の説明では、この辺りで新風を送るためとだというのだ。しかし、その後任には、70歳の高木守道さんだと言う辺りが、スッキリしない取ってつけた説明だ。落合監督本人は、「この世界はそういう世界なんだ」と淡々とコメントしているのはさすがだ。とにかく、何が起きるか分からない世界なのだ。
 三菱重工がサイバー攻撃を受けて、重要な情報が盗まれたようだ、インターネット時代の新しい犯罪で、その種の事件はますます増えて来ている。そういえば、先日、コンピューターの扱いで、メーカーからの電話でのアドバイスを受けたのだが、今では、コンピューター同士を繋いで、アドバイサーがこちらの画面を動かしてガイドしてくれるので、大変便利なのだが、このコンピュターを繋げる技術こそが、サイバー攻撃に即使えるものではなかろうか。危険は身近に潜んでいる。何が起きるか分からない。
 さて、野田総理は、目下米国に飛んで初の外交をこなしているが、その評価は今一つのようだ。オバマ大統領との会談でも、普天間問題もいい加減にして欲しいと言う要請を受けたようだ。帰国後は、いよいよ衆参両院での予算委員会での洗礼を受ける。何が起きるか分からない。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時50分起床。体重、61.3Kg。お天気は、今日こそは、すっきりと晴れるようだ。
 昨日の雅子は、前日並みでまずまずの様子だった。痰が出るのが少し落ち着いていた。それでも、この日は目を開けることはあまりしなかった。疲れていたからなのだろうか。

3.連載、なんたるちあ(60)

  9.株主移動(6)

 「今朝は、ばたばたしていて、まだ新聞を見ていなかったんだが、それは大変なことだ。それで、一体、丸菱はどのくらい支払ったんだい?」
 「時価での取引ということですから、およそ三億三千万程度と推定されます」
 「馬鹿にならない額だよな。当然、商売でその見返りは要求して来るだろう。君も承知の通り、この商売は最初から当社とトメタイト社が共同で開発して来た経緯がある。これだけの大きな市場に成長したことで狙われていたことは確かだが、このような政治的な素地を作らせてしまったことは取り返しのつかないことになりかねない。それにしても、第三者割り当てなら、どうして当社にもその話が来なかったんだい。君らは、いつも強いパイプを作っているから大丈夫だといい、交際費ばかりばかばか使っているが、肝心な時に役に立たないんじゃ話しにならないよ。ビジネスを守ることに万全を期すなんて言っているが、本当に大丈夫なのかい。若し、新進化学に参入を許すことになれば一大事だぞ。今までの立派な歴史に泥を塗ることになりかねない。それに、分っていると思うが、君自身、前回の役員人事で不満を言っていたが、今が非常に重要な時期にいる訳で、自らその足を引っ張るようなことが無いように気をつけることだなあ」常務もことの重大性を強調し、いつものように大きな声で、その懸念や普段からの不満などを一気にまくし立てた。
 「実は、先ほど先方のキーマンの一人、市村取締役部長に電話でその背景を確認してみたのですが、今回の増資は、トメタイト社でもトップシークレットということで行われたようで、市村取締役レベルにさえも知らされていなかったようです。しかし、彼は、具体的な商売では直ぐにどうこうと云うことはならない。採用製品は自分が取り仕切る立場にいるから心配することはないと言ってくれてはいます」相田も、少しでもその不安を和らげるべく直前の市村取締役部長とのやり取りを付け加えた。
 「政治的なパワーは並みのものじゃないぞ。いずれにしても、週明けには直ぐにでもその対策について打ち合わせたい。良く考えておいてくれ。頼むよ」宮田常務はそう言って電話を切った。
 受話器を置いて緊張から解放された相田は、とりあえずは、一息ついたものの、常務が指摘した幾つかの事項が頭の中に不安な形で残されたのだった。「何故、当社に引き受けの申し入れが来なかったか」「三億三千万円の見返りの要求」「君は重要な時期にいる」といった言葉が、あたかも走馬灯のように、繰り返し、繰り返しぐるぐると相田の頭の中を駆け巡り、残念さと不安が増幅して行くのを抑えることが出来なかった。(以下、明日に続く)

1741 丸さんが頑張っている

 丸さんと云うと牛若丸や芸能界の米丸、染丸、捨丸などの名前が浮ぶが…。

1、独り言コラム
 大相撲秋場所も後半に入って、昨日は11日目だったが、相変わらず、横綱白鵬が全勝で優勝争いのトップを走っている。大関を狙う琴将菊は昨日敗れて2敗となった。あと2番は勝たねばならず、安閑とはしてられない。頑張って欲しい。そんな中で、前頭14枚目の臥牙丸が頑張っていて、昨日は大関把瑠都を破る殊勲で、初日に敗れたものの10連勝で大活躍だ。臥牙丸はグルジア出身の怪力の持ち主で、今後が楽しみな力士だという。また、外人だということになるが、今後の上位での活躍を楽しみにしておこう。
 今朝は、「丸」という字の付いた人で、最近活躍している方々をピックアップしてみた。
 最初が、「丸」そのものが名字のプロ野球の広島球団の丸佳浩選手だ。千葉経済大学附属高校出身でプロ入り4年目の新人だ。選手層が薄い広島では新人にはチャンスが多くあって、それをものにしたのだろう。今後の一層の活躍を期待したい。
 10月から始まる将棋竜王戦の挑戦者が久保利之2冠を破った丸山忠久九段に決まった。目下、渡辺明竜王は7連覇中だ。丸山九段は過去に2年間名人位を保持した実力者だが、竜王戦には初挑戦である。果たして、新竜王が誕生するのか、渡辺竜王の8連覇がなるのか、興味深いタイトル戦である。
 その丸山九段は、昨日、名人位挑戦者を決めるA級順位戦で三浦弘行九段に敗れて3連敗となった。同氏の連敗は意外な展開である。因みにA級順位戦は、3回戦を終って、羽生善治2冠と谷川浩司九段が3連勝、渡辺明竜王、郷田真隆九段、それに三浦弘之九段の三人が2勝1敗で、高橋道雄九段、佐藤康光九段、屋敷伸之九段の三人が1勝2敗、そして久保2冠も、丸山九段と並んで3連敗となっていて、これからの挑戦者争い、降級争いが面白くなりそうで楽しみである。
 さて話を戻すが、政治家にも丸山和也、丸川珠代といったタレント議員がいるが、時々、目立つことはあるが、今のところ、それほどの活躍はしていない。今後に期待したい。
なでしこジャパンの丸山佳里奈選手もそのひとりだ。足にけがをして治療中だが、オリンピックには、間に合いそうなので、大活躍を期待している。
 今年76歳になった丸山明宏(三輪明宏)さんもなかなかお元気で頑張っておられるようだ。何時までも美しい。
 ゴルフの丸山茂樹さんや丸山大輔さんが一時は一世風靡したが、今はベテランの一人としての活躍中だ。
丸さん、というと何となく角がとれた丸い方を想像してしまう。多分、いい人が多いのだろう。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、61.6Kg。お天気は、台風一過で晴れるようだが、…。
 昨日の雅子は、前日並みでまずまずの様子だった。台風で予定を変えた長男の三日連続の見舞いを受けて嬉しかったのではなかろうか。

3.連載、なんたるちあ(59)

   9.株主移動(5)

 受話器を置くと、額に汗している自分に気づいて、それを手近かにあった手ぬぐいで拭った。相田は、大事な仕事における状況が急転、暗転したのに気付いて、動揺を覚えていた。
 「これは大変なことになる可能性がある。先輩達が築いて来たトメタイト社へ百パーセント納入しているビジネス基盤が揺らぐことになりかねない」何とも言えない不安が相田の身体全体を走り抜けた。じっとしてはいられなかった。立ち上がって無意識にうろうろと部屋の中を動きながら、どうしたものかと思案を巡らした。電話で市村が言っていた「自分も直前まで知らされなかった」という言葉を思い浮かべた。
 「そうか、このプロジェクトは、市村取締役よりも、もっと上のレベルでの決定だったのだろう。自分に情報が入らなかったのも致し方ない」相田はそのように自分自身を納得させながら、とりあえず、上司に報告をしなければならず、緊張した面持ちで宮田常務の自宅のダイアルを回した。ダイアルを回す指に自ずと力が加わった。
 「お休みのところ、朝から失礼します。既に、新聞をご覧になってご承知だと存じますが、トメタイトの筆頭株主がモニカになった件で一言ご報告をさせて頂きたいと思いまして?」相田はそう話し掛けならが、常務からどんな反応が返って来るか窺った。
 「何? トメタイトの筆頭株主が変わった? どういうことなんだ!」びっくりした時に発する、乾いた大きな声で常務はその中身を確認して来た。どうやら、幸か不幸か、常務はまだ新聞を見ていないようだった。
 「こんな大事な話なのに、事前に情報が得られていなかったことは、誠に残念で申し訳ないことなんですが、昨日の取締役会で、トメタイト社が増資を行うことを決定したそうです。その結果、その増資額の大半を引き受けたモニカが、今までのティージー製薬に変わって筆頭株主になったと報じております。この増資は一般公募ではなく第三者割り当てで特定の株主に持ちかけられたようです。当社に全く話が来なかったことは残念なことで、至急、その背景などは調査するつもりです。それで、当面の我々のビジネスに与えるインパクトですが、筆頭株主がモニカに変わったこと自体では直接大きなインパクトはないと思いますが、実は、新聞には出ていませんが、この増資で丸菱商事も三十万株引き受けたようなのです。そのことで、今後、新進化学が丸菱商事にけしかけて政治的なパワーを背景にトメタイト社へのシーラントの参入を働きかけてくることが懸念されます。これは、何としても防いで今の100%シェアーを確保するように万全を期します。ご心配をお掛けしますが、お力を貸して頂きたいと思います」常務がまだ新聞を見ておらず、本件を承知していなかったことを幸いに、一気に話しをすることで機先を制しようとした。(以下、明日に続く)

1740 迷走

 このところの台風は迷走するケースが目立つ。不幸にも、それに巻き込まれて迷惑を受ける者には堪ったものではない。

1.独り言コラム
 迷走台風の影響は小さくない。意外なのは、台風か大分離れたところでの雨の被害が大きいことだ。今回の場合では、岐阜や名古屋で浸水が目立っている。
 かつての台風では、進路に沿ったゾーンで順次被害が出ていたのが普通だったが、最近では、台風の遥か先、或いは遠く離れたゾーンでの被害が目立つ。広い範囲での被害地域が出るのが特徴のようだ。今回のケースは停滞していた秋雨前線が刺激されて雨になったという。
 ところで、ギリシャの財政不安という台風は、ずっと欧州で止まっている台風のようで、遠くはなれた日本やアメリカの経済に強い影響を与えており、迷惑千万である。長く続く、ドル安、円高、株安の大影響には、もういい加減にして欲しいといった辟易とした状況にある。
 それだけに、新しく誕生した野田佳彦内閣がどんな対応をしてくれるのか、今後の成り行きに大きな鍵を握っている。明日には、オバマ大統領との初めての顔合わせで、外交デビューをするし、国連でも演説も予定されている。さあ、世界が野田総理にどんな評価を与えるか、気になるところである。迷走だけはしないで欲しいと願っている。
 さて、趣味の世界でも、迷走状態的なトピックスが少なくない。ここに来て、真弓阪神は遂に迷走状態に落ち込み、優勝戦線からは脱落した。最後の望みであるCSシリーズへの出場権である3位確保も覚束ない・
 将棋界では、目下19連覇中の羽生王座が昨日も渡辺竜王に敗れて2連敗となり、王座防衛に赤信号が灯った。言ってみれば、迷走状態である。昨日の第二局は羽生王座が中盤で、積極的な攻めを見せ、勝ち切るかと思われたが、大事なところで迷走してしまったようで、逆転負けを喫し、かど番に追い込まれた。
 若し、羽生王座が王座を失冠すると、将棋界の七大タイトル保持者は、森内名人の以外は、羽生善治棋聖、王位、渡辺明竜王、王座、それに久保利之王将、棋王と三人がそれぞれが2冠となる。若手の台頭も目立って来ていて、将棋界も、いよいよ、迷走、いや群雄割拠の時代の様相が窺えて、面白くなりそうだ。
 なお、日経新聞では、王座戦第一局の観戦記の掲載が始まっていて、あの芥川賞作家の朝吹真理子さんが担当している。同氏は、あの3.11の震災の日に、東京の将棋会館で行われた王座戦予選の郷田―村山戦(郷田さんが逆転負け)を担当したことがあるが、それに続いてのタイトル戦への進出だ。棋譜解説に拘らない一風変わった観戦記で、なかなか面白い。
 迷走も面白さを提供する迷走なら、大いに歓迎だ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時起床。体重、61.8Kg。お天気は、台風が南部を通過しそうで、雨の一日になりそうだ。
 昨日の雅子は、まずまずの様子だった。長男がずっと付き添っていたのは初めてで、嬉しかったのではなかろうか。午後には、車椅子での散歩も、息子が一部を担当してくれた。これまた、初めてのことだった。雅子は、どんな気持ちだったろうか。

3.連載、なんたるちあ(58)

   9.株主移動(4)

 その情報の確認に当たって、相田は大いに躊躇していた。休日である。幾ら親しい間柄とは言え、取引先の役員の方のお家に電話することは礼を欠くのでは、ということで大いに逡巡した。しかし、背に腹は代えられなかった。ともかく、腹を括ってトメタイト社の市村取締役宅に電話することにした。同氏とは大阪時代からの付き合いで、ほとんど時を同じくして共に東京に転勤になった。二人とも家庭の事情で共に横浜で単身赴任をしていることもあって、個人的にも親しい付き合いをしている仲だった。
 「相ちゃん、それはね、内容が内容だけに事前には話し出来なかったよ。正直言うと、自分にも直前まで知らされていなかったんだけどね、特に心配するようなことはないと思うよ」まだ起きた直後なのか、少しかすれた声だったが、相田からの電話に、市村は開口一番そう言った。
 「そうですか。それならいいんですが。ところで、新聞では、モニカ他九社となっていますが、他の八社は何処なんですか。丸菱商事は入っているのですか」相田は、市村取締役の話が一段落するのを待って、最も心配していることについての質問をぶっつけた。
 「先ほど言ったように、僕も詳しくは承知していないけど、確か、丸菱はいくらか引き受けたようだよ。三十万株だったかな」躊躇することなく話す市村の言葉が強烈な衝撃として相田の脳裏を駆け抜けた。その瞬間、自分が抱いていた不安の「万が一」が「万が一」でなかったという非情な事態に相田は唖然するのだった。
 「やっぱり、そうですか。三十万株ですか。価格はいくらでの取引なんでしょうか?」相田は叫び声を上げたいくらい動転していたが、その気持ちを必死で抑えながら懸命に食いついた。
 「確か、数日前の時価だったと思うよ。一株1100円ぐらいだったかなあ」市村取締役は、落ち着いた口調で答えてくれた。
 「そうですか。三十万株だと三億三千万ということですね。少なくはありませんよね。丸菱商事以外では、どんなところでしょうか?」
 「丸菱銀行など銀行が数社あったかなあ。いずれにしても、相ちゃん。そんな心配することはないよ。直ぐにどうこうということにはならないよ。採用製品を決めるのは販売を担当する自分だから。」こちらの意図を見抜いた的確な返答だった。相田は、ともかくもほっとしながら、丁重にお礼を言って電話を切った。(以下、明日に続く)

