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Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版

このブログは3部康成です。1部が「コラム」、2部が連載「難病との闘い」、そして3部が、速報、「昨日の雅子」です。

 

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358 小沢代表団の大挙の訪中

 国会の最終盤で民主党の小沢一郎代表ら国会議員45名、民主党支持者400名が、大挙して訪中した。しっかりした目的がある渡航なので、とやかくいわれる筋合いではないと強気だった。如何にも小沢代表らしい言い分だ。
 筆者が現役時代に営業部に所属していた頃、当時の上司は、部下を大勢連れてお得意先を訪問することを嫌って、よく注意を受けたことが思い出される。大事な話は、責任者同士が指しで話せばいいというのが同氏の考え方だった。
 その部長の話だが、いつぞや、コンピューターを導入する際に、大企業からの売込みが激しく展開された中で、部長と担当者の二人で訪問して来た会社に決めたという話を聞いた。大勢で押しかけるような無駄は必要ないという論理だった。
 国際関係では、必ずしもそんな単純な理屈は通じないと思うが、それにしても、400数十人が大挙して中国に詣でる意味は理解し難い。
 もちろん、数で、その力、意欲を示すことの大事さが時として必要な場合があることを、真っ向から否定するものではないが、……。

連載(323) 難病との闘い
      第十一章 介護の実情2 平成19年夏から秋 (29)

(5)話題のDBS(脳深部治療)の可否(その6)
 「結論的に申し上げれば、その治療法はお勧めしません。雅子さんには効果がないと思われます」津島先生は、意外にもあっさりと、きっぱりと、自信有り気にその可能性を否定した。
 「そうですか? どうしてでしょう? その番組では、非常に画期的な治療法だとレポートしていました。しかし、その後は、昨日までこの治療については深く考えていなかったのですが、たまたま、昨日見た難病に関するドギュメンタッリー番組を見て、このDBS手術のことを思い出し、雅子にも検討してみる価値があるのではと考えてみたのです」一考は、戸惑いながら、しげしげと先生の顔を見た。先生は泰然とした様子で、少し間を取ってから、ゆっくりとした口調で話し出した。
 「今の主体となっているお薬による治療とは違って、その治療の発想そのものは画期的な手法であることは間違いありません。しかし、何しろ頭に穴を開けての手術を必要としますから、何処ででもできるという訳にも参りません。しかし、成功されている方も幾人かいらっしゃることは確かです。ただ、今現在では、まだごく限られた方々で、うまくいかなかった失敗例も結構多いのですよ」津島先生は、今までよりも引き締まった顔になって、その治療法の現状を説明した。
 「なるほど。そうなんですか。テレビのドギュメントは、その成功例をセンセーショナルに報じていましたので、普遍性のある素晴らしい技術が開発されたと感動したのです。しかし、そういう実情であれば、失敗例についても触れて欲しかったですね。そうでないと誤解を与えかねませんよね」一考は少し不満げに先生を見つめた。
 「改めて申しますが、治療技術としては、素晴らしいものでが、誰にでも万能ということではありません。その番組では、そんな画期的な技術が開発されていることを訴えたかったのでしょう。美人を紹介する場合に、同時にそのマイナス点を強調する訳にはいきませんから。まあ、そんな具合だと解釈して下さい」先生は、一考に更なる誤解を与えないように配慮して、この技術の優秀さをも、改めて付け加えた。
 「よく分かりました。実は、私も、そのテレビを見た時点では、雅子に、その手術を受けさせようとは全く思いませんでした。それは、バッテリーで機能をサポートしているという点で引っかかっていたのです」一考は、そのドギュメントの中身を思い出しながら、その時に感じた気持ちを吐露した。診察室にいた助手や看護婦さん達の視線が一斉に一考に向けられた。午後の診察室は、ちょっとした緊張感に包まれていた。(以下、明日に続く)

タグ : 小沢一郎 DBS治療

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