何事にも真相を知りたいと思うのは、いわゆる覗き見趣味といった類のものは別として、正常な人間の正常な要求である。
1.独り言コラム
日米安保条約を巡る「非核三原則」や沖縄返還交渉を巡っての、いわゆる密約の存在が取り沙汰されている。前者については、岡田外相が徹底調査を指示していて、特別チームによる調査が進められている。一方、後者については、その密約開示を要求している元毎日新聞、西山太吉記者らが訴えている裁判に、条約交渉メンバーの一人だった元官僚の吉田文六氏が、12月1日の公判に出廷して証言することが決まったという。なかなか面白い展開だが、心配なのが、出廷を予定されている吉田さんは91歳というご高齢であることだ。その日まで健康であって欲しいと思っている。当時、情を介してスクープしたということで騒がれた事件だけに、徹底的に真相を明らかにして欲しいと筆者は思っている。
ところで、真相という意味では、最近目にした日経新聞に、ちょっと気になる二つの話題が取り上げられていた。
その一つが、美空ひばりの離婚の真相である。日活の俳優の小林旭さんと結婚して2年も持たずに離婚した。筆者が関心を持ったのは、小林旭氏はひばりの葬儀告別式などには、一切顔を出さないという事実に対してである。二人の結婚に何があったのか、その真相に多少の関心を持っていた。
その辺りのことに関して、日経新聞の日曜(10月18日)に連載が再開された瀬戸内寂聴さんの「奇縁まんだら」で、明らかにされているので、以下に、引用させてもらう。
「旭さんが、あまり尽くされすぎて亭主らしく大きくなってきて、あたしの歌まで批判して、こう歌うべきだなどいいだしたんです。それって、ちょっと、ねえ…あたしはあの人の歌の批評などぜったいしませんでしたよ。それに、ママと暮らせないので、ママがとても可哀想になってきて、…」
まあ、分からないこともないが、真相という意味では、それが全てではなかろう。筆者は、張本人の小林旭さんのコメントを是非聞きたいと思っている一人である
もう一つの話題は、同じく日経の最終面で、いつもなら交遊録と題されたコーナーだが、この日は喪友記と名称を変えて、脚本家の早坂暁さんが南田洋子さんを悼むと題して書いておられる。(10月26日付)その冒頭に、次のようなくだりがあるので、これまたそのまま引用させて頂く。
「そうでなくても秋の都の夕暮れは寂しいのに、南田洋子さんが病院で人工呼吸器を外されて旅立たれたと聞き、秋雨の涙が流れた。」
筆者が気になったのは、「人工呼吸器を外されて旅立たれた」の部分で、それがその通りの事実だったのかという疑問である。若し、その表現通りだったなら、これは事件である。なぜなら、生前の南田さんから人工呼吸器を外したことになる。早坂さんが、そんな意味ではなく単に「亡くなられたので、人工呼吸器を外されて」と云うのをこんな具合に表現をしたというだけなのか、その真相を知りたい。
2.プライベートコーナー
3時20分起床。体重、61.2Kg。お天気は良さそうだ。
昨日の雅子だが、熱は未明に一時、37.2度を記録したが、その以外は、前日から含めて37.0度以下で、安定していて、入浴も予定通りさせてもらった。しかし、一考が気になったのは、呼びかけに対する雅子の反応が、今一つだったことである。いずれにしても、雅子の一進一退の戦いが続いている。
3.連載、難病との闘い(1012) 第三部 戦いはまだまだ続く(306)
第七章 しつこい敵(22)
2.再びアウエイでの闘い(6)
(2)治療の始まり (その1)
直ちに始められた抗生剤の投与で、炎症の治癒は順調に進み、入院して6日目の26日の朝からは、中断していた栄養剤の投与が再開された。この日は熱が38度もあって雅子は苦しそうな表情をしていた。
案の定と言うべきか、3時間も経たない10時頃には、懸念していた下痢が起きた。それが、時間的には予期以上の急行便で、言ってみれば、投与即下痢といった状態と言えるものであった。
翌日は、朝からX線とコンピューターを使っての腹部と骨盤の撮影があって、ベッドごと検査室に移動していた。ベッドのないぽっかりと空いたスペースを見ていると、主のいない家庭のようで、一考は今の自分の家庭のように、何か物足りない物悲しさを覚えるのだった。しかし、そんな感慨に耽っている暇もなく、撮影を終えた雅子は直ぐに戻って来た。要するに、検査と治療は、てきぱきと順調に進められていた。
さて、その後の雅子の経過だが、やはり下痢は止らず、2日後からは、その対策として、下痢止め剤としての整腸剤の併用となった。しかし、その効果も今一つのようで、翌朝に一考が部屋に入ると、雅子のベッド脇には、それまでよりもかなり多い洗濯物が置かれていて、下痢が治まっていないことを物語っていた。また、熱も相変わらずで、上がり下がりを繰り返していた。
その頃になって、痰の様子が少し違ってきていた。吸引してもらう頻度が減ったのである。これには、快方に向かっているのではという期待を抱かせたのだが、よく観察すると、雅子が自分の口の中に痰を蓄えるようになっていて、我慢するスタイルに変わってきていたのである。つまり、看護婦さんが定期的に吸引すると、今までよりも多い量を取り出すようになっていたという。恐らく、自分で緊急ボタンを押せないという事情から、自己防衛的なスタイルになって来ていたと思われる。
入院してちょうど1週間後の金曜日の夕方に、一考はK先生から雅子の病状の最新状況を聞くことが出来た。その大要は次のようなものだった。
1)二次性の肺炎が見られるので、引き続き抗生剤で対応している。
2)熱は、誤飲と尿路感染によるものと思われる。
3)下痢については、胃ろうへの投与の条件を変えて、それが起き難い条件を探しているが、まだ結論は見出していない。胃ろうの付け根付近からの漏れが依然として顕著であり、そのことを勘案すると、若しかしたら、胃ろう自体の設置が適切でなかった可能性も考えられるという。
胃ろう設置手術が適切ではなかったのではとのK先生の示唆に、一考は結構な驚きを覚えたが、全体としては、雅子の治療が順調に進められているとの報告に、ともかくも、ほっとした気持ちになっていた。(以下、明日に続く)