1739 脱○○は可能か

 脱原発、脱暴力団などの脱○○の動きは、国民の中で段々と拡がっていることは確かだが、実態はそんな容易なことではないようだ。

1.独り言コラム
 脱原発を訴える「さよなら原発集会」が、昨日、都内の明治公園で行なわれた。ノーベル賞作家の大江健三郎さんらの呼びかけに応じたのもで、主催者側によると、全国から6万人が参加し、デモ行進を行った。東京電力福島第一原発事故に関しての集会では最大規模の集会となった。大江氏らは、1千万人の署名を集めると気勢を上げていたという。
 一昨日の日曜日の「たかじんのそこまで言って委員会」では、脱○○の話題を取り上げていたが、その中で脱原発に関して、「それでも原発を続けるべきか」という話題を取り上げていた。議論は、直ちに原発廃止を叫ぶのは非現実的だという主張が大半で、勝谷誠彦氏は、「卒原発」であるべきだとの主張を行っていた。今稼動している原発を全部直ぐに止めるのではなく、安全性を高めた上で、次なる代替のエネルギーを確保した上で廃炉に踏み切るべきだと言う。尤もな考え方だと思う。
 「脱暴力団」のコーナーもあって、元公安庁、第二調査局長の菅沼光弘氏がゲスト出演していた。同氏は、今の暴力団は「任侠団体」であって、自分は「甦る任侠道」といった本を書こうとしている、なんていっていた。脱暴力団は無理だと言う話であって、司会の辛坊治郎氏は、ゲストのブッキングを間違えたと笑いを誘っていた。、
 また、その委員会では、男の不倫、浮気は治るか、という「脱不倫」の話題にも踏み込んで、今は女性の不倫もどんどん増えていると言う実態が述べられていて、なかなか面白い内容だったが、重鎮の三宅久之氏は、「『意馬心猿』を制御する境地にならないといかん」と説き、自分はそんなことは、もう卒業したと発言、それに対して、司会の辛坊氏が、そのご心境になられたのは何時頃からかと問い掛けたところ「まあ、80歳になってからだ」という。又、落語家の桂ざこば氏は、自分ももうやらないと決めたという。これに対してまた辛坊氏が何時からかと突っ込むと「昨日からだ」と笑いを誘っていた。要するに脱不倫は無理だと言うという落ちだった。
 なお、この番組の純レギュラーの「山口もえ」さんが離婚後初めて出演していたが、以前よりもぐ~んと綺麗になっていて、とても魅力的だった。女も男を経験することで綺麗になるんだと思う。
 そういえば、昨日のフジテレビのお昼の「笑っていいとも」にゲスト出演していた篠原涼子さんを見たが、随分と綺麗な魅力的な人だった。筆者はここ10年近く、女優さんといえば、松下由樹さんのファンだったが、昨日から、新たに篠原さんのファンにもなった。男は幾つになっても、そんな気持ちがあることが大事だと思う。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時起床。体重、61.8Kg。お天気は、台風の影響で、雨の一日になりそうだ。
 昨日の雅子は、比較的安定していた。夕方、久し振りに長男の太郎が見舞いに来た。それに対しては、楽しみにしていたようで、しっかりと大きな目を開けて迎えていた。ここに来て、雅子の様子は、少し良くなっている感じさえするのだが、…。

3.連載、なんたるちあ(57)

  9.株主移動(3)

 もともとトメタイト株式会社はオーナー会社であり、過去においては、一族の関係者が過半数近い株式を保有していた。その後、少しずつ株式の移動があったものの、現時点でも四分の一程度を一族が保有し経営の実権を握って来ていた。
 相田らの大和マルコポリマー株式会社(DMPC)は、幸いにもこの一族を軸とする経営陣からの厚い信頼を得て、該社の中核となるシーラントビジネスでは、その発案時点から共同開発を行って市場に参入し、そのマーケットを飛躍的に拡大させることに成功してきた経緯もあって、現在に到るまで競合他社の参入を完全に排除し、トメタイト社には百パーセントのシェアーを維持出来ていた。そんな背景もあって、株主の移動に関しては、その都度、必要以上に細かく神経を使って来ていた。ちょうど一年前には、市場でトメタイト社の株を買い集めたテージー製薬が筆頭株主に踊り出るというハプニングがあり、一時はトメタイト社の経営に乗り出して来るのではと騒がれたことがあっただけに、相田は株式の移動には神経質になっていたことも事実である。
 ところで、今朝の記事に関して言えば、モニカはトメタイト社が販売しているもう一つの主力製品の原料メーカーであり、相田らの扱うシーラント製品とは直接関係がないことから、差し当たり、大きな影響はないだろうと相田は軽く考えていた。しかし、記事にある「モニカなど九社」という表現に、相田は何か引っかかるものを感じていた。早急にその九社の中身を調査する必要があった。相田の懸念は「その九社の中に、自分達の最大の競合相手である新進化学の強力代理店である丸菱商事の有無」だった。それまでの丸菱は持ち株数が限られていたことから、いわゆる大手株主ではなかったが、トメタイトの株主の一角を占めていただけに、不安が次第に広がり始めていたのである。まさか、そんなことはあるまい、と否定しながら神に祈るような気持ちになっていた。
 そんな不安な気持ちが募る中で、相田は上司の宮田常務への報告の必要性を思った。宮田常務もこの記事を見ているはずである。この内容に関して、事前に何の情報もインプット出来ていないことから「どうなっているんだ。一体、何をやっているんだ」と激怒される様子が頭の中に浮かんでいた。そして、次第にその不安が広がって行くのだった。トメタイトを担当している部長として、何らかの報告しなければならない。そのために、この記事以外の何らかの情報、特に残り八社の中身を確認することが、差し当たっては、相田には急務であった。(以下、明日に続く)

1738 再生

 リサイクルではない。新しく生まれ変わるという再生の話題を取り上げてみた。

1.独り言コラム
 昨日の日経新聞に、パーキンソン病に関し、自治医科大の村松慎一特命教授らが、遺伝子治療で3年以上効果が持続することを臨床試験で確かめたという。手の震えの軽減や運動機能の回復が見られているという。「AADC」と呼ぶ遺伝子を導入して治療効果を高めたもので、今後大手製薬企業と組んで第二段階の治験実施を目指すという。この病気で苦しんでいる筆者の妻を始めとする多くの患者達には素晴らしい朗報で、一日も早い実用化の日が来るのが待ち遠しい。何時頃になるのだろうか。
 最近の医学の進歩には目を見張るものがある。山中教授のiP細胞を使った技術に寄せられる期待も大きい。昨日の夕方の日テレ系の「バンキシャ」では、東京女子医科大学の清水直也教授らが行っている再生医療技術を紹介していた。同氏らは、心臓などの臓器の再生を研究している。医学の明日への期待の大きさを実感したが、自分達の時代に間に合って欲しいものだ。何と言っても、実用化のタイミングに関心が高い。
 さて、「再生」といえば、再生エネルギーの話題も盛んである。あの福島原発事故が、脱原発への動きになったことから、見直されてきているエネルギーだ。
 これは、ご案内の通り、自然界に起っている現象から取り出すことが出来て一度利用しても再生可能な、枯渇することのいないエネルギー資源のことだが、太陽光、風力、波力、地熱、バイオマスが対象である。
 この他にも、異色のコラムニストの勝谷誠彦氏が力説している「オーランチオキトリュウム」や独立総合研究所の青山千春さんらが研究している「メタンハイドレート」などの新しいエネルギーもその代替エネルギーの対象として期待されている。如何にして、原発に置き換わるレベルにまで拡大できるかが鍵である。チリも積もれば山となるとはいうものの、一気には原発の代替には難しそうだ。
 なお、筆者が最も気になっている「再生」は、何と言っても「日本の再生」だ。900兆に及ぶ国の借金を抱え、円高、株安、加えて大震災、原発事故に苦しむ日本の再生は、一筋縄ではいかない。先ずは政治の再生が急務である。
 振り返ってみると、この5年間、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫、菅直人といった総理がマウンドに登ったが、いずれも滅多打ちに遭って降板した。何と6人目のリリーフが、引き継いだのだ(野田)が、同氏の力では心もとない気がしている。そうかといって他にしかるべき人材が認められないのも事実だ。
 誰かいないのか。この日本の大ピンチを救う偉大な政治家の出現に期待したいのだが、…。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床。体重、61.7Kg。お天気は、台風の影響で、曇り後に雨のようだ。
 昨日の雅子は、比較的落ち着いた一日だった。目を開けてくれる時間も結構あった。中でも、日経新聞で報じられたパーキンソン病の遺伝子治療に関する記事の話をしてあげると、しっかり目を開けて聞いてくれていた。筆者は、その理解力の健在さにほっとしたものを覚えたのである。

3.連載、なんたるちあ(56)

  9.株主移動(2)

 「モニカが筆頭株主に。トメタイト社が来月第三者割り当て」
 記事そのものは、二段扱いでそれほど大きくはなかった。相田も最初は「何々?」といった程度の関心でその記事の内容に目を走らせた。その時点では,相田の不安に直結するようなものではなかった。従って、それがその後の大事件に繋がる入り口であるとは思ってもいないことだった。その記事はおよそ次のような内容だった。
 「トメタイト社がモニカをはじめとする九社に四月X日払込で、計三百七十万株の第三者割り当て増資を実施する。これにより、モニカは発行株式の15パーセント弱を保有するトメタイトの筆頭株主となる。トメタイト社は、今回の調達資金で生産、物流の合理化を図るとともに、モニカの協力で新製品開発を進め、経営の再建を目指すという」
 相田には寝耳に水の内容であった。あれほど緊密な付き合いをしていながら、この増資に関して事前に全く情報が得られていなかったことに対する衝撃は大きかった。それというのも、つい先日にトメタイト社の販売の責任者で、自分と最も親しくしている市村取締役販売部長に会ったのだが、そんな話は微塵も出なかった。また、購買の責任者である外山取締役購買部長にも、ほぼ同じタイミングで会っていたが同様だった。これほど大きな動きについて、トメタイト社の大事な調達先である自分達に、事前に何の情報も与えられなかったことに相田は愕然としていた。水臭いと言えばそれまでだが、緻密な配置を自負していた両社間のコミニケーションパイプが作動しなかったことに対する無念さと反省で一杯だった。
 いずれにしても、トメタイト社を担当している部長としては面目ないことである。「まずかった」との思いが脳裏を掠めたが、一方では、やはりこの種の企業の戦略上最高機密に属するものについては、いくら親しいからといっても情報提供をする訳には行かないこともあるのだろうと都合の良いように思い直して自らを慰めるのだった。(以下、明日に続く)

1737 期待の星たち

 新人、中堅、ベテランを問わず、ファンの期待を担って頑張っている方々の活躍には、せちがない今の世の中で、ちょっとした幸せ感を覚えるものがある。今朝は、筆者好みのそんな方たちをピックアップしてみた。

1.独り言コラム
 大相撲秋場所で、久し振りに日本人の大型力士が頑張っている。大関を狙う琴奨菊と稀勢の里の二人の関脇だ。先場所で魁皇関が引退したことで、日本人の大関、横綱が不在と云う残念な場所だけに、少なくともどちらかが大関に昇進して欲しい期待の星たちである。
 二人の大関昇進の条件としては、琴奨菊の場合は12勝で十分なようだが、稀勢の里の場合は、優勝が条件のようなので今場所での大関昇進は厳しそうだが、この調子を保持すれば、遅くとも、来場所には昇格する可能性が高い。
 何といっても、相撲は日本が国技と自負するものである。外人ばかりに上位を独占させるわけにはいかない。そう言う意味では、今場所が綱取だった日馬富士が既に4敗、大関狙いの鶴竜が負け越していて、その可能性がなくなったことに、ほっとしたものを覚えているのは筆者一人ではないと思うのだが、…。
 男子ゴルフにも、新しいヒーローが誕生しつつある。高校一年生の伊藤誠道さんで、ANAオープンで、三日目を終ってトップタイにいる。今日の最終日で、石川遼選手に次ぐ、高校生の優勝者が出るかも知れない。期待して見守ることにしよう。
 一方、ベテランも頑張っている。レスリングでは、吉田沙保里選手が世界選手権で9連覇、伊調馨選手が2連覇で7度目の優勝を果たした。室伏広治選手と同様に、こんな激しいスポーツで長くトップの地位を保持しているのは驚異的である。ロンドンオリンピックでは期待の星で、その活躍が楽しみだ。
 プロ野球でも阪神の桧山進次郎選手がピンチヒッターの切り札として大活躍だ。平安高校出身(東洋大出身)の41歳だが、最近の成功率の高さには、感動さえ覚える。この期待の星は、何時まで輝くことが出来るのであろうか。
 進次郎さんというと、あの小泉純一郎さんの次男の進次郎(関東学院、コロンビア大)さんを連想してしまう。政治家の中では若手の期待の星だ。自民党の人材にも陰りが見えているが、将来の中核として頑張るのではなかろうか。
 軟らかい話題では、才色兼備の女子アナに関心を持っていて、NHKのニュース担当の小林あさひ(お茶の水)、小郷知子(早稲田)、それにフジテレビからフリーになった高嶋彩(成蹊)滝川クリステル(青山学院)またベテランの小谷真生子(平安女学院)さんらは筆者が好きな方々だ。何となく、癒してくれる対象で、思わず見入ってしまう。筆者には期待の星なのだ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時50分起床。体重、61.9Kg。お天気は、晴れたり、曇ったりのようだ。かなり気温は上がると言う。
 昨日の雅子は、午前中は相変わらず目を瞑っていることが多かったが、午後の散歩後に、阪神-広島戦のテレビ中継をイヤホーンで聞かせていたところ、気がつくと、画面に視線を送って見ていたのである。最近では珍しいことで、かつ極めて重要な事実で、何だかほっとしたものを覚えた。頭はまだまだ健在なのだ。

3.連載、なんたるちあ(55)

   9.株主移動(1)

 季節は移り、瞬く間に一年が過ぎた。一九九0年代を迎え、今までの右肩上がり一辺倒の景気に変調が認められ始めていた。いわゆるバブル破壊の初期に入っていたのである。その後十年以上にも及ぶ不況時代に突入し、その果てにはデフレ不況に喘ぐことになるのだが、まだこの頃では、一般のサラリーマン達には、その辺りの変化に確たる自覚があった訳ではない。
 地球温暖化の影響からなのか、この年の冬はそれほど厳しくはなく、全般的には穏やかな冬だった。昇進争いで遅れを取っていた相田も、その頃になると痛みも癒えて、次なるチャンスに向けて闘志を燃やしていた。時間が痛みを和らげてくれることになったのだろう。しかし、そこに到るまでには、相田は、先の役員人事での不満を抱きながらも、方針を切り替え、相性のよくなかった直属の上司の宮田常務取締役にも、何かと相談したり、積極的に新しい提案をしたりすることで、自ら歩み寄る努力を重ね、何とかその信頼の回復に努めていた。いずれにしても、実績で示すことが全てであることには変わりなく、気を取り直し、気合を入れて仕事に全力を尽くすのだった。とにかく、建設事業の拡大と収益率の改善を図り、その実績の評価を仰ぐしかなかった。有難いことに、その時点では、まだ需要も表向きには堅調を保持していた。
 しかし、その一方で、企業間の競争は以前にも増して激化の一途にあった。先に実施した値上げ活動が手入れを受けた反動もあって、生き馬の目を抜くような市場競争の激化を呼び、一瞬の油断も許されない厳しい市場環境になっていた。そういう中で、相田は部下達に顧客の確保と拡大、新しい顧客の発掘を強く指示していた。先の値上げは手入れを受けたことでは失敗であったが、それでもかなりの収益性の改善には繋がっていた。
 戦術的には、主要プライベートブランドメーカー対策が重要だった。各担当員には主要顧客への丁寧で落ち度のない対応を繰り返し喚起していた。幸い、その頃は、それぞれのプライベートブランドメーカーとはトップとも通じた良好な人間関係が確立されていて、相田もある程度は安心していたのである。
 不安を駆り立てる衝撃的な記事に出くわしたのは、その年度も押し詰まった一九九〇年三月の或る朝だった。この日は土曜日で、相田がいつものように朝食を前にのんびりとした気分で新聞に目を通していた時のことだった。(以下、明日に続く)

