プロフィール

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版

このブログは3部康成です。1部が「コラム」、2部が連載「難病との闘い」、そして3部が、速報、「昨日の雅子」です。

 

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359 いよいよ である

 「いよいよである。」今日はこの言葉で書き始めたかった。
 今の臨時国会は今週末が会期末となっている。給油新法案の扱いが注目されいて、会期を再延長してでも、衆議院での再可決を強行する方向で、福田総理は決断しているようだ。同氏にとっても、いよいよ勝負の舞台が始まる。しかし、これは、憲法で認められている訳だから、何も遠慮はいらない。堂々と決断して実行してもらいたい。
 さて、筆者が「いよいよである」と書きたかったのは、私的なことだが、この相坂一考と雅子にとって、「今日から新しい挑戦が始まる」ということである。このブログで連載中の「難病との闘い」の緊急予告となるのだが、予てから準備してきていた「介護付き有料老人ホームでの雅子の新しい生活が、「いよいよ今日から始まる」のである。
 果たして、二人にどんな舞台が待っているのか。大きな不安がいっぱいのスタートだが、新たな展開を期待してのスタートでもある。今、多少緊張を覚えながら、コンピューターのキーを叩いているが、指先からは新たなエネルギーが生まれてきているように感じられる。未来は誰にも分からないから面白い。
 この内容については、来年の初め頃から、、連載で詳しく取り上げることを予定している。  

連載(324) 難病との闘い
      第十一章 介護の実情2 平成19年夏から秋 (30)

(5)話題のDBS(脳深部治療)の可否(その7)
 「それと申しますのは」一考は、それらの視線を意識しながら、少し低くトーンを下げて話を続けた。一考の低音には独特の響きがある。
 「そのドギュメントでの説明で『バッテリーの定期的な交換が必要になる』ということが引っかかったのです。つまり、何年かに一度、定期的に頭に穴をあけるという手術を受けなければならない。頭を切り開いての手術を繰り返すと考えただけで、これは駄目だと思ったのです。ですから、雅子にこの手術を勧める考えは、その時点で消えていました」一考は、当時の自分の思考の中身を披露し、その時点でのこの治療への挑戦には関心がなかったと告白した。
 「ご主人のご判断は正しかったと思います。私の判断では、雅子さんの症状から見て、効果が出るとは思われません。若し、可能性があると判断していたら、私の方からこの手術による治療法をご紹介し、積極的にお勧めしたと思います」自信を持った力強い発言だった。一考は、この一言で、ここ数日間に渡って迷っていた心のもやもやが、一気に晴れたように感じていた。
 「そうですか、最初から、その可能性についても念頭に置いて頂いていたんですね。よく分かりました。先生のお話を伺って、気持ちがすっきりしました。ところで、参考に教えて頂きたいのですが、この手術の費用ですが、一体、どれくらい掛かるものなのでしょうか? 老人ホームへの入居権費用並みのものでしょうか?」脳の深部を切り裂く手術だ。並みの費用ではないだろうとの思いが、一考にはあって、それは、相当な高額な費用を必要とするであろうと考えていた。
 「いや、それほど掛かりませんよ。健康保険も効きますから。数百万円、せいぜい五百万円程度だと思いますよ」淡々とした口調で先生は教えてくれた。
 「そうなのですか。そんな程度なんですか。もっと高価につく手術だと思っていました。大変参考になりました」一考は意外な価格レベルに頷きながら、先生に軽く頭を下げた。
 帰りの車の中で、一考は何とも言えない安らぎに似たものを覚えていた。今朝まで、思い悩んでいたDBS手術の件は、これ以上考えることがなく、はっきりしたからであった。これで思い残すことなく、雅子を介護付き有料老人ホームに入れることを決断できるというすっきりした気分だった。
 来る時に渋滞していた道も、帰りは極めてスムーズで、心地よい流れの中で、一考は、快適にハンドルを握っていた。(以下、明日に続く)

タグ : 福田総理 給油新法案 DBS 介護付き有料老人ホーム

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