プロフィール

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版

このブログは4部構成です。
冒頭の枕に続いて、
1部が「独り言コラム」でキーワードから世の動きを捉えようと試みる。
2部が「今朝の一考と昨日の雅子」で妻、雅子の近況。
3部が連載「難病との闘い」です。
(09−02−16に修正。09−03−01に再修正、09−09−30に3度目の修正、09−11−09に4度目の修正)


 

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599 失われた尊い命

 局地的な豪雨がまたしても尊い犠牲者を出した。昨日の昼過ぎに東京豊島区の下水道管内で起きた事故で、工事を行なっていた5人が流された。急激な増水に逃げ出すタイミングを失した気の毒な事故だった。
 先日、神戸市灘区の都賀川にある親水公園で、同様な急激な増水で4人の犠牲者を出している。河川をコンクリートで固めた工事が急激な増水を生んだようで、今までになかった類の事故のようだった。今回は、それが地下で起きた訳で、大きな意味で、人間による地球環境の変化が、全く違った形の事故を生み出すようになっているようだ。過去の災害などの前例を念頭において生きている我々人間には、盲点になる訳で、ちょっとの油断も許されない時代になっている。生きてゆくのも大変な時代である。
 尊い命といえば、あの松本サリン事件の犠牲者の一人であった河野澄子さんが、昨日の未明に亡くなった。事件から14年もの長い間、目覚めぬままの気の毒な死去だった。介護に当たってきた夫の河野義行さんは、当初は犯人扱いされたこともあって、そのご苦労は、察するに余りある。今、難病の妻を抱えている筆者には他人事ではなく、深い同情の念に駆られる。
 彼がその著書「命ある限り」の中で告白している「あなたは私達の家庭を支えてくれている。寝ているだけど、とても大きな仕事をしてくれているんだよ」と意識の無い妻に語りかけ「妻の命が、自分の生きがい」だとのくだりには、全く同感の気持ちに引き込まれる。まだ妻が元気だった頃は、筆者にはそのような理解に至らず、大袈裟に言っているとさえ受け取っていたが、今の自分の立場になって初めて河野さんの真意が理解できるようになったのである。この世の中、当事者にならなければ理解できないことが多い。
 さあ、残されて独りになった河野義行さんは、今日からどのように生きてゆくのだろうか。少し心配でもある。

2.連載(564) 難病との闘い 第2部 小さな幸せを求めて(192)
  第五章 施設生活半年を終えての総括(30)

(4)小さな幸せの事例(その8)
 H. 名勝、旧跡、素晴らしい風景
 この7ヶ月でドリームスペースに通った回数は300回に迫る多きに達した。当初は、一日2回が定常化していたが、2月半ばからは、原則、一日1回に押さえるようにした。片道、9Kmの距離の往復で、その途中に広がる景色にも、さすがに見飽きた感じがしないでもないが、それでも、その日の天候の違いや、季節の移り変わりで、同じ景色といっても、微妙に変化を楽しむことが出来て、このような単調な生活を送っている一考には、貴重な目の保養に貢献してくれている。
 何しろ、琵琶湖は日本一の湖だ。また、近江は日本歴史の中でも中心的な存在であった時代が長く、各地にその史跡、遺跡が点在していている。近江八景で有名な名勝、魅力ある景勝地はその典型的な存在だ。
 この往復する9Kmとその近辺にも、その近江八景の二つがある。一つが唐崎の夜雨で有名な唐崎の松はなかなかのものだ。今一つが堅田の落雁で知られる浮御堂である。このドリームスペースからごく近いところにある。また、明智光秀の居城だった坂本城も、その姿をしのぶ術はないが、その城址を示す石碑などが、この国道161号線の一角に点在している。また全国3800あるといわれる山王さんの総本山である日吉大社も近くにあって、その出先の赤い鳥居が琵琶湖に突き出す形で姿を誇っている。ここでは、毎年4月に、船渡御と称される神輿を琵琶湖に運び出す儀式が行なわれるのだが、今年は、その伝統ある素晴らしい歴史絵巻を、一考は、車の中からではあったが垣間見ることが出来た。夕日に映えて金色に輝く神輿の勇姿が大きく揺れながら琵琶湖に浮ぶ船に移される絵巻は圧巻そのものだった。
 かくかくしかじか、毎日見ても飽きない魅力ある風景の中を走るのは、とても素晴らしい。天気のよい日には、時々、車を別の場所に駐車させて、そこで一息つくことがあり、気分転換にはもってこいの憩いのひと時となるのである。そんな美しい景観に心が洗われた気分になってくつろげることに、小さな幸せを覚えるのである。(以下、明日に続く)

3.速報、昨日の雅子(210) 6月5日分
 今日から、自宅の庭の手入れをしてもらうことになったので、雅子の部屋への訪問は、いつもよりも1時間ほど遅れて3時頃になった。この日は少し元気が回復していて、口数も少し多く、ほっとした安堵感を覚えていた。「元気さが、微妙に変わる、夏の日々」。とにかく、よく頑張っている。

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