1736 嘘いっぱいの民主党に、カレログならぬアレログを

 先日の島田紳助の引退会見での見得を切った大嘘は何だったんだろう。どうして、直ぐに分かるような嘘をついたのだろう。この疑問は、民主党の嘘にも相通じるものがある。

1.独り言コラム
 政権交替し、民主党の総理、内閣が出来て、昨日でちょうど2年が過ぎた。あっという間の2年間で、3人目の総理が船出した。自分はドジョウだと卑下しながら、真面目さを売り物に、国民の支持を得ようと言う魂胆のようだ。難問山積の中での日本丸の操縦には、陣容など中身が充実していないとメッキは直ぐに剥れる。果して、この野田丸は大丈夫なのだろうか。
 それにしても、この2年間の民主党の政治はあまりにも嘘が多すぎた。今朝は、それらを総括してみようと思う。
 まずは、普天間基地の移設に関して、国民についた嘘は酷かった。少なくとも県外と言って国民を騙した嘘は許せない。折角、自民党が時間を掛けて沖縄県民の了解を得ていた辺野古案がつぶれてしまったのは戴けない。その上、当時の鳩山総理は、腹案があります、という嘘を重ねた。小沢一郎氏にいたっては、智恵を出し合えばなんて、火事場でのんびりした場違いの話をするなど、智恵のなさを披露してくれた。あの鳩のマネをして首を動かした鳩山総理の馬鹿丸出しの映像は、何とも不思議な映像で、今ではマスコミのお宝である。
 そんな中で、「いらっしゃい。いらっしゃい」と言って見せてくれたのがあの田舎芝居だった。仕分け作業と称して、売り出し中の女芸人を座長にした舞台は、最初はものめずらしさに人気が出たのだが、その内に馬鹿が顔を出し、あの有名なセリフ「2番では駄目なんですか?」が出るに及んで馬脚が出始め、最近では、そこで取り止めを決めた議員会館の建設が、何のお咎めもなく着工するという。仕分け作業の嘘いっぱいが明らかになりつつある。それにも関わらず、蓮舫座長は、この新しい野田丸にも乗船している。これ以上何をしようとするのだろうか。
 財源もないのに、よくぞばら撒きいっぱいのマニフェストで嘘をついたものだとびっくりを越えて、怒りさえ覚える今日この頃だ。子供手当て、高校授業料、ガソリン暫定税率撤廃、高速道路の無料化などなど、嘘いっぱいの効能書きには開いた口が塞がらない。
 最大の嘘は、財源なんて、一般予算と特別会計を統合して、その組み換えをやれば、その一割の10兆から20兆は引き出せると豪語したことだろう。それは、どうなったのか、民主党は国民に全員が頭を下げて謝るべきだろう。それなのに、今は党員でもないおっさんが、未だにその嘘っぱちのマニフェストを守らねばいかん、と喚いているのだ。この党に政治を任せてはいけないと思う人が急増していると思うのだが、世論調査では自民党の支持率もそんなに増えていない。そういえば、自民党にもこれはという政治家がいないのだ。これまた困ったものだ。
 今、スマホの新しいアプリに「カレログ」というのが話題になっていて、その人の行動を追跡、フォローできるという。プライバシー云々の議論が活発だが、政治家にも、言ったことをきちんと実行に向けてアクションをとっているのか、アレはどうなっているかがフォーローできる「アレログ」のようなアプリが欲しいものだ。
それにしても、心配は、あと2年間もこんな嘘いっぱいの民主党に政治を任せていいのだろうか。日本の先行きが心配だ。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時50分起床。体重、62.1Kg。お天気は、二つの台風の影響で、久し振りに雨のようだ。
 昨日の雅子は、目を開けてくれることが、比較的多かった。白寿の姑に送る色紙に「私の分も楽しんでください」と書くことを伝えると、それでいい、といった顔つきだった。

3.連載、なんたるちあ(54)

   8.冴えない日々(10)

 それに対し、土屋の口からは予期せぬ言葉が返って来た。
 「いや、少々言い難いのですが、私が、このような研究会をやっていることが誤解を受けましてね。早く言えば、飛ばされたんですよ」今までの、かしこまった言い方から一転してのざっくばらんな言い方に変わっていた。
 「この研究会が誤解された? それは酷いですね。この研究会の主旨はあくまでもJRの改革に役立つ提言をしようということでしたよね」自分の心配が杞憂でなかったことに驚きながら、相田は、改めて本研究会の真の狙いを復唱した。
 「そうなんですが、周りに余計なことを言う奴がいましてね。お分り頂けると思いますが、この種のことは、なかなか真意は伝わり難く、一般の方によからぬことを煽っているとでも解釈されたようです。でも、一応、向こうでの表向きの仕事は、新しい公共の交通手段などの動向調査が主な仕事ということになっています」土屋は神妙な顔つきで説明した。
 「なるほど。新しい交通手段ですか。英国は鉄道の発祥地ですからね。大変面白そうですね。ご活躍を期待しています。この研究会の主旨が誤解されたことは残念で、大いに反発を覚えますが、いずれ、建設的な提案をされることで、真意が伝わる日が来るものと信じております。それまでは、各個人で新しい事例の研究を継続することにし帰国されたら、是非再開して楽しみたいものです。それじゃ、今から研究会から切り替えて、土屋さんのロンドンでのご活躍を祈って、壮行会ということにしましょう。本研究会は暫く休会です」
 相田がそう宣言して第三回研究会は終了した。全く、思わぬ土屋の海外転勤というハプニングで、次回の研究会は土屋氏の帰国まで延期されることになった。相田は、この場を一つの発散の場として捉えていただけに、何か急に力が抜けたような気持ちになっていた。ママと純の二人の女性たちも、土屋が遠くへ行ってしまうということで、その寂しさを感じているようだった。なお、土屋が纏めた事例総括表には、この日土屋が紹介した事例6が新たに追加された。(以下、明日に続く)

1735 お家がだんだん遠くなる

 童謡「あの町、この町」(中山晋平さんの作詞)の二番の歌詞の一節に、「お家がだんだん 遠くなる、遠くなる」というのがあるが、毎日の厳しい戦いの中で、念願の夢や希望の達成が、段々遠くなっていく無念のケースが少なくない。

1.独り言コラム
 大相撲では、久し振りの綱取に挑んでいる日馬富士だが、前半で信じられない3敗を喫して、横綱への道は、「だんだん遠くなった」と云うよりは、ほぼ途絶えてしまったようだ。また、一からの出直しになる。やはり、頂上を狙うのは一筋縄ではいかないようだ。その一方で、琴将菊と稀勢の里の二人の関脇が5連勝と頑張っていて、大関取りに近づいている。頑張って欲しい。
 イチロー選手の11年間200安打への挑戦も、残り13試合で30安打が必要という絶体絶命の状況に追い込まれている。夢が「だんだん遠くなった」と云うよりも、ほとんど「絶望」と言っていいだろう。この戦いには、また出直しというものはない。長かったこの戦いそのものの終りなのだ。あとは、何処まで記録を伸ばすかであろう。多分、184~186といったところに落ち着くのではなかろうか。
 さて、日本のプロ野球では、2位以下の戦いが大混戦を続けるセリーグだが、阪神は昨日も中日に敗れて、また借金生活に戻った。念願の優勝への夢が「だんだん、遠く」なっている。それでも、まだ、3位以内のチャンスは残されているが、勝ち残るには容易ではない。大事なところでの、つまらないエラーやボーンヘッドが目立っているのが気になる。改めて真弓采配が問われることになる。
 株価の暴落、低迷が続いていて先行きが見えて来ない。世界情勢が複雑に絡んでいて、その先行きの動きが見えないからである。2年半ぶりの安値となっていて、株主達にとっては、買うという意欲が「だんだん遠く」なっていっているようだ。何時戻って来るのだろうか。
 日中の関係が「だんだんと遠く」なっている流れの中で、今夕、SMAPが北京で公演を行う。何回か企画されて延び延びにされていたのだが、今回は実現しそうだ。文化交流という大儀を、都合のいい時にだけ掲げる中国側の勝手な思惑の中で、日本が踊らされているようで面白くない。
 そんな中での野田丸の行方だが、予算委員会も開かずに逃げの一手では先行きが思いやられる。そんなことでは、支持者たちの応援もまた「だんだん、遠くなってゆく」のではと見る向きが多い。
 中曽根康弘元総理が、昨夜のNHKのニュースウオッチ9に顔を見せた。「いい時もあれば、悪い時もある。対応力を常に持っていることが大事」と話していた。93歳というが、今も尚、お元気であって、その存在が「だんだん遠くなる」と云うのではなく、ますます重みを増しているのはさすがである。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床。体重、62.1Kg。お天気は、午前中はまずまずのようだが、台風の影響を受けて、午後にはかなりの雨が降るという。
 昨日の雅子は、鬱の日で、なかなか目を開けてくれず、午後には実兄の祐一さんのご夫婦が見舞いに見えたが、ほとんど目を瞑ったままだった。しかし、5時半過ぎにさよならしようとしたところ、急に目を開けて、何かを訴えてくれたのだが、それが何か分からないまま帰宅した。気になっているのだが、…。

3.連載、なんたるちあ(53)

  8.冴えない日々(9)

 「金券ショップか。いろんなことを考えるんですな。確かに、金券ショップでは買い取って貰う理由はいらないけどね。やはり、道義的に引っ掛かることには変わりない。いずれにしても、エコノミー切符については、もっと研究して見る必要があるでしょう」相田もその検討の必要性を改めて思うのだった。
 「その必要がありますね。ところで、今後のことの話になるのですが」土屋がここで一旦ポーズを取って皆の方に向き直おり、今までの口調からややかしこまった緊張した口調に改めて話を続けた。
 「実は、個人的なことですが、大変に急なことで申し訳ないことなのですが、会社の命により、来月からロンドンへ転勤させられることになりました。それで、この研究会を一時休会とさせて頂きたいと思うのです。やっと、軌道に乗って来たところで大変残念なのですが、皆様のご理解を得たいと思います」突然のロンドン転勤、研究会中断宣言の発表に一同は沈黙した。暫くの間があって相田が話を繋いだ。
 「ロンドン勤務ですか。それはおめでとう御座います。人生の夢が広がりますね。大いに頑張って頂きたいと思います。どのくらいの期間が予定されているのですか?」
 このバーでは幾度となく会って、お酒を共にした土屋だったが、同氏の仕事の内容について詳しくは承知していなかった。相田は卒なくお祝いの言葉を送って、その滞在期間を確認した。
 「長くて二年ということになっています。まあ、年に数回は帰国することになると思います。その際にでもお会いできれば幸いです」
 「二年ですか。それにしても、大変急な転勤に聞こえますが、何か特別の事情でもあったのでしょうか」相田は気になることがあったので、少し踏み込んで訊ねた。(以下、明日に続く)

1734 不安がいっぱい

 不安は期待への序奏ということも考えられるが、多くの実態はそんな甘いものではない。

1.独り言コラム
 期待と不安を乗せて、民主党の三代目の野田船長が操縦する日本丸が出航した。昨日の代表質問に応える野田船長の対応振りを見ていると、官僚の作文を忠実に読んでいるに過ぎず、大きな期待は持てないような不安な出航に思われた。船長を始めとする乗組員が、必ずしも適材適所でないからだ。まあ、暫くは、お手並み拝見と言いたいが、そんなのんびりしているような状況ではなく、内外共に大荒れの環境なのだ。
 少し気になるのが、頭を低く下げてする同氏のお辞儀の仕方だ。低姿勢を示しているのだろうが、外交では誤解されることになるのではなかろうか。
 石川県能登半島沖に漂流していた小さな木造船に乗っていた、北朝鮮からの脱北者9人が保護された。リーダー格の男は人民軍の部隊に属しており、韓国に行きたいと話しているという。折りしも、建国63周年の異例の閲兵式が行なわれた最中の脱国で、北朝鮮の情勢の不安さを示す一つの動きである。
 居眠りにもいろんなケースがある。しかし、それが許されない職業の方が、居眠りしていたのだ。50代の男性で、那覇の管制官である。12分間に渡り応答がなく、2機が遅れたと言うのだが、一人の管制官だけで、バックアップはいなかったのだろうか。下手すれば大事故に繋がるだけに、恐ろしい居眠りだ。
 大相撲が始まっているが綱取が期待されていた日馬富士が序盤で2敗を喫した。大関取りの鶴竜もやはり2敗で、厳しい戦いが続くことになる。その一方で、同じく大関取りのチャンスである琴奨菊は4連勝で頑張っている。日本人大関の誕生が待たれる。
 株価の動きが異常である。ギリシャの債務不履行の不安が大きくなっており、リーマンショックの再来かとも言われている。その不安が取り除かれない限り期待が持てないことで、当面は低迷に喘ぐことになりそうだ。今朝のアメリカの株価は140ドルの値上がりとなっているが、最近では、アメリカが上がっても、東証は、それに見合った挙げには連動していない。日本の株価はどうなっていくのだろうか。不安がいっぱいである。
 全国で最大の原発を有している福井県の隣県としての滋賀県は、嘉田知事の指示で、事故が起きた場合の影響について、シュミレーションが行われ、その検討結果が発表された。それによると、琵琶湖西岸の高島市はその危険が及ぶエリアに入るし、琵琶湖の汚染の可能性が少なくないと言う。筆者の住んでいる大津も、必ずしも安全圏とは言い切れず、掴みどころのない不安がある。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時半起床。体重、61.8Kg。お天気は、今日も晴れ模様ようだ。
 昨日の雅子は、痰は相変わらず多くて大変そうだったが、前日とは違って、目を開けてくれる時間が多くてほっとしていた。このところ、一日おきに同じような症状を繰り返している。そして、段々悪くなっていっている様で心配だ。

3.連載、なんたるちあ(52)

  8.冴えない日々(8)

 今までとは少し色の違う話しのようで、三人の関心は高まっていた。そんな雰囲気を確かめてから土屋は説明を再開した。
 「それで、その1月6日に、そのもらった切符がカバーしていない大阪―静岡間の切符を買い足して乗車したのですが、生憎指定席が取れず、自由席に乗車したそうです。それで注目の車内検札なのですが、これが京都―名古屋間で実施されたので、友人は余り深いことを考えずに、大阪―静岡間の切符を見せて済ませたのです。そして、東京に着いて、新幹線の出口では、京都―静岡間の切符を手渡し、静岡―東京間のエコノミー切符を見せて通過し、JRでの出口では定期券で出ました。その結果、その貰ったエコノミー切符は無傷で手元に残った訳です。しかし、何しろ、切符の有効期限が限られていたこともあって、結果的には、その切符を再利用することは出来なかったそうです。今までと違ったなかなか面白い事例だと思います。要するに、この事例では五つのステップの中で、静岡―東京間のエコノミー切符に関して言えば、第一、第二、第三、それに第五ステップでは、全く関与せずに通過、第四ステップだけ見せることで終わった訳で、実に面白い事例を生むことになりました」土屋は、低い声で淡々と語りながらも、そこには「なかなか面白い事例だろう」と言わんばかりの得意げな表情が窺われた。
 「これは面白い!いろんなバラエティが考えられそうで、JRも頭が痛いのではないですかね」相田も思わずうなって見せた。
 「エコノミー切符を使う新しい事例ね。有効期限が長ければ、また使うことが出来たのね。誰か静岡に行く人に売るとか、差し上げて有効に活用しなかったの?」純はあくまでも現実的である。
 「通常は、金券ショップに持って行けば、何の理由もなくても何割かの値引きで買ってくれますよ。うちのちびがそんなことを言ってたよ。でも、有効期間が数日ではどうでしょうかね」ママが思わぬことを口にした。(以下、明日に続く)

1733 「失」の付く熟語のオンパレード

 「天」を突き破ると「失」になる。つまり、則を越えたらいかん、ということなのだろうか。失言、失意、失策、疾冠、失速、失格、失礼、失政、失敗などの言葉がいっぱいの今の日本国だ。

1.独り言コラム
 東北大震災で、多くの被災者が重く圧し掛かる「失意」の中で懸命に頑張っているが、前内閣の「失政」もあって、復旧は遅々として進んでいない。そんな中で、期待の臨時国会が始まった。組閣直後から、「失言」「失態」が多くて心配されただけに、野田新総理の冒頭での所信表明が注目された。
 その注目の冒頭で「正心誠意」あるのみです、という勝海舟が使った言葉で挨拶したが、「誠心誠意」という言葉とどう違うのか、筆者は、よく分からない。しかし、野党の要求する予算委員会も開かないで、4日間という短い期間で国会を閉じるといった逃げの一手の野田内閣の姿勢が、「正心誠意」なのだろうか。言行不一致も甚だしい。冒頭から多くの国民に「失望」を与える展開である。
 JR北海道の中島尚俊社長が「失踪」した。トンネル内で起きた事故の責任を感じてのことのようだ。一方では有名な芸能レポーター、奥山英志さんも「失踪」していると云う。お気の毒だ。
 さて、将棋界では、昨日、羽生二冠が王位を奪還し、羽生三冠に戻った。昨年、若手の雄として颯爽と王位を奪取した広瀬章人王位だったが、最強の挑戦者を迎えてもしっかりと頑張って、羽生挑戦者をかど番に追い込んだが、昨日敗れて、残念ながら王位を「失冠」した。しかし、実力は充分ついており、今後が楽しみな棋士の一人だ。なお、羽生三冠は、この王位への復帰で、獲得したタイトル数が80となり、大山康晴十五世永世名人の持つ記録に並んだ。
 阪神がヤクルトに3連敗したのに続いて、昨日も中日にも敗れて4連敗を喫した。貯金3から一気に借金1に転落だ。意外な「失速」である。ここに来ての連敗は痛い。阪神ファンの「失望」も小さくないはずだ。
 スマートフォンの機能の「カレログ」が個人情報をあからさまにすると言うことで、その取り扱いが話題になっている。GPS機能を組み合わせていることから、保持者が何処にいるか、リアルタイムで把握できるのだ。便利なことは確かだが、自分の行動が裸になってしまうし、犯罪に使われたりすると、商品としては「失格」の烙印を押され兼ねない。川端達夫総務相は、暫く様子を見ると言う。
 さて、今朝は、かなり無理して「失」を使い過ぎたので、読者に「失笑」を買うだけでなく、大変「失礼」だったと思う。「失敬」な奴だと叱ってやって下さい。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、62.0Kg。お天気は、今日も晴れ模様ようだ。
昨日の雅子は、月一回の先生の診断日だったが、すれ違いでお会いできなかった。症状は、痰が多くで苦しそうな一日で、目を開けてくれるのもほんの短い時間だった。心配な日が続いている。

