プロフィール

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版

このブログは4部構成です。
冒頭の枕に続いて、
1部が「独り言コラム」でキーワードから世の動きを捉えようと試みる。
2部が「今朝の一考と昨日の雅子」で妻、雅子の近況。
3部が連載「難病との闘い」です。
(09−02−16に修正。09−03−01に再修正、09−09−30に3度目の修正、09−11−09に4度目の修正)


 

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1048 漂流、運命の分かれ道

 運命の決まり方にもいろいろありそうだ。自らの判断で決まる場合もあれば、自分の意志とは関係なく決まる運命もある。

1.独り言コラム
 八丈島沖で転覆した漁船内から、漂流4日目で3人が救出された。感動的な映像を見て、誰もがほっとしたに違いない。奇跡的だったのは、船内に三人分の空気があったことだろう。船長を含め8人が乗っておられたのだが、船長は救命筏で脱出したものの、遺体で見つかった。残りの4人は転覆後に脱出を試みたが、お気の毒に未だに見つかっていない。
 こうして見ると、運命の分かれ道と云うのは、極めて微妙だったといえそうだ。船長はその時操舵室にいたのだから、咄嗟に救命筏に乗ったのは、その時の判断としては止むを得なかっただろう。転覆後に脱出した4人と船内に残る判断をした3人は、まさに運命の分かれ道あった。若し、全員が船内に残っていたとしたら、残存空気量の関係で、全員が亡くなってしまっていたことも考えられるからだ。4人の脱出が3人を救ったとも言える。神様のご判断の微妙さに心が痛む。
 さて、国会論戦が始まった。昨日行なわれた代表質問では、対決姿勢が鮮明になる一方で、鳩山総理は意欲的に挑発的な答弁を繰り返している。選挙前から議論の対象になっていた民主党のばら撒き政策を裏付ける資金源が、未だにはっきりしておらず、巨額の赤字国債の発行が前提になりそうだ。これは公約違反の何物でもない。
 また、米軍の普天間基地移設を巡る問題に関しては、総理、外相、防衛大臣の発言が噛み合っておらず、まさに漂流状態である。オバマ大統領の来日が近づいて来ているだけに、取り敢えずは、この外交問題が、鳩山内閣の運命を左右しそうだ。
 また、日本郵政の動向も怪しい動きになっている。官僚OBがトップに返り咲き、民から官へと揶揄されていて、ここでも、既に漂流状態に入っているとも言える。その他にも、年金、ダム、子供手当てなど、難問が多く、これらの荒波を乗り切れるのか、鳩山丸の行方に注目したい。
 さて、プロ野球では、今日注目のドラフト会議が行われる。ドラフトの目玉である花巻東の菊池雄星投手の交渉権をどのチームが獲得するかに関心が集まっている。菊池投手にしてみれば、自分の運命を自分で決められないじれったさを感じているはずだが、同氏が偉いのは、どこのチームであっても、ベストを尽くすと宣言しているところである。彼にしてみれば、MLBでの活躍という大きな将来の夢があって、当面は一つの通過点だと捉えているからなのだろう。なかなかの度胸である。そういう意味では、彼には漂流と云う言葉とは無縁なはずだ。

2.プライベートコーナー
 3時半起床。体重、60.9Kg。朝風呂。天気は良さそう。
 昨日の雅子だが、また熱が37.4度レベルに上がり、元気がなかった。特に一考が感じたのはその反応が乏しくなったことである。心配なのは、一考の話していることが聞こえているのかどうかが、怪しいのである。若しかしたら、耳の機能が劣化して来ているのではという不安に苛まれた一日だった。確認を繰り返したが、はっきりしていない。

3.連載、難病との闘い(1013) 第三部 戦いはまだまだ続く(307)
  第七章 しつこい敵(23)
 2.再びアウエイでの闘い(7)
 (2)治療の始まり (その2)
 その日、K先生との話が終わって別れる間際だった。先生から、少し遠慮気味だったが「来週は出張で1週間病院には来られない」と告げられた。「1週間も」ということで、一考は少し不安を覚えたが、先生は「もちろん、その間は代わりの先生が看てくれますので心配はありません」と補足された。雅子に関しては、治療が緒に着いたばかりで、さあ、これからだという大事な段階での主治医の不在は、致し方ないとは言え、ちょっとした不安を覚えたのである。
 ところが、その翌朝の土曜日だった。一考が少し早い目に病院に顔を出すと、何と、K先生も既に来ておられて、偶然だったが、また顔を合わせることが出来た。先生の話では、土曜日の午前中はいつも病院には来られているということだった。この時の話として、K先生は、新たに「炎症の度合いを表す指標が更に減少している」というアップデイトされた報告があり、一層の完璧を期すために、もう少しその抗生剤の投与を続けるとの補足説明をされた。
 週明けの月曜日、一考がいつものように雅子の部屋に顔を出すと、ベッドの横にかなりの量の使用済みの洗濯物が置かれていた。どうやら、思わしくない下痢が前夜もあったのだろうと一考は察知した。加えられた整腸剤の併用も、残念ながら、期待された効果には結びついていないようだった。
 その後も、その週内では、大きな治癒の進展は見られず、再入院してから、早くも2週間を過ぎようとしていた。胃ろうからの漏れは、その後もじゅくじゅくの状態が続いていたので、栄養剤の投与が取り止められ、しきりに、その部分の洗浄が行なわれていた。
 その結果、下痢の症状は治まったものの、熱、痰は相変わらずで、雅子は苦しい闘いの日々を送っていた。K先生の不在中をカバーして下さった先生からも、検査の結果では、炎症の治癒を示す数値は改善はされているという報告を受けたものの、現象面での肝心の雅子の熱と痰は収まる気配はなかった。
 不安で心配だった主治医不在の1週間だったが、時間だけは淡々と過ぎ去った。しかし、主治医がいなかったことで、前向きの対応が遅れることになったのは止むを得ないことだった。言ってみれば、この一週間は、雅子にとっては、守り一辺倒の待機のそれだったと言える。長期戦を覚悟はしているが、本人雅子の苦しみ具合が分からないだけに、何だか切ない思いであった。(以下、明日に続く)

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