昨日のNHK、夜9時のニュースで
難病、
ALS(
筋萎縮性側索硬化症)を特集していた。この
難病は、体が動かない上に、言葉が話せない。更には、痰が溜まるので、それをタイミングを見て取り除いてやらねばならない。従って、24時間介護が欠かせないという。
最初は次男の方が一人で介護に当たっていたが、今では介護専門の方と二人交代での介護である。見ていて、さすがにプロの方だと思わせる対応が参考になった。しかし、この介護士が、皮肉にもあの
コムスンの関連会社に所属しておられたという。今後、この介護がどうなるのかが心配だそうだ。
現在認定されている
難病は123もあり、およそ56万人の方が苦しんでおられることは、前にも紹介した。更には、2月6日に取り上げた「
線維筋痛症」のような、まだその認定を得られていない
難病もある。世の中には厳しさは底なしのようだ。
そういう実態を知ると、筆者の妻の
難病の度合いは、それほどでもないと思えるから不思議で、自分ももっと頑張れると勇気付けられた次第である。
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難病との闘い 第七章 あれこれ対応に大わらわ(3)
(3)料理
「さあ、今夜は何にしようか?」シュクリーム、ばなな、コーヒーなどの簡単な朝食を終えて一息つくと、一考が口癖のように雅子に発する問いかけだ。最近では、この問いかけが一種の挨拶代わりでもある。
夕食のメニューについては、その週の担当する4日間は、大抵の場合は、肉料理、魚料理、和食、そして中華料理の4つで賄うことにしているが、具体的に、それぞれについて、何にするかは、その朝の会話で確定することにしている。特に、メインディッシュを決めた後に、サブディッシュを何にするかの組み合わせは、雅子のアドバイスが不可欠である。というのも、その辺りの常識を一考は、全く持ち合わせていないからである。
雅子から食事の仕事を引き継いで一年半を過ぎたが、何とか急場を凌ぐ形で今日に至っているから驚きである。
40年近いサラリーマン生活の半分近くを単身赴任していた訳だから、多少の料理は出来るのではと思う方もあるかもしれないが、一考は、そんなことが出来るような器用な男ではなかった。せいぜい、コンビニやスーパーで買ってきたものを温める程度で、料理なんて男がするものではないと頭から決め付けていた。
しかし、想定外の雅子の
難病という非常事態が、一考という不器用な男に、何とかしなくてはとの決断を迫ったのである。窮鼠猫を食むではないが、ともかくも無難にこなしていることが不思議で、奇跡的なことである。
そんな訳で、一考の料理は、雅子から口頭で伝授されたノウハウやレシピーに基づいたものである。その都度、雅子の指示する材料を用意し、言う通りのレシピーで料理に取り組んだ。途中での、味のチェックは雅子が行なって、必要な微調整を行なう。一ヶ月もすれば、同じメニューが何回か登場するようになり、一考が、順次データベース化してマニュアルを作成した。今では、その手元に置いたマニュアルのファイルを頼りに、料理に励んでいる。今や、そのファイルは、一考の貴重な財産である。
一方、母親の朝食を兼ねた昼食の方は、雅子が続けていたスタイルをそのまま踏襲し、4日のうち3日は和食のセット(干物、味噌汁、野菜煮)で、残り一日は麺類を出すことにしていて、メニューがパターン化しているので、メニューで悩むことは無い。
従って、夕食のメニューを決めることが、その朝の一考の悩みであり、朝食後の雅子とのパターン化した会話になる。母親の好みを如何に反映させるかに気を配るのだが、なるべく、マンネリを避けたいと思うと、限られたレパートリーでは、ジレンマに陥ることになる。
この間、そんな経験を積み重ねているうちに、野菜の煮付け、三杯酢、魚の照り焼き、ホイル焼き(ムニエル)、ネギぬたなどの応用の利く基礎的な技術をマスター出来たのは、望外の収穫だった。
最近、一考が料理に関して思うことは、昔とった杵柄ではないが、若い頃やっていた化学の合成反応に比べれば、食材の調合の精度、或いは加工の条件設定などは、相当甘くても致命傷にはならないだけに、随分と楽な作業だと感じている。しかし、その一方で、厄介なのが、母親に供する訳だから、見栄えなどの外見的なものに配慮が必要なことである。(以下、明日に続く)
タグ : ALS 筋萎縮性側索硬化症 線維筋痛症 難病 コムスン
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