3.連載、なんたるちあ(51)

  8.冴えない日々(7)

 「余計なことを申し上げて失礼しました。少し喋り過ぎですね。注意しますわ」申し訳なさそうな顔で純が反省気味に詫びた。
 「それでは、ここで、少し整理して見ましょう。相ちゃんが年末に西大津に帰られたケースと純さんの大阪行きでケースを事例4に、東京に戻られたケースでの検札パスのケースを事例5として登録することにしましょう。」土屋は資料を取り出し、それに新しい事例を書き加えた。
 「この表は、前に、相ちゃんが書かれた分り易い表に、今までの事例を書き足したものです。そこで、今の事例4、5を書く加えましょう」土屋はそう言って、取り出したメモ用紙に書き加えた。
 「いや、そこまで整理して頂いたのですね。ご苦労さんです。なかなか分り易い表になりましたね。何事もそうだけど、纏め方次第で、新しい発想も出易くなりますからね」自分が紹介した表示方法だったが、相田はそれでもそう言って土屋の労を持ち上げた。事例が増えて来るとこの種の整理は役に立つ。新しい発想も、そういった努力が貢献することが多いのだ。
 「この中では、車内検札が行われなかった事例が二つになって目立ちますね。これは、明らかに、JR職員の怠慢でしょう。しかし、これだけ確率が高いと悪用されても文句が言えないのじゃないかしら」純が目敏く指摘した。
 「一方の途中下車については、女性の方がこういうケースが起き易いと思っていましたが、相ちゃんでもパスしているんだから、男女の差はなさそうね」主として聞き役に廻ってはいる真奈美だが、ママという立場を踏まえて、要所要所で然るべく口を挟んで、その存在を示めしているのはさすがである。
 「相ちゃんでも、とは一言多いようですが、確かにその通りで、それは、多分、年末の忙しさも手伝ってのことだったんでしょう」にやりと笑いながら、相田が冷静に解説した。
 「さて、相さんが今夜二つの事例を紹介されたので、私からも一つの事例を紹介させて下さい。事例6とします。これは、学生時代の友人から聞き出した話です。相ちゃんと同様に、本人がこの年末に体験した内容とのことでした。少し変わった事例だと思います。年末に大阪に帰省する前に、静岡に実家のある知り合いから、東京―静岡間のエコノミー切符を利用しませんかとの誘いを受けた。友人の知り合いが持っていたエコノミー切符は、使用期限が1月10日で、しかも、この年末年始の期間、詳しく言えば、12月28日から、1月5日の間は、この種のエコノミー切符が使用できないこともあっての有効活用をして欲しいとの話であった。幸い、友人はこちらに戻って来るのは1月6日を予定していたので、じゃあ、それを使わせてもらおうと譲り受けたのです」そこまで言って、土屋は一旦言葉を切って、グラスのウイスキーを口にした。(以下、明日に続く)

1732 ミラクルな逆転快挙

 ほぼ諦めていた展開の中で、終ってみれば、信じられない逆転の快挙を果した、藤森哲也新棋士の誕生秘話を取り上げたい。

1.独り言コラム
 野田佳彦総理の誕生も、言ってみれば、そんなミラクルな逆転快挙を果したカテゴリーに入る事例だ。事前の次の総理にしたい人物での世論調査では、6%程度しか得られず、上位にはランクされていなかったし、民主党の代表選挙の中盤以降では、前原誠司氏が出馬を表明した時点で、一時は泡沫候補に転落したとさえ言われた展開だった。
 しかし、結果は、前原氏があの外国人からの政治献金を受け取っていた事実が意外に大きく足を引っ張った形で敗北、野田氏の逆転勝利となった。出だしの内閣支持率もまずまずの60%台を得ているが、適材適所内閣と自負する中から、綻びが見えていて、前途は必ずしも明るくはない。
 一方、全米、女子ゴルフのアーカンソー選手権の最終日で、宮里藍選手が、ミラクルな逆転優勝に迫ったが、一打及ばず夢に終った。この日の宮里選手は終盤に入っての追い上げが凄く、イーグル、バーディの攻勢で、終盤でトップに一打差まで迫ったが、17番での痛いボギーが命取りになり、最終ホールでバーディ取返したが及ばず、ミラクルな逆転勝利はならなかった。アンチ宮里藍ファンの筆者はほっとため息が出る複雑な心境だった。
 さて、今朝の本命の藤森哲也さんの話である。宮崎哲弥さんではない。お母さんが女流棋士で藤森奈津子(旧姓、中谷)さん、お父さんはアマ棋士として大活躍された方で、そのご長男が藤森哲也さんだ。お母さんから教わった将棋に掛けた彼の戦いが始まったのは、プロ棋士の養成機関である奨励会に12歳で入会した時だった。それから8年も掛かって昇級、昇段を続け、4年前にプロへの最後の難関である3段リーグに入った。ここには40人近くの棋士の卵がいて、年間に2回のリーグ戦が行なわれ、各回上位2名がプロ棋士の4段に昇格できるのだ。
 二十歳になっての三段リーグで、年齢制限の25歳を気にしながらの戦いが続いた。この間、一度だけ、あと一つ勝っていればというケースもあったが、このリーグでは苦戦続きで、なかなか目が出ず、果たしてこの3段の枠を抜けられるのか、といった不安が大きくなる中で、この四月から今期のリーグ戦が始まった。
 しかし、出だしから負けが先行し、前半では2勝4敗と苦しい出だしだった。その後、頑張って4連勝を含む8勝2敗で、10勝6敗まで盛り返して、先週末の最終日を迎えた。この時点での藤森さんのランクは9位で、上位2位に食い込むには、首の皮一枚のぎりぎりの状況だった。その条件は、自分が2連勝し、上位の7人が1敗してくれなければ2位には届かないということで、その確率は僅かに3%程度と低く、今期も駄目かなあと思っていた。
 しかし、奇跡は起きたのである。昨日のお昼に自宅に戻って、将棋連盟のHPの新4段の紹介の中に、藤森哲也さんの名前を見つけて、筆者は嬉しくて絶句したのだった。僅か3%の奇跡が起きたのである。
棋士の子供さんが棋士になった事例では木村義男十四世永世名人の三男の木村義徳九段がA級にまで上って活躍された事例がある。最近の話題では、あの田中寅彦氏のご長男が奨励会で頑張ったが、年齢制限で3段リーグに入れずして資格を失った。それほど厳しい世界なのだ。いずれにしても、女流棋士をお母さんに持つ棋士の誕生は初めてである。
 筆者も藤森哲也さんのことは、このコラムでも3回(529、1580、1634)も取り上げてきて、エールを送ってきていたただけに、自分の息子が棋士になったように嬉しい。何しろ、3段リーグを抜けるのは、東大に入学するよりも難しいだけに、ご両親のお慶びは如何なほどか、心からおめでとう、を申し上げたい。
 しかし、野田総理と同じで、これからが本当の勝負なのだ。一層の頑張りを期待している。筆者は、この藤森さんの戦績を追いながら、将棋界の動きを楽しんでみたい。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時20分起床。体重、61.8Kg。お天気は、今日は晴れもようだ。
 昨日の雅子は、終日、ほとんど目を開けてくれなかった。一昨日とは一転しての症状で、このところ、良かったり、悪かったりの繰り返しである。完全寝たっきりへの道に入っているのだろうか、心配である。

3.連載、なんたるちあ(50)

   8.冴えない日々(6)

 土屋は、その純の残念そうな顔を横目に見ながら、話を本筋に戻すべく自分が取ったメモを見ながら、相田の事例の総括を始めた。
 「今夜、相ちゃんが紹介した車内検札の二つの事例では、一つが満員で検札が不可、今一つが近くの客が取り込んだ話をしたために、車掌の錯覚を導き出して、いずれも検札を受けなかったという事例を確認できたということですね」
 「その車内検札ですが、私も、この年末に大阪の友人に会いに行った際に、節約のため自由席に乗車したんだけど、検札に来なかったですよ。多分、大変な満員だったので、来られなかったと思うわ」純が今度は自分が体験した内容を披露した。
 「純も同様の体験をしたんだ。混んでいる列車では、検札が行われない可能性が高いと言えそうですね。つまり、例の五つのステップで、三番目のステップの車内検札では、混んでいる列車での検札をどうすべきかがJRサイドの課題と言えるでしょう。この指摘は、今夜の研究会での大きな成果ですよ」土屋氏は、あたかも貴重なポイントを得たような嬉しそうな表情でメモを続けた。
 「先ほどの隣のお客さんに惑わされて車掌が錯覚したというお話ですが、これは、逆に言えば、二人以上、つまり団体で旅行する場合には、コンビを組んで惑わせるなんてことが行われると、うっかりパスされる可能性も出て来ますよね」冗談っぽく笑いながら、純がまた思いも寄らない発想で、踏み込んで来た。
 「おい、おい。よく言うよ。意識的に仕掛けようと言うんだね。確かに、そう云う事は言えそうだが、純には負けるよ」相田は、予想外の議論の進展に戸惑いながら、土屋に意見を求めた。
 「車掌さんにものを尋ねること自体は問題ないと思いますよ。錯覚するかどうかは車掌さんサイドの問題ですが、意識的に錯覚を誘うような行為はフェアーじゃないです。JRサイドもそこまでやられると打つ手がなくなって大変なことになる」相変わらず真面目な顔つきで、土屋は好ましくない行為であると指摘した。
 「フェアーでなくて、それは悪質な部類に入るでしょうね。若し、二人以上で組んで対応するといろんな悪質な手法が可能になり、JRも手に追えなくなってしまいます。例えば、ステップ5でのJR構内からの出場でも、先ほどの事例でも申し上げましたが、一人が一旦出場し、入場券を二枚買って戻ってくれば、もう一人の出場も可能になりますし、それ以外にもいろんなバラエティが考えられます。このようなやり方は、明らかに不正な違反行為であって、今回の我々の研究会では、検討対象外です」相田は、あくまでも研究会の原点の主旨に則って対応すべきだとやや語気を強めて言い切った。
 土屋も、その通りと言わんばかりに大きく頷いていた。(以下、明日に続く)

1731 土俵、そして一礼の文化

 戦いの場の土俵を離れる際に、勝ち負けの結果は別として、その土俵に一礼する文化は素晴らしい。昨夜、真弓監督が神宮球場を出る際に、その一礼をしたのを見て感動した。

1、独り言コラム
 大相撲秋場所が始まった。賭博などの問題で自粛もあって、東京での正式な場所は8ヶ月ぶりである。観客の入りは今一つだそうだが、今場所は、日馬富士の綱取、稀勢の里、鶴竜、それに琴奨菊にも大関取りが掛かっているので、面白い勝負が見られるのではなかろうか。目下、大関以上に日本人の力士がいないという異常な状況だけに、稀勢の里と琴奨菊には大いに頑張ってもらいたい。なお、力士が戦い終わって土俵を去る際の一礼は、当然のことで、改めてここで取り上げる話題ではない。
 さて、頑張ってもらいたいと言うことでは、野田佳彦新内閣だ。出だしから失言のオンパレード、そして遂に、鉢呂吉雄経産相は、放射能をつけたるぞ、と云う失言で引責辞任した。国会と云う土俵に上がる前の辞任は、野田内閣に大きなミソをつけたことになる。それよりもけしからんのは、国会は明日開かれるが、所信表明、代表質問だけしか行わず、予算委員会という大事な土俵には、今回は上がらないというから困ったものだ。適材適所の人事を行ったにも関わらず、そんなに自信がないのでは先が思いやられる。短命のにおいがしないでもない。
 既にロンドンオリンピックの土俵に上がる権利を得たなでしこジャパンが、昨夜は主戦力を休ませたが、中国に勝って、4勝1分けの負けなしで予選の全日程を終了した。いよいよ、本番のロンドンの土俵に改めて金メダルを賭けることになる。先は長いが頑張って欲しい。
 イチロー選手は、現在167安打で、200安打まで残り17試合で33安打という追い詰められた状況だ。一昨日には1試合で4安打を打って、凄い執念を見せたが、昨日は無安打だったため、どうやら、187安打ぐらいで終りそうだ。土俵いっぱいに追い詰められていても、最後まで執念を見せるイチロー選手は大した男だと思う。そういえば、先日は先頭打者ホームランの記録を44本とし、福本豊選手の持っていた43本を塗り替えている。とにかく、どこまでやるか、イチロー選手だ。
 「流れ」と云う、影も形もない存在が、勝負という土俵では大きな影響を持っていることを実感した週末でもあった。
 その一つは、昨日の日本の女子ゴルフツアーで、美人ゴルファーの三塚優子選手がメジャーツアーを初制覇して笑顔を見せてくれた一方で、前日までトップに立っていた横峯さくら選手が、昨日の中盤から後半にかけて、面白いように短いパットを外していた。外すという流れに乗っていたようだ。同選手のファンに叱かられるかもしれないが、アンチ横峯の筆者は病院のテレビを見ながら、溜飲が下がる思いで気分は悪くなかった。それでも、同選手は上がりの2ホールで連続バーディを奪って意地を見せたのはさすがである。
 阪神がヤクルトに3連敗した。この3連戦の大事な土俵では、流れに乗れなかった阪神が、気がついたら3連敗していたといった戦いだった。一昨日の試合では痛いエラーが続いていたし、なんとなく負けの流れに乗ってしまっていたようだ。流れというのはなかなか面白い。お陰で、今ではアンチ阪神ファンである筆者の気分は上々だ。
 このテレビ中継を見ていて、中継時間の最後の場面だったが、とても感動したシーンを目撃した。冒頭にも書いたが、記者に囲まれながら歩いて球場を出ようとした真弓明信監督が、球場の出口のところで向き直って、球場に一礼したのである。よく陸上の選手が、ゴールした後にコースに向かって一礼するシーンを見かけるが、野球の選手、いや、監督自らのそんなシーンを目にしたのは初めてで、それまで、それほど好きではなかった真弓監督に、新たな魅力を発見した。三連敗戦という痛手をこうむった直後にも関わらず、その礼儀に対する素晴らしい心掛けは、誠にあっぱれだったと思った。
 勝ち負けは別にして、戦い終わった土俵を去る際のきちんとした一礼は、如何にも日本文化の素晴らしい一面だと改めて思ったのである。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時起床。体重、61.6Kg。お天気は、今日も晴れ時々曇りのようだ。
 昨日の雅子は、久し振りに目を開けて反応してくれる時間が多く見られた。夕方のゴルフ中継では、ちらっと画面に視線を送る様子もあって、ほっとさせてくれた。体調がよかったのかもしれない。やはり、反応が見られると、傍にいて、こちらも元気が出るから不思議である。

3.連載、なんたるちあ(49)

   8.冴えない日々(5)

 新しい年は、差し当たっては特に変わったこともなくスタートした。相田の気持ちの中では、暫くは、この前の役員人事での無念さが尾を引いていたが、意識的に心機一転に心がけ、次ぎへのチャンスを目指してゼロからやり直すつもりで業務に取り組んでいた。建築業界は相変わらず過当競争が続いていたが、幸いにもそれまでの活況を継続していた。
 そんな中で、一月の最終金曜日には第三回事例研究会は予定通り行われた。寒さが和んだ一日だった。新年ということもあって、参加者の気分もすがすがしく活気に満ちた新鮮な張り合いのある研究会となった。先ずは、相田が年末年始に体験した二つの検証事例を紹介し、それをきっかけに議論が始まった。
 「相ちゃんって、いい格好しいね。せっかく無傷の乗車券だったのに。もったいないじゃない?」相田の説明が終わるのを待って、純が残念そうに切り込んで来た。無傷の東京―西大津間の切符についての指摘である。この日の純はイエローのスーツで若々しさを強調していて魅力的だった。
 「その切符がこれだよ。記念に取って置いた。いい格好しとかいったものじゃないんだよ。当然な行為なんだ。前にも言ったように、法に触れそうなことはやってはいかんからね。この研究会は、あくまでもJRの体制の不備や盲点を洗い出すことだから」相田は保管しておいた切符を見せながら、法律厳守の精神とこの研究会の狙いを改めて強調した。
 「その通りね。仮にキャンセルして払い戻しするにしても、東京でキャンセルするなら『旅行を取りやめた』ということで自然な形で申し出られるけど、ローカルな駅で、しかも、到着地の近くでのキャンセルだから、不自然さが目立つわね」相田が差し出した切符を見ながら、いつもはあまり発言しないママが、純を見ながら諭すように、無理なことをしてはいけないという考え方を披露した。
 「到着地だっていいじゃない。うっかり、ダブって買ったと言えばいいじゃない? 友人がうっかり別に買っていたということにでもすれば」ここまで来ると純の考え方も、純情な一面は何処かに消えてしまい、すっかりと強気そのものになって来ていた。
 「純も随分変わって来たね。君には負けるよ。繰り返し注意しておくけど、この研究会はあくまでも事例研究であって、その成果を悪用しないのが建前だから、充分注意してくれないと困るよ」相田は笑いながら釘を刺した。
 「分ってるわよ。悪用はしないわ」純は、そう言いながらも、残念そうに相田が残していた切符を握り直していた。(以下、明日に続く)

