プロフィール

Author:相坂一考
滋賀県大津市出身
07年1月に推理小説「執念」を文芸社から出版

このブログは4部構成です。冒頭の枕に続いて、
1部が「独り言コラム」でキーワードから世の動きを捉えようと試みる。
2部が「プライベートコーナー」で妻、雅子の近況。
3部が連載「難病との闘い」です。
(09−02−16に修正。09−03−01に再修正、09−09−30に3度目の修正)


 

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923 大政奉還

 この大不況という世の中だけに、求心力を高める意味で、大政奉還的な大きな変化が歓迎される時代である。

1.独り言コラム
 昨日の夕方、久し振りに思い切って大阪に出た。かつて一緒に仕事をした、ある中堅商社の社長さんにお会いしたかったからである。かつての勤務先だったオフィスに顔を出したのも久し振りだったが、幸いなことに、今の支店長さんのきめ細かいご配慮で、楽しいひと時を持てた。
 この商社は、およそ30年前に、創業者が独立して新たに設立された会社で、たまたまだったが、筆者もその独立前夜のお祝いの場にいたこともあって、いささか興奮していたことを今でもよく覚えている。その後は、会社としても、個人としても、その主旨に賛同して、一緒になって仕事をさせてもらってきた。特に、今の社長さんとは、筆者とは年齢的にも近いということもあって、ざっくばらんなお付き合いをさせてもらってきた。中でも、幾つかの大事な顧客対策では、苦労を共にした仲間の一人だった。
 正直言って、当時は、まさか、彼が、社長になられるとは思っていなかったのだが、6年前に4代目社長に就任されて、しっかりとした経営をしておられるという。改めて、心から社長就任にお祝いを申し上げたのである。実に四半世紀ぶりの顔合わせだったが、時間的な距離感が全くなくて、昔話に大いに盛り上がった一夜だった。介護、見舞いに明け暮れる筆者には、貴重な梅雨の晴れ間だった。
 さて、社長と言えば、日本企業のトップの社長交代があった。トヨタが14年ぶりに創業者一族の社長の豊田章男さんが社長の席に着いた。いわゆる大政奉還である。今の大不況を如何に乗り切るかが、経営者の重い課題だが、求心力を高めるという意味では、一つの戦略だといえる。就任の挨拶を見ていて、今一つの迫力のように見えるが、内に秘められた能力、手腕には大いに期待したい。トヨタが吼えないと日本経済は上向かない。頑張って欲しい。
 一方、政治の世界では、総選挙を目前にして、橋下徹、東国原両知事や中田横浜市長らが新いいグループ結成に向けて動き出しているようだ。彼らの動きは世論を大きく動かす力を持っているだけに、政治の世界にも大政奉還に相当するような大きな変化を期待する国民も多いのではないだろうか。
 こういう時代だからこそ、大政奉還的な時代の大きな変化に興味を持ってしまう。日本人好みの話題なのだろう。そういえば、昨夜の社長さんとの盛り上がった話題の中にも、その種の大所高所からの話題もあって楽しかった。

2.プライベートコーナー
 4時10分起床。体重、59.3Kg。シャワーを浴びて体調を整えるが、軽い二日酔いで、少々辛い。お天気は良さそう。
 昨日で入院一週間目の雅子だったが、体温が37度台後半で下がらず気になっている。点滴、栄養剤の投与などは一定のリズムで行なわれているが、肺炎の回復には至っていない。痰の吸引の回数も減って来ていないし、お尻に出来ている床ずれによると思われる出来物もその治りははかばかしくない。そんなことで、心配は依然として続いている。

3.蓮載、難病との闘い(888) 第三部 戦いはまだまだ続く(182)
  第五章 季節は巡る(53)

 2.初夏から梅雨へ(11)
  (1)そんなの関係ない(その11)
 そんな辛い時に、ほっとさせてくれるのが、思わず発してくれる彼女の笑いである。一考の話しに反応してくれるのである。そこで、最近は、一考は意識して面白い話をするようにし始めた。思いつきのギャクを発することもあるし、用意して来た笑い話を披露してみせることもある。噴出すように笑ってくれるのが、今では一考の数少ない気分をほぐしてくれる雅子の反応である。
 最近の一考は、雅子の部屋を訪ねると、その前日にあったこと、その日の予定など、つまらないことでも、なるべく詳しく話して聞かせるようにしている。自分たちが過ごしてきた家庭の今の様子を話してあげることで、自分も依然として家族の一員として存在しているということを実感させて挙げようとの配慮である。同時に、それは、雅子の聞く耳を確かなものとして確保して置くためのトレーニングにもなると考えているからだ。
 そういう意味では、この施設に入居直後には、小説を読んであげたりしたこともあったが、雅子があまり好まないこともあって、今までは、その日の朝に配信したブログを読んであげることぐらいだった。雅子の反応に陰りが見えてきたことで、一考が思いついた対応策である。今では、それが欠かせない日課の一つになっている。
 雅子が喜んでくれた最近の笑い話を紹介してみよう。それは、後ろ髪に関する小話である。
 このところの雅子の様子だが、一考が帰ろうとすると、何とも言えない辛そうな顔を見せることが多い。時には悲しそうな声を出すことがある。そこで「見てごらん、私のこの辺りの髪の毛が薄くなって来ているでしょう。あなたのその辛そうな様子で、後ろ髪を引かれることが多くなっているんだよ」と言って後頭部を軽く叩いて見せてあげる。そうしたら、雅子がそれまでになかった大きな声で噴出してくれて、心が和んだのだった。
 これに味をしめて、「どうだい。二枚目だろう!」と言って、顔を近づけてやると、堪らないように噴出してくれる。しかし、このギャクは、演じる一考も、慣れているとは言え、複雑な心境だ。(以下、明日に続く)

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