プロフィール

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版

このブログは4部構成です。冒頭の枕に続いて、
1部が「独り言コラム」でキーワードから世の動きを捉えようと試みる。
2部が「プライベートコーナー」で妻、雅子の近況。
3部が連載「難病との闘い」です。
(09−02−16に修正。09−03−01に再修正、09−09−30に3度目の修正)


 

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708 それでも、テロなのだろうか?

 昨夜、10時前だったと思う。フジテレビの特番で、石原都知事、橋下大阪府知事、東国原宮崎県知事、それに北野たけしが、揃って教育論を展開している最中だった。画面の上にニュース速報がテロップで流れ、元次官を殺したという男が出頭して来たというのだった。事件は、もっと複雑な絡みがその底流にあると見ていただけに、何だか、あっけない展開にびっくりした。まさに、事実は小説より奇なりである。
 この辺り、生放送だったはずのフジテレビの融通性のなさに、大いに失望した。少しでもいいから、この事件への四人の生のコメントを聞いてみたかった。(若しかしたら、この部分は録画だったの?)
 まあ、それはさて置き、この男は、さいたま市北区のアパートに住む男で、小泉毅と名乗っている。そのアパートは事件現場からそう遠くないところであるという。近所の評判もとても悪く、背丈や人相、血の着いた刃物、履いていたスニカー、段ボールなどは、それまでの証言や証拠品に大きく矛盾しないという。また。その自供で「保険所にペットを処理された」という不満述べていたともいう。
 そういった今朝の報道を見る限り、テロとはどうも色合いが違うのではないかという感じである。今後の捜査の展開を待たねばならないが、真相は、一体どういうことなんだろうか。とにかく、二つの事件に関与していることは確かなようだ。
 事件が発覚した直後では、元厚生省の次官が二人も連続して狙われた訳で、多くの専門家、解説者、コメンテーターが揃って、尤もらしく「テロじゃないか」とコメントしていて、第三の事件の防止に懸命になった。「まあ、そうだろうなあ」と筆者を含め多くの人もそんな捉え方をして捜査の行方を見守っていたが、どうやら、その方向は、大きくずれていたような気がする。ただ、まだ動機などの疑問点は多く、事件の裏の有無を巡っての今後の捜査の展開に注目してゆきたい。
 マスコミは有難いもので、素早くこの男の経歴などを調査して紹介してくれている。それによると、生まれは山口県で、佐賀大学を中退、1994年ごろにはコンピューター関連の仕事に就いていたらしい。
 事件後、例の首相へのぶら下がりインタビューで、「テロとは決まっているわけじゃなく、まだはっきりしていないんだろう」と、麻生総理はとぼけた返答をしたいたが、それが、当たらずと言えど、遠からずであったかもしれない。
 だからと言って、麻生総理に先を見る目があるという訳ではない。今は四面楚歌中で孤立していて、唯一の頼りは解散権だけだ。しかし、その虎の子の解散権を行使するタイミングを見つけ出すのも難しくなって来ている。
 容疑者の父親が「わが子がこんなことをするとは信じられない」とコメントしながら、最後に「もし、そうだったとしたら、私はどうしたらいいのか教えて欲しい」と言っていた。この最後の言葉は、そのまま、今の麻生総理にも当てはまるのではないかと思いながら聞いていた。
 蛇足だが、容疑者の名前が小泉、さらに被害者が共に元厚生省次官と云うのは、偶然なのかもしれないが、出来過ぎているようにも思う。

2.連載(673) 難病との闘い 第2部 小さな幸せを求めて(290)
  第六章 真夏の夜の夢(141)

(9)さよならを告げる旅(その9)
 スーパーはそのホテル紅葉のところを左折して少し進んだJRの大津京駅の近くにある。殆ど毎日、毎日、主として食材を求めて通ってお世話になったところである。
 幾つかのレストランが4階にあった。かつては、雅子を連れて楽しんだことも幾たびかあった。毎日料理に明け暮れている主婦には、たまには外で食事をすることは結構楽しいようであった。何よりも、料理に絡む雑務から解放されるからだという。
 一考は、結果的には、雅子と二人で最後の食事をしたレストランに入った。和食主体の店である。まだ、車椅子にお世話になる前のことだった。店は昼食時間と重なって、結構混んでいたが、幸か不幸か、最後に二人で座った席が空いていた。一考は、席を案内している女性に断って、その席に座った。久し振りに戻って来たという実感があった。
 メニューは見なかった。その時に二人で食べた、この店の特製のオムライスを注文した。カレー風のオムライスで、結構美味しかったのでよく覚えていた。雅子がいないのがちょっぴり寂しかったが、オムライスはとても美味しかった。多分、これがこの世での最後の食事になるだろうと思うと、その美味しさは格別で、この世で最高の食べ物ではないかとさえ思うのだった。
 食事を終えて車に戻ると、その満腹感でいっぱいなって、気分は高揚していた。さあ、いよいよ最後の演技に向かうんだと自分に言い聞かせながら、ハンドルを握った。しかし、改めて時間を確認すると、まだ1時を少し過ぎた時間で、このまま施設に雅子を迎いに行くのは少し早過ぎると思うのだった。
 そこで、急に頭に浮かんできたのが、母親の顔だった。この朝も、一考が出掛ける時にが、まだ寝ていたので挨拶もせず仕舞いだった。ちょうど、施設に向かう途中でもあり、今一度自宅に戻ることにしたのである。多分、姉の久子も母親に朝食兼昼食を出した後は自宅に戻っているはずで、顔を合わせることもないだろうから、それとなく、そっと母親の顔を見ておこうと思ったのである。(以下、明日に続く)

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