1730 三変化を経て

 あの911から10年目、そして大震災からは半年目の節目の日である。この二つ大事件は、突然襲って来て一瞬の内に破壊、崩壊をもたらした。恐ろしい思い出である。今朝は、それらとは逆の、ホップ、ステップ、ジャンプの歩みを見せながら変化を見せてくれた幾つかの話題を拾ってみた。結果は良否さまざまだ。

1.独り言コラム
 昨夜、鉢呂吉雄経産大臣が、自らの「放射能をつけるぞ!」の失言の責任を取って辞表を出して受理された。野田内閣が成立して九日目の事件である。
 適材適所の人事と言った成立直後から、一川保夫防衛相の「私は素人」、小見山洋子厚労相の「煙草700円」そして平野博文国対委員長の「この内閣は不完全」と三人のホップ、ステップ、ジャンプの芳しくない発言の連鎖の果ての馬鹿げた発言での無様な辞任劇だった。ドジョウ内閣という地味な表現で共感を呼んだ一面もあったが、バランスに気を使い過ぎた不適材不適所内閣であるだけに、先行きが大変心配だ。多難な船出である。
 さて、この種の3変化を見せた話題で、最も面白かったのが、黒い交際で芸能界を突然引退した島田紳助氏の三変化だ。紹介すると、同氏は京都の大谷高校の出身なのだが、学校では「昔は、我が校のゴミだったが、それが、我が校の誇りに出世、そして、最後は、無念にも、我が校の黒いカビとなった」という履歴である。
 政権交代を果した民主党の総理の三変化も面白い。最初がパーの鳩山さん、続いて、チョッキットアカン(菅)で、今度こそはグーで大丈夫なのだ(野田)」と云うのだが、早くも破綻が…。
 尖閣諸島での中国船衝突事件では、「最初は堂々の逮捕、続いて、強気の拘置延長、しかし、最後は尻尾を巻いて慌てて釈放」という強気と弱気の対応が交錯したが、それを受けて、神戸海上保安庁の一色春樹氏が取った義憤に満ちた行動は、最初がCNN,続いてU-チューブ、そして、最後は堂々の出頭だった。お見事である。
 歌手の小林幸子さんは、幼い頃は、ひばり二世、大人になって大型衣装で見せる歌手、そして遂に57歳での高齢結婚に踏み切った。ご立派。
 小泉純一郎内閣では、最初は真紀子さんブーム、そして郵政選挙ではチルドレンの誕生、今は小沢ガールズたちが話題だが、彼女らはどうなるのだろうか。
 消費税に関しては、最初は竹下登内閣で3%を導入、続いて橋本龍太郎総理で5%にアップ、そして今度の野田佳彦総理で、更なるアップを図るが、前の二人は選挙で大敗した、果たして、野田さんは、…?
 出世魚ではないが、何事も一気の大変化よりも、三変化ぐらいでの穏やな変化でスムーズに進むのが無難と思うのだが、…。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時40分起床。体重、61.4Kg。お天気は晴れ時々曇りのようだ。
昨日の雅子は、終日、反応が乏しく、寝たきり症状だった。午後には車椅子での散歩をしたが、ほとんど目を開けてくれなかった。

3.連載、なんたるちあ(48)

  8.冴えない日々(4)

 検証を終えて自宅への道を歩きながら、この事例で乗車券を無傷で確保できた大きな理由は、なんと言っても、年末の混雑が車内検札を不能にしたこと、また途中下車の押印も混んでいたことがそれを妨げたのであり、ポイントは「混雑さにある」と結論付けた。逆にいえば、込んでいる列車、或いはそのタイミングを意識的に選択することで、切符の無傷を確保する確率を高めることが出きるのではと考えた。また、この検証で、最後の改札を抜けるために、何か工夫をすれば、例えば何か別の切符を用意することを考えれば、新たな可能性があることは確かだった。いずれにしても、今後の課題として更なる検討の余地があると考えるのだった。
 さて、望外の結果として「無傷の乗車券」が手元に残ったが、この処理について相田は、今回はあくまでも検証することに意味があったという原点に戻り、道義的に引っ掛かる払い戻しによる換金は一切考えなかった。相田には、厳然とした正義感が働いていたことは言うまでもない。
 もう一つの事例体験は、正月が終わって東京に戻る1月4日の帰路でのことだった。十時半から始まる新年のセレモニーに顔を出すため、京都駅を7時過ぎのひかりに乗車した。乗車券は西大津から東京都内を求め、通常通り、その切符でJR構内に入場した。しかし、往路と同様、復路も車内検札の実態を検証してみたいとのことから、座席指定ではなく自由席特急券で自由席車両に乗り込んだ。
 年始のこともあり、満員で立ち席を承知での乗車だったが、思ったほど込んではおらず、京都駅からの乗車であったが、すんなりと空席を見つけることができた。京都を出て暫く経過し、米原に近づいた頃に車内検札が始まっていた。しかし、相田は朝が早いこともあってうつらうつらしていた。そのうつらうつらの中で、隣の乗客にまで検札が進んで来ていることを察知はしていたが、その隣の乗客が車掌に、連絡列車の確認やそのための乗車券の変更などを申し入れたようで、相田の手前で随分と長い時間を取っているようだった。
 今か今かとうつらうつらしながら待っていたが、何と車掌はうっかりして相田の検札を行わないまま通り過ぎて行ったのである。相田は、うつらうつらの中で「あれあれ」と思いながらそのまま仮眠を継続した。結局、隣の客での取り込みがあった結果、車掌が錯覚して通り過ぎたのか、或いは眠っている客に気を使ったのか、相田の席を飛ばした形での検札だった。もちろん、その後東京に到着するまで検札は来なかったので、相田は結果的には、検札が行われたにも関わらず、検札を受けることなく東京に到着するという事例を体験が出来たのある。相田は、この二つの事例は、次回の研究会で紹介するいいテーマだと思うのだった。(以下、明日に続く)

1729 発言の軽率さにびっくり、がっくり、うんざりだ

 本心をうっかり吐露してしまう発言が目立つ。その一方で直ぐに分かる大嘘をつく。発言はもっと慎重であるべきだろう。中には、ほっとする発言もあって救われる気持ちになることもある。

1.独り言コラム。
 今度は、鉢呂吉雄経産大臣が失言した。懸命に復興を目指して頑張っている震災地を訪れた同氏が、福島第一原発集辺に対し「死の町」とか「放射能をうつしてやるぞ」といった発言をした。コメントに値しない常識が欠如した発言で大臣の資質に関わる発言だ。本人は、直ぐに発言を撤回したというが、先の一川防衛大臣の「僕は素人」発言、平野博文国会対策委員長の正直な「今の内閣は充分な答弁ができない」などの発言は、本心がうっかり出てしまった発言だが、いわゆる問題発言である。それなりのポストにある人は、もっと発言の重さを自覚すべきであろう。
 芸能界を震撼させた島田紳助の引退会見での「大嘘」には驚かされる。「黒い交遊に関して、写真があるとか、メールがあるとか、週刊誌が何回も取り上げていたが、やっていない訳だから、そんなのがある訳がない」を興奮した表情で啖呵を切っていたが、ここに来て、続々とその種の証拠が出て来ている。直ぐに分かるような嘘を、頭のいい紳助がどうして言ったのか、理解に苦しむ。一時は、筆者もその頭の回転の良さや、捲くし立てる流暢な喋りに感心し、ファン気分になっていたのだが、まあ、結局はその程度の男だったということになる。ファン気分になっていた自分が情けない。
 なでしこジャパンはロンドンオリンピック出場を決めたが、先の北朝鮮戦で、ロスタイムでクリヤーミスをして同点を許した近賀ゆかり選手が、試合終了直後は涙を浮かべていて気の毒に思ったが、昨日は明るい顔でインタビューに答えていたのを見て、ほっとしたものを覚えた。大事なところでのミスは、時として立ち上がれないことがある。まあ、負けたのではなかったので救われた面もあったと思う。
 自衛隊の行動や核の扱いで前原誠司政調会長がワシントンで前向きの発言をして注目されている。政府内では困惑の反応も出ているようだが、果たして、野田総理とはどのような連携がされていたのか気になる。しかし、何時までも非核三原則ではないだろうし、自衛隊の手足を縛った対応はもう時代遅れである。筆者は、勇気ある発言として捉えている。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時半起床。体重、61.7Kg。お天気はすっきりせず、午後には曇り空との予報。
昨日の雅子は、午前中は、反応が乏しかったが、午後の入浴後は、少々回復していた。9月に入って、寝たきり症状が増えている。

3.連載、なんたるちあ(47)

  8.冴えない日々(3)

 まず、年末の帰宅時の体験である。帰宅日はたまたま仕事の関係で金曜日の夕方となった。途中下車の検証を意識して、乗車券を普段なら西大津とすべきところを、同じ湖西線の西大津より三つ先の堅田とした。西大津の隣の叡山駅では、途中下車するには余りにも近すぎると考えたからである。料金は少々高くなったが研究のための必要経費と考えれば安いものである。乗車券の無傷回収を念頭に置いていたから、JRへの入場は定期券で入場、そして新幹線構内への入場も、今までの研究会の成果を活用し「自動改札を通らずに、係員のいる改札で、自由席特急券に検印を受けただけで入場した。その際、乗車券は見せたが、幸い検印を受けなかった。 
 「なるほど、検討会の事例の通りじゃないか」と相田は一種の妙な快感を覚えていた。年末の金曜日の夕方ということで、指定席は売り切れで、東京駅新幹線ホームの自由席のプラットホームは大変な混雑ぶりで、座席の確保に不安を思った相田は、思い切って三十分程度先の列車に忍耐強く並ぶことで席の確保が出来た。列車は東京駅を出る時から、自由席車両は相当な込み具合だった。多分、140とか150パーセントぐらいの乗車率だったのではと思う。しかも、この列車は新横浜に停車する列車だったので、新横浜では、その込み具合は更に大変なものとなった。通路で立っている乗客が多く、連結部分では移動が思うに行かない状態であった。このため車内販売のワゴンも自由席には来なかった。果たして、この状態での車内検札はどうなるのか、相田は強い関心を持って動向を見守っていた。
 名古屋に着いて、混雑が少しは改善されたものの、それでもまだかなりの立ち席で乗客が頑張っていた。そして、案の定、京都に着くまで自由席での車内検札は実施されなかった。その時、相田は、研究会で紹介した事例1に似たケースが、この自分の場合にも同じような軌跡を描きながら進行していることを意識した。そこで、新幹線から湖西線に乗り換えるため京都駅の新幹線構内を出る改札でも、再び研究会での知見を念頭に置いて、自動改札を避けて駅員のいる改札口を選び、そこで乗車券を見せ、特急券のみを手渡し通過した。駅員は「有難う御座います」と言って特急券を受け取ったが、乗車券にはあまり注意して見ていなかったようだった。何の問題もないスムーズな乗り換え改札口の通過だった。
 かくして、湖西線に乗車するまでは、乗車券は無傷のまま手元に残っていたのである。ここまで来ると、相田自身も幾ばくかの興奮を覚えていた。湖西線で、西大津駅までの十分間程度は瞬く間に過ぎた。ホームに降りた時、一考は、ここで、若し定期券でも持っていれば、そのまま改札を通り過ぎることが出来る。そうなれば、それは事例2のケースに該当することになる。折角、東京からここまで乗車券を無傷のまま運んで来ただけに、何とかこの「無傷のままの乗車券」を守りたいといった妙な衝動に駆られたのである。頭の中では、ここを通過できる何か別の切符でもないものかと考えたりもした。不思議な興奮だった。
 しかし、今日は乗り越しでの検証が目的でもあることを思い出し、西大津駅に着くと、相田は気息を整え、姿勢を正し、落ち着いた態度を意識して装いながら、係員のいる改札口に真っ直ぐ進み「途中下車です」と言って係員に切符を見せた。ラッキーなことに改札口も立て込んでいたことも幸いしたのか、係員は切符をちらっと見ただけで「どうぞ」と言ってくれたのである。その結果、何と、乗車券は無傷のまま手元に残ったのだった。望外の結果だった。「やった!」といった思いが胸中を駆け抜けた。いささかの興奮で鼓動が早撃ちとなっていた。検証は思っていたよりもスムーズに新しい事例を誕生させることになった。(以下、明日に続く)

1728 笑うに笑えない話

 心底から笑える爽やかな話が少ない。何しろ、泥臭いドジョウ内閣なのだから、止むを得ないのかもしれない。

1.独り言コラム
 ドジョウで売り出した野田新内閣だが、成立直後から、泥臭い冴えない話題が絶えない。大体に置いて、自分がドジョウのような男だから、支持率は急には上がらないだろうし、だから、解散しないと宣言して新人議員から票を稼ぐなどといった、下心、計算が細かく、そんな小細工で、ドウジョウ(同情)を買おうとして、それが当たった訳で、手口が爽やかであるわけがない。笑うに笑えない戦術と申し上げておこう。
 さて、情けない話しの手始めは、一川保夫防衛大臣が、「自分は素人なので、これこそが、シビリアンコントロール(文民統制)だ」と言ったことが波紋を呼んでいる。自民党からは「解任に値する」との声が出ており、資質と任命責任が問われる問題だ。笑うに笑えない話だ。
 また、臨時国会の会期を巡る議論の中で、平野博文国対委員長が「今の内閣は、不完全な状態で、充分な国会答弁が出来ない」という理由で会期を4日間の短い期間にすることを主張しているという。本当のことを素直にいい過ぎたということのようだが、笑うに笑えない話だ。国民を馬鹿にした組閣だったことが分かる。
 沖縄の那覇発羽田行きの全日空機が、浜松上空で機長がトイレに行っている間に1900メートルも急降下するトラブルがあって、乗員二人が怪我をしたという。6日に起きたトラブルだったが、副操縦士のうっかり操縦だったという。下手すると大事故の危険もあった訳で、笑うに笑えない。
 先月末、石川県で起きた事故で、妻が誕生日の夫を驚かせようとして、友人達と砂浜に落とし穴を掘ったのだが、誤まって二人がその落し穴に落ち込んで亡くなるという痛ましい事故があった。いたずらも、笑える範囲にしておくべきだ。
 そんな中で、昨日のなでしこジャパンの引き分けは複雑だった。北朝鮮の攻勢に圧倒されていたのだが、ゲーム終了間際に相手の自殺点で貴重な1点を奪って、逃げ切ったと思われたが、ロスタイムでミスもあって、その機に乗じて、綺麗にシュートを決められて引き分けとなった。笑うに笑えなかったが、その後に行われた試合で、中国がオーストラリアに負けたことで、なでしこジャパンのロンドンオリンピック出場が決まった。まあ、よかった、ということなのだが、心底から笑えないような気分でもある。
 そんな中で、女子プロゴルフ選手権コニカ・ミノルタ杯の初日で、久し振りにベテラン不動祐理さんがー5でトップタイの出だしである。このまま突っ走って、51勝目を奪って欲しいのだが、…。笑うに笑えない結果だけは避けて欲しい。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時半起床。体重、62.1Kg。台風14号が近づいて来ているので、その影響で午後には崩れるとの予報。
昨日の雅子は、寝たきり状態の時間が多かった。午後には、2時間車椅子で散歩したが、時々は目を開けてくれたものの、反応は乏しかった。

3.連載、なんたるちあ(46)

   8.冴えない日々(2)

 話は少し余談になるが、相田は「結婚」に対し、独自の考え方を持っていた。簡単に言えば、結婚することで、男女はそれぞれ自分の将来の幸せを相手に賭けるという考え方である。つまり、男は自らの一生をその相手の女性に賭ける訳で、その女性次第で得られる幸せの度合いが左右される。また、逆も同様である。しかし、男の場合は、幸せのもう一つの鍵である経済力を自らが握っていることが多く、幸福の全てを相手の女性に頼っている訳ではない。
 それに対して、女性の場合は、今でこそ、仕事を持っている女性が増えて来ているとは云え、結婚後も自らが経済面で主役となることは少なく、夫の甲斐性に自らの幸せを賭けることになる。だからこそ、「自分の甲斐性に全てを賭けてくれた女性に、その女性が自分以外の如何なる男性と結ばれた場合よりも、より幸せな生活を提供することが、男が果たし得る最大の愛情の表現である」というのが相田の持論だった。
 そのため、「家庭のことは可能な限り妻に任せて、男は全力を挙げて仕事に取り組んで出世を目指す」が相田の考え方の基本だった。言い換えれば、男は、多少は家庭のことで妻に負担を掛けることがあったとしても、仕事で勝利することで、妻や家庭によりよい生活を提供することで報いればいいと相田は考えていた。それだけに、今回の役員昇進で同期生に又しても置いてきぼりを食ったことは、その持論を実践で示すことが出来なかったことであり、改めて「申し訳ない」との思いを強くするのだった。
 いずれにしても、この年の正月休みのほぼ一週間を、家庭的な良き夫を無事に演じ通して東京に戻った。相田から、今回の敗北について妻に語ることもしなかったし、妻からも、夫の昇進などに関する問い掛けもなかった。それは妻のいつものパターンであって、夫への思いやりだと相田は解釈していた。
 ところで、相田は、この正月休みの東京と自宅の往復の機会を捉え、JRに関するいくつかの新しい体験をすることが出来た。例の事例研究会のことが頭にあり、このチャンスで検証して見たいとの意欲が根底にあったからである。
 今までの二回の研究会での議論を通じて、相田の頭の中には二つの実態チェックの課題を念頭に置いていた。一つは、途中下車、今一つは車内検札についてであった。相田は、この検証のため、往復とも意識的に新幹線自由席に乗車してその検証に挑戦した。勿論、この年末年始の期間はエコノミー切符が使用できないことから、通常の乗車券での乗車だった。(以下、明日に続く)

1727 連勝、連覇

 今年の陸上競技界は、ハンマー投げの室伏広治選手の17連覇、槍投げの村上幸史選手の12連覇という凄い記録が話題になった。一人の選手が、10年、20年もトップの座を占めるのは驚異的だ。今朝は、ここ一週間の連勝、連覇の話題を拾ってみた。

1.独り言コラム
 プロ野球では、オリックスが昨日も楽天に勝って9連勝を果たし、貯金1とした。同チームの9連勝は14年ぶりのことだという。因みに、同チームの最多連勝記録は13連勝(1994年)である。また、プロ野球の連勝記録は18連勝で、ソフトバンク(南海ホークス時代:1954年)とロッテ(大毎オリオンズ:1960年)が記録している。さあ、オリックスは何処まで迫れるか楽しみである。
 日本経済新聞社主催の今期の将棋王座戦は、羽生王座に渡辺明竜王が挑戦するという好カードである。期待の第一局が昨日行なわれ、終始局面をリードしていた渡辺竜王が、終盤で梃子摺ったものの、しっかりと勝ちきって幸先よい一勝を挙げた。
王座戦のタイトル戦で19連勝中だった羽生王座だったが、残念ながら、大台の20連勝はならなかった。なお、数字的に面白いのだが、羽生王座は、この棋戦では目下19連覇中であり、残りの4局で3勝すれば、逆転で20連覇となる。しかし、渡辺竜王は、今期は絶好調で昨日の勝ちを加えて、今期の成績は14勝1敗で、しかも、目下10連勝中である。それだけに、羽生2冠も勝つのは容易ではなさそうだ。
 なお、渡辺竜王は竜王位を7連覇中で、来月から始まる竜王戦で8連覇を目指すことになる。また、同氏のこの好調が続くと、1967年に中原16世永世名人が記録した年間勝率、8割5分5厘(47勝8敗)を更新する可能性がある。まさに、驚異の快進撃である。
 さて、なでしこジャパンが、今日北朝鮮と対戦する。これに勝てば、来年のオリンピック出場が決まる。目下、その最終予選リーグで3連勝中で、トップを走っているのだ。しかし、北朝鮮も2勝1引き分けで、なかなか好調のようで手ごわい相手で、油断禁物である。それにしても、食料不足で困っている北朝鮮だが、選手たちの運動量が豊富なのが売り物だという。選手たちが特別扱いされている証であろう。かつての東ヨーロッパがそうであったように、中国や北朝鮮の独裁国は、国が力づくでスポーツ選手の強化を図っているのだ。それだけに、そんな国には負けて欲しくはない。なでしこジャパンの爽やかな4連勝でのオリンピック出場決定の瞬間を見守りたい。
 
2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時起床。体重、61.4Kg。お天気は今日も良いとの予報。
昨日の雅子は、午前中だけでなく、午後も寝たきり状態の時間が多かった。心配である。

3.連載、なんたるちあ(45)

  8.冴えない日々(1)

 相田は、例年のように、正月を家族と共に西大津の自宅で過ごした。普段は、ばらばらで生活している二人の息子達も珍しく一緒に揃い、年老いた両親も幸い元気で何年かぶりの家庭的な正月であった。意識して「いい親父ぶり」を装ってはいたが、その一方で、心の中では先の役員人事のこともあって、不満が鬱積した重苦しい気分をその裏側で背負っていた。しかし、家族にはそのことを悟られてはいけないとの配慮で精一杯明るく振舞うことに心がけた。
 相田夫婦にとっては結婚して二十一回目の正月であった。三年前に相田が五年間努めた大阪勤務から東京勤務に戻った時から、妻の雅子に無理を言って、自分の両親の面倒を見てもらい、単身赴任生活に入っていた。幸い、雅子も長男の嫁であるとの自覚もあって、いろいろと不満はあったようだが、夫の考え方に従ってくれたことに相田は感謝していた。両親とも高齢だった。父が明治の生まれでもう卆寿に近く、母も八十歳を過ぎていたが、二人とも比較的健康であったことは幸いだった。
 雅子が気苦労だったことは、相田には五人の姉妹がいたことだった。一人が東京で家庭を持っていたが、あとの四人はいずれも近くに住んでおり、皆それぞれ異常なほど両親思いであった。特に、東京住まいの二番目の姉が子供もいないこともあって、両親の世話に可能な限り頻繁に顔を出していた。両親にして見れば、時々顔を見せてくれる子供達の来訪を有難がることが多く、いつも傍で面倒を見ている雅子には面白くないこともあった。また五人の姉妹達は、とても家族愛も強く、助けられることも多くあったが、その一方で、時には、その中に立ち入ることを憚られるようなこともあり、疎外感を味わうこともしばしばあったが、生まれつき明るい性格の雅子には、それが大きな問題になることは無かった。
 一方、圭一との間では、二人の息子に恵まれていた。兄の方が高校時代に学校の教育方針に納得が行かないということで、一時は登校拒否を続けることがあって、卒業が難しくなるような事態に追い込まれたことがあり、大変な苦労をしたようだった。しかし、強引に車に乗せて連れて行くなどの努力を重ねて、何とか規定の出席日数をクリヤーさせ、事なきを得たのであった。圭一にしてみれば、後述するように、子供の教育は妻の責任ということで任せきりにし、仕事にすっかり埋没していただけに、今では、妻には大変申し訳ないことだったと思うのである。特に、息子も高校生になると、体格的にも自分よりも大きく、理屈的にもしっかりして来ており、その扱いの難しさには察して余りあるものがあった。(以下、明日に続く)

1726 深層崩壊

 十津川村で起きた大災害は、深層崩壊によるものだという。

1.独り言コラム
 耳新しい言葉である。昨日のNHKのクローズアップ現代で取り上げていた。紀伊半島で起きた大規模な地滑り、山津波はこの深層崩壊によるものだという。
 これは、山の表面が崩れる「表層崩壊」とは違って、大量の雨が地下深く岩盤までに浸透し、岩盤ごと崩壊して地すべりを起こす大規模な土砂崩れを言うようだ。今回起きた十津川村の地すべりはその深層崩壊だという。
 確かに、災害現場の映像を見ると、あの東日本大災害を思わせるような酷い被害状況で何が起きたのだろうとさえ思わせる。改めて、津波、山津波の恐ろしさを実感したのである。
 この種の深層崩壊は7年前に、奈良県五條市大塔町で起きていて、その時の凄い映像が残されている。また、2年前には台湾でも台風8号で、一つの村が埋まったしまった深層崩壊が起きていた。大量の雨が降った場合には、その辺りの危険にまで注意をしなければならないことが、改めて確認されたことになる。
 ところで、今回のその深層崩壊が起きた十津川村だが、日本で実効支配している村では、一番大きな村だと云う、その大きさ(面積)を確認してみて分かったのだが、ほぼ琵琶湖の広さ(精確には2平方キロほど十津川村が広い)である。つまり、滋賀県の広さの1/6というから、大きな村であることを改めて実感した次第である。
 さて、野田新内閣が発足したが、日本の政治はどうなってゆくのだろうか。取り敢えずは民主党も党、内閣の人事でバランスを取って纏めてはみたものの。所詮、考え方が大きく違うグループをテープで貼り合わせたような状態だといえる。やがて、深層崩壊のような分裂が起きるのではなかろうかと不安を感じている。また、経済面でも、国が大きな借金を抱えて打つ手がない厳しい状況の中で、株価がどんどん下がっているし、為替も77円台と高すぎるレベルで落ち着こうとしている。このままの状態が続けば、日本に深層崩壊が起きる危機が、…。
 新内閣には、何らかの抜本的な対応を執ってもらいたい、と期待している国民がほとんどだろう。さあ、ここからが、野田内閣の手腕の見せ所なのだが、何をやってくれるのだろうか。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時半起床。体重、61.9Kg。お天気は今日も良さそう。
 昨日の雅子も最近のパターンの典型で、午前中は反応が乏しく、寝たきり状態だったが、午後には、こちらからのお話を興味深そうに目をしっかり開けて聞いてくれていた。複雑な心境だ。

3.連載、なんたるちあ(44)

  7.落胆(7)

 一段落したところで、土屋が改めて二人の女性に感想を求めた。
 「二つとも面白い事例だったわね。だけど、前にママが言ってたけど、事例2の場合で、盛岡での駅員の好意が仇になったのは少し引っかかるわね」純が素直な感想を漏らした。
 「それと、今の相ちゃんの基礎解説、表示方法と土屋さんの要因分類も分り易かった」ママも頷いて同意した。
 「なかなか、素晴らしい議論が出来たと思います。それでは、ここからは新たな事例の紹介に入ります。まず、私から新しい事例3の紹介をしたいと思います。宜しいでしょうか? なお、これは、自分の弟からの情報です」そう言って、土屋は具体的な事例の紹介に入った。
 弟は或るメーカーに勤めているのですが、或るとき、商社の相棒と二人で大阪に出張した際の帰りのこと、彼らは節約のため新幹線自由席のエコノミー切符を使用していたが、自分の切符を相棒の商社の人に預けていたのをうっかり忘れてしまい、相棒が先に入場してしまったため、慌てて入場券を購入して入場し、新幹線構内で切符を受け取ったことからこの事例は始まっています。途中、車内検札もなく東京に到着、新幹線構内を出る際に自動改札を通らずに駅員に切符を見せて通り抜け、最後は定期でJR構内を出たため、エコノミー切符が傷つかずそのまま残ったので、近く出張を予定している後輩に売ってやったという事例である。
 「なるほど。この事例3では、ステップ1、2が入場券で、ステップ3がなく、ステップ4がエコノミー切符を駅員に見せることで通り抜け、ステップ5では定期で通過ということですね」相田が自分の分析したステップ論に合わせてコメントした。
 「その通りです。入場券で新幹線構内まで入場していたことが、今までの事例にないところです」土屋はこの事例の新しいポイントを繰り返して説明した。
 「なかなか面白いじゃないですか。純ちゃんが先ほど言った入場券の活用ですが、このことは、新幹線駅のホームまで人を送りに行った際などにいつも使っている常道で、そこまでは基本的には何ら問題はありません。しかも、この場合は、純ちゃんの言った車内清算するのではない使い方です。こうして考えると、まだまだいろいろなケースが出て来そうですね。ところで、土屋さん、大変申し訳ないんですが、今夜は私からの新しい事例は用意出来ていません」と相田が申し訳なさそうに弁明した。
 「いや、大丈夫ですよ。次回でいいでしょう。次回は、十二月になりますが、年末でいろいろと多忙だと思われますので、スキップすることにし、一月末の金曜日として置きましょう。如何ですか」土屋が相田の意見を求めた。
 「おっしゃる通りですね。年末ですからね。それで結構です。毎月の最終金曜日ということにしていますが、ネタが出て来なければパスするといったフレキシビリティを持つこともいいのではと思います」相田が現実的な提案した。
 「その方が長続きするかも知れませんね」土屋も異論なく賛成した。相田は会社での鬱憤をこの場で発散することで気分転換を図っているようだった。(以下、明日に続く)

1725 上がったり、下がったりで一喜一憂

 世の中、何事も上がったり、下がったりで一喜一憂していることが多い。支持率、視聴率、株価、税金、給料、成績、体重、血圧等々だが、何だか数字で踊らされているようで、味のない世知がない毎日だ。

1.独り言コラム
 野田新内閣の成立直後の支持率が各マスコミで調査、発表があったが、55~65%とまずまずの好スタートとなった。菅総理の最後が10%台だったことを考えると大きく上がった。計算づくの泥鰌も「してやったり」で、ほっとしていることだろう。
 今朝の報道では、小見山洋子厚労相が「健康のことを考えて煙草一箱を700円ぐらいにしたらどうだろう」なんて発言して話題になっている。その場合は、喫煙量が減っても、税額は今までレベルが確保されるという。そういう意味では、これは増税ではないという論理なのだろうか。しかし、世間では、増税の先陣を堂々と切った発言と受け止めており、やや軽率な発言の感は免れない。
 上がり下がりといえば、景気の指標である株価だが、新内閣が成立後も動きは芳しくなく、先週末、そして昨日も大幅に下げている。一喜一憂している訳ではないが、平均株価は、少なくとも一万円台に戻ってもらいたい。為替も76円台で推移しているが、やはり、高くても80円台までに下がってもらいたい。
 台風12号は、大量の雨を降らし、各地で河川の氾濫という痛ましい大きな被害を出した。滋賀県でも、その台風の影響で琵琶湖の水位が50センチ上がったという。単純計算で、増えた水量は、およそ3億3千トン(間違っていないかなあ?)となる。琵琶湖の面積が滋賀県の1/6であるから、水位が50センチ上がったということは、滋賀県全体の平均水位は、単純計算で8.5センチとなるが、彦根気象台の発表では、高島市の朽木では444ミリ、信楽で226ミリ、大津市内で100~160ミリとなっている。このことから、降った雨が全て一気に琵琶湖に流入してのではなく、大半が地下水となっていると考えられる。
 イチロー選手が200安打にあと23試合で40本というところにまで追い詰められている。それまでの実績から計算で予測した到達安打予測数は、一時は175本まで下がっていたが、ここに来て186本まで上がって来ている。しかし、あと23試合しかないので、40本安打は奇跡でも起きない限り難しいようだ。しかし、イチロー選手はミラクルを起こす男だ。最後まで期待して見守りたい。
 プロ野球のセ・リーグは横浜ベイスターズを除いた5チームの争いはなかなか面白い。順位は日替わりで上がったり、下がったりでファンを一喜一憂させている。最後に笑うのは何処なのであろうか。一方、パ・リーグでは楽天とオリックスがここに来て追い上げて来ていて3位争いが面白そうだ。星野仙一、岡田彰布監督の評価は、ここに来てぐ~んと上がって来ているのではなかろうか。
 一喜一憂に関係しない上がり下がりを探してみたが、エレベーターとエスカレーターぐらいしか思いつかない。他にはないのだろうか。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 5時起床。体重、61.5Kg。今日はお天気も久し振りにすっきりした晴になるようだ。
昨日の雅子は、症状はまずまずだったが、呼び掛けへの反応は乏しかった。午後には、2時間ほど車椅子で病院内を散歩した。しかし、目はほとんど開けなかった。

3.連載、なんたるちあ(43)

  7.落胆(6)

 「この場合、1と2、4と5が一緒になっているのが、新幹線構内に直接繋がっている改札口で、いずれの場合も、乗車券と特急券は同時にしっかりとチェックを受けますから、こういう改札口を利用するのは、我々の研究対象外と言うことになります」
 「なるほど。分かり易いですね。つまり、JR構内、或いは新幹線構内への入場の仕方が一つのポイントなんですね」純が、納得したように首を立てにして頷きながら、言葉を挟んだ。
 「鋭いですね。その通りなんです。前回の二つの事例について考えて見ますと、事例1の場合は、1のJR構内への入場では、ローカル線の切符で入場し、2,3,4のステップではラッキーが重なってノーチェック、そして5のステップでは途中下車をしたが、乗車券の検印を受けなかったというラッキーがあった。事例2では、1のステップはローカル駅のため、早朝だったことで駅員が居なかった、同じく2,3,4ではラッキーや親切があって、乗車券はノーチェック、そして5のJR構内からは定期券で出場したことで、乗車券の無傷が成立したのです」相田はここまで言って、皆の顔を見回してから、ゆっくりとグラスのビールを飲み干した。皆も頷きながらそれぞれ飲み物に手をやった。
 「実に明解な解説で分かり易いですね」土屋は、相田が展開した一連の説明にほれぼれとした顔つきで頷きながら聞き入っていたが、一段落するのを待ってそう褒め称えた。
 「これなら、私にも良く分るわ」純も楽しそうにそうコメントした。
 「そうですね。明解ですね」ママも理解し易い説明に満足した様子である。
 「今の解説に沿って、改めて切符が無傷でパスできた内容を更に踏み込んで考察すると、四つぐらいのカテゴリーに分類出来そうですね。相田さんの方式に習って、同じように表にしてみましょう」土屋も相田方式が気に入ったのか。今度は自らも負けじと同じようにメモ紙に次のような要因別の分類表を作成した。
   ………………………………………………………………………
    1.ラッキー   切符をきちんと買う時間がなかった。
    2.JRの慣習  新幹線構内への入場では乗車券をチェックしないことが多い
    3.JRの怠慢  車内検察、途中下車での押印
    4.JRの合理化 三戸駅の駅員不在
………………………………………………………………………
 「なるほど、こういう形にまとめると、社内提案をし易い形になって、これまた分かり易いですね。」相田が一応土屋の纏め方を卒なく持ち上げた。
 「これは、私の見方ですが、新幹線車内での検札については、満員で込み合っている場合は、手抜き、怠慢と云うよりは、止むを得ない事情だと思いますわよ。乗客にとってはラッキーの部類でしょうね」純がかわいく指摘した。
 「そうとも解釈できるかもしれませんね」土屋も純の考えに同意を示すように頷いて見せた。
 「これらの表を見ながら気が付いたのですが、乗車券と特急券を別々に買う方が、切符が無傷で生き残る確率が高くなっているようですね」先ほどから、じっと表に見入っていた純が、また鋭くポイントを指摘した。
 「純ちゃん。その通りだと思いますよ。なかなかやるじゃないですか。それで、その場合も、特急券は自由席が前提と言うことですよ。指定券の場合は必ず検札がありますから」相田は純の発言内容を誉めた上で、若干の補足を行った。
 「その通りね」純は可愛く頷いて見せた。相田はその可愛い頷きにほっとしたものを覚えていた。役員人事に絡む不愉快さは、この話題に集中することで、すっかり忘却の彼方に押しやっていたことで、いつもの明るさが戻っていた。(以下、明日に続く)

1724 大被害の中でラッキーな方も

 台風12号の影響は大きかった。夏の悲しい風物詩ではないが、毎年台風による被害を繰り返すのが痛ましい。科学の力で、何とかならないものなのだろうか。

1.独り言コラム
 のろのろ台風12号は高知に上陸し、四国、中国を縦断して日本海に抜けたが、この縦断に要した時間は17時間で、自転車での速度程度のゆっくりした速度だったのが、被害を甚大にした。上陸前後の影響時間を勘案すれば、丸二日間ぐらいの影響を与え続けたことになる。
 死者26人・行方不明54人、家屋の倒壊、流失など甚大な被害を出したが、雨量において、各地で大変な記録を生んだ。和歌山、奈良、三重県で特に酷かったようで、奈良県の上北山村では1800ミリを記録、これは、この地方での年間雨量の7割であったという。他にも三重県の大台町で1600ミリ、和歌山県古座川町の西川で1100ミリを記録した。また、西村京太郎のトラベルミステリーで活躍する警部の名前で親しみがある奈良県の十津川村でも、増水による痛ましい犠牲者が出ている。
 地震や津波の天災と違って、台風は、ほとんど毎年と言っていいくらい襲ってくる。しかも、その発生から進路を追ってフォローできているにも関わらず、科学が進歩した今日において、これに打つ手がないと言うのは意外な現実であると思う。そういえば、先日アメリカでもハリケーンの「アイリーン」が米国本土を襲って大きな被害を出した。他にもインド洋ではサイクローンがあって、世界的な天災なのだ。ほんとに何とかならないものなのだろうか。
 そんな被害甚大の中で、この影響を受けて笑った人もいた。その一人が、昨夜阪神を7回まで零封し、8回コールドゲームで勝った横浜ベイスターズの三浦大輔投手だ。このところ調子を取り戻して来ている阪神だけに、あと2回を抑えきるのは容易ではなかったはずだ。まさに恵の雨だったに違いない。この3連戦雨で2試合が流れていただけに、天候不安の中でゲームを強行した阪神球団は痛い一敗で、大きな誤算だったに違いない。これで、阪神は三度目の貯金ゼロとなった。それにしても阪神の4番打者が関本賢太郎と云う真弓采配は、如何なものだろうか。
 男子ゴルフツアー、フジサンケイクラシックで、石川遼選手の3連覇を抑えて、初優勝を果した諸藤将次選手も台風12号でラッキーを得た一人だろう。4日間の戦いが、初日は中止、2日目と3日目は中断を重ね、昨日の最終日も、朝は激しい雨の中で開始されたという。そんなことで実質2日間(36ホール)の戦いになったことで、思わぬ優勝が転がり込んできた。ホールアウトする際にまだ多くのプレーヤがプレー中で、順位も確定していなかったことで、ガッツポーズも控えめで抑えていたと言う。それでも、嬉しい初優勝だったに違いない。台風12号様々の一人であることは確かだ。
 悲喜こもごもというが、98%程度が「悲」で2%程度の方が「喜」の一日だったと言えよう。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時起床。体重、61.6Kg。台風の影響は、今朝も残っていて、スッキリしない天気のようだが、午後には回復しそう。
 昨日の雅子は、まずまずの症状だった。それでも、午前中は、呼び掛けへの反応は乏しかったが、午後になってし回復し、今にも喋り出しそうな顔で見つめてくれていた。なんだか、こちらも嬉しくなってくるのだが、所詮、そこまでの様子がいっぱい、いっぱいなのだ。

3.連載、なんたるちあ(42)

  7.落胆(5)

 相田が何を言い出そうとしているのかが、今一つ把握出来ていなかった土屋だが、落ち着いた口調で次のように応じた。
 「その通りです。全く異論がありません。あくまでも、合法的に乗車する訳ですから、原則は、目的地までの切符をきちんと買って乗車することが前提です」差し障りがないようにそう言った土屋は、相田のその先の話を促した。そこに真面目な顔つきで聞いていた純が口を挟んだ。
 「今おっしゃった他にも、事例1にあったように、切符を買う時間がなく、入場券、若しくは途中駅までの切符で乗車し、車内で清算しようとしていたのに、検札に来なかったりして、未清算のまま目的地で降りてしまうケースもあるますよね」
 「なるほど。そうですね。なかなか鋭い指摘です。つまり、私が申し上げた、乗車を終わって後に『無傷の切符を確保』する事例以外のも、純ちゃんが言ってくれたケース、つまり、支払わずに乗車し終えたというケースで、これも我々の研究の対象になりますね」
 「そうなんです。指定席を確保するため、特急券だけを先に買って置いて、後で乗車券を買うつもりだったが、その時に急いでいて入場券で入ってしまうケースを経験したことがあるのです」純は自らの経験を話しながら、思わずテレ笑いをした。
「いや、いや。純ちゃん、なかなかやりますね。これについては、別途検討しましょう。積極的なご立派な発言で、大歓迎ですよ。このような発言を頂くことで、新しいアイディアも生まれて来るものですから、今まで通り遠慮なく発言下さい。さて、ここで、視点を変えて、新幹線に乗車する場合に、切符が必要となるステップとその場合の切符の種類について考えて見ましょう。一般的に言えば、次の五つのステップがあり、対象の切符はそれぞれ、このようになります」相田はそう言って、持っていたメモ用紙にさらさらと次のようなメモを作って見せた。
………………………………………………………………
  1.JR構内への入場    乗車券
  2.新幹線構内への入場   特急券 (乗車券)
  3.新幹線車内での検察   乗車券、特急券
  4.新幹線構内からの出場  特急券 (乗車券)
  5.JR構内からの出場   乗車券
………………………………………………………………
そして、ゆっくりとした口調で、この表についての説明を始めたのである。(以下、明日に続く)

1723 よろこび&ほころび

 折角の「よろこび」も思わぬ「ほころび」で台無しになることがある。

1.独り言コラム
 台風12号ののろのろぶりには、驚かされた。長時間に渡って、その影響を受けたことで、進路に当たった地域の住民には大変な迷惑だった。大雨による河川の増水が、ほころびならぬ決壊の危機を生み、避難を余儀無くされた被災者は少なくなかった。
 さて、野田新内閣が発足した。日経新聞社の緊急世論調査では、内閣支持率が67%と菅総理の最後の19%を一気に回復した高い支持率で好発進である。この数字に、どじょう総理もほっとであろう。しかし、その一方で、早くも幾つかのほころびが出始めている。
 一つは、野田総理が、平成10年から15年にかけて在日韓国人の二人から合わせて30万円の献金を受け取っていたと言うのである。先の前原元外務大臣、菅前総理に続いての発覚である。それにしても、上に立つと直ぐにその種のほころびが発覚するのには、びっくりであり、うんざりでもある。
 二つ目は、一川防衛大臣の失言問題だ。「自分は安全保障の素人だが、それが本当のシビリアンコントロール(文民統制)だ」と述べたという。全員が草野球では国家が崩壊するという強い指摘が起きていて、この発言の行方が注目される。
 三つ目が、上記とも連動するが、適材適所という総理の発言とはかけ離れた人事が多いとの指摘だ。上記の一川防衛相の他に、安住財務相、山岡国家公安相、鉢呂吉雄経済産業相などの名前が上がっている。
 民主党の内閣としては、もうあとがないということで、今度こそはと期待されて船出した野田新内閣だが、その明日は本当に大丈夫なのだろうか。ほころびの連鎖が心配だ。
 ロンドンオリンピック出場を目指すなでしこジャパンの戦いが続いているが、昨日は韓国と対戦し、際どく辛勝して連勝スタートを果したが、その戦いぶりは、なでしこジャパンの強さが、何処へ行ってしまったのかというような苦戦の連続だった。特に後半は韓国の強い攻めで防戦一方の戦いだった。パスのうまさで強豪を撃破したW杯戦での強さに、思わぬほころびが生じているような苦しい戦いぶりは、大いに心配である。
 首位決戦となったヤクルトー巨人の3連戦で、昨日の巨人は大量点を失っての連敗となった。借金を返済し貯金をつくり始めた直後の連敗は痛い。先発に戻った東野投手を始めとする投手陣にほころびが出てしまったようだ。
 世界陸上では、フライングという思わぬほころびで100メートルでの金メダルを逃したジャマイカのウサイン・ボルト選手だったが、その後の200メートルでは、慎重なスタートに徹し、昨日の決勝ではしっかりと走って堂々の雪辱を果たし、金メダルを獲得した。
 何事も、誇りは大事にしなければならないが、ほころびはいち早く縫って被害を最少に止めねばならない。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時起床。体重、61.8Kg。台風は今朝未明にやっと日本海へ抜けたが、台風一過とはならないようだ。
昨日の雅子は、午前中は微熱があったが、午後には平熱に戻った。呼び掛けへの反応は、前日と同様で、午前中は低調、午後には少し回復した。

3.連載、なんたるちあ(41)

  7.落胆(4)

 相田が揃ったのを機に、今夜も、土屋が開会を告げたのに対し、ママが口を開いた。
 「どんな研究会になるのか不安だったのですが、前回のスタートが順調だったもので安心しました。今夜も楽しみにしていますわ」場所を提供しているママらしいコメントである。
 「私も、前回のキックオフの内容が大変気に入りました。新しい事例紹介を期待しています」今夜もピンク系のスーツの純は若さをうまく表現している。いずれも、前回の研究会の内容に満更でもない興味を持ったようで、それぞれ強い関心で今夜に臨んでいることが感じられた。そんな中で、先日の役員選任で落選して、落ち込み気味だった相田も、不思議なことに、この場では、全く別人のように燃えていて、皆にも心強さを感じさせていた。
 「それじゃ、全員揃いましたので、研究会を始めましょう。今夜が第二回目です。勿論、今夜もフリーのディスカッションスタイルで進めて行きましょう。ご自由にご意見、ご提案、コメント頂いて結構です。先ずは、前回で紹介された二つの事例のレビューから入ってみたいと思います」今夜も、土屋が取り仕切る形でスタートした。土屋は掻い摘んで前回出た二つの事例のポイントを総括した。それを受けて、この研究会にやる気に満ちた相田が口を開いた。
 「今夜は、私の方からまず、『合法的に格安に新幹線に乗る』ということの基礎的な考え方についてお話させて頂きたいと思います。皆さんも既にこの二つの事例からもお気づきだと思いますが、本研究のポイントを端的に要約すれば、購入した切符が乗車し終わってJRの改札を出た後も『無傷』で残っているという事例を探すことだと言えます。それを払い戻してお金に換えることの是非は、ここでは議論しませんが、どうしてそんな事例が成立したかを見極めることで、それを防止するための対応策の改革提言が可能になるからです」今から言わんとすることの前振りを行った相田は、とりあえず、そこで一旦切って、グラスを手にし、それをゆっくりと口に運びながら間合いを取った。
 「ところで、一口に切符と言っても、乗車券、特急券、それにその両方が一緒になっている切符の三種があります。また、最後の一緒になっている切符には、通常の新幹線の切符とエコノミー切符の二種があります。いずれにしても、現実に起きたいろんな事例を通じて、これらの購入した切符が、必要な区間を乗車し終わった後に、その全部、若しくは一部が『無傷』で手元に残った背景、理由、プロセスを確認することが、この研究会のテーマということになります。そういうことですよね。土屋さん?」
 相田は、そこで一旦同意を求めるように、土屋さんの方に話を振った。(以下、明日に続く)

1722 バランス&適材適所

 懐かしい言葉「派閥均衡内閣」が復活した。マスコミから「グループバランス内閣」だと言われて、野田総理は「適材適所」の人事を行ったと強調していたが、…。

1.独り言コラム
 野田新内閣が発足した。なかなか手際良い組閣だったようで、午前中に藤村修官房長官から組閣名簿の発表があった。午前中の組閣名簿発表は筆者の記憶では初めての事である。
 名簿表を見て、直感したのが、「二人ずつ」という人選だ。例えば、NHK出身が財務相の安住淳氏と厚生労働相の小宮山洋子氏の二人、小沢グループから国家公安・拉致問題担当相の山岡賢次氏と防衛相の一川保夫氏の二人、女性での入閣が小宮山洋子氏と行政刷新相の蓮舫氏の二人といった具合である。
 たまたまのことで、たわいない話だが、大臣の名前も似た名前が二人、若しくは三人といった具合で、大変覚え易い。例えば、「佳彦・道彦」、「豪志・武志」、「達夫・達男」「光一郎・庄三郎」、「平岡・平野」、「野田・前田」の二人組、それに「秀男・保夫・達夫」、「中川・古川・一川」の三人組などである。
 さて、ポストの重さから見れば、外務大臣に玄葉光一郎氏を、財務相に安住淳氏といった気鋭の若手を抜擢したことが目立っている。新しい大物政治家を育てる意味で期待が大きい。
 また、我が滋賀県からは、東レ出身の川端達夫氏が、先の鳩山内閣での文科相に続いて入閣した。筆者の印象以上に、同氏は人事では重視されている人材に育っている。まさにご同慶の至りだ。
 これで、党人事をも含めて小沢一郎グループからは、輿石東、山岡賢次、それに一川保夫の三人が引っこ抜かれたことになるが、小沢氏にしてみれば、大事な両腕をもぎ取られた感じで、「おぬし、やるじゃないか」といった複雑な気持ちであろう。野田総理のなかなかの戦略で、「王様を攻めるにそれを守っている金、銀を攻める」という将棋の格言、基本に忠実な人事である。
 意外だったのは、岡田克也氏の入閣がなかったこと、また、代表選で戦った直接のライバルだった海江田万里氏と決選投票で自分に投票しなかった馬渕澄夫氏を入閣させなかった対応だ。大人しいように見える野田総理の中に存在する厳しい一面を見せ付けた毅然とした対応である。
 さあ、これからが勝負である。内外に難問山積する中で、平均年齢が58.3歳という若さを売りとするこの内閣が何をしてくれるかが問われる訳で、国民はその対応振りを注視することになろう。頑張って欲しい。
 蛇足だが、これからが勝負と云う意味では、オリンピック出場を掛けた男女のサッカーの戦いが始まっていて、一昨日の女子の快勝に続いて、昨日は男子が北朝鮮と対戦し、終盤のロスタイムのぎりぎりで、見事なゴールを決めて辛勝して幸先よい一勝を挙げた。
 土壇場のぎりぎりの戦いといえば、イチロー選手の200安打への挑戦もまさにその土壇場での戦いだが、このところ粘り強い頑張りを見せている。しかし、あと26試合で44本の安打が必要である。土壇場の奇跡を祈るのみだ。
 
2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時起床。体重、61.9Kg。台風の動きが遅い。しかし、今日は四国に上陸が予想され、お天気は一日中荒れ模様だろう。
 昨日の雅子は、午前中は寝たっきりで呼び掛けにも無反応だったが、午後の入浴を終えた後は、呼びかけにしっかりと目を開けてじっと見つめてくれて話を聞いていた。血圧との関係だろう。
 なお、体重測定が一昨日あったが、8月もまた少し減少し、減少傾向に歯止めが掛かっていない。この点でも少し心配。

3.連載、なんたるちあ(40)

  7.落胆(3)

 受話器を置くと、敗北という実感が改めて相田を苛むのであった。そこには、少し前までは自分はトップグループの一員であったという自負がそうさせていることは確かだった。ここ数年で、部下の自殺、公正取引委員会の査察、課徴金の支払いなどの大きな失敗が、既に過去の優位な地位を大きく揺がせて来ているという認識は持ってはいたが、それでも、一方では、部下の自殺には、その遺書の内容から、仕事上の原因については、前任部長時代に端を発していたと推察されるし、そこに他の事情も介在していたとも言われていて、自分一人の責任ではないとの認識だった。また、公正取引委員会の手入れについても、会社の方針として実施したものであり、一部長の責任というものでもないとの自分なりの解釈もしていた。従って、サラリーマンの最後の大勝負には、まだまだ充分にその可能性を残していると考えていたのである。
 それだけに、いざ、具体的に自分に面白くない勝負の結果が出て来ると冷静さを失うことになるのも止むを得ないことかも知れなかった。落ち着いて考えてみれば、今回の昇進に関する限り、株主総会の前日までに何の内示も受けていない自分が指名されることはあり得ないと、事前に承知していたのに関わらず、そのことが明らかになっておろおろする自分の愚かさに愕然とするのだった。
 「さすがに、人事部長だな。待機しているといったことには間違いはなかった。嘘を言った訳ではない」相田は独り言をこぼしながら、地下の会議室に戻るべく席を立った。それでも、小山と話したことで、気持ちも落ち着きを取り戻しつつあった。
 その日のPBメーカーとの打上げで、相田の酒量はいつもよりも大幅に上回った。それは相田にとっては必要な発散だったのかも知れない。その夜の合同打ち上げの流れの最後に「蘭」に立ち寄りママに敗北の慰労をしてもらったのである。
 それから、瞬くうちに二週間が過ぎ、十一月の最終金曜日を迎えた。失意といえば大げさになるが、相田はこのところ仕事上では面白くない日々を送っていた。しかし、その一方で、この新幹線研究会には、逆に何か燃えるものを感じるようになっていたから不思議なことだった。失意の反動がそうさせているのだろう。
 多忙と気落ちもあって、新しい事例案は準備出来ていなかったが、それでも、無償切符を生むと云うプロセスについて解説してみたいと言う腹案があって、相田はかなりのやる気を持って「蘭」に足を運んだ。所用で所定の六時に少し遅れたため、相田が顔を出した時には、既に土屋をはじめとする他のメンバーは揃っていた。
 「お待たせして申し訳ありません。出掛けに、ばたばたしておりましたもので」店に着くと、開口一番、相田はそう言って挨拶した。
 「お待ちしておりました。何せ、相ちゃんが来られないことには始まりませんからね」土屋もいつもの通りのリップサービスを交えて相田を迎え入れた。
 「いや、いや。どうも。皆さんは、なかなか、張り切っておられるようで何よりです。何しろ、前回が予期以上に面白かったことで気合も入りますよね」前回の盛り上がりに今夜も更なる面白い展開を期待しながら相田はそう言って、前回と同じ奥にあるボックスの空いている席に腰をおろした。直ぐにママの真奈美がセットされていたグラスにビールを注いだ。今夜の真奈美ママはいつもの紺のスーツを身にまとっており、すらっとしたスタイルのよさは相変わらずで魅力的である。(以下、明日に続く)

1721 したたかさ

 将棋では、王様を攻めるには、先ずは、その王様の守り駒、多くの場合は「金」や「銀」を攻めるのが常道だそうだ。

1.独り言コラム
 今日、野田新内閣が発足する。その顔ぶれでが着々と進んでいるが、注目の官房長官には、腹心の藤村修氏を選んだようだ。見た目が野田氏に良く似たこ太りの男である。9歳年上だというが、気心が通じた関係にあるという。知名度が今一つだが、これから名前が売れてゆくのだろう。今日の注目は、財務大臣、外務大臣ということになるが、新聞報道からは、どちらかに岡田克也氏が指名されることになるのだろう。
 昨日も自公との党首会談や、経済界の首脳とも会談などをこなし、未明にはオバマ大統領との電話会談を行うなど、着々と手堅く新総理として歩み始めている。
 今までの対応では、輿石東氏を幹事長に指名したことが最も大きなサプライズだった。これは、冒頭に書いた将棋の常道に則したもので、小沢一郎という王様を攻めるに一番効果的な攻め方なのだ。そういう意味で、なかなかのしたたかな決断だった。今後の同氏の手腕が注目される。
 なでしこジャパンも初戦のタイ戦で、前半は得点が出来ずに梃子摺ったが、後半でペースを取り戻し、したたかな一面を見せてくれた。強行日程を配慮し、エースの沢穂希選手らを温存しての余裕の戦いだったが、次の韓国、オーストラリア戦が山となろう。取りこぼしのない、したたかさに期待している。
 昨夜の中日―阪神戦で、1点リードで9回の抑えに登板した岩瀬仁紀投手だったが、不覚にも、下位バッター(?)の狩野、新井に連続痛打を浴びて節目の300セーブはならなかった。岩瀬のしたたかさに、意外にも、狩野、新井のしたたかさが勝ったのである。
 世界陸上でハンマー投げの室伏広治選手はベテランのしたたかさで堂々の金メダルを奪ったが、槍投げでは、前回の銅メダリストで期待された村上幸史選手は流れに乗れず予選落ちとなったのは残念だった。したたかさが今一つだったのだろう。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 4時10分起床。体重、61.7Kg。台風の上陸が予想され、今日のお天気は荒れ模様。
 昨日の雅子は、痰に悩まされた一日だった。時々、今にも話しだしそうな様子を見せてくれるのだが、声は出ない。その一方で、時々、苦しいのか、うめき声的な発声がある。呼びかけに無反応ではないのだが、反応が弱くなっているように思える。

3.連載、なんたるちあ(39)

  7.落胆(2)

 相田は反射的に会釈を送ったが、立川の方が妙に戸惑った堅苦しい表情で会釈を送り返した。相田の脳裏には瞬間的に不安な思いがよぎった。そう言えば、臨時株主総会はもう終わっているはずだった。「もしかしたら?」という不安が相田の焦燥を駆り立てた。立川は、先日の相田の電話での間接的な確認の問いかけに「人事部長としてその時間帯には待機していなければならない」と業務上必要な対応があると説明していた。その言葉の本当の意味は掴みきれていなかったことから、やはり、そうだったのかとの思いが相田を苛むのだった。普段、あまり見慣れない立川の紺の背広姿がその不安を煽った。しかし、相田はそんな不安にかまっていられなかった。何気ない顔つきを繕いながら、皆を引き連れて近くのホテルのレストランへ向かった。
 相田の不安な予感が不幸にして現実として確認出来たのは、セッションが午後の分科会に入って間もなくのことだった。各グループ別に分科会がそれぞれ順調に進行しているのを見届けた相田は、一旦自分のオフィスに戻って事業企画部長の小山に電話を入れたのである。彼なら情報を把握していると思ったからだった。
 「そうなのか。立川がね」相田は弱々しい声でそう言ってしばらく口をつぐんだ。
 「自分には、何となくそうではないかと感じていたよ。彼は、今、グローバルの人事とうまく連携してやっているからね」小山は達観しているのか、客観的でクールな自分の見解を言って聞かせた。
 「…」生憎、相田には適当な返事が見つからなかった。
 「それに、彼はもともと親会社の大和化学の人事部からの出向で、いまだにその人事部とも強いパイプを堅持しているしね」
 「なるほどね。グローバルとローカルの両方にね」相田は無気力に相槌を打った。建設の仕事は、プロダクト戦略的にはグローバルとの連携が必要となるが、顧客の観点から見ると、そのほとんどがローカルな対応でカバーできる世界で、連携しようにもその必要がない世界だった。
 「オリンピックなら四年待たねばならないが、この世界はまた来年若しくは再来年のチャンスがあるじゃない」自らを慰めたのか、相田を慰めたのかはっきりしなかったが、小山は他人事のようにそう言った。
 「しかし、オリンピックの方が、勝負のつき方がはっきりしていて、負けた方もそれなりに納得できて、すっきりするのだが、この種の人事はいつもその辺りが今ひとつで」相田は人の評価の曖昧さについて持論をのぞかせた。
 「そうでもないよ。オリンピックだって、体操やフィギュアなどの判定競技は、いつももめるじゃない。まあ、ゆっくり行きましょうや」小山は相田の焦りを諭すように落ち着いた声でそう言った。
 「まあ、そういうことですな」相田も何となく同意した返事をして電話を切った。これで、同期から二人目の役員が誕生したことになり、相田は又しても、置いてきぼりを食ったことに憮然とするのだった。(以下、明日に続く)

1720 あの奇手には、凄い妙手の味が!

 将棋などで、高段者が指した手は、直ぐにその良し悪しは判断し難いことが多い。局面が進んでゆく中で、その手の良否が見えてくるのである。どうやら、野田新総理が放った初手の「奇手」は、ここに来て「妙手」のような感じがしてきている。

1.独り言コラム
 将棋界もここに来て若手の台頭が著しい。その一人の広瀬章人王位が、目下羽生2冠の挑戦を受けているが、大健闘で、3勝3敗の大接戦で最終局に持ち込まれた。若しも、羽生2冠を倒しての王位防衛となれば、若手の力が改めて立証されることになる。
 一方、今年の竜王戦の挑戦者決定戦は実力者の丸山九段(元名人)と久保王将・棋王の間で戦われているが、昨日は丸山九段が快勝し、1勝1敗で最終戦に持ち込まれた。勝者が7連覇中の渡辺明竜王に挑戦する。
 さて、その将棋や囲碁で多用される「妙手」という言葉だが、対局中の解説を見ていると、最初に指された時点では「おや?」といった解説者が意表を突かれたような言葉が発せられることが多い。そして、暫く検討があって、これはなかなかの味のある手だとの評価が出て来る。解説者よりも局面をよく読んでいる対局者の手は、解説者には、直ぐにはその良し悪しが見えないからである。
 今回の野田佳彦新総理の党役員人事では、輿石幹事長は、なかなかの妙手ではないかという評判が出て来ている。事前によく練られた人事だったようだ。そう言う意味では、代表選での野田氏のあの演説もなかなかよく考えられたもので、熟慮に熟慮が施されたものだったようだ。昨日の関西テレビの夕方のニュースを解説していた青山繁晴氏は、その点について掘り下げた解説をしていたのが面白かった。
 それにしても、プロの政治家が、よく練られた内容とは言え、そんな演説でころっと参ってしまうなんて、ある意味では情けないような気がする。仕組まれた演説のうまさに誤魔化されて、政治家としての真の資質がきちんと捉えられていないと言うことであれば、これまた困ったものだといわねばならない。
 しかし、このサプライズ人事で、ふと頭に浮んだのが、先日石川県で起きたとんでもない事故である。出村祐樹、里沙の新婚夫婦が、祐樹さんの誕生日の祝福のためのサプライズを狙って里沙さんが友人達と掘った落し穴に、二人が落ちて死亡したのである。意表を突こうとした仕掛けが、仕掛けた当人達が、事故に巻き込まれてしまうという痛ましい事故となった。サプライズもほどほどに留めるべきだろう。
 さて、いよいよ組閣人事が行われるが、今度はどんな仕掛けが仕組まれるのだろうか。じっくりとそのサプライズを楽しませてもらいたい。
 それにしても、昨日の民主党総会で、最後の締めの「頑張ろう」の掛け声の音頭を、代表選で苦杯を喫した前原氏が取っていたが、その健気さに、何だか胸の痛さを覚えたのは筆者だけなのだろうか。
 とにかく、今の前原氏は、与えられたポジションで頑張るしかないのだろう。

2.今朝の一考、昨日の雅子
 3時起床。体重、62.2Kg。(8月度の平均体重は、61.6Kg)。今日のお天気はどうやら崩れそうだ。台風の影響が出始める。
 このところの雅子は、時々、目を開けて今にも何かを喋り出すような表情で、時々声を出すことがある。何かを言いたいのだろうが、言葉にならないのだ。大変気の毒である。昨日は体調が今一つのようで、午後の散歩も短時間で切り上げた。
 なお、8月度の雅子の月間散歩の総時間は25.9時間、筆者の雅子への付添い総時間は、204.8時間(一日平均6.6時間)で今までの最長時間だった。

3.連載、なんたるちあ(38)

  7.落胆(1)

 その日は朝から雨だった。相田の気分は爽快という訳には行かなかった。自分達の主力製品をそれぞれの会社のブランドで扱ってくれるいわゆるプライベートブランドメーカー四社との懇親を目的とした販売会議を予定しており、それを取り仕切る大事な日だったことで、いつもよりも緊張してその朝を迎えていた。
 建築資材である特殊樹脂シーリング材の市場は大変な過当競争の市場となっていた。それというのも、ポリマーから一貫生産しているメーカーとそれらのメーカーの数多くのプライベートブランド(以下、PBと略す)メーカーが同じ市場で競合する世界となっていたからである。
 大和マルコポリマー(DMPC)は、この建築分野では頑張っており、当該樹脂全体の業界のトップ企業である新進化学と、この分野ではほぼ同等のマーケットシェアーを確保していた。それというのも、その市場戦略上の決め手となる有力なPBメーカーをその傘下に取り込んでいたからである。その代表格が接着剤、シーリング材の最大の販売ネットワークを持つトメタイト社であった。先輩達の努力もあって、この当該樹脂シーリング材を市場に投入以来、トメタイト社と非常に良好な提携関係を保持して来ていた。トメタイト社でも、今や、当該樹脂シーリング材が主要商品の一つとしての地位を占めるに到っていて、DMPCに欠くことのできないパートナーだった。加えて、DMPCの傘下には、この業界では中堅のPBメーカーであるタイトボンド、ムーンスター、山川工業などが、それぞれの固有のネットワークを通じて堅実な市場を確保していたこともあって、DMPCのマーケットシェアー確保に貢献していた。ともかく、釜元メーカーにとっては、自分達の製品を、それぞれの会社が持っている固有の販売ルートに乗せて頂くのだから、PBメーカーは極めて重要な顧客であった。
 会議は、このオフィスビルの地下の会議室で定刻十時に始まった。このような重要な顧客を迎えての会議であれば、通常であれば特別会議室を使用して行うのだが、この日は臨時株主総会が予定されていたため、止むを得ず、環境が今ひとつの地下にある会議室での開催となった。
 この日の段取りは、午前中は、主催側を代表して相田がメーカーの立場から「市場の動向展望」と題してのプレゼンテーションを行い、出席者のPBメーカーからの見解を頂く形でのディスカッションを行う。昼食は場所を近くのホテルに移して合同昼食会を持ち、午後には、各PBメーカーと個別に各担当との分科会を開いて、今後のシェアーアップ戦略を詳細に議論する。そして、夜は全員揃っての合同の打上げを予定されていた。半期に一度の大掛かりな実践的な拡販を目的とした戦略会議であった。
 自分のプレゼンテーションに続いて、出席者全員によるディスカッションを終えたのは十二時を少し過ぎていた。合同昼食会を予定している近くのホテルに案内するため、相田が出席者全員を連れて地下の会議室からエレベーターでオフィスビルの一階に出た時だった。ちょうど上から降りて来たエレベーターのドアが開き、その中から数人の役員の連中に混じって、きちんと紺の背広に身を包んだ立川の姿を見出した。(以下、明日に続